からっぽの心
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#201 [みぃ]


涙が枯れるくらい泣くって、どんなの?



まだ枯れてない?


早く枯れて、
ひからびて死んじゃえばいいんだ。

そしたら、こんな想いする必要ないよね。



早く、楽になりたい。

⏰:07/07/14 03:35 📱:SH903i 🆔:lFkvOcOY


#202 [みぃ]

――――----・・・・・


『・・・は・・・はぁ・・・。』


拒絶反応で、湿疹と共に熱も出てきた。


「もう・・・何やってんの。」


川口先生が額のタオルを代えてくれる。


「・・・泣いたって、美優は還ってこないよ。」

⏰:07/07/14 03:40 📱:SH903i 🆔:lFkvOcOY


#203 [みぃ]


そんなこと 分かってるよ。


分かってても止まらないんだもん。


「ねぇ・・・夢芽?」

『・・・・・・・ん?』

「明日・・・。
 病院行こっか。」




――――――病院?

⏰:07/07/14 03:43 📱:SH903i 🆔:lFkvOcOY


#204 [みぃ]

『・・・湿疹なら、一晩寝たら治るよ?』


熱だって・・・。

レバー消化してしばらくしたら下がるもん。


「・・・そーじゃなくて。
 ・・・心療内科。」





心療・・・内科?

⏰:07/07/14 03:45 📱:SH903i 🆔:lFkvOcOY


#205 [みぃ]

「隣の駅にね・・・。
 すっごくいいお医者さんがいるんだって。
 一回、行ってみない?」

『・・・やだ。
 あたし、大丈夫だもん。』


額のタオルを目元まで下ろし、暗闇へと逃げる。


「何が大丈夫なの?!
 今までだったら無理してレバー食べるなんて絶対無かったじゃない!!」

『あれは・・・違うもん。』

「・・・え?」

⏰:07/07/14 03:49 📱:SH903i 🆔:lFkvOcOY


#206 [みぃ]

『無理なんてしてない!
 お姉ちゃんがいっつもどんな気持ちで食べてたか知りたかっただけ!』


暗闇に向かって叫ぶ。


「・・・だから、そーゆーのが不安定だって言ってるの。」


川口先生が目の上に乗っかったタオルを奪う。


『―――まぶし・・・。』

⏰:07/07/17 21:34 📱:SH903i 🆔:DsFKwV86


#207 [みぃ]


天井に吊された電気が容赦なく視界を襲う。


さっきと明るさは変わらないはずなのに、
ものすごく眩しい。


「暗い所に逃げるのは楽だけど、
 次出てくる時は前よりもしんどくなるよ。」


耳を塞いでしまいたかった。

⏰:07/07/17 21:37 📱:SH903i 🆔:DsFKwV86


#208 [みぃ]




川口先生の言葉が胸に突き刺さる。


先生の言ってる意味、
よく分かるよ。

分かってるよ?



でも、許せない。


あいつだけは、どうしても許せないんだもん。

⏰:07/07/17 21:40 📱:SH903i 🆔:DsFKwV86


#209 [みぃ]


その日は熱が体力を奪ってすぐに眠れたけど、
全然眠った気になれなかった。


「夢芽、大丈夫?」


既に学校へ行く準備の整った美輝が部屋のカーテンを開けながら言う。


『ん・・・。
 まだちょっと体はダルいけど、熱は下がったみたい。』


眩しい。

太陽の光が窓から差し、
今日の天気を示す。

⏰:07/07/17 21:45 📱:SH903i 🆔:DsFKwV86


#210 [みぃ]

「そ、良かった。
 じゃ、行ってくんね。」

『行ってらっしゃい。』


美輝は、膝上まで折ったスカートをなびかせながら、
足早に階段を降りて行った。


その様子をただ呆然と見守っていた。


熱が下がった反動なのか、
心が枯れているからなのかは分からないけど、

息をすることでさえ面倒臭い。

⏰:07/07/17 21:51 📱:SH903i 🆔:DsFKwV86


#211 [我輩は匿名である]
いっきに読みました

なんか、不思議な気持ちになります

更新待ってるんで、頑張って下さいね(・ε・)

