黒蝶・蜜乙女
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#301 [向日葵]
も、物足りないですって?!
セツナ「次はもっと舌を出してもらわなきゃいけないな。」
蜜「つ、次…で、す…ってぇ……ハァ……。」
今は足に力が入らなくてセツナの腕に支えてもらっている。
漫画でよく目が渦巻きみたいになるのがあるけど、私は正に今その状態。
なんで私がこんな官能的な事をしなきゃいけないんだ。
セツナ「ククク……。少し激しすぎたかな?」
蜜「ハァ…大分……です、よ……。」
:07/07/16 19:20 :SO903i :9Zw9K4o2
#302 [向日葵]
――――
――――
キリますね(´・ω・`)
:07/07/16 19:21 :SO903i :9Zw9K4o2
#303 [向日葵]
こんなつもり私の人生設計図にはなかったハズ……。
厄介事は一切嫌いだったのにむしろ深みにハマっていってる。
セツナ「体調は如何かな?」
蜜「さいてー…。」
低く言うとセツナは笑う。どんだけ余裕なんだくそーっ!!
セツナ「いつもの場所までひとっ飛びしても平気か?」
蜜「いいですけどゆっくり頼みますよ……。」
セツナはクスッと笑うとおでこにキスした。
セツナ「了解賜った。」
:07/07/16 21:04 :SO903i :9Zw9K4o2
#304 [向日葵]
私を抱きかかえたセツナは木のてっぺん近くまで飛んで行った。
いつもみたいに木の枝に降ろしてくれるのかと思いきや、今日は抱いたまま枝に座る。
蜜「…。何故降ろしてくれないんですか?」
セツナ「護衛に決まってるだろ。」
護衛って……。また大袈裟な。とか言ったらまた怒られるんだろうな……。
どこか過保護なんだよねセツナって。
セツナ「アイツらって言うのは……。」
いきなりセツナが話出した。どうやら“アイツら”について聞かせてくれるらしい。
:07/07/16 21:28 :SO903i :9Zw9K4o2
#305 [向日葵]
セツナ「昔俺を殺そうとした奴らなんだ。そいつらは、地位は一番低いくせにずる賢くて、意地汚い。おまけに貪欲。」
セツナは海を見ながら今にも吐きそうなくらい気分悪そうな顔をした。
セツナ「自分達の利益の為ならなんでもするような最低最悪な奴らで、自然界でもほぼ追放の身にある。…………なのに、この辺をのさばっている。だから、緑や風達は脅えている。」
蜜「セツナは怖くないんですか?」
セツナは鼻をフンと鳴らした。
セツナ「黒蝶族がアイツら如きに脅えるか。」
:07/07/16 21:34 :SO903i :9Zw9K4o2
#306 [向日葵]
「でも」とセツナは続ける。
セツナ「お前は別だ。俺はいつだってお前が消えるのが怖い。」
―――ドキッ……
不意打ち……。卑怯だ…。
蜜「よっぽどセツナに酷いことされない限り、私は出来るだけ側にいますよ。」
セツナ「……ずっとではないのか。」
―――ドキッ……
蜜「ず、ずっと……いますよ。」
:07/07/16 21:45 :SO903i :9Zw9K4o2
#307 [向日葵]
セツナは安心した様に笑うと胸元に顔を横にして置いてきて私を抱き締めた。
わかった。
