黒蝶・蜜乙女
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#150 [まな]
:07/07/11 22:31 :D902iS :qdvZRzOU
#151 [向日葵]
:07/07/11 22:52 :SO903i :cziG/xIA
#152 [向日葵]
蜜「い、息…出来な……っ。」
セツナ「当たり前だろ。そーゆーもんなんだから。」
若干半泣きになってしまう。まだ近くにあるセツナの顔から距離を置こうと思っても腰にある手が離してくれない。
蜜「ちょっとは距離を下さいよー…っ!」
セツナ「お前は少し慣れる必要があるだろ。じゃなきゃいつまで経っても俺は我慢しなきゃならん。」
いや我慢してないじゃん。
:07/07/12 09:55 :SO903i :nxiPv1n6
#153 [向日葵]
仕方ないのでせめてセツナから顔を背ける。
左に視線をやると灯台がチカチカしていた。
蜜「あ!今何時だ!」
制服のポケットから携帯を探す。
しかしセツナがその手を止める。
セツナ「もう帰るとか言わないよな?」
蜜「言いますよ。何言ってんですか。」
セツナ「もう少しいいだろ。」
と言って私を抱き寄せる。
:07/07/12 10:00 :SO903i :nxiPv1n6
#154 [向日葵]
なんなのこの人は……。
自分勝手だと思ったら甘えてきたり、かと思えば襲ってきたり。
私はそんなに順応性ないんだから!!もうちょっと考えてよ!!
……わかりましたよ。私が引けばいいんでしょ?
蜜「もう少し一緒にいたいならば連絡ぐらいさせて下さい。じゃないとおばあちゃんが心配しちゃいますから。」
セツナが素直に離してくれたおかげで私は携帯を取り出しておばあちゃんに連絡することが出来た。
:07/07/12 10:08 :SO903i :nxiPv1n6
#155 [向日葵]
おばあちゃんには委員会の仕事で遅くなると言った。「それなら気を付けてね」とあまり追及されなかったからホッとした。
ピッ
蜜「これでいいですけど?」
セツナ「あぁ。なら、おいで蜜。」
セツナが手をひろげる。
イヤ逆でしょう。貴方がもう少しと言ったから私は連絡したのに“おいで”とな!
蜜「私が希望した訳じゃありませんけど?」
セツナ「おいおい蜜。お前いい加減気付かないか?」
:07/07/12 10:13 :SO903i :nxiPv1n6
#156 [向日葵]
蜜「気づく?」
セツナはニヤリと笑うと私の手を取って手の甲に唇を押し付けた。
セツナ「お前はもう俺を求めてるんだよ。」
カアァァァァァ!
赤くなりすぎて逆に冷や汗をかいてしまう。
蜜「なんっ、な、何を!」
キスされた方の手を引っ張ってセツナの顔がまた近くに来る。
セツナ「なんだ。屋上まで息を切らして来たんだろ?」
:07/07/12 10:16 :SO903i :nxiPv1n6
#157 [向日葵]
……。
!! ま、まさか……。
蜜「タヌキ寝入りしてたんですねっ!!」
セツナが声をあげて笑う。
恥ずかしい!ワクワクしながらセツナを探してた自分を今でも思い出せる。
セツナ「で、違うのか……?」
蜜「―――っ。ち…。違いません……。」
セツナの目が、意地悪な雰囲気から優しい雰囲気に変わる。
いつもこんな目をしてたら私だってもっと素直なのに……。
:07/07/12 10:20 :SO903i :nxiPv1n6
#158 [向日葵]
セツナ「なら…。」
セツナがオデコに唇を触れる。
セツナ「いいだろ?おいで。」
私は少しまだ抵抗したかったけど、その温かさかに冷たくなった体を埋めたくて、セツナの胸に飛び込んだ。
予想よりは冷たかったけど、2人で温め合えばさほど問題なんかなかった。
こうして私の初めてのバレンタインデーは、当日前に終ったのだった。
:07/07/12 10:24 :SO903i :nxiPv1n6
#159 [向日葵]
チャプター3:矢先
蜜「服…。何着て行こう。」
こんばんわ。
私は本山蜜。極々普通の女子高生ですが…私の恋人は、誰にも言えない秘密があります。
ガチャ
セツナ「オイ蜜。まだか。」
蜜「セツナ、シーッ!」
窓から登場したのが言ってた恋人、セツナです。
:07/07/12 10:28 :SO903i :nxiPv1n6
#160 [向日葵]
――――
――――
キリますね
:07/07/12 10:28 :SO903i :nxiPv1n6
#161 [向日葵]
今は夜中の2時。
明日は土曜日。
今から何しに行くって?
