新☆きらきら
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#805 [向日葵]
珊瑚「お陰様で……俺を忘れてくれたさ。」

皮肉たっぷりな言葉に冷笑を浮かべ父の隣を通り過ぎた。

珊瑚父「私を!」

少し過ぎた所で珊瑚は立ち止まった。

珊瑚父「私を……警察に突き出すか……?」

珊瑚は前を見据えたまま話した。

珊瑚「そうだな……。それで無期懲役になればいいのに……。でももし、友姫に記憶が残っていたなら友姫はそんな事望まない。」

⏰:07/07/01 02:27 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#806 [向日葵]
それだけ言って、珊瑚はその場を立ち去った。

友姫の病室まで歩いて行くと、外には佳苗、暁、千歳がいた。

珊瑚「暁。」

珊瑚の方を向いた暁は、困惑した顔をしていた。
千歳も同様だ。
佳苗は顔を手のひらで覆っていた。
どうやら泣いてるらしい。

千歳「友姫ちゃん…俺らに“誰”とか言ってきたんだけど……。」

呆然と部屋を指差しながら千歳が呟く。

⏰:07/07/01 02:32 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#807 [向日葵]
珊瑚「あぁ…。知ってる。」

暁「珊瑚……お前…………。もしかして…。」

暁が言わんとしていることは分かっていた。
珊瑚はコクンと頷いた。
それだけで充分だった。

千歳「お前大丈夫かよ……っ!」

肩を掴み、揺らす千歳に、珊瑚はその手を振り払い、まるで苦痛に耐える様な顔をした。

珊瑚「大丈夫なわけ……ないだろ……っ。ふざけんな……。」

もどかしい気持ちが、珊瑚をイラつかせた。

⏰:07/07/01 02:35 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#808 [向日葵]
珊瑚は腕で顔を覆った。

珊瑚「ちょっと……1人にしてくれ……。」

そう言って、珊瑚はどこかへ行ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・

珊瑚は誰もいない外へ出ていた。
手すりに手を置いて街並みをぼんやりと見つめた。

友姫[珊瑚君。]

笑う友姫が脳裏に浮かぶ。

友姫[私にも……珊瑚君を守らせて……。]

自分はどれほどその言葉に胸が震えただろう。

⏰:07/07/01 02:40 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#809 [向日葵]
手を……見つめる。

自分が触れる度、顔を赤らめて、だけど嬉しそうに笑う友姫。

細くて壊れそうな彼女を抱き締める度愛しさでいっぱいになった。





なのに。

友姫「この男の人……誰?」

無関心な友姫が、そこにはいた。

珊瑚「―――――っ!!」

⏰:07/07/01 02:42 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#810 [向日葵]
てすりを強く握り締めてしゃがむ珊瑚。

うつ向いた顔の鼻先からは、みるみる滴が落ちてコンクリートの地面へ染み込んでいった。

もう……友姫は戻らないかもしれない。

そう思うと哀しみで押し潰されそうになった。

珊瑚「……っ!……っっ!!!!」

声にならない鳴咽が、青空の下に響いた……。

まるで、そこにいない人の名を必死に呼ぶ様に。

⏰:07/07/01 02:46 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#811 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・

秋帆達が帰ってまた病室で私は1人となった。

窓の外を見つめながら考える。

ふわふわのカワイイ女の子。さわやかな男の子。メガネをかけて頭よさそうな男の子。


……そして、綺麗な男の子。

あの目を見開いた顔が残像の様に頭に浮かぶ。

何故そんな顔をするの……?

秋帆[恋人だよ……?]

⏰:07/07/01 02:50 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#812 [向日葵]
友姫「恋人……。」

単語を呟く。
事の焦点がまったく合わない。

私は…何を失っているの?
夏休み?なら何故母さん達は顔を見せてくれないの?
どうして?何故?

いくつもの疑問が頭をよぎる。

その瞬間。

友姫「――ぅあっ!!」

頭に激しい頭痛。
何コレっ!!

友姫「ぃ……痛っ……いっ!!」

⏰:07/07/01 02:54 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#813 [向日葵]
頭を抱えてベッドにうずくまる。

手探りでナースコールを探す。
それよりも頭痛の方が勝っている。

友姫「だっ……れか……っ!」

ガラガラガラ

珊瑚「友姫っ!」

あの男の子が帰ってきてうつ伏せで丸まっている私の背中にそっと手を置いた。

珊瑚「どうした!」

友姫「頭……っ痛……っ!」

⏰:07/07/01 02:57 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#814 [向日葵]
でも……

友姫「あれ……。」

痛くて固く閉ざしていた目をゆるゆると開ける。

友姫「痛く…なくなった……。」

珊瑚「そうか……。」

男の子の声は、ホントに安心しているかの様に聞こえた。
男の子の顔を見ると、なんだか目が赤い気がした。

友姫「目……どうしたんですか?」

男の子はハッとして顔を背けながらなんでもないと言った。

⏰:07/07/01 03:01 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


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