⏰:07/07/20 02:04 📱:N702iD 🆔:z4V24LZI


#212 [みぃ]
匿名サン

コメありがとうございます

あたしの書いた小説で何か感じて頂けたら嬉しいです

更新します

⏰:07/07/22 22:30 📱:SH903i 🆔:GKuGWHgo


#213 [みぃ]

美輝は新しい高校で上手くいってるみたい。

毎日笑顔を絶やさずにいるところを見れば、
何も聞かなくても分かる。


みんな、ちゃんと新しい道を歩いてる。

大きな障害があっても、ちゃんと。


あたしだけが止まってる。

過去に捕われて、
過去を羨んで、

動けずにいる。


あたしだけ。

⏰:07/07/22 22:35 📱:SH903i 🆔:GKuGWHgo


#214 [みぃ]


「夢芽、用意できたー?」

『今行く。』


服を着替えて、車に乗り込む。


「今日行く病院の先生はね、三年くらい前に学会で認められた、すごい先生なんだって。
 それでね・・・。」


川口先生が運転しながら得意げにその先生のことを話してくれたけど、
まるで耳に入ってこなかった。

⏰:07/07/22 22:39 📱:SH903i 🆔:GKuGWHgo


#215 [みぃ]



流れる景色を見ているだけで、
何も考えていなかった。



着ぐるみを着てるみたい。


動いてるけど、
被ってるのは本当のあたしじゃない。

でも、中にいるのが本当のあたしなのか?
って聞かれると、答えられない。

⏰:07/07/22 22:43 📱:SH903i 🆔:GKuGWHgo


#216 [みぃ]



そもそも、

本当の自分って何?


誰か知ってるの?



自分ですら分からないのに。



それを見つけなきゃいけないって、決まってるの?



そんなもの、生きてく上で必要なの・・・?

⏰:07/07/22 22:45 📱:SH903i 🆔:GKuGWHgo


#217 [続きばっかですんません]


ねぇ・・・。


お姉ちゃんは本当の自分に会えた?



生きてるうちに見つけれた?




あたしはもう、あなたのいない世界で生きていく程の目的がないんだ。


ねぇ、

どうすればいい?

⏰:07/07/22 22:48 📱:SH903i 🆔:GKuGWHgo


#218 [みぃ]

「着いたよ。」


外の景色と同時に車の動きが止まり、
小さな建物の中へ入る。


住宅街の一角。

想像してた様な大きな病院じゃない。


「おいで、夢芽。」

⏰:07/07/25 21:40 📱:SH903i 🆔:EdRT1epg


#219 [みぃ]


自動ドアを抜け、
ホワイトで統一された壁の待合室が現れた。

平日だからか、午前中だからかは分からないけど、
他に患者はいなかった。


「ちょっと、座って待ってて。」


川口先生はそう告げると 受け付けへ行き、
先に診察室へと入って行った。


待合室のソファに座って窓の外を見てみた。

⏰:07/07/25 21:47 📱:SH903i 🆔:EdRT1epg


#220 [みぃ]


. ゚ 。

゚ ゜ 。

. 。

. ゜

゜ 。


空白の時間。

外からはうざったい程の春の日差し。

⏰:07/07/25 21:52 📱:SH903i 🆔:EdRT1epg


#221 [みぃ]




今日も太陽は頑張って こんなにもみんなを照らしているのに、

あたしの心は淀んでる。



誰も照らせない。




きっと、

これからもずっと。

⏰:07/07/25 21:57 📱:SH903i 🆔:EdRT1epg


#222 [みぃ]



「夢芽。」


何分経った頃かな。


診察室から出てきた川口先生があたしを呼ぶ。


「先生、外で待ってるから行っといで。」


重い気持ちを抱えて、
診察室へと向かう。

⏰:07/07/25 22:01 📱:SH903i 🆔:EdRT1epg


#223 [みぃ]


正直、誰かに話してどうにかなるんだれうか。

あたしの気持ちはあたしにか分からない。


どうせ、事務的な対処されるだけ。

それで、終わり。



――――コンコン・・・


「どうぞ。」

⏰:07/08/03 22:06 📱:SH903i 🆔:jzIdGWE.