この人が可愛く見える瞬間は、こんな風に甘えてくれる時なんだ。
そしてそれを可愛く見える度、私はセツナにどんどんのめり込んでいって、愛しさが増して、どうしようもなくなってしまうんだ。
:07/07/16 21:52 :SO903i :9Zw9K4o2
#308 [向日葵]
チャプター7:訪問者
蜜「教科書良し。お弁当よし。あとー……戸締まりも良しっとー。」
同棲もどきを初めて3日目。今日は学校の日。
蜜「セツナー。風さん達は来ましたか?」
庭で腕組みしながら天を仰いでいるセツナに呼びかける。
セツナ「ったく何してるんだ。」
イライラしてるセツナの隣まで来て、私も同じ様に天を仰ぐ。
:07/07/16 22:06 :SO903i :9Zw9K4o2
#309 [向日葵]
するとそよ風と共に風さん達が来た。
セツナ「遅いっ!いつまで待たす気だ!!」
風さん達はびくびくして必死にお辞儀する。
蜜「セツナ!怒らないであげて下さいよ!」
私はポケットから袋を一つ開けてしていたリボンをといた。
中には小さめのクッキーをいくつか入れていた。
蜜「風さん達、食べれますか?」
次の瞬間クッキーはなくなってカワイイ笑い声と共に「ありがとう」と聞こえた。
:07/07/16 22:13 :SO903i :9Zw9K4o2
#310 [向日葵]
セツナ「蜜よ。俺にはそれはないのか。」
蜜「貴方食べないじゃないですか。」
セツナ「蜜がくれるならなんでも食べるさ。」
蜜「残りが少しあるからなんなら食べます?」
リビングに帰ると後ろから腕を掴まれてくるりと回って目の前にはセツナがいた。
蜜「ダンスはをするとは言ってないんですけど…。」
顎に手をやって顔をクイッと上げられた。
:07/07/16 22:19 :SO903i :9Zw9K4o2
#311 [向日葵]
セツナ「やはりこちらの方が嬉しいんだが……駄目か?」
蜜「イエスノーで聞かれるならばノーですけど。」
セツナ「そうかそれは残念だ。だが……俺の答えは分かっているな?」
そう言うと顔を傾けて唇を優しく押し付けた。
そして離す。
蜜「……。」
私は目をパチクリさせていた。
珍しい…。今日は軽いや。
その視線に気付いたセツナはニヤリと笑う。
:07/07/16 22:29 :SO903i :9Zw9K4o2
#312 [向日葵]
セツナ「足りなかった?」
蜜「さっさと学校行きましょう。」
セツナから離れてカバンを持ち、玄関へ向かう。
今日もいつもと同じ1日が始まる。
……そう思ってた。
・・・・・・・・・・・・・・
清「あ!蜜!!おっはよー!」
靴箱で清がいた。
蜜「おはよう。」
:07/07/16 22:38 :SO903i :9Zw9K4o2
#313 [向日葵]
――――
――――
今日はここまでにします
:07/07/16 22:39 :SO903i :9Zw9K4o2
#314 [向日葵]
清「今日の英語のリ……」
清が言葉を失ったのは訳がある。私が目の前から忽然と消えてしまったからだ。
一方その私が何処へ行ったかと言うと、セツナに引きずられていたのだった。
蜜「ちょ、セツナ!いきなりなんですか!!」
セツナ「会いたくないやつがいる。」
……。なんかげんなりしてる。一体何が……?
