俺とコウの物語
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#222 []
全く照れた様子もなく
コウが淡々と話す。

「……………。」

「…なんですか。僕は志乃くんに見つめられて喜ぶ趣味はありませんから。」

俺もじゃ!!

「なんやねん、さっきの話。続きは?」

コウから麻生へ目を移すと麻生はコウから目線を反らし、俺と目が合った。

⏰:08/01/19 04:33 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#223 []
怖いんですけど。

冷や汗が垂れる。

「………………」

誰も言葉を発しない。
が…やはり先に口を開いたのは

「いいでしょう。見つめ合う最中すみませんが、僕があなたの代わりに述べましょうか?あくまでも僕の予想ですが。よろしいですよね?麻生さん。」

冷めた目のコウだった。

⏰:08/01/19 04:36 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#224 []
 

「いいですか?」

コウは麻生を見据えながら強い口調で言った。
いや、強い口調だが、半ば呆れたようにも聞こえる。

こいつは多分あきれているのだろう。

「麻生さんは…」

ゆっくりと

コウが話し出す。

⏰:08/01/19 04:47 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#225 []
【第六章 未解決事件】

「麻生さんは、いじめにあっていた。それも自殺するほどまでに辛いいじめです。あなたはいじめを苦に自殺した。それは間違っていませんよね?」

コウは麻生をチラリと見た。が、麻生は俯き何も答えなかった。

「…いじめの原因って?」

俺の言葉にコウは眉間にしわを寄せた。

⏰:08/01/19 04:50 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#226 []
「容姿…」

「え?」

聞き返す俺に、コウは曇った表情をしながら続けた。

「容姿です。わかりませんか?麻生さんは容姿についていじめられていたんですよ。」

親指を口元に当てながらコウはギロリと麻生を睨む。

⏰:08/01/19 04:55 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#227 []
「ひでぇな…。」

容姿なんて…
誰だって好きこのんでそんな容姿になったわけじゃないのに…

「志乃くん、違いますよ」

「はい?」

「あなた今、麻生さんの容姿が悪いからいじめられていた、そう捉えたでしょう?」

⏰:08/01/19 04:57 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#228 []
そりゃもちろんそうだろ。

「違います。逆なんですよ。」

「…は?逆?」

逆って?つまり

「あなたは生前とても美しかった。その美しい容姿ゆえ女子生徒からの嫉妬がひどく、いじめという形になった。違いますか?」

⏰:08/01/19 04:59 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#229 []
コウの言葉に
麻生はやはり何も答えなかった。

「…嫉妬でいじめ…?」

女の嫉妬はそれほどまでに醜いのか?

「…醜いです…」

コウはガリッと音がするほど親指の爪を噛んだ。

「女性の嫉妬はとても醜いものです。」

⏰:08/01/20 04:25 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#230 []
ガリガリと爪を噛みながらコウは麻生を見つめる。

「あなたはいじめを苦に自殺し、自分をいじめていた方を恨んでいる…と思います。が、今あなたは、あなたをいじめていた方と同類ですよ。例え…」

コウが小さな声で続ける言葉を
俺は聞き逃せなかった。

「例えあなたが…幸子さんを守ろうとしても。」

⏰:08/01/20 04:30 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#231 []
「…は?…幸…子?」

なんだ?
今コウのやつ、麻生が幸子を守るとか言ってなかったか?

「…コウ?どういう…」

「そのままの意味ですよ。幸子さんを守ろうとも、あなたがしている事は無意味なことです。」

俺の言葉をイラついたような口調でコウは遮った。

⏰:08/01/22 04:28 📱:P904i 🆔:☆☆☆


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