俺とコウの物語
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#119 []
【第四章 女子トイレ】

「助けてって…何を?」

紀香はよほど慌てて来たのか、肩で息をしながら言った。

「柏木くんって、霊が見えるんよな!?」

「…は?」

まぁ、見えるけど…

「お願いだから、あたし達を助けて!」

あ た し… 達 ?

⏰:07/09/20 02:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#120 []
「霊がどうかされましたか?」

困惑する俺をよそに
コウは目を輝かせながら紀香を見つめた。

やばい。
このパターンはやばい。

俺は嫌な予感がした。

まぁ、その予感は的中するのだが。

「実はね…」

⏰:07/09/20 02:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#121 []
 
「さぁ、志乃くん行きましょう!」

「…嫌といったら?」

「それでも行きます」


紀香の話はこうだった。

⏰:07/09/20 02:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#122 []
 
最近学校内の女子達の間での噂話らしい。

三階にある女子トイレの第三番目の鏡の前に立ち、
「麻生さん、お願いを聞いて下さい」
と言う。

その後願い事を言うと
麻生さんという女が鏡に映り、その願いは叶えられる。

どの学校にもありそうな
七不思議の一つみたいもんだ。

⏰:07/09/20 02:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#123 []
「ただの噂話やと思ってんけどな…実際鏡に知らん女が移ってん…」

「…紀香の願いは?」

俺の問いに、紀香は下唇を噛みながら俯いた。

「言わなわからんやん」

「…美和子を…」

俺はその名前だけで
紀香達が望んだ願いがわかった。

⏰:07/09/20 02:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#124 []
美和子とは

三年になると同時に東京から転入してきた女。

俺は興味ないが
ものすごく可愛い女だ。
色白で、くるくるな栗色の髪に大きな瞳。頬と唇はきれいな桃色で…

俺は全く興味ないんだけどね?

⏰:07/09/20 02:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#125 []
「だって美和子ったら…あたしの彼氏を…」

はいはい、奪ったんでしょ。

そう、美和子はその端正な容姿ゆえ、性格がなんとも悪い!…と言いますか…
友達の彼氏も平気で奪っちゃうのよね〜。

そりゃ怨まれて当然だって。

⏰:07/09/20 02:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#126 []
 
足早に学校へと向かうコウにはぐれまいと、俺は足を急がせた。

「コウ…おいコウ!」

学校の校門が見えたあたりで、俺はコウを呼び止めた

⏰:07/09/21 03:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#127 []
コウは爛々と目を輝かせたまま振り返り

「なんですか」

と半ば焦り口調で言った。

こいつほんまに霊のことになりと張り切るな…

「学校行ったところでどないすんねん?」

⏰:07/09/21 03:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#128 []
「行ってみなければ状況がわかりません」

まぁそーかもしらんけど

「今日日曜やけど…」

俺のにごった言葉を聞き、コウは勘を働かせた。

「あぁ…今日部活の方もいますね、それで僕たちが女子排泄室に入ろうものなら僕たちは変態のレッテルを背負わされます」

…てか女子排泄室て言い方がもう変態なんですけど。

⏰:07/09/21 03:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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