【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#126 [オッズ]
僕の声は弱々しかった。

キキのことを信じ続けることはできそうになかった。

キキがミロの仲間ならば、話の筋道がつく。

僕とジェラルドが眠っているうちに、こっそりとミロのところに行って、僕らのことを教えたんだ。

だから、こいつはジェラルドのことを知っている。
もちろん僕のことも。

「嘘じゃないということは、あなたもちゃんとわかっているはずです」

⏰:07/07/03 19:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#127 [オッズ]
ミロの甘ったるい口調に吐き気がした。

言い返す気力もない。

キキが僕らを裏切った。

もう何が本当なのかわからない。

「あれは……本当なのか?」

ミロは首を傾げた。

「何がです?」

「町の人たちを切り刻んだこと……」

⏰:07/07/03 19:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#128 [オッズ]
ミロは唸った。

「それは……事実ですね。
ですが、誤解しないでいただきたいです。
彼らにいいことだと思ったから、私はああしたのですよ」

彼らにいいこと?

ミロは結局、頭のいかれた残忍な野郎で、キキもそれと大差はないわけだ。

僕は鼻で笑った。

「……狂ってる」

僕の言葉を聞いて、ミロは眉をぴくっと動かした。

⏰:07/07/03 19:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#129 [オッズ]
「……あまり調子にのらないほうが身のためですよ」

ミロは苦々しげに言い、突き刺さるような視線を僕に送った。

そして付け加える。

「どっちにしても、もう遅いですがね……」

その時、ようやくミロが手にしているものに気付いた。

今までに
見たこともないような大きさの包丁だった―――…。

⏰:07/07/03 19:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#130 [オッズ]
――――――――――…

「さぁさぁ、ここで大人しくしていてくださいよ」

僕は檻の中からミロを眺めた。

まさか捕まってしまうなんて……。

でも、牛も楽々切り殺せるような包丁見せられて、無理矢理に逃げるなんてできるはずない。

ミロは満足そうに僕を見つめ返している。

部屋の四方に広がっていた檻は、二三人が入れるくらいの広さに区切られていた。

⏰:07/07/03 19:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#131 [オッズ]
ミロは巨大な包丁を杖のようにして立っている。

「先程も聞きましたが、キキとジェラルド君はどこでしょうね?」

「知らない」

僕はぶっきら棒にそう答えた。

「今すぐ僕を殺す気がないならどこかに行ってよ!」
ミロをこれ以上眺めていたら目が腐る。

殺されるなら、せめてそれまでの間一人にさせてほしい。

⏰:07/07/03 20:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#132 [オッズ]
ミロに対する怒りが強すぎて、恐怖を感じている余裕はなかった。

でも、何よりも気掛かりなのはキキのことだ……。

キキ……。

「さっさと出ていけ!」

僕は叫んだ。

ミロは渋い顔をして、どうするべきか迷っている。

その時、僕の視界にあるものが飛び込んできた。

⏰:07/07/03 20:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#133 [オッズ]
ついにミロは部屋から出るために、僕に背を向けようとした。

「待って!」

ミロは動きを止めると、驚いたと言わんばかりに目を真ん丸くした。

「……何か?」

僕はこっそりと深呼吸をする。

「ぼ、僕を……僕を殺さないでっ!」

⏰:07/07/03 21:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#134 [オッズ]
ミロは更に目を丸くした。
目玉が飛び出しそうだ。

「……ほぅ、いきなりどうしたんです」

ミロは興味深そうに、顎を擦った。

僕は泣き声をあげ、切実に訴える。

「やっぱり死にたくないんだ!
キキとジェラルドの居場所なら教える!」

ミロがにんまりと微笑んだ。

⏰:07/07/03 21:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#135 [オッズ]
僕はミロの返事を待たずに、わめき散らした。

「キキとはここにくる途中ではぐれたんだ!
でも、必ずこの近くにいるはずだよ!信じてよっ!」

ミロは顔を檻に近付けてきた。

「信じますよ。
それでは……ジェラルド君は……?」

「ジェラルド……?」

僕は思わず笑みを零した。

⏰:07/07/03 21:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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