俺とコウの物語
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#84 []
「すんません…」
ぶつかった人に謝り
前を見ると
俺の視界からコウが消えてしまった。
あれ〜
コウどこ行ったんや?
歩くん早過ぎやねんアイツ…。
イライラしながら
俺は帰ろうと歩きだした
その時だった。
:07/08/15 03:36 :SH901iS :☆☆☆
#85 []
「コウ!!」
前方に消えたはずのコウがまた現れた。
「コウ!お前歩くん早過ぎやねんて…おい!」
「……………」
「おいコウ!!」
なかなか振り返らないコウの肩を掴み、俺は自分の方へ引き寄せた。
「はぁ?なんやねん」
…………………え?
:07/08/15 03:39 :SH901iS :☆☆☆
#86 []
な ん や ね ん ?
コウの口から関西弁がでてきた…?
「…コウ……?」
「お前誰やねん離せや」
…意味がわからない。
俺が肩を掴んでいるのは
紛れも無くコウそのもの。
だが、俺に肩を掴まれている男は嫌悪感をモロに顔に出し、俺を睨みつけている
「離せて。お前日本語通じへんのか」
:07/08/15 03:43 :SH901iS :☆☆☆
#87 []
離せて。お前日本語通じへんのか
離せて。お前日本語通じへんのか…
離せて。お前日本語通じへんのか………
コウの言葉が俺の能内で繰り返される。
「おい!手ぇ離せて言うてるのが聞こえへんのか!」
怒鳴るようにコウ(?)が俺の手を払いのけた。
:07/08/16 01:42 :SH901iS :☆☆☆
#88 []
コウ(?)は、俺を睨みながらチッと舌打ちすると、無言で歩き出してしまった。
…………?
どうなってる?
もしかして今のがコウのそっくりさんか?
いやいや、似過ぎやろ!
その場にボー然と立ち尽くす俺に
「志乃くん何してるんですか」
と、聞き慣れた低い声が聞こえた。
:07/08/16 01:52 :SH901iS :☆☆☆
#89 []
声の主を見ると
心配そうにコウが立っていた。
「何ボーっとしてるんですか」
「お前…今……」
「はい?」
目の前にいるコウは
紛れも無くいつものコウだ
「今…今見たか!?」
:07/08/16 01:54 :SH901iS :☆☆☆
#90 []
「なにをです?」
「今お前のそっくりさんおってん!!」
興奮状態の俺は
たった今の出来事を鼻息まじりに話した。
コウは俺が鼻息を荒くするたびに怪訝な表情をしたが、黙ってフムフムと相槌をうちながら聞いていた。
:07/08/16 01:57 :SH901iS :☆☆☆
#91 []
黙っておとなしく聞いていたコウだが、俺の
「コウが関西弁話してるみたいで気味悪かった」
という言葉にムッとしたのかコウは
「僕も関西弁くらい話せますで」
という、なんとも不気味な関西弁を使ってみせた。
やはりコウは不気味ちゃんだという収穫しか、この日はなく終わった。
:07/08/16 02:40 :SH901iS :☆☆☆
#92 []
《時間です》
《起きて下さい》
《時間です》
「…おはよ……」
「おはようございます」
翌日俺は
コウの携帯の目覚まし音のコウボイスで
いつも通りの朝を迎えた。
「今日もすがすがしい朝ですね。ラジオ体操したい気分です」
:07/08/17 03:00 :SH901iS :☆☆☆
#93 []
「……したら?」
「志乃くんも一緒にするならば」
「……嫌じゃ」
なぜ高校三年生にもなってラジオ体操なんぞしなアカンねや。
しかもむさ苦しい男二人で
「つれない人ですね、あなたは」
:07/08/17 03:02 :SH901iS :☆☆☆
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