俺とコウの物語
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#152 []
コウと女はお互いを見つめ合ったまましばらく動かなかった。

先に口を開いたのは

「…そうよ」

麻生さんだった。

「ほう。あなたが麻生さんですか」

棒読みに近い状態でコウが言った。

⏰:07/10/01 05:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#153 []
「僕、お願いをしたいのですが」

コウは麻生さんに近寄りながら低い声で言う。

「…聞けないわ」

麻生さんは髪の間から目線をコウに向けたまま、冷静に言った。

「なぜですか」

⏰:07/10/01 05:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#154 []
「男だからよ」

「は」

「私は女子トイレにすんでるの。だから女子の願いしか聞けない」

「…意味がわかりません」

意味わかるやろ!!
女子トイレにおるから女子の願いしか聞けんて今ゆーたやん!

⏰:07/10/01 05:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#155 []
「男子は…男子トイレの住人に願いを聞いてもらったら?」

「男子…?」

男子トイレにも麻生みたいやつがおるんか?

「男子は下品なのであまり好ましくありません」

お前(下品な)男子やろ!

⏰:07/10/01 05:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#156 []
「男子排泄室にもあなたと同類の方が?」

「………」

「答えなさい」

しつこいコウに嫌気がさしたのか麻生さんは、
とりあえずコウをチラリと見たあと鏡の前に立ち、何も言わずフッと消えてしまった。

⏰:07/10/01 05:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#157 []
「消えてしまいました」

残念そうなコウに対し、
香苗と恵真、美和子はボー然とその場に立ちつくしている。

「志乃くん、なかなか強敵ですよ彼女は」

強敵!?敵なんか!?

⏰:07/10/01 05:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#158 []
「まぁ、確かに今まで見たことないような霊やな」

俺はまだ足が奮えている。

「彼女、僕の問い掛けにはほとんど答えてくれませんでした。なかなか手強い方です」

そこかい!!
てか、それどーでもいいから。

⏰:07/10/01 06:00 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#159 []
「まぁしかし今回は…」

コウは眉間にしわをよせ、三番目の鏡を睨みつけた。

「本当に厄介です…」

コウは呟くように繰り返す。

「本当に…」

⏰:07/10/05 02:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#160 []
【第五章 必殺仕置人】

《いちかけ、にかけ、さんかけて…》

「………ん…?」

《仕掛けて、殺して、日が暮れて…》

「なんや!?」

「あぁ、志乃くんおはようございます。」

「…今の……」

また目覚まし音変えた…

「必殺仕事人です」

⏰:07/10/05 02:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#161 []
「…中村…」

「中村もんどさんです。まぁ、藤田まことさんですが、僕とても好感を持っています」

「…あ、そ」

だから何やねん

「中村さん役は、彼しか、彼以外は無理だと思ってます、僕は」

…あ、そ。

⏰:07/10/05 02:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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