【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#150 [オッズ]
次の瞬間、ミロは物凄い勢いでジェラルドに飛び掛かった。
あの体であんなに素早く動けるとは驚きだ。
さっきとは逆に、今度はジェラルドに包丁が突き付けられる。
「……クソッ」
ジェラルドは舌打ちをした。
「おい、ハンス。
こうなることは想定内だったんだろうなぁ?」
:07/07/05 20:24
:N700i
:☆☆☆
#151 [オッズ]
僕は怖ず怖ずと首を振った。
少し考えればこうなることはわかったはずなのに。
このままじゃ二人とも殺される……。
「……ごめん」
僕はその場に座り込んだ。
ジェラルドは思いっきり悪態をつく。
「喧嘩はおよしなさい。
ジェラルド君……君の美しい体を切り裂けるなんて光栄だ……」
:07/07/05 20:30
:N700i
:☆☆☆
#152 [オッズ]
巨大な包丁がギラギラと輝き、ジェラルドに迫る。
“やめろ!”
僕が叫ぼうとしたときだった。
「やめてっ!!」
甲高い叫び声がした。
もちろん僕の声ではない。
ミロの口元がほころんだ。
「おや……、ようこそいらっしゃい。
我が友キキよ……」
:07/07/05 20:41
:N700i
:☆☆☆
#153 [オッズ]
キキは息を切らせ、肩を震わせながらドアのところに立っていた。
「私は……あなたの友達なんかじゃないわ」
キキは冷たく言い放った。
僕は複雑な表情でキキを眺める。
キキは僕の視線に気付くと申し訳なさそうにした。
「ハンス!
ごめんなさい。私、昼間は安全だと思ってたの……」
僕はポカーンとした。
キキは何を言ってるの?
ミロの仲間じゃないのか?
:07/07/05 20:50
:N700i
:☆☆☆
#154 [オッズ]
キキはミロの方に向き直った。
「ジェラを離して」
厳しい口調だ。
キキの顔は不安と怒りが入り交じり、今にも泣きだしそうになっている。
「……ダメです」
ミロは細い目を限界までぱっちりと開いた。
キキは唇を噛み締めた。
僕は混乱のなか、美しい彼女がどうするつもりなのかをうかがった。
:07/07/05 20:55
:N700i
:☆☆☆
#155 [オッズ]
わずかな間、沈黙が続く。
そして、ついにキキが意を決したらしく、口を開いた。
「……だったら、
私がジェラの代わりになるわ―――…」
僕は固まった。
ジェラルドも呆然とキキを見つめている。
頭の整理がつかないうちにミロが話を進めた。
「……わかりました。
それでしたら、ジェラルド君を離しましょう」
満面の笑みだ。
:07/07/05 20:59
:N700i
:☆☆☆
#156 [オッズ]
キキは慎重にうなずく。
「あともう一つ……条件があるの」
「なんでしょう?」
ミロはそう言いながら、ジェラルドを僕の隣の檻に閉じ込めた。
「あなたが
醜くしてしまった町の人たちを元に戻して」
いくらなんでもその条件はのまないだろうと思った。
しかし、ミロは簡単に“わかった”と、返事をした。
「私を殺す前に元に戻して。いますぐに、ここで」
:07/07/05 21:06
:N700i
:☆☆☆
#157 [オッズ]
ミロがパチンと指をならした。
すると、どこからともなく布を引きずる無数な音が聞こえてきた。
そして、数分の間に部屋は切り裂かれた町の人々でいっぱいになった。
僕は息を呑んだ。
初めて切り裂かれた人たちを見た。
体中が紫や赤黒い色をしており、継ぎ接ぎだらけで縫い目からはぬるぬるとしたものがはみ出ている。
顔がまったく顔らしくないものや、体の一部がなくなっているものもいた。
:07/07/05 21:10
:N700i
:☆☆☆
#158 [オッズ]
性別はさっぱりわからず、腐敗臭がひどい。
服の代わりにボロ布を体に巻き付けている。
僕は気分が更に悪くなった。
切り裂かれた人がこんなにひどい姿をしていたなんて……。
「いきますよ」
ミロはそう呟くと、懐から小瓶をとりだした。
その中には液体が並々と入っている。
:07/07/05 21:14
:N700i
:☆☆☆
#159 [オッズ]
ジャクリーンに飲まされたものが頭を過る。
ミロは小瓶の蓋を開け、液体を人々に振り掛けた。
振り掛けながら呪文のようなものを唱える。
その途端、醜かった人たちが変わった。
もう醜くくなどなかった。
皆美しい、本来の姿に戻ったのだ。
僕は呆気にとられた。
:07/07/05 21:18
:N700i
:☆☆☆
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