新☆きらきら
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#770 [向日葵]
その声に驚いた私達はすぐに家の方へ目を向けた。
友姫「お母さん?」
珊瑚君は無言でツカツカ歩いてドアを開けた。
バンッ!
珊瑚「母さんっ?」
目の前にいたのは半泣きになったお母さんと、玄関にたっていた
珊瑚君のお父さんだった。
珊瑚母「珊瑚……。」
珊瑚「帰れよ。」
低い声で珊瑚君が唸った。
どこかで見たと思ったら、珊瑚君にそっくりなんだ……。
:07/06/29 13:29
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#771 [向日葵]
無言の攻防戦が続く中、珊瑚君のお父さんが口を開いた。
珊瑚父「お嬢さん。携帯お忘れですよ。」
ニコッて笑って携帯を差し出してくれた珊瑚君のお父さんに対して、珊瑚君はお父さんの手から私の携帯を勢いよく掴むと私に押し付け、ドアを開けた。
珊瑚「アンタの居場所はここじゃないだろ?出口はこっちだ。帰れよ。」
お父さんは困った様に笑い、珊瑚君の近くまで歩いて止まった。
珊瑚父「珊瑚。お父さんと暮らす気はないか。」
:07/06/29 13:33
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#772 [向日葵]
耳を疑った。
珊瑚君も驚いている。
珊瑚父「私は今社長をやってるんだ。しかし跡取りがいなくてね。どうだい?」
珊瑚「てめっ……!」
友姫「珊瑚君ダメ!」
お父さんに殴りかかった珊瑚君を私は体一杯に止めた。
珊瑚君の息が荒い。
珊瑚「お前のせいで…母さんがどれだけ悲しんだと思ってるんだ…っ!」
珊瑚父「それはホントにすまなかったと思っている。だからこそ、その母さんを楽させる為に来ないか?」
:07/06/29 13:40
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#773 [向日葵]
珊瑚母「それこそ私は嫌よ!」
私はこの場にいていいか迷ったけど、私がいなければ絶対珊瑚君はお父さんに飛びかかってしまう。
お父さんはフゥと息を吐くと一歩外へ出た。
珊瑚父「私はイエスと言うまで何度も来る。」
すると珊瑚君はすっと居間に入ったと思ったらすぐに帰ってきた。
手には何か箱みたいなのを持っている。
その正体が分かって止めようとした時には遅かった。
:07/06/29 13:44
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#774 [向日葵]
友姫「珊瑚君だ」
ガスッ!
ズシャァァァァ……
お父さんに当たったのは塩を入れたケース。
玄関の床に雪の様に塩が積もる。
珊瑚「二度と来るな疫病神っ!!」
お父さんを無理矢理突き出すとバタンッ!!と大きな音を立ててドアを閉めた。
珊瑚君はドアノブを握り締めながら息をハァハァと荒く吐いている。
珊瑚母「友姫ちゃん。」
友姫「あ、ハイ。」
お母さんは疲れ果てた様に片手で顔を覆っていた。
声にも覇気がなく、いつものお母さんらしくなかった。
:07/06/29 13:49
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#775 [向日葵]
弱々しく笑顔を見せると、お母さんは「ゴメンネ」と呟いて部屋へ行ってしまった……。
玄関に私と珊瑚君だけが残される。
珊瑚「……俺が」
その声に振り向くと、珊瑚君は未だドアの方を向いてうつ向いていた。
珊瑚「俺が養子に行けば…、アイツはもう来なくなって、母さん達にも迷惑かけなくて済むかな……。」
私は一瞬めまいがした。
友姫「本気で考えてるの……?」
珊瑚君は小さな声で「少し」と答えた。
:07/06/29 13:55
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#776 [向日葵]
脳震盪を起こしたみたいに頭がくらくらする気がした。
友姫「珊瑚君がいなくなったら……その方が、お母さんは悲しむって…言ってたじゃない。」
珊瑚君はゆっくり私に視線を向ける。
友姫「私が止めても、結局は珊瑚君が決める事だし、私はよそ者だから、止めのもどうかと思う……けど」
そこで声が震えた。
珊瑚君が遠くに行ってしまったらもうきっと会えない。
:07/06/29 13:59
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#777 [向日葵]
そう思うと……
顔を見られたくなくて顔を背けた。
珊瑚「友姫……?」
顎から滴が落ちる。
珊瑚君……私は……珊瑚君がいなくなったらどうすればいいの?
友姫「誕生日に……そんなセリフ聞きたくなかったよ……。」
私はそれを行って部屋まで駆け上がった。
珊瑚「友姫!」
珊瑚君の目の前で私は部屋のドアを閉めた。
そしてドアにもたれながらズルズル床に崩れ落ちる。
:07/06/29 14:02
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#778 [向日葵]
珊瑚「友姫ゴメン!開けてくれ!!友姫っ!!」
本気か聞いた時、少しと答えた珊瑚君。
例えあれが少しも考えていないと答えていても不安はきっと消えなかった。
珊瑚君は優しいからお母さんや汰樹君の為に自分が犠牲になる。
それを知ってる。
だから悲しかった。
私は?
もう家族みたいなものなのに私はどうでもいいの……?
背後で珊瑚君がドアをドンドン叩いている。
私は涙が止めどなく溢れていた。
:07/06/29 14:07
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#779 [向日葵]
すると強攻突破で珊瑚君が部屋にドォン!と入って来た。
その反動で腰を思いっきり打つ。
珊瑚君はゆらりと部屋に入ってくると私を見つけて目の前でしゃがんだ。
そして私の肩を掴んで揺らした。
珊瑚「話を聞けよ!確かに少し思った!けど確実に本気なわけじゃない!」
友姫「もういい!!これ以上悲しくなりたくないっ!!」
両耳を塞いで珊瑚君の声が一斎届かないようにした。
:07/06/29 14:12
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