黒蝶・蜜乙女
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#111 [向日葵]
口の中で雨が溶ける度、なんだか体が元気になってきた気がする。

セツナ「なぁ蜜。一つ尋ねていいか?」

蜜「はいどうぞ?」

セツナは天井に向いていた体を私の方へ向けた。

セツナ「最近女達が「甘い物が好きか」と聞かれるんだが……。何故だ。」

私は目をパチクリさせた。

蜜「長い間人間界にいるのにバレンタインデーも知らないんですか?」

そう世はあと3日ほどでバレンタインデーなのだ。

⏰:07/07/09 21:06 📱:SO903i 🆔:F5kPhI5A


#112 [向日葵]
今年も全く関係無い行事かと思ったけど、ここ数週間のせいでそうもいかなくなった。

しかも相手人間じゃないし。
おーなんか最近それに慣れちゃってるよー!

セツナ「人間界の記念日など興味ない。」

記念日ではないんだけどねぇ……。

蜜「バレンタインデーと言うのは、女の子が好きな人にチョコレートを渡して想いを伝える勇気がいる日なのです。」

セツナ「ほー。物で釣って気持ちを買う日なのか。」

⏰:07/07/09 21:12 📱:SO903i 🆔:F5kPhI5A


#113 [向日葵]
コラー!
そんな事絶対言っちゃ駄目ー!!

セツナ「なら俺達には関係ない事だな。」

蜜「そーでもないですよ。恋人同士でも好きって気持ちを再確認する日ですから。」

セツナ「そんなもの確認してどうする。」

ダメだ。
この人Sで変態だけどロマンがない……。

私はこっそりため息を吐いた。
するとセツナは私に身を寄せてキュッと抱き締めた。

⏰:07/07/09 21:18 📱:SO903i 🆔:F5kPhI5A


#114 [向日葵]
セツナにとってはこれで充分かもしれない。

でも女の子って言うのは、渡すか渡さないかやっぱり迷うものなのだ。

さて……どうしたものか。

――――
――――――

清「そりゃ渡しなさいよ!」

私復活。
昨日の蜜玉が効いたらしい。

蜜「だって相手いらなさそうだから機嫌そこねたらややこしいんだって…。」

⏰:07/07/09 21:23 📱:SO903i 🆔:F5kPhI5A


#115 [向日葵]
――――――――

今日はここで終ります

⏰:07/07/09 21:27 📱:SO903i 🆔:F5kPhI5A


#116 [向日葵]
清には前の捜索事件を話していない。
風邪はただ単にひいたものだと言っている。

だから前みたいなご機嫌斜めになると頗るよろしくない。

清「贈り物をして機嫌をそこねるなんて。変わった人ねセツナ先輩。」

だって人間じゃないもん。バレンタインデーをことごとく馬鹿にしてたし……。

清「まぁ、あと2日あるんだし。じっくり考えてみたら?」

蜜「そーするよ。」

⏰:07/07/10 09:49 📱:SO903i 🆔:DzF3iqGQ


#117 [向日葵]
こんな事を毎年この時期になると考えなきゃいけないなんて……恋する女の子達は大変だったのね。

小川「本山……。」

蜜「はい?」

小川「ちょっといい?」

手招きされたので私は戸付近まで歩いて行った。

小川「今日また放課後アンケート結果まとめなきゃいけないんだけど平気?」

蜜「大丈夫だよ。」

なんか小川君ぎこちないなぁ……。
…………あぁ。原因は私か…。

⏰:07/07/10 09:55 📱:SO903i 🆔:DzF3iqGQ


#118 [向日葵]
蜜「……色々と気になさるな若者よ。」

そこで小川君はやっと緊張が溶けたのか笑った。

小川「ハハハ!何それ!じゃあよろしくね。」

蜜「はいはい。」

小川君はホントにいい青年だな。仕事熱心だし……。どっかの邪悪な誰かとは大違いだわ。

……その誰かさんを好きになったのは私だけどね…。
しかも人外。

――――――……

セツナ「またアイツと一緒に残るのか。」

⏰:07/07/10 10:00 📱:SO903i 🆔:DzF3iqGQ


#119 [向日葵]
あぁ…。もはやご機嫌斜め。

只今お食事中……の前に事を説明。

蜜「仕方ないでしょう。私も委員会の1人なんですから。」

セツナ「……。お前は気づいてないのか?」

蜜「はい?何をです?」

するとセツナは満足そうに笑って手を伸ばすと私を抱き寄せた。

セツナ「ならいい。」

『珍しい…。“食べる”前に甘えてきた。』

⏰:07/07/10 10:04 📱:SO903i 🆔:DzF3iqGQ


#120 [向日葵]
セツナ「じゃあ沢山“蜜”をくれたら許す!」

結局それですか。

蜜「素朴な質問なんですが、私が現れる前は食事どうしてたんですか?」

近づいてきた顔を一旦止めてから聞いてみた。

セツナ「春夏秋は花の蜜。冬は蜂蜜を食べてた。」

蜜「どこぞのキャラクターですか貴方は。」

黄色い熊を思い浮かべた。セツナはそれを知らないので顔をしかめてから目を真剣にする。

セツナ「もういいか?」

蜜「駄目と言ってもどうせ「俺の勝手」とか言って無理矢理食べるんでしょう?」

⏰:07/07/10 10:09 📱:SO903i 🆔:DzF3iqGQ


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