#224 [みぃ]

声に応えるようにドアを開けると、
50代くらいの女の先生が笑顔で迎えてくれた。


「こんにちは、
 夢芽さん・・・ね?」

『あッ・・・はい。』

「そう。
 じゃあ、ここに座ってくれるかしら?」


言われるがままイスに座り、
先生と向き合う。

⏰:07/08/03 22:12 📱:SH903i 🆔:jzIdGWE.


#225 [みぃ]

診察室からは“病院”というものが全然感じられなくて、
“子どもの部屋”って感じ。

窓ガラスにはピンクや黄色のステンドグラス。


「眠れる?」

『えッ!?』


部屋を見渡していたあたしは、
先生の一言で現実へと戻される。

⏰:07/08/03 22:16 📱:SH903i 🆔:jzIdGWE.


#226 [みぃ]

「夜。
 見た感じ、快眠そうには見えないけど。」


―――あ・・・。くま。


『―――あんまり・・・。』


さっきまで頑なだった心も、
不思議と和らいでいた。


この部屋がそうさせるのか、先生の声がそうさせるのかは分かんないけど。

⏰:07/08/03 22:19 📱:SH903i 🆔:jzIdGWE.


#227 [みぃ]


「川口先生から全部聞いたわよ。
 ・・・大変だったわねぇ。」



別に同情して欲しかった訳じゃない。

ただ、先生の声が本当に心のこもった声で、

優しくて、

あたしを包んでくれてるみたいで・・・。


自然と涙がこぼれたの。

⏰:07/08/03 22:23 📱:SH903i 🆔:jzIdGWE.


#228 [みぃ]

 
『―――ごめんなさ・・・。』


急いで涙を拭おうとするあたしの手を、
先生の手が掴む。


「拭かなくていいよ。
 泣きたい時は泣けばいいの。」

『だって・・・。』

「我慢するから、そんな顔しなくちゃいけなくなるの。
 先生の前では我慢しなくていいから。」

⏰:07/08/08 02:35 📱:SH903i 🆔:hw/5GTf2


#229 [みぃ]
 

先生は小さい子をあやすみたいに、
あたしの頭を優しくなでる。


「先生しかいないから。
 夢芽ちゃんの思ってること、全部話して?」




それからの事は、
はっきりと覚えていない。


上手く説明できたか分かんないけど、全部話した。

⏰:07/08/08 02:38 📱:SH903i 🆔:hw/5GTf2


#230 [みぃ]

お姉ちゃんのこと

後悔

大原大志のこと

憎悪

豊のこと

不信感



先生はうんうん、って頷きながら、
ずっとあたしの手を握ってくれていた。

⏰:07/08/08 02:42 📱:SH903i 🆔:hw/5GTf2


#231 [みぃ]


その手が本当に温かくて・・・。


顔も覚えてない自分の母親の姿を重ねた。


あたしを捨てた親。


二度と顔も見たくないって、思ってた。



でも今、目の前の先生の温もりが、自然と母親の温もりと重なる。

⏰:07/08/08 02:45 📱:SH903i 🆔:hw/5GTf2


#232 [みぃ]

「あなたは一人ぼっちじゃないのよ?」


心の奥底で望んでいた言葉。

いつか、お姉ちゃんが言ってくれた言葉。


あたしが本当はずっと望んでいた言葉。



この先生、何であたしの考えてる事が分かるんだろう。

何で、あたしの欲しい言葉をくれるんだろう。

⏰:07/08/08 02:48 📱:SH903i 🆔:hw/5GTf2


#233 [お久しぶりです]


心に沈んだ思い鉛が、
少し軽くなった気がした。


散々泣いた後に先生は笑顔で、

「泣きたくなったらまたおいで?
 他の人には内緒にしてあげるから。」

そう言い、口元に人差し指をあてる。


『・・・泣きたくなかったら、来ちゃダメ?』

⏰:07/08/26 13:04 📱:SH903i 🆔:0za1Wi56


#234 [みぃ]

先生は一瞬きょとんとした顔をして、すぐに笑った。


「いつでもおいで。
 待ってるから。」


部屋を出る時に軽く会釈をして、
ドアを開けた。


「夢芽!」


待ち合い室にいた川口先生が、
あたしの顔を見るなり駆け寄ってきた。

⏰:07/08/26 13:07 📱:SH903i 🆔:0za1Wi56


#235 [みぃ]
 


「どうだった?
 うまく話せた?!」


川口先生が不安そうな顔をして尋ねる。

“どうだった?”

