俺とコウの物語
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#237 []
きっかけはごく普通。
いわゆる嫉妬。

入学して麻生が初めて仲良くなった女。
彼女は千春という。

千春には中学から付き合っている一真という彼氏がいたらしい。

一真と千春はお互い一緒の高校に行こうね、ずっと一緒にいようね、と約束をしていた。

⏰:08/01/25 04:22 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#238 []
その一真に千春が高校で初めて仲良くなった麻生を紹介した。

それがいじめの原因になった。

麻生は当時、ものすごい美人だったらしい。
本人いわく幸子以上だという。

俺はそれは麻生の初めての嘘だと確信し、反論したがコウが黙って聞きなさいと叱咤したので俺はしぶしぶ口を閉じた。

納得いかないが。

⏰:08/01/25 04:25 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#239 []
男なら誰でも美人を前にするとココロオドル。

エンジョイ!音楽は鳴り続ける!

と歌いだしたい気分だろうが、皆さんここは黙って聞いていただきたい。

一真も麻生を最初は美人な子だな、としか見なかった。そう、最初は誰でもそうだ。最初はな。

⏰:08/01/25 04:28 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#240 []
麻生、千春、一真。
三人共同じ高校であれば、当然顔を合わせるもの。

麻生も仲良くなった千春の彼氏という事で、一真と顔を合わせるたびに軽く挨拶をしていた。

日に日に会話が増え、
麻生の優しさに一真は徐々に彼女に惹かれていった。

⏰:08/01/25 04:31 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#241 []
女は意外とするどい。

一真の気持ちの変化を、千春は見逃さなかった。

麻生と一真が初めて顔を合わせてから1ヶ月がたった頃、引き金を引く一真の言葉が鳴った。

《麻生さんのこと、好きになってしまった。》

⏰:08/01/25 04:34 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#242 []
女というのは
ねたみ、ひがみ、恨み、嫉み、全てが女に向かうもので。

当然千春は麻生を憎んだ。

麻生自身は無論、一真に気なんてなかった。

だけど女は哀しいもので…

⏰:08/01/26 04:49 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#243 []
千春には同じ高校の不良生徒と仲が良かった。

一真に振られた千春は、腹いせに不良男子生徒に麻生を襲え、と命じた。

が、麻生は容姿だけじゃなく性格も良かったため男子生徒は断った。

なんでも学園の花のような存在だったらしい。

今現在の姿を見て、そうは思えないが。
おっと、口が滑った。

⏰:08/01/26 04:52 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#244 []
そのことで麻生への嫉妬心がさらにつもった千春は、以前から麻生の人気に嫉妬していた女子生徒に事を話した。

途端に女子逹は口を揃えて言った。

《痛い目に合わせてやろう。》

⏰:08/01/26 04:57 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#245 []
そこから麻生へのいじめが始まった。
最初は本当に小さないじめ。

靴がなくなるとか、
女子逹からのシカトなど。

あとは…なんだ?

ここまで身動きせずに黙って話を聞いていたコウが、フッと意地悪く笑みをもらした。

⏰:08/01/26 05:00 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#246 []
「コウ…?どうかしたんか?」

話を続けていた麻生も、
コウの表情の変化に気付き口を止めた。

「…コウ?何笑ってん?」

不思議な表情の俺と麻生をよそにコウはいつもの自信たっぷりな表情で口の端をつりあげた。

「いえ、僕のことは気にせず続けて下さい。」

⏰:08/01/26 05:03 📱:P904i 🆔:☆☆☆


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