俺とコウの物語
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#379 []
一分たっても家の主はでてこない。

2、3度インターホンを鳴らす。

ようやく、玄関の扉が開いた。

コウの知り合い…?

一体どんな奴だ?

ゆっくりと主の顔が現れた。

⏰:08/04/21 03:52 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#380 []
「久しぶりですね」

玄関から顔を出した相手に作り笑いをしながらコウが言った。

いや、作り笑いというよりもバカにしたような、
見下しているように見えるが。

「…何の用?」

相手はボソッと答えた。

⏰:08/04/21 04:29 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#381 []
相手は同じ年くらいの男。身長はコウと同じくらい、あるいはコウより少し高めの今風のチャラっとした外見だ。

こんな奴がコウの知り合い?

俺は謎につつまれた。

「…何の用だよ?あ?用もねーのにくんなよ」

黙っているコウにしびれを切らしたのか、男はイライラした口調で言った。

⏰:08/04/21 04:32 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#382 []
「イライラしないで下さいよ。僕の方があなたよりイライラしてるんですから」

口角を釣り上げ、コウが言った。

「はぁ?久しぶりに来て、何なんだよお前は?」

相手も負けじと言い放つ。

コウはさらに口角を上げた。

「あなたの仕業だと、もうわかっていますよ」

男の右腕には

真っ白なギブスがついていた。

⏰:08/04/21 04:36 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#383 []
「はぁ?俺の仕業?何の話だよ?」

男はバカにしたように笑いながら言った。

「見えない腕は暗闇で活動する。見えないゆえ、それがあたかもあるように思える。目に見えるものだけが全てではない。」

棒読みでコウが言った。

表情はわからない。

⏰:08/04/22 02:16 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#384 []
「何言ってんだお前。きもちわりぃ」

男は物凄く嫌悪感をむき出しにした表情で言った。

コウ、悪いが俺もその発言きもち悪いと思ったぜ。

「では、ギブスを外して見せなさい。あなたの腕を。木陰は日差しに遮られ、あなたの思う暗闇になる。あなたの腕をさらけ出せば、彼の元から消えるでしょう」

⏰:08/04/22 02:20 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#385 []
あいつ何言ってんだ?

とうとう頭がおかしくなったか?

彼の元…?

…あぁ…それにしてもさっきからやけに寒気がする。

足元が冷えるな…

足元…足も………


「うわぁぁぁあ!!!」

⏰:08/04/22 02:22 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#386 []
「…志乃くん…今さらやっと気がついたんですか、やはりあなたはバカですね」

コウがこちらを見ながら呆れたように言った。

「お…お前いつから俺に気付いて…ってか、この腕なんやねん!!」

俺の足には、がっしりと肘から下の腕だけがくっついていた。

⏰:08/04/22 02:30 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#387 []
「ずっと気付いてましたよ。その腕は、こちらの方の腕ですので気にしないで下さい。」

気にするっちゅーねん!

俺は足をバタバタさせたが、腕は頑固して離れない。

「正志くん。離してあげなさい。」

ため息がてらコウが男に言った。

⏰:08/04/22 03:22 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#388 []
「だから俺関係ないから。マジ意味わかんねー」

正志らしき男はフイとそっぽを向いて答えた。

「正志くん、いい加減にしないと僕、怒ることになりますよ。」

コウが親指を口元に当てた。

⏰:08/04/22 03:23 📱:P904i 🆔:☆☆☆


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