実は!今日3時に獅子座流星群が見れちゃうんです!!それを今日のお昼セツナに行ってみたら
セツナ[見に行くか?]
マジッスか!
……っと言う訳です。
今日は丘の方に行くとか言ってる。
しかし……何を着て行こう。とりあえずあったかい格好をして行こう。
ジーパンに長袖Tシャツを着てその上に上着を羽尾ってマフラーを巻き、毛糸の帽子を被った。
:07/07/12 17:13 :SO903i :nxiPv1n6
#162 [向日葵]
セツナ「ホラ、掴まれ。」
私はセツナに抱きついた。外はキンとした寒さだ。
ハァと息を吐けば白くなる。ってか……。
蜜「セツナ。それだけで寒くないんですか?」
セツナはジーパンに黒いタートルネック……のみ。
セツナ「あんまり。」
さすが人外。
綺麗な人はびっくりするぐらい黒が似合うから困る。
制服じゃないその姿はカッコ良さが増す。
:07/07/12 17:19 :SO903i :nxiPv1n6
#163 [向日葵]
セツナ「蜜?」
何も話さない私に異変を感じたのかセツナが私の名前を呼んできた。
蜜「なんです…?」
セツナ「珍しく大人しいな。」
蜜「失礼ですね。私は何時だって大人しいですよ。」
セツナは「それはすまなかった。」と言いながら笑う。
格好がどうであれ口の悪さは変わらないらしい。
・・・・・・・・・・・・・・・
夜明け前の街はシンとしている。灯りは街灯のみ。
それもなんだかいい感じだ。
:07/07/12 17:24 :SO903i :nxiPv1n6
#164 [向日葵]
蜜「こんな時間に起きて眠くならないんですかセツナ。」
セツナ「俺達の睡眠は短時間でいいんだよ。人間みたいにグースカ寝てられるか。」
ヒラヒラするセツナの漆黒の羽から風が来て思わず震えた。
セツナ「寒いのか?」
蜜「大丈夫ですよ。」
セツナは腰に回していた片方の手を肩に回して抱きしめる様にしてくれた。
『あったかい…。』
それだけでまだ起ききってない脳には充分で、私は睡魔に襲われた。
:07/07/12 17:34 :SO903i :nxiPv1n6
#165 [向日葵]
目をトロンとさせたのを発見したセツナはニヤッと笑った。
セツナ「寝たら襲うぞ。」
その瞬間目をパチッと開かせた。
セツナ「いいんだぞ?寝てても。」
蜜「いえバッチシ覚めましたんで。」
セツナ「ククッ。それは残念だ。」
まったく……。
セツナ「嘘だ。襲わないから寝てていいぞ。」
と言って頭を撫でてくれた。
:07/07/12 17:44 :SO903i :nxiPv1n6
#166 [向日葵]
――――
――――
更新は明日の夕方します
:07/07/12 22:40 :SO903i :nxiPv1n6
#167 [ちあき]
あげ
:07/07/13 08:18 :P902iS :6jxmiI6k
#168 [向日葵]
ちあきさん
あげありがとうございます
――――
――――
蜜「ホントに…何もしませんか?」
セツナ「期待してるんだったら期待に沿うけど?」
私は首をブンブン振る。
朝から心臓に悪い事は出来るならば止めて欲しい。
「じゃあ」とセツナがオデコにに頬をくっける。
セツナ「寝ていいから。」
今日は私が朝早くだから弱っているせいか、いつになく優しい。
その優しさが嬉しくて、微笑みながら私は目を閉じた。
:07/07/13 16:47 :SO903i :ceGDlScE
#169 [向日葵]
空を飛んでるって言うのにあり得ない安心感が私を包んで私は眠りに落ちた。
――――――……
セツナ「……つ。蜜。」
蜜「ん……。んー…セツナ……?」
セツナ「着いたぞ。起きろ。」
顔にかかった髪を優しく払いながらセツナが微笑む。眠たい目を擦りながら回りを見渡すと、山中にぽっかり穴が空いた様な草原にいた。
数千個の星が、まだ明けきらない空に瞬いている。
:07/07/13 16:53 :SO903i :ceGDlScE
#170 [向日葵]
携帯のサブディスプレイを光らせて時計を見ると、2時45分。
あれから結構飛んでいたんだ。
