きらきら
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#970 [○○&◆.x/9qDRof2]
現実から逃げ出したくなり、どれだけ夢ならいいと願ったか。それでも朝はやってきた。寒さも暑さも感じない朝は、叶わない願いを薄めていった。昨晩から母は私の肉体がある部屋から出て来なかった。

⏰:22/10/20 09:07 📱:Android 🆔:nvDpRiyU


#971 [○○&◆.x/9qDRof2]
家族の姿を見たくない私は、昨日の孝を思い出して興味本意で学校に行くことにした。朝の清々しさなど感じずに私は家を出た。いつもと違わぬ朝。違うのは私が死者だということ。私は学校までゆっくりと歩きだして行った。

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#972 [○○&◆.x/9qDRof2]
その道すがらで、自分の死について考えてみた。そこで初めて、死の瞬間をよく覚えてないことに気付いた。それどころか、今までの記憶が曖昧になっていることを自覚する。確かに覚えているはずなのに、小さい頃の記憶はおろか、嬉しかったことや悲しかったことなど、感情的な記憶しかない。

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#973 [○○&◆.x/9qDRof2]
最近のことすらわからない。今更ながらやはり夢じゃないかと疑いそうになった。制服を着ていることから、死んだ時も制服を着ていたのではないかと考えた。だとしたら、登下校か学校に滞在している間に事故か事件に巻き込まれたのだろうか。

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#974 [○○&◆.x/9qDRof2]
いくら推理しても答えは出なかった。結局思い出すこともなく、学校に到着してしまった。知っている人や知らない人、誰もが私に気付かなかった。中には私の身体を素通りする人もいた。人間の習性だろうか。

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#975 [○○&◆.x/9qDRof2]
擦れ違うときについ体を逸らして避けようとして、何度も避ける必要がないことを思い出して苦笑した。教室に着けば、丁度朝のHRが始まった所だった。私はとりあえず教室の一番後ろに置いてある自分の席の辺りに移動することにした。私の席は孝の隣だ。隣の孝を見れば、昨日と変わらず何を考えているかわからない表情で俯いていた。

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#976 [○○&◆.x/9qDRof2]
気まずそうな表情をした初老の担任が、教壇に立つと同時に口を開いた。私は孝が気になりながらも、正面に顔を戻した。


「皆さん。すでに知っていると思いますが、先日、桜井千恵さんが下校中に交通事故で亡くなりました」

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#977 [○○&◆.x/9qDRof2]
 私はそこで初めて自分の死因を知った。担任は教壇から動かずに続ける。


「信号無視の轢き逃げだと警察から聞かされました。犯人は捕まったようです」

それを聞いた私はつい自嘲気味に笑いを漏らしてしまった。信号無視の轢き逃げ、か。我ながら馬鹿らしい死に方をしたものだ。

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#978 [○○&◆.x/9qDRof2]
何だか自嘲することで怒りを抑えてる気がした。相手を探して呪ってやろうかとも考えたが、幽霊やら何やらは信じない主義だから断念した。現在の自分の状態はとにかく、考えだけは変える気はない。矛盾しているかもしれないが、それが私の考えだ。担任は長々と私の死について語った。

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#979 [○○&◆.x/9qDRof2]
「未来ある若い命が、」
「人生これからという若さで、」

始終、私は他人事のような気がしてならなかった。今一つ実感が沸かず、担任には申し訳ないがあまり感動はしなかった。しばらくして、ようやく話が終わりを迎えた。

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