・・・なんて聞かれても、
どう答えたらいいのか分かんない。





『・・・来てよかったよ。』

⏰:07/08/26 13:10 📱:SH903i 🆔:0za1Wi56


#236 [みぃ]

あたしの一言で川口先生の顔に笑顔がこぼれる。


「・・・夢芽ぇー!!」


ニタニタしながらあたしを抱きしめる。


『うぜぇー!
 ちょ、離れてよー!』


それでも川口先生は離れてくれようとしない。

⏰:07/08/26 13:34 📱:SH903i 🆔:0za1Wi56


#237 [みぃ]

『ちょ、何ニヤニヤしてんの、きもいッ!!』

「嬉しんだよー!」

『うざぁー!』


でも、悪い気はしない。


あたしにも人を照らす力は残ってる。



まだ、照らし続けられるかな。

⏰:07/08/26 13:36 📱:SH903i 🆔:0za1Wi56


#238 [みぃ]


その日は処方してもらった薬が効いたのか、
気持ちが楽になったのかは分からないけど、
帰ってから泥のように眠った。

目が覚めた時、
外は真っ暗だった。


『――――今・・・
 何時・・・。』


枕元の時計は3時21分を表している。

(あたし・・・14時間以上寝てたんだ。)

⏰:07/08/27 23:27 📱:SH903i 🆔:XUoEPv1I


#239 [みぃ]


眠りすぎて頭が重い。


(こんなに眠れたの、久しぶり・・・。)


そんな事を考えているうちに、
どうやら腹の虫も起きたみたい。


昼と夜食べてないし、
さすがにお腹空いたや。

⏰:07/08/27 23:29 📱:SH903i 🆔:XUoEPv1I


#240 [みぃ]

真っ暗の廊下を音を立てないように忍び足で進んでいく。


もう、とっくに就寝時間過ぎてるし。

宿直の先生も寝てる時間だし。


階段を降りて、食堂へと進む。


『―――・・・あれ?』


食堂・・・明かりついてる。

⏰:07/08/27 23:32 📱:SH903i 🆔:XUoEPv1I


#241 [みぃ]

『こんな時間におじちゃんいる訳ないし・・・。』


恐る恐る近づく。


(消し忘れ・・・?)


ドアの前まで来た時、
明かりが消えた。




・・・と、同時に勢いよくドアが開いた。


『――――うわッッ!!』

⏰:07/08/27 23:36 📱:SH903i 🆔:XUoEPv1I


#242 [みぃ]

突然目の前に現れた人影に驚いて大声が出た。


「―――ちょッ・・・!」


影の主はそう言ってあたしの口を塞ぐ。





―――――何?!


暴れようとするあたしの体を押さえつける。

⏰:07/08/27 23:39 📱:SH903i 🆔:XUoEPv1I


#243 [みぃ]



やだ・・・。




怖い・・・。 怖い!!





「―――――・・・夢芽?」

⏰:07/08/30 14:56 📱:SH903i 🆔:GuaCcmaM


#244 [みぃ]


戸惑いながら発せられたその声は、
聞き覚えのあるものだった。

暗闇に慣れた瞳がその姿をとらえる。





『・・・・・・・・・豊?』

⏰:07/08/30 14:58 📱:SH903i 🆔:GuaCcmaM


#245 [みぃ]

掌でこもった声を豊は理解したらしく、
ゆっくりとあたしから離れる。


「あー、やっぱ夢芽か!
 ごめんな、
 びっくりさせて。」



―――――豊だ。



一気に全身の力が抜ける。

⏰:07/08/30 15:01 📱:SH903i 🆔:GuaCcmaM


#246 [みぃ]


『・・・びっくりしたぁ。
 何してんの、こんな時間に。』

「え?  いやー・・・。
 腹減って死にそうだったから・・・。」

『盗み食い?』

「それ!!」


小声ながらも、
豊はニカッと笑う。

⏰:07/08/30 15:04 📱:SH903i 🆔:GuaCcmaM


#247 [みぃ]

「夢芽は?」

『・・・あたしも盗み食い。』


あたしの言葉を聞いて、
豊はまた笑う。


豊はあたしの手を引いて食堂へ戻り、
慣れた手つきで食料をあさる。


豊と普通に話せてる自分にびっくりだよ。

⏰:07/08/30 15:08 📱:SH903i 🆔:GuaCcmaM


#248 [みぃ]

昨日あんなことがあっのに、豊はいつも通り。



あたしの気持ち、
分かってないの?