蜜「セツナ。疲れていませんか?」
セツナ「平気だ。その気になれば特急で日本一周は夢じゃない。」
そりゃまぁ凄いことで。
草原に腰を降ろして夜空を見上げていると、隣に座ったセツナが聞いてきた。
セツナ「そーいえば…。お前なんで敬語なんだ?」
別に深く考えた事はなかった。私は目をパチクリさせた。
:07/07/13 16:58 :SO903i :ceGDlScE
#171 [向日葵]
蜜「それはぁー…。多分セツナが年上だから癖づいちゃったんだと思います。」
セツナ「ふーん。そんなのいらないのに。今から普通に話せよ。」
蜜「そんな急に出来ませんよ。“親しき仲にも礼儀有り”ですよ。」
「ほぉん」と言ってセツナは夜空を見上げる。
私もそれに習う。
セツナ「これ見終った後にこのまま出かけないか?」
蜜「あー…。せっかくですけど駄目なんです。おばあちゃん達がくじ引きで旅行券が当たって今日からいな……。」
:07/07/13 17:03 :SO903i :ceGDlScE
#172 [向日葵]
ハッ!!!!
しまった……。
コレを言ってはいけなかった!
だってこんなことを言ったらセツナは……。
チラリとセツナを見ると暗がりでも分かるセツナの意地悪そうなあなニヤッとした顔が見えた。
セツナ「へぇー…。じゃあお前今日からしばらく家1人なんだ?」
蜜「いや、でも、親戚が心配して来、た、り……。」
:07/07/13 17:07 :SO903i :ceGDlScE
#173 [向日葵]
セツナ「決めた。これが済んだらお前ん家に行く。」
ホラ―――――!!!!
やっぱりこうなった!
だから困るんだよ!!
しばらくの間セツナと2人っきりで過ごすなんて自殺行為なんだよ!(心臓動きすぎで)
蜜「私1人なんて慣れてますからいいです!お気になさらず!」
セツナ「なら2人になれてもらおう。」
セツナの顔が20センチくらい先に近づいてきた。
近付かないで…っ!意識が遠のいくから!!
:07/07/13 17:11 :SO903i :ceGDlScE
#174 [向日葵]
蜜「そ、ん、……な……。」
言葉を発している内にもセツナはどんどん近づいてくる。
静かな山の中で鼓動が響いてしまいそうだ。
蜜「セツナは帰って大丈夫ですから!」
セツナ「もう黙れ。」
そう言って更に言おうとした私の口を塞ぐ。
冷えてるのかセツナの唇が冷たい。
セツナの唇の温度を感じてる自分が恥ずかしくなった。
優しいキスが終ると、視界の隅に何かが走った。
:07/07/13 17:15 :SO903i :ceGDlScE
#175 [向日葵]
蜜「……?何…っあぁ!!」
上を見上げると星がいくつも空を流れていた。
流星群だ。
蜜「うわぁー!!きっれー!!」
セツナ「ほー。中々だな。」
蜜「中々なんてものじゃありませんよ!」
複数の流星は後から後から止むことなく流れていく。
私はそれを見つめ続けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
やがて流星群は去ってしまい、空も少し明るくなっていた。
蜜「あー。終わっちゃいましたねー。セツナ。帰りましょう?……。セツナ?」
:07/07/13 17:21 :SO903i :ceGDlScE
#176 [向日葵]
セツナは私をジッと観察していた。
蜜「セツナ。流星群見てました?」
セツナ「いいや。あまり。」
蜜「ど、どうしてですか?!次いつ見れるか分からないんですよ!」
セツナ「いつ見れるか分からない物を必死に見てる可愛らしいお前もいつ見れるか分からんだろう。」
しれっと言ってのけるセツナに私は顔がぽかんとなってしまった。
信じられない…。あんな綺麗な物より私の顔を見る方が楽しいと貴方は言うか……。
:07/07/13 17:25 :SO903i :ceGDlScE
#177 [向日葵]
蜜「やっぱり貴方は変わってますね…。」
セツナ「お褒め頂き光栄です花嫁殿。」
いや褒めてないし。
蜜「とりあえず帰りましょう。セツナお願いします。」
セツナ「了解。」
