新☆きらきら
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#632 [向日葵]
結女「はぁっ?!なんでっ!」
波奈「いい機会じゃない?林先生忘れる。」
その名を聞いて、私の鼓動は不規則に跳ねた。
林先生の事を知ってるのは波奈と友姫姉ちゃんと真貴しかいない。
結女「止めてよ…。忘れる口実に大牙さんを無理矢理好きになんてなりたくない……。」
波奈はまた溜め息をついて、頭を撫でながら「ゴメンゴメン」と呟いた。
好きになるなら、自然に好きになりたい。
口実で……なんて、とても失礼だ。
:07/06/21 15:21
:SO903i
:IsdtrQz6
#633 [向日葵]
:07/06/21 22:07
:SO903i
:IsdtrQz6
#634 [向日葵]
しばらくして、ポツポツと雨が降りだした。
窓に当たる雨をぼーっと見ながらコーヒーを飲む。
波奈も何も言ってこない。きっと気を使ってくれてるんだと思う。
それで良かった。
結女「帰ろっか!」
波奈「ウンそうだね。」
飲みきっていないコーヒーを持って外に出た。
ウィーン
『誰か入ってきた。よけなきゃ』
「結女?」
:07/06/22 12:40
:SO903i
:M9kb1RuU
#635 [向日葵]
私は一瞬目が凍りついた。
懐かしいあの日々が、まるで走馬灯かの様に脳裏に次々蘇る。
固まってしまった筋肉をなんとか動かし、名前を呼んだ本人を見た。
結女「せ……んせっ……。」
そこにいたのは紛れもなく先生。
そして……後ろにいるのは……。
奥さんだ……。
先生は傘を畳むところだった。
周りの雑踏が一気に聞こえなくなって、傘から滴り落ちる水の音が聞こえる……気がする。
:07/06/22 12:44
:SO903i
:M9kb1RuU
#636 [向日葵]
「こんにちは。」
ニコッと優しく、そして大人っぽい笑顔を向けてくれた奥さんに、あたしは何も返す事が出来なかった。
気がついたら雨の中を走っていた。
制服に水が染み込んで行く。
生ぬるい空気があたしの喉を絡めとって息がしにくくなる。
そういえば波奈があたしを呼んだ気がする。
でもあたしの意識はその時なくて、ひたすら駅まで走った。
ホームに上がった途端電車が来た。
乗り込んであたしはドア近くの隅っこにたたずむ。
:07/06/22 12:49
:SO903i
:M9kb1RuU
#637 [向日葵]
急な雨だから、ずぶ濡れなのがあたしだけじゃなく、目立たないのが救いだった。
「ドアが閉まりまぁーす。」
閉まっていくドアをただ見つめる。
すると
ガッ!
いきなり手が入り込んできて、ドアが閉まるのを止めた。
息切れしながら入ってきた相手に私は目を見開く。
結女「大牙……さん。」
:07/06/22 12:52
:SO903i
:M9kb1RuU
#638 [向日葵]
声をかけられた大牙さんは私と同じくずぶ濡れだった。
大牙「なんだ…。またアンタか。」
プシュー
ドアが閉まり、電車が動き出した。
カバンをゴソゴソしていた大牙さんはタオルで適当に頭を拭くと、あたしの頭においてワシャワシャ拭いてくれた。
大牙「タオル持ってないのか?少しぐらい拭けよ。」
年上はズルイ。
子供扱いして優しさを心の中に置いていく。
:07/06/22 12:56
:SO903i
:M9kb1RuU
#639 [向日葵]
その優しさの種が、どう育っていくかなんてしりもしないでしょ?
私は大牙さんに先生を重ねてそう思った。
大牙さんは未だに頭を拭いてくれてる。
その手の体温が、あたしの心をぐしゃぐしゃに掻き回してダメにしていく。
折角我慢してたのに……。
ポタッ
雨の滴じゃないものが頬を流れる。
それに気付いた大牙さんは手を止め、少しあたしの頭を上に向かした。
:07/06/22 13:00
:SO903i
:M9kb1RuU
#640 [向日葵]
次々に流れていく涙。
泣きたくなかった。
先生を想って泣きたくなんかなかった。
だってそうでしょ?
無理なのに想い続けて何になるの?
歯を食いしばり、鳴咽が漏れない様頑張る。
でも、無理だった。
だって……あたしの頭を大牙さんの胸に押し当てたから。
暑いハズの人肌が心地よくて、涙が更に流れを増す。
大「何があったか聞かない。でも我慢はするな。」
:07/06/22 13:05
:SO903i
:M9kb1RuU
#641 [向日葵]
何かが崩れていった。
あたしは大牙さんの脇腹のシャツをギュッと掴んで胸に顔を埋めて少しずつ悲しみにくれていった。
周りなんて気にしない。
今は大牙さんの温もりが一番欲しかった。
泣いてる間大牙さんは何も言わず、ただ抱き締めてくれた。
・・・・・・・・・・・・
:07/06/22 13:10
:SO903i
:M9kb1RuU
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