あたしが傷ついたの、
気付いてないの?



昨日は豊に絶望、怒りしか感じなかったけど、

今はすごく不安だよ。

⏰:07/09/04 11:34 📱:SH903i 🆔:O1yqJ3Vk


#249 [みぃ]

愛することの意味を知ってしまった今、

愛されていないと思うことがこんなに苦しい。


勝手だよね。






「夢芽。 ん!」

⏰:07/09/04 11:35 📱:SH903i 🆔:O1yqJ3Vk


#250 [みぃ]

そう言って、
豊は両手いっぱいのパンを渡す。


『・・・ばぁか。
 こんな食えないよ。』


自然と笑みがこぼれる。


「ばか言うなッ!
 ってか、食え!
 おまえ、痩せすぎ!」

⏰:07/09/04 11:38 📱:SH903i 🆔:O1yqJ3Vk


#251 [みぃ]

ねぇ・・・豊。

それは、あたしの為?


あたしが心配だから?


豊の考えてること、
分かんないよ。





「良かったな。」

⏰:07/09/04 11:41 📱:SH903i 🆔:O1yqJ3Vk


#252 [みぃ]

『―――えッ?』


豊はパンを頬張りつつ、
静かに話す。


「夢芽、大分すっきりした顔してるよ。」

『・・・え、そぉ・・・?』


自分じゃ、あんま分かんないけど。


「一時はどうなるかと思ったけど、安心した。」


そう言って笑う。

⏰:07/09/04 11:44 📱:SH903i 🆔:O1yqJ3Vk


#253 [みぃ]


言わなきゃいけない。


今、伝えなきゃいけない。


豊に
‘ありがとう’
って。


『――――ゆ・・・』

「もう大丈夫だな。」

⏰:07/09/07 16:51 📱:SH903i 🆔:dsg2xI32


#254 [みぃ]


『・・・・・・・・え?』


私の声は豊の声と重なって消えてしまった。


「もう、オレの役目は終わりかー。
 でも、夢芽が元気んなって良かった!」





―――――役目・・・?

⏰:07/09/07 16:53 📱:SH903i 🆔:dsg2xI32


#255 [みぃ]


待って、役目って何?


まさか・・・

私の勘違いだよね、豊。


豊の言葉一つ一つに不安が渦を巻き始める。


お願いだから違うって言って・・・。


「明日、オレ先に行くからゆっくり寝ろよ。」

⏰:07/09/07 16:56 📱:SH903i 🆔:dsg2xI32


#256 [みぃ]
 


――――最後の言葉。


「おやすみ。」


豊は食堂から姿を消した。






頬に何かが流れた。

⏰:07/09/07 16:58 📱:SH903i 🆔:dsg2xI32


#257 [みぃ]

・・・まいったな。

これじゃ、最悪のパターンだよ。


あたしの不安が全て当たってしまった。


『・・・本当に・・・
 頼まれただけだったんだぁ・・・。』


口に出すと、悲しい気持ちは止められない。

涙がここぞとばかりに溢れてくる。

⏰:07/09/07 17:01 📱:SH903i 🆔:dsg2xI32


#258 [我輩は匿名である]
;>>73

⏰:07/09/10 02:18 📱:W42K 🆔:FIZzRsrI


#259 [我輩は匿名である]
>>73 ごめんなさいホ

⏰:07/09/10 02:18 📱:W42K 🆔:FIZzRsrI


#260 [みぃ]

匿名サン

アンカーありがとうございます'v`Pq)