と思っていると後ろから声が。
「セ―――ツ―――ナァァァァァァ!!」
:07/07/17 16:25 :SO903i :/DfXwmKc
#315 [向日葵]
クリクリした髪の毛が目についた。淡いピンク色でとても良い香り。
セツナ「ルキ!お前何故ここにいる!」
『ルキ?』
その少女は私より少し背が高くて可愛いと綺麗を両方持ってる子だった。
ルキ「研修ですわ♪それならばセツナ様のお近くがいいと思ったんですの!」
ルキがセツナに抱きついた時、はたと私と目が合う。
ルキ「あら?貴方は?」
蜜「へ?あ、あの蜜です。本山蜜。」
:07/07/17 16:31 :SO903i :/DfXwmKc
#316 [向日葵]
ルキは上から下まで私をジロジロと観察する。
ルキ「貴方セツナのなんなんです?」
蜜「え、……。えーっと。」
セツナ「恋人だ。」
セツナがうっとおしそうにルキの腕を自分の首からはずしながら言った。
ルキ「こっ、こんな冴えない人がこい、こここ恋人ですって―――っ?!」
ごもっとも……。
セツナがルキの腕を掴んで睨む。
:07/07/17 16:35 :SO903i :/DfXwmKc
#317 [向日葵]
セツナ「オイ。口を慎め。いつお前に俺を侮辱する権限を与えた。」
蜜「いやあのセツナ。貴方は何も言われてませんよ……?」
セツナが横目で私を見る。
セツナ「俺が言われたも同然だ。」
そしてまたルキに目を移す。
セツナ「次は無いと思え。」
そしてルキの腕を離すと私の肩を抱いて教室まで行った。
:07/07/17 16:39 :SO903i :/DfXwmKc
#318 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・
蜜「セツナ。いくらなんでも女の子に暴力はいけませんよ!」
現在教室前。
教室まで送ってくれたセツナに私は告げた。
セツナ「ハァ…。今日はお前の説教ばかりだな。」
蜜「優しくするのを私だけじゃなく他の人にもして下さいと言ってるんです!」
まぁ優しいかどうかは分からないけど……。なんてったってS……。
セツナ「蜜が言うなら仕方ない。…努力する。」
:07/07/17 16:44 :SO903i :/DfXwmKc
#319 [向日葵]
私は微笑む。
蜜「お願いしますね。ではまたお昼に。」
と言って教室に入ろうとしたら
セツナ「蜜。忘れ物だぞ。」
忘れ物?なんか忘れたっけ。筆箱?教科書?
蜜「何ですか?」
腕を引かれたと同時に、セツナの唇が軽く唇に触れる。
蜜「――――っ!!!!」
セツナ「じゃあな。」
:07/07/17 16:53 :SO903i :/DfXwmKc
#320 [向日葵]
私は暫く口を押さえたままその場に立ち尽くした。
『だから!人間のマナーを学んでてあれだけ言って』
小川「おはよう!」
蜜「うわー!っとおはようございます!!」
いきなり声をかけられて思わず両手を万歳してしまった。
小川「ゴメン!そんなに驚くとは……。」
蜜「いやいや。こちが悪いだけで。」
会話しながら教室に入ると、先に着いていた清が話かけてきた。
:07/07/17 16:58 :SO903i :/DfXwmKc
#321 [向日葵]
清「みーつ!朝からお熱いねー♪いってきますのキ・ス☆」
私は速攻で清の口を塞ぎに行った。
蜜「き〜よ〜…。教室のど真ん中でなぁにを口走ってるかぁ〜…。」
清「そりゃああれだけ素敵な人だったら何されてもいいわよね。」
蜜「黙れぇぇぇぇっ!!!!」
「え?本山さんってやっぱり?!」
「どっちから告ったの?!」
突然クラスの女子からの質問責め。
私は一気に囲まれた。
:07/07/17 17:02 :SO903i :/DfXwmKc
#322 [向日葵]
そんな中、ドア付近に立ち尽くしたままの小川はショックを受けていた。
蜜[微妙。]
確かに本山は前、そう答えた……。なのに…。
――――――……
ズバンッ!!
1時間目の休み時間。大きな音を立てて入ってきたのはセツナだった。
蜜「…セツナ?!どうしたんです?」
セツナ「蜜。帰るぞ。」
蜜「はい?!何言って!」
手を引っ張られてドア付近まで連れて行かれると
:07/07/17 17:16 :SO903i :/DfXwmKc
#323 [向日葵]
ルキ「セッツナ――――!!!!」
前からルキが飛んできてセツナに飛び付く。
セツナは均衡を崩して倒れ、私は反動で飛ばされた。
セツナ「ルキ!いい加減追いかけてくるのを止めないか!!」
セツナが身を起こしながらルキに叱咤する。
蜜「あいっ…たたた……。」
小川「大丈夫?」
ふっ飛ばされた私に、小川君が優しく手を差しのべてくれた。
:07/07/17 17:21 :SO903i :/DfXwmKc
#324 [向日葵]
小川「足すりむいてるけど…平気?」
見ればほんのちょっとだけ傷になっていた。
蜜「大丈夫!ありがとう!」
なんだかのほほんとした空気が流れた。
それが気にいらなかったのか、セツナが後ろから私を抱き締める。
セツナ「俺のに気安く触るな。蜜、帰るぞ。」
蜜「い、嫌ですってば!!私は授業を受けます!」
ルキ「セツナ!私とお話をしましょう♪」
:07/07/17 17:26 :SO903i :/DfXwmKc
#325 [向日葵]
もー!皆ゴチャゴチャ自分の事ばっかりぃ!!
