俺とコウの物語
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#231 []
「…は?…幸…子?」

なんだ?
今コウのやつ、麻生が幸子を守るとか言ってなかったか?

「…コウ?どういう…」

「そのままの意味ですよ。幸子さんを守ろうとも、あなたがしている事は無意味なことです。」

俺の言葉をイラついたような口調でコウは遮った。

⏰:08/01/22 04:28 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#232 []
「ちょ…待て、待って。意味がわからんねやけど」

コウの言葉も
麻生の表情の理由も全くわからない、1人場違いな俺はコウに詰め寄った。

コウはただただ麻生を睨み付け、しばらく口を閉ざした。

⏰:08/01/23 03:55 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#233 []
「…お前は…」

沈黙を破ったのは
麻生だった。

「お前は一体何者だ」

コウをじっと見据えながら麻生が言った。

「僕ですか?」

コウはイラついた口調のまま、口角だけをフッと吊り上げ言った。

「ただの一般人ですよ。」

⏰:08/01/23 03:57 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#234 []
「麻生さん、僕はただの一般人。想像だけでは語れません。僕の話しは単なる予想ですからね。予想であなたの生前を語られるのは嫌でしょう?」

コウの半ば自信満々な表情に、麻生は目線を下げた。

「ならばあなたの口から、あなたの生前を話してください。」

コウの口調が強くなる。

「あなたがなぜ、ここに留まっているのか、その理由を述べなさい。」

⏰:08/01/23 04:01 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#235 []
ギロリと鋭い目付きで麻生を睨むコウ。

俺が麻生なら
もうコウには逆らえないだろう。

麻生も俺と同じなのか
ゆっくりと口を開いた。

「わたしは…」

⏰:08/01/23 04:03 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#236 []
長いので前回同様略します。語り手は毎度お馴染み柏木志乃。

麻生の話はこうだった。

高校一年の春。

何もかもが初々しい時期。これからはじまる楽しいはずの高校生活、麻生はいじめにあった。

⏰:08/01/24 05:17 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#237 []
きっかけはごく普通。
いわゆる嫉妬。

入学して麻生が初めて仲良くなった女。
彼女は千春という。

千春には中学から付き合っている一真という彼氏がいたらしい。

一真と千春はお互い一緒の高校に行こうね、ずっと一緒にいようね、と約束をしていた。

⏰:08/01/25 04:22 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#238 []
その一真に千春が高校で初めて仲良くなった麻生を紹介した。

それがいじめの原因になった。

麻生は当時、ものすごい美人だったらしい。
本人いわく幸子以上だという。

俺はそれは麻生の初めての嘘だと確信し、反論したがコウが黙って聞きなさいと叱咤したので俺はしぶしぶ口を閉じた。

納得いかないが。

⏰:08/01/25 04:25 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#239 []
男なら誰でも美人を前にするとココロオドル。

エンジョイ!音楽は鳴り続ける!

と歌いだしたい気分だろうが、皆さんここは黙って聞いていただきたい。

一真も麻生を最初は美人な子だな、としか見なかった。そう、最初は誰でもそうだ。最初はな。

⏰:08/01/25 04:28 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#240 []
麻生、千春、一真。
三人共同じ高校であれば、当然顔を合わせるもの。

麻生も仲良くなった千春の彼氏という事で、一真と顔を合わせるたびに軽く挨拶をしていた。

日に日に会話が増え、
麻生の優しさに一真は徐々に彼女に惹かれていった。

⏰:08/01/25 04:31 📱:P904i 🆔:☆☆☆


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