更新します

⏰:07/09/11 17:11 📱:SH903i 🆔:DYaTq/wA


#261 [みぃ]
>>257


どうして思ってしまったんだろう。

自分が特別だなんて。


どうして・・・。




私の期待を打ち砕く豊の言葉。


それからしばらく、
その場から動けなかった。

⏰:07/09/11 17:14 📱:SH903i 🆔:DYaTq/wA


#262 [みぃ]

――――――――――――


朝日が差し込む。

カーテン閉めるの忘れちゃった・・・。


「ゆーめッ!おはよ!」


美輝が顔を覗かせる。


『あ・・・。
 おはよ、早いね。』

⏰:07/09/11 17:17 📱:SH903i 🆔:DYaTq/wA


#263 [みぃ]

美輝はもう制服に着替えてて、準備万端って感じ。


「さっき放送鳴ったよ。
 食堂行こッ!」


軽い足どりで部屋を出ていく美輝に圧倒されながらも、制服に着替える。


そこに一通のメール。


♪・・・♪・・・♪

⏰:07/09/11 17:20 📱:SH903i 🆔:DYaTq/wA


#264 [みぃ]

受信:遥

夢芽、大丈夫?
今日来れるぅー?(>_<)

ーーーENDーーー




――――行くよ。


あたしには会わなきゃいけない人がいる。

伝えなきゃならないことがある。

聞かなきゃならないことがある。

⏰:07/09/11 17:23 📱:SH903i 🆔:DYaTq/wA


#265 [みぃ]


朝食を済ませて門を出た時、そこにいつもの豊の姿は無かった。

激しい虚無感に襲われる。

あたしはまた、大切なものを失ってしまうのかな。


唇を噛み締め、バス停に着いた時、
ちょうどバスが通り過ぎていった。


『あー・・・。
 ツイてないなぁ・・・。』

⏰:07/09/11 17:29 📱:SH903i 🆔:DYaTq/wA


#266 [まみ]
楽しくみてます

あのぉ、もしかして主さんって、【世界】って小説書いてた方ですかぁ??

⏰:07/09/17 00:22 📱:N702iD 🆔:P5LtWA8.


#267 [みぃ]

まみさん

ありがとうございますー

はい、書いてましたよー(・3・)
知っててくれたのが嬉しいです(´`)プ

今から更新しますね'v`Pq)

⏰:07/09/17 14:54 📱:SH903i 🆔:tsK1y/vM


#268 [みぃ]
>>265


なんとなく次のバスを待つ気になれなくて、
学校まで歩いてみることにした。





あたし、後悔してる。


あんだけ豊のこと邪険に扱っといたくせに、
いなくなって、こんなに寂しい。

⏰:07/09/17 14:57 📱:SH903i 🆔:tsK1y/vM


#269 [みぃ]

学校までの道のり。


ひとりで歩いてみて分かったことがたくさんある。



ここの角はガソリンスタンドだったんだ、とか、

この信号、時差式でややこしいな、とか、

こんな所に幼稚園あったんだ、とか。


そんな些細なこと、
気付かなかった。

⏰:07/09/17 15:00 📱:SH903i 🆔:tsK1y/vM


#270 [みぃ]

なによりも、学校までこんなに距離があって、
時間がかかること。




気付かなかった。





いつもあたし、
下ばっか見てたから。

⏰:07/09/17 15:03 📱:SH903i 🆔:tsK1y/vM


#271 [みぃ]

気付けなかった。



でも、それだけじゃない。


豊がいたから、
周りに目が向かなかったんだ。



頬を流れる涙。

また出てきちゃった。

⏰:07/09/17 15:05 📱:SH903i 🆔:tsK1y/vM


#272 [みぃ]


なんだか最近、泣いてばっかだよ。



お姉ちゃんが今のあたしを見たら、
どう思うかな。


「何やってんの!」

って怒るかな。

「情けない!」

って笑うかな。

⏰:07/09/17 15:07 📱:SH903i 🆔:tsK1y/vM


#273 [まみ]
やっぱりそうだったんですかぁ

世界から楽しく読ませてもらってましたぁ

応援してるんでがんばってくださぁい

⏰:07/09/18 00:03 📱:N702iD 🆔:4l2E/shQ


#274 [みぃ]

まみサン

ありがとうございます
はい、がむばります(・艸・)