いい加減にしてよぉっ!!!!
その時、私とセツナを繋ぐ手がやんわりと離された。
そしてわたしの目の前に小川君が立つ。
小川「嫌がってるじゃないですか。止めてあげてください。」
蜜「小川君……。」
セツナは不機嫌丸出しになって小川君を睨みつける。
セツナ「関係ないだろ。邪魔するな。」
蜜「小川君、私ならいいから……。」
:07/07/17 17:29 :SO903i :/DfXwmKc
#326 [向日葵]
それでも2人は睨み合ったまま。一歩も動こうとはしない。
するとセツナの目が私を捕えた。
セツナ「蜜。俺は帰る。帰ったら覚悟しとけ。」
そう言うとバシン!!と音を立てて出て行ってしまった。
蜜「あ……。」
小川「ゴメン。俺…余計な事……。」
蜜「ううん。そんな事ない!ありがとう。」
小川君は弱々しく微笑むと自分の席へ戻って行った。
:07/07/17 17:33 :SO903i :/DfXwmKc
#327 [向日葵]
その場に立ち尽くしてドアを見つめる。
『まったく…自分勝手なんだから……。』
ルキ「貴方……ホントにセツナ様の恋人ですの?」
蜜「はい……まぁ。」
ルキ「はいまぁですって……?そんなどうでもいいみたいな言い方なさるなんて……。どうかしてるわ!」
ルキが私に詰め寄る。美人の怒った顔は迫力があるから困る。
私はたじたじになった。
ルキ「あの方が恋人ですのよ!それを“はいまぁ”で済ますなんて、好きではないんですよ!!」
:07/07/17 17:38 :SO903i :/DfXwmKc
#328 [向日葵]
ルキは教室を出てどこかへ走って行った。
とんでもない人がやって来たものだ……。
―――――……
お昼は1人だった。だってセツナは帰ってしまったんだもの。
いつも隣にいるハズの影が今日は無くて少し切なかった。
ルキ[好きじゃないんですよ!]
『そんな事ないのになぁ……。』
そうだったらこんなにドキドキもしないし、寂しくご飯を食べてる訳もない。
:07/07/17 17:43 :SO903i :/DfXwmKc
#329 [向日葵]
どうも私はそーゆー感情を表に出すのが苦手だ。
言われ慣れてる訳でもないし、言い慣れてもない。
胸を張って恋人だと言える訳もない。
だって私はルキが言った通り冴えていない。平凡な人生を暮らしていたし、別に容姿のことだって気にはならない。
ここに来て、これだけ気にするとは……。
蜜「可愛かったり…綺麗だったら、胸張って…セツナの恋人って言えるかなぁ……。」
それでもセツナは、こんな私を可愛いと言ってくれた。
誰が何と言おうと、セツナが可愛いと思ってくれるなら……別にいいのかもしれない。
:07/07/17 17:49 :SO903i :/DfXwmKc
#330 [向日葵]
蜜「お弁当…美味しくないよ…。セツナ……。」
まだ冷たい風が私の体を触れて行った。
――――
――――――……。
教室を出るとルキがでんっ!!といた。
蜜「な、なんでございましょうか……。」
ルキ「貴方のお家まで案内してもらおうと思いまして。」
蜜「……は?」
ルキ「貴方に私の気持ちが分かりますの?」
そこからルキは自分の世界へ入って行った。
:07/07/18 00:35 :SO903i :.1ksn8JQ
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