俺とコウの物語
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#335 [
]
「きゃああああ!!」
時刻は夜中2時。
幸子の悲鳴で俺は目が覚めた。
「幸子!?」
起き抜けでこれほど身体が反応したことはない。
俺は幸子の部屋のドアを勢いよく開けた。
「幸子!!どしたん!?」
:08/02/09 03:07
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#336 [
]
ドアを勢いよく開けた途端、目に入ったのはベッドの横でうずくまり両手で目をふさいでいる幸子だった。
「幸子!?どないしたん!?」
幸子の元に駆け寄り、
俺は幸子の肩を掴んだ。
:08/02/09 03:08
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#337 [
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「目…目が…」
肩を掴んだとき
幸子が震えているのがわかった。
両手で目をふさぎながら
幸子は肩を震わせている。
「目?目がどしたん!?」
:08/02/09 04:37
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#338 [
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幸子は何も言わずガタガタと震えているだけだった。
「騒がしいですね」
部屋のドアが開くと同時に上半身裸になったコウが部屋に入ってきた。
「お前…まさか…」
上半身裸でだるそうに頭をかきながらあくびをするコウを見て、俺は呆然とした。
:08/02/09 04:41
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#339 [
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「姫菜とヤッたんか…?」
俺の問いにコウは何も答えずに幸子に声をかけた。
「幸子さん、どうされました?」
幸子は変わらず両手で目をふさいでいる。
「幸子?何があってん?」
コウの事も気になるが
やはり今は幸子だ。
:08/02/09 04:44
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#340 [
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「どしたん?俺おるから大丈夫やで?」
両手を優しく掴み、幸子の顔を覗きこんだ。
幸子はゆっくりと目を開き俺の顔を見た瞬間、勢いよく抱きついた。
「志乃…志乃ぉ…」
俺の背中に回された手に力が入る。
一体何があったんだ?
:08/02/09 04:48
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#341 [
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しばらく幸子は泣き止まず俺に抱きついていた。
10分ほどたった頃か、
コウがホットミルクを持って部屋に戻ってきた。
「幸子さんどうぞ。ホットミルクは安眠効果がありますので」
幸子にコップを渡し、コウはベッドに腰かけた。
:08/02/09 04:51
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#342 [
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幸子はホットミルクを一口飲み、俺に片手を差し出した。
俺が幸子の手を握ると安心したのか幸子はゆっくりと話し出した。
「…急にカタカタって音がしたん…あたし目が覚めて…気付いて目を開けたら…窓の外に…」
「窓の外に?」
「…眼球だけが…浮かんでたの……あたしを…見てた」
:08/02/09 04:56
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#343 [
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「眼球だけが…?」
コウは窓を開け、辺りを見渡した。
「何もありません、夢でも見たのでは?」
ガタガタ震える幸子の肩をなだめるようにポンポンと叩きながらコウが言った。
「夢……」
幸子はチラリと俺を見る。
:08/02/11 03:21
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#344 [
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「夢…かぁ…。そうかもしれない!夢見たんかも。騒いでしまってごめんね!」
眉を垂らし、ふにゃっと幸子は笑った。
この表情は心配をかけたくない幸子のくせだ。
「いいですよ、夢は誰でも見ますから」
コウはにっこり笑い部屋から出ていった。
:08/02/11 03:24
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