【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#44 [オッズ]
まさか……!

「僕は頼みなんて聞かないから!」

ジャクリーンが聞く前に、僕はそう叫んだ。

怪しいばあさんの頼みなんて、最上級に怪しいじゃないか。

そんなのをやすやすと引き受けるなんて、頭のいかれたやつだけだ。

例えば、僕の隣に座っている天使の顔をしたようなやつとかね。

ジャクリーンは小さく舌打ちをした。

⏰:07/06/14 22:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#45 [オッズ]
僕は聞こえないふりをして黙り込んだ。

ジャクリーンはしばらく僕を罵っていたが、ついにはあきらめ、作戦を変えることにしたようだ。

「ジェラルド、この銃がちゃんと使えるものか確かめてみたくないかい?」

そういって僕をチラリと横目で見る。

僕の手は汗で湿ってきた。

「あぁ……」

ジェラルドは無表情で答えた。

⏰:07/06/14 22:25 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#46 [オッズ]
ジャクリーンが勿体ぶった仕草で、銃をジェラルドに渡した。

僕は息を呑む。

「……僕を撃つ気?」

上ずった声。

ジェラルドは馬鹿にしたように笑うと、銃を僕に突き付けた。

銃は僕の眉間の辺りにしっかりと固定される。


ウソだろ……?

⏰:07/06/15 20:56 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#47 [オッズ]
いくらなんでも僕を撃つなんてありえないだろ?

しかし、無常にもジェラルドは引き金に指をかけ、今にも鉛の玉を発射させようとしている。

僕は泣きたくなった。

こんなのってひどすぎる……。
選択肢なんてないってわけか。

僕は消え入りそうな声でつぶやいた。

「……頼みを聞いてやる」

ジャクリーンは意地の悪い笑みを浮かべ、『感謝するよ』と言った。

⏰:07/06/15 22:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#48 [オッズ]
ジェラルドは『意気地なし』と僕をけなした後、銃を放り投げてジャクリーンに返した。

そのまま銃を持って逃走することも可能だったのに、ジェラルドはそうしなかった。
きっとジェラルドは、気味の悪いばあさんの頼みを聞いてやろうと張り切っているのだ。

彼はそんじょそこらの危険なことにはあきあきしていたのだろう。

そういう意味では、ジャクリーンの“頼み”は十分にジェラルドを満足させてやったはずだ。

だけど、僕は満足どころか今までに味わったことのない、後味の悪い思いをするはめになる。

⏰:07/06/15 22:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#49 [オッズ]
「さぁさぁ。さっそく頼みを聞いてもらうとしようか……」

僕はドキリとした。

一体、何を頼まれるんだろうか?

命に危険はないのか?

ジャクリーンは立ち上がった。
つられて僕らも立ち上がる。

僕は恐怖でまともに呼吸もできなくなっていた。

ジャクリーンはふところから蓋のされた試験管のようなものを取り出した。

⏰:07/06/15 22:31 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#50 [オッズ]
二つある。
試験管の中には赤みがかった紫色の液体がほんのちょっぴり入っている。

「お飲み」

ジャクリーンは無理矢理試験管を僕らに押しつけた。

さすがのジェラルドも疑わしげにおばあさんを睨んだが、意を決したように蓋を開け、飲み干した。

ジェラルドは一瞬顔をしかめたが、次の瞬間にはバタリと床に倒れた。

僕は声をあげることすら忘れていた。

⏰:07/06/15 22:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#51 [オッズ]
やっぱり……。

ジャクリーンは僕らを騙したんだ!

頼みなんて言っていたが、本当は僕らを殺そうとしていた。

「……騙したなっ!この魔女め!
ジェラルドが……。ジェラルドをよくも殺したな」

正直、ジェラルドはこの世から去るべき人間だと思っていたが、こうあっさりと床に倒れられると悲しい。

床に眠るジェラルドは息を呑むほど美しく、そのせいで余計に物悲しかった。

⏰:07/06/15 22:40 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#52 [オッズ]
ジャクリーンは目を見開いた。

「馬鹿なことを言うんじゃない!
いいから速くお飲み!」

僕は首を横に振った。

涙が頬を濡らしている。

ジャクリーンは観念したようにため息を吐いた。

「何を勘違いしているのかわからないが、ジェラルドなら生きている。
いいからさっさとしてくれないかい?」

生きている……?

僕はジェラルドを見なおした。

⏰:07/06/15 22:44 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#53 [オッズ]
確かに胸の辺りが上下に動いている。

僕はようやく液体を飲む決心をした。

なぜならジャクリーンが先程の銃をちらつかせはじめたからだ。

試験管の蓋を開ける。

僕は息を止めた。

そして中身のものを一気に飲み干す。

ひどい吐き気を感じたが、すぐに何が何だかわからなくなり、僕はジェラルドの隣に倒れた―――。

⏰:07/06/15 22:48 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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