セツナはまた私が寒くない様に抱き締めてふわっと浮いた。
浮かんでからここ一体がほとんど山であることがわかった。
ってかここどこ……。
:07/07/13 17:29 :SO903i :ceGDlScE
#178 [向日葵]
セツナ「蜜。少し飛ばしてもいいか?住んでる街より少し離れてるんでな。」
あぁ、そうでしょうともそうでしょうとも。
だっと知らないもんこんな場所。
だけど私はシオイさんに運ばれた時の事を思い出して「う゛っ」と唸った。
セツナ「どうした?」
蜜「ほんの少しにして下さいね。私は貴方と違ってかよわーい人間なんですから。」
セツナは声をあげて笑うと安心させる様に背中をポンポンと叩いた。
大丈夫と言ってるらしい。
:07/07/13 17:33 :SO903i :ceGDlScE
#179 [向日葵]
セツナにしっかりしがみつく。それを認めたセツナはフワッと更に浮くと空を駆けていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
蜜「あ、家。」
家に着く頃には空が赤くなり始めていた。
窓を開けるとセツナは部屋に私を降ろしてくれた。
蜜「じゃあ、今日はありがとう…っんぶ!」
セツナがいきなり鼻を摘んだ。
蜜「らんらんえふはぁー!(何なんですかぁー!)」
セツナ「お前忘れた訳じゃないよな?」
ぎくっ
:07/07/13 17:38 :SO903i :ceGDlScE
#180 [向日葵]
ちっ…。忘れたと思ったのに……。
鼻を摘んでいるセツナの手を外して私はシラを切った。
蜜「何がです?早く帰らないと新聞配達の方に見つかりますよ?」
セツナ「ほーぉ。俺に嘘をつくとは…。いい度胸だな?蜜…。」
あ、ヤバイ……。これはヤバイ。なんかされる。
しかし助かった。
自分の部屋に近づく足音を私は聞いたからだ。
蜜「だ、誰か来ましたから、とりあえず部屋を出て、くださいっ!」
:07/07/13 17:43 :SO903i :ceGDlScE
#181 [向日葵]
無理矢理セツナを外に押し出して素早くだけど静かに窓を閉め、カーテンを閉め、ベッドに潜りこんだ。
10秒後。
コンコン。 カチャ。
祖母「みっちゃん。」
蜜「ん……。あ、おばあちゃん。」
さも寝ていた様に振る舞いながら起きる。
祖母「じゃあ行って来るけど…くれぐれも気を付けてね。」
蜜「ウン。大丈夫。楽しんで来てね!」
おばあちゃんはにっこり笑うと「じゃあね」と言って戸を閉めた。
:07/07/13 17:47 :SO903i :ceGDlScE
#182 [向日葵]
しばらくすると玄関の戸が閉まる音がした。
それに耳をすませながら、ベッドでしばらくじっとしておく。
『セツナ…帰ったかな。』
カーテンをシャッと開けても何時もの街並みが広がっているだけ。
ホッとして窓を開けた。
その瞬間気付いたら天井だった。
そして目の前には
蜜「セ、セツナ!びびびびっくりするじゃないですか!!」
セツナ「お前……よくもこの俺を邪魔扱いしたな……。」
:07/07/13 17:51 :SO903i :ceGDlScE
#183 [向日葵]
蜜「仕方ないでしょ!おばあちゃんが来るって言うのにフワフワ浮いてる貴方がいたら、おばあちゃん今頃病院ですよ!」
セツナ「邪魔扱い+シラを通そうとした罰を与えなければなぁ……?」
ば、罰……っ?!
セツナの目がキラリと光った。
セツナ「老人がいないのは如何程だ。」
老人って……間違ってはいないけど。
蜜「4日くらい、ですけど……。」
:07/07/13 18:09 :SO903i :ceGDlScE
#184 [向日葵]
――――
――――
ちょっとストップしますね
:07/07/13 18:10 :SO903i :ceGDlScE
#185 [向日葵]
セツナ「ならその4日間、俺はここに住む。」
蜜「はいぃぃ?!貴方何を口走ってるんですか!」
セツナ「罰だと言っただろう。」
いや罰は罰でもタチが悪いって。
セツナ「お前に拒否権はない。当然だよな?」
横暴――――!!!!!