更新します

⏰:07/09/19 02:07 📱:SH903i 🆔:2OBIjsZk


#275 [みぃ]
>>272

ねぇ、お姉ちゃん。

あたし、意外と弱虫なんだ。

今回のことで分かっちゃった。


お姉ちゃんがいたから強くいられたみたい。




だから・・・。

今だけは力、貸しててね。

⏰:07/09/19 02:11 📱:SH903i 🆔:2OBIjsZk


#276 [みぃ]

――――‐‐‐・・


歩いて40分。

やっと学校に着いた。


もうとっくに一時間目は始まっていて、
校門には誰もいない。





真っ直ぐ向かう先は、
2年生の下駄箱。

⏰:07/09/19 02:14 📱:SH903i 🆔:2OBIjsZk


#277 [みぃ]

‘大原 大志’


この名前を見るのは何回目だろう。

このダイヤル式の鍵を開けるのも。



バカみたいな習慣。


でもね、
今日はいつもと少し違うんだ。

⏰:07/09/19 02:17 📱:SH903i 🆔:2OBIjsZk


#278 [みぃ]


カチ・・カチ・・カチ・・・


ダイヤル式の鍵をゆっくり回していく。


最後のダイヤルを回して
鍵が外れた瞬間、

左手に加わる強い力。


『――――ッ?!』


反射的に左を見る。

⏰:07/09/19 02:20 📱:SH903i 🆔:2OBIjsZk


#279 [みぃ]
<Div Align="center">< /Div>

「捕まえた。」



声の主は・・・。



『―――あ・・・。』


2日前、保健室にいた女。

大原大志と抱き合ってた女。

⏰:07/09/19 02:29 📱:SH903i 🆔:2OBIjsZk


#280 [みぃ]

しくっちゃいました

見にくくなってすみません

⏰:07/09/19 02:30 📱:SH903i 🆔:2OBIjsZk


#281 [みぃ]


「やっと見つけた。
 ・・・一年生か。」


女は、学年色のスリッパに視線を落とし、呟く。


「昨日、ロッカーに紙入ってなかったから、
今日は絶対入れに来ると思って張ってたんだよ。」




やばい。

バレた。

⏰:07/09/20 16:41 📱:SH903i 🆔:K2GG55Yk


#282 [みぃ]


心臓がおかしくなってしまったんじゃないかと思うくらい高鳴る鼓動。


「由美。」


‘由美’の後ろからゆっくりと姿を現したのは、
紛れもなく大原大志だった。


大原の目があたしを見据える。

⏰:07/09/20 16:46 📱:SH903i 🆔:K2GG55Yk


#283 [みぃ]


「あんたのせいでどんだけ大志が辛い想いしたと思ってんの?!」


由美の声は止まらない。


「あんた、何者?!
 何の目的で・・・
 大志に何の恨みがあってこんなことしてんの?!」

『――あたし・・・は・・・。』

「夢芽ちゃんだろ?」

⏰:07/09/20 16:51 📱:SH903i 🆔:K2GG55Yk


#284 [みぃ]






予想していなかった言葉。

頭の中で大原の声がこだまする。



『・・・・・・・・・・・・・え?』

⏰:07/09/20 16:54 📱:SH903i 🆔:K2GG55Yk


#285 [みぃ]

あたしと由美は同時に彼を見る。


「・・・大志?」

「夢芽ちゃんだよ。
 美優の妹。」


由美に語りかけるように優しく言うと、
今度はあたしを見た。


『なん・・・知って・・・?』


あたしが最後まで言い終わらないうちに、
強く頷いた。

⏰:07/09/20 16:57 📱:SH903i 🆔:K2GG55Yk


#286 [我輩は匿名である]
気になる

⏰:07/09/25 03:12 📱:W42K 🆔:BYVikq5g


#287 [まゆき]
途中感動しました!

