きらきら
最新 最初 全 
#665 [向日葵]
看護師「寛和さん!」
執刀医「輸血の流れる速度早くして!」
看護師「ハイ!」
―――――……
知ってるこの声。
どこかで聞いた。
「―――……ごくん!」
珊瑚「…佳苗?」
いや違う。
その声を聞けば嬉しくて、振り向かずにはいられない。
:07/04/07 22:17
:SO903i
:fVOPQGbk
#666 [向日葵]
大好きで……大好きで大好きで仕方ないくらい。
でも自分は泣かせてばかりで、守れてなくて……
でも、君は言ってくれた。
自分も俺を守ると。
だから……帰るよ。
珊瑚は声のする方に足を進めた。
嬉しかった。その言葉。
俺の愛しい人……。
「珊瑚君!」
珊瑚「…友姫……」
:07/04/07 22:21
:SO903i
:fVOPQGbk
#667 [向日葵]
その名を呟いた瞬間。
珊瑚は光に包まれた。
――――……
パッ
手術中の電気が消えたのに気付き、私達はその方に目をやった。
バンッ
看護師「……もぅ心配ありませんよ。」
友姫「……!!――っふっ…うわぁぁぁ!!」
私は支えてくれてた秋帆の胸に顔を埋めて泣いた。
よかった……
ホントによかった……
:07/04/07 22:29
:SO903i
:fVOPQGbk
#668 [向日葵]
みんなが喜ぶ中、深夜は涙を堪えている様子だった。
私はかまっていられず、ひたすら泣いていた。
?「!ハァハァッ!」
暁「あ、おばさん……。」
私は走ってきた様子の女性に目を向けた。
『珊瑚君の……お母さん……』
珊瑚母「さ……っ珊瑚……は?」
暁「大丈夫ですよ。途中血が足りなくて、こちらの友姫ちゃんが輸血してくれたんだ。」
:07/04/07 22:33
:SO903i
:fVOPQGbk
#669 [向日葵]
白月君が紹介してくれた私を見る珊瑚君のお母さん。
年はわからないくらい若く見える。
よく見れば珊瑚君に似てるのかもしれない。
珊瑚君のお母さんはゆっくり私に近づいてきた。
私は涙を急いで拭き、珊瑚君のお母さんに向き直った。
珊瑚母「…っありがとう……本当に……ありがとうねぇっ……」
:07/04/07 22:38
:SO903i
:fVOPQGbk
#670 [向日葵]
涙を流して震える手で私の手を握って珊瑚君のお母さんはお礼を言ってくれた。
その手の暖かみが、珊瑚君を思い出させて私もせっかき涙を拭いたけどまた沢山流れてきた。
友姫「ぃ……いえ…いえっ……!」
それだけしか言えなくて、ただただ喜びあった。
―――……
今日は面会は出来ないらしいので私達は帰ることにした。
:07/04/07 22:42
:SO903i
:fVOPQGbk
#671 [向日葵]
私は布団の中で今日のことを考えた。
先の不安をしても仕方ない。もし今日みたいなことがあって、2度と何も伝えることすら出来なくなったら……。
だから今、珊瑚君といる時間を大切に。
友姫「それにね……思ったの。」
珊瑚君は多分、私の側にいてくれるって。
そんな気がするの。
……だから約束するよ。
私も離さないから……
:07/04/07 22:53
:SO903i
:fVOPQGbk
#672 [向日葵]
―――……
秋帆「めっずらしー!友姫が数学のノートまとめてる!」
あれから数日。
珊瑚君のお見舞いにはまだ行ってない。
友姫「ウン。珊瑚君が休んでる間頑張ろうって。だからこれも応用クラスにいる友達のノート借りたの。」
私は珊瑚君のためにノートをまとめるので大忙しだった。
佳苗ちゃんがやると言ってくれたが私が無理矢理やらせてもらった。
:07/04/07 22:57
:SO903i
:fVOPQGbk
#673 [向日葵]
律「でもそろそろ行かなきゃ寛和も寂しがるわよ?今日あたり行ったら?」
友姫「ぅ……うん」
実は少し躊躇していた。
なぜならあのケンカ(?)以来だからなんだか緊張していた。
友姫「わかったよ……。」
・・・・・・・
602号室。
珊瑚君は個人部屋でこの中にいる。
友姫「……っぃよし!」
:07/04/07 23:01
:SO903i
:fVOPQGbk
#674 [向日葵]
まとめたノートを持っていざ出陣!……だけどドアはソローッと開けた。
中に入るとカーテンがかかっていた。
「……――……」
話声が聞こえる。
近くまで行って待つことにした。
声の主は
深夜「体……どぅ……?」
友姫「……!」
先に来ていたらしい。
:07/04/07 23:07
:SO903i
:fVOPQGbk
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194