Sエロ蝶々――――!!!
なぁんて……口が避けても言えないけどね。
蜜「わっかりました!ご勝手に!とりあえず退いて下さい。」
セツナ「蜜。今何時か知ってるか?」
:07/07/13 19:00 :SO903i :ceGDlScE
#186 [向日葵]
押し倒されたまま部屋の時計を見る。
5時過ぎくらいだ。
蜜「……それが…、何か?」
セツナ「俺達の朝って言うの早くてなぁ。」
ようするに何が言いたいんだろうか……。
セツナは上唇をペロッと一舐めした。
その行動で分かった。
セツナ「朝飯の時間だ。」
近づいてくり顔をガードして私は言った。
蜜「私がいない時みたいに花か蜂蜜を食べてくださいよ!蜂蜜なら家にありますし!!」
:07/07/13 19:06 :SO903i :ceGDlScE
#187 [向日葵]
セツナはガードしてる私の手を掴んでじんわり力を入れていくと私の顔の隣へどかした。
もう抵抗できない。そう悟った。
セツナ「極上の蜜乙女が目の前にいるのにあんなチンケな物食せるか。」
そう言うと唇を押し付ける。これも罰だと私はその時思った。
蜜「……っ。…っ!!」
私はびっくりして身を硬くした。
何かが……口の中で……動いてる……っ!
それは紛れもなく、セツナの舌だ。
:07/07/13 19:13 :SO903i :ceGDlScE
#188 [向日葵]
口内を容赦なく荒らす。
蜜「ぅぅ……っ!ハァ!」
やっと唇を離した。
息苦しくて涙目になる。
蜜「な、……んて…こと……!」
セツナ「朝は血糖値を上げなきゃいけないんだぞ?なら沢山蜜を貰う他ないだろう。」
なんでこの人息上がらないんだ…っ!
ってかディープ初めてだったのに!!
なんだか知らないけど涙がボロボロ出てきた。
セツナ「み、蜜っ?!」
セツナは私の泣き顔に虚を突かれた。
:07/07/13 19:24 :SO903i :ceGDlScE
#189 [向日葵]
ショックだったのかもしれない。
初めてのキスもディープも、全て食事の為に済まされたから。
蜜「こーゆーのは嫌いなんだって言ったじゃないですかっ……。」
荒く声を出すものの、しゃがれた声になってしまう。
セツナ「す……すまん。」
ゴシゴシ涙を拭いて勢いよく立つ。
蜜「着替えます。部屋から退場して下さい!」
この時ばかりはセツナは戸を開けて出て行った。
:07/07/13 19:30 :SO903i :ceGDlScE
#190 [向日葵]
パタンと戸を閉めてから私はクローゼットをあさった。
ダメだ。
セツナが来てからというもの、セツナに翻弄されっぱなしだ!
こんなの私じゃない!!
こんなラブラブ甘々ムードおかしい!!
もっとしゃんとしなきゃ!
そう思いながら外に着た服よりもっとラフな格好になった。
バタン!
ドアを開けるとすぐそこにセツナがいた。
セツナ「蜜。」
苦渋に満ちた端正な顔と魅惑の声に、さっきの決意がグラッて揺れる。
:07/07/13 20:01 :SO903i :ceGDlScE
#191 [向日葵]
私は背筋を伸ばしてセツナを見る。
蜜「今からわ・た・しの朝食を作るので、退いてください。」
セツナは道を開けると階段を降りる私の後を付いてくる。
嫌味も込めてホットケーキを焼いてやる事にした。
蜂蜜をこれでもかってくらい大きな音を立てて置く。
セツナ「蜜。悪かったって。」
私の機嫌が直らなくて少々困っているらしい。
でも困ればいい。私はいつもセツナに困らされてばっかりなのだから。
:07/07/13 20:14 :SO903i :ceGDlScE
#192 [向日葵]
蜜「調理中です。話かけないで下さい。」
そう言うとセツナは逆ギレかの様に眉をぎゅっと寄せて椅子に足を組んで座り、勝手にテレビをつけた。
今の時間はあまりいい番組はやってないって。
そう思いながらジューと焼けていくホットケーキを待つ。
……。
さて完成。
蜂蜜を取ってホットケーキにまんべんなくかける。
そして食べる。そんな姿をセツナはテーブル越しに頬杖を付いて見つめる。
:07/07/13 20:21 :SO903i :ceGDlScE
#193 [向日葵]
私はため息をつくとセツナを見た。
まだ何か気に入らない様な顔つきだ。
イラッ
怒りたいのはこっちだってば!
