黒蝶・蜜乙女
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#191 [向日葵]
私は背筋を伸ばしてセツナを見る。

蜜「今からわ・た・しの朝食を作るので、退いてください。」

セツナは道を開けると階段を降りる私の後を付いてくる。

嫌味も込めてホットケーキを焼いてやる事にした。
蜂蜜をこれでもかってくらい大きな音を立てて置く。

セツナ「蜜。悪かったって。」

私の機嫌が直らなくて少々困っているらしい。
でも困ればいい。私はいつもセツナに困らされてばっかりなのだから。

⏰:07/07/13 20:14 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#192 [向日葵]
蜜「調理中です。話かけないで下さい。」

そう言うとセツナは逆ギレかの様に眉をぎゅっと寄せて椅子に足を組んで座り、勝手にテレビをつけた。

今の時間はあまりいい番組はやってないって。

そう思いながらジューと焼けていくホットケーキを待つ。

……。

さて完成。
蜂蜜を取ってホットケーキにまんべんなくかける。

そして食べる。そんな姿をセツナはテーブル越しに頬杖を付いて見つめる。

⏰:07/07/13 20:21 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#193 [向日葵]
私はため息をつくとセツナを見た。
まだ何か気に入らない様な顔つきだ。

イラッ

怒りたいのはこっちだってば!

蜜「何なんです?」

セツナ「お前が何も分かってないからイライラしてるんだ。」

蜜「じゃあどーぞお帰りくださいよ。大体、何も分かってないのはどっちですか。」

セツナ「蜜。」

あの魅惑の声が真剣味を帯びる。

⏰:07/07/13 20:42 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#194 [向日葵]
口に運ぶ為にフォークに突き刺したホットケーキがポトッとお皿に落ちる。

蜜「ハァ……。なんですか?」

ナイフとフォークを置いてセツナを見つめる。

セツナ「突然あんなことをしたのは謝る。……だがな。お前は勘違いしている。」

私は顔をしかめた。
勘違い?

蜜「何をです?」

セツナはテーブルの向こうから手を伸ばし、私の顔に触れる。

セツナ「お前は、さっきのキスがホントに食事の為のものと思ってるのか?」

⏰:07/07/13 20:49 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#195 [向日葵]
貴方がそう言ったんでしょうよ。

蜜「そうですけど?」

セツナ「それが勘違いなんだ。俺は……お前をもっと側に寄せたいんだ。なのに……お前は俺とのキスを極端に嫌がってる。」

いや喜んでやってたら私まで変態になっちゃうじゃないですか。

内心突っ込みを入れながらセツナの話を黙って聞く。

セツナ「だから知らしてやりたかったんだ。俺がどれだけお前を……求めているか。」

⏰:07/07/13 20:55 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#196 [向日葵]
セツナの熱い視線が私を突き刺す。

蜜「私は……っ。こんな自分が嫌なんです。……セツナのキス一つで馬鹿みたいに悩む自分が……。」

まるで私じゃないみたいで。

セツナが私の隣へやって来て立ったまま私の頭を抱き締めた。

セツナ「それが普通だと思う。俺だって蜜が現れるまで他人を求めることなんてなかった。」

セツナの方が人間の心理を分かっている様で何か悔しかった。

⏰:07/07/13 21:00 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#197 [向日葵]
セツナはしゃがんで私を見つめる。

私の好きな、あの優しい目。

セツナ「蜜。お前は俺が好きか?」

改めて聞かれると恥ずかしいし言いづらい……。
私は小さく頷いた。

するとセツナは満面の笑みを浮かべる。

セツナ「だからもう少し俺に近づいてはくれないだろうか。」

私は一瞬どうしたらいいか迷って、おずおずと手を伸ばしてセツナの首に巻き付けた。

⏰:07/07/13 21:10 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#198 [向日葵]
まるで迷子の子供みたいにぎこちなく、それでもギュッと力強く。

セツナもゆっくりと背中に手を伸ばしてきて抱き締める。

決心するのを誤ったかもしれない。
全く意味が無くなった。
恋人同士になったからにはこーゆー雰囲気がつきものなのかも。

ってか朝っぱらから私達は何をしてんだ何を!!
普通こーゆーのが高ぶるのは夜であって!
嫌夜も困るけど!!

とか思いながらも心地よいセツナの腕からは逃れられないのだった。

⏰:07/07/13 21:27 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#199 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

次は明日の朝にします

⏰:07/07/13 21:28 📱:SO903i 🆔:ceGDlScE


#200 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・

ブイーン

時間も経ち、完璧な朝になったトコで私は家事を始める。

普段おばあちゃんが掃除してくれてる分、必死になるほど掃除機をあちらこちらにかける必要はなかった。

セツナ「みーつー。そんな事してないで出かけないかー?」

蜜「あのねぇ…。おばあちゃんがいない間は私が家を守らなきゃいけないんですよ?おばあちゃんが帰ってきてゴミだらけ埃だらけだったらいけないでしょう……。」

⏰:07/07/14 09:34 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


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