⏰:07/09/26 18:13 📱:N902i 🆔:PQ8LJzWc


#288 [ナナ]
今一気に読みました〜
めッちャおもしろい
楽しみにしてるんで更新よろしくお願いします

⏰:07/09/27 12:29 📱:SH904i 🆔:hmcYzC/k


#289 [みぃ]
匿名サン

気にならせて更新遅れてすみません
ありがとうございます

まゆきサン

ありがとうございます
あたしの文で何か感じて頂けたら嬉しいです

ナナサン

ありがとうございます
ほんと更新まちまちてすみません
これからもお付き合いして頂けたら嬉しいです

更新します

⏰:07/09/27 22:25 📱:SH903i 🆔:NoNXZDjI


#290 [みぃ]
>>285


「待って・・・大志。
 栗山さんって・・・妹いないでしょ?
 ・・・だって・・・。」


‘施設の子だから’


由美は、そう言いたかったんだと思う。


大原は笑って、
「妹だよ。」
と、笑った。

⏰:07/09/27 22:35 📱:SH903i 🆔:NoNXZDjI


#291 [みぃ]


「夢芽ちゃん、はじめまして。
 何か・・・オレに言いたいことあるよね?」


あたしの気持ちをなだめようと優しい言い方をしてるのが見え見え。

うざったい。


虫ずが走る。

⏰:07/09/27 22:39 📱:SH903i 🆔:NoNXZDjI


#292 [みぃ]


言いたいこと・・・。


そうだよ。

いっぱいあるよ。



『・・・人殺し。』

「―――ちょッ・・・!!」


何か言おうとする由美を制して、
大原はゆっくりと頷く。

⏰:07/09/27 22:44 📱:SH903i 🆔:NoNXZDjI


#293 [みぃ]

「他には?」


『・・・守ってもらってばっかで・・・
 格好悪い。』

「―――うん・・・。」


大原が悲しそうに微笑む。


『・・・大切な人を自分が殺したくせに・・・
 女に守ってもらうなんて・・・ずるい。』

⏰:07/09/27 22:48 📱:SH903i 🆔:NoNXZDjI


#294 [みぃ]

「――――あんた・・・。
 何言ってんの?」


大原の制止を振り切って、
由美は言う。


「殺したって、何?!
 そんな言い方しなくてもいいじゃんっ!!」

『―――だって・・・。
 実際にそうじゃん!!』

「何がっ!?」

『お姉ちゃん捨てて、
 自分だけ助かろうとしたんじゃん!!』

⏰:07/09/27 22:53 📱:SH903i 🆔:NoNXZDjI


#295 [みぃ]






静まりかえる2人。


しばらくして、
口を開いたのは由美だった。


「あんた・・・何言ってんの?」

『・・・・・え?』

⏰:07/09/30 23:35 📱:SH903i 🆔:ImWtXexk


#296 [みぃ]

「あんたのお姉ちゃんはねぇ、自分を犠牲にして・・・
 大志を突き飛ばしたんだから!!」

「由美!!」




大原の声で由美は口を閉ざしたけど息は乱れていて、
まだ何か言いたそうだ。


『・・・な・・・に・・・。』

⏰:07/09/30 23:41 📱:SH903i 🆔:ImWtXexk


#297 [みぃ]


由美の言った言葉を理解しようと必死に脳を働かせるけど、
思考が追い付かない。




突き飛ばす?
お姉ちゃんが?

なんで?

大原を助けるために?
大原が避けたのに?

⏰:07/09/30 23:44 📱:SH903i 🆔:ImWtXexk


#298 [みぃ]

汗が流れるのは
6月の蒸し暑さのせいじゃない。

頭がクラクラするのは
照りつける日差しのせいじゃない。



「・・・夢芽ちゃん。」


真っ白な頭の中に突然入ってきた大原の声に、
体がこわばる。

⏰:07/09/30 23:46 📱:SH903i 🆔:ImWtXexk


#299 [みぃ]

「今さら・・・何だよって思うかもしれないけど、
 ちゃんと話したい。」



話す?
何を?



「美優のこと、
 夢芽ちゃんの口から聞きたいんだ。」


あたしがあんたに?

⏰:07/09/30 23:49 📱:SH903i 🆔:ImWtXexk


#300 [みぃ]

『・・・・・・・・・・・・いや。』


やっとのことで絞り出した声は、
とても小さかったけど大原には届いたみたいだった。


一瞬、悲しそうな顔が浮かんでたから。



『――なんで・・・
 あんたなんかと話さなきゃなんないの・・・?』

⏰:07/10/07 18:53 📱:SH903i 🆔:iKYy846Y


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