蜜「何なんです?」
セツナ「お前が何も分かってないからイライラしてるんだ。」
蜜「じゃあどーぞお帰りくださいよ。大体、何も分かってないのはどっちですか。」
セツナ「蜜。」
あの魅惑の声が真剣味を帯びる。
:07/07/13 20:42 :SO903i :ceGDlScE
#194 [向日葵]
口に運ぶ為にフォークに突き刺したホットケーキがポトッとお皿に落ちる。
蜜「ハァ……。なんですか?」
ナイフとフォークを置いてセツナを見つめる。
セツナ「突然あんなことをしたのは謝る。……だがな。お前は勘違いしている。」
私は顔をしかめた。
勘違い?
蜜「何をです?」
セツナはテーブルの向こうから手を伸ばし、私の顔に触れる。
セツナ「お前は、さっきのキスがホントに食事の為のものと思ってるのか?」
:07/07/13 20:49 :SO903i :ceGDlScE
#195 [向日葵]
貴方がそう言ったんでしょうよ。
蜜「そうですけど?」
セツナ「それが勘違いなんだ。俺は……お前をもっと側に寄せたいんだ。なのに……お前は俺とのキスを極端に嫌がってる。」
いや喜んでやってたら私まで変態になっちゃうじゃないですか。
内心突っ込みを入れながらセツナの話を黙って聞く。
セツナ「だから知らしてやりたかったんだ。俺がどれだけお前を……求めているか。」
:07/07/13 20:55 :SO903i :ceGDlScE
#196 [向日葵]
セツナの熱い視線が私を突き刺す。
蜜「私は……っ。こんな自分が嫌なんです。……セツナのキス一つで馬鹿みたいに悩む自分が……。」
まるで私じゃないみたいで。
セツナが私の隣へやって来て立ったまま私の頭を抱き締めた。
セツナ「それが普通だと思う。俺だって蜜が現れるまで他人を求めることなんてなかった。」
セツナの方が人間の心理を分かっている様で何か悔しかった。
:07/07/13 21:00 :SO903i :ceGDlScE
#197 [向日葵]
セツナはしゃがんで私を見つめる。
私の好きな、あの優しい目。
セツナ「蜜。お前は俺が好きか?」
改めて聞かれると恥ずかしいし言いづらい……。
私は小さく頷いた。
するとセツナは満面の笑みを浮かべる。
セツナ「だからもう少し俺に近づいてはくれないだろうか。」
私は一瞬どうしたらいいか迷って、おずおずと手を伸ばしてセツナの首に巻き付けた。
:07/07/13 21:10 :SO903i :ceGDlScE
#198 [向日葵]
まるで迷子の子供みたいにぎこちなく、それでもギュッと力強く。
セツナもゆっくりと背中に手を伸ばしてきて抱き締める。
決心するのを誤ったかもしれない。
全く意味が無くなった。
恋人同士になったからにはこーゆー雰囲気がつきものなのかも。
ってか朝っぱらから私達は何をしてんだ何を!!
普通こーゆーのが高ぶるのは夜であって!
嫌夜も困るけど!!
とか思いながらも心地よいセツナの腕からは逃れられないのだった。
:07/07/13 21:27 :SO903i :ceGDlScE
#199 [向日葵]
――――
――――
今日はここまでにします
次は明日の朝にします
:07/07/13 21:28 :SO903i :ceGDlScE
#200 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・
ブイーン
時間も経ち、完璧な朝になったトコで私は家事を始める。
普段おばあちゃんが掃除してくれてる分、必死になるほど掃除機をあちらこちらにかける必要はなかった。
セツナ「みーつー。そんな事してないで出かけないかー?」
蜜「あのねぇ…。おばあちゃんがいない間は私が家を守らなきゃいけないんですよ?おばあちゃんが帰ってきてゴミだらけ埃だらけだったらいけないでしょう……。」
:07/07/14 09:34 :SO903i :sQA2iImQ
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