黒蝶・蜜乙女
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#652 [向日葵]
まぁなんと……。
携帯があればこの城内を写メで撮りまくりたいね。
ラフィーユ「出来たぞ。セツナの部屋まで案内する。」
―――ドクン…
急に胸が高鳴り始める。
これが現実だと知った今、セツナにやっと触れられると思うと胸がざわついた。
約一日しか会ってないだけなのに……。
広い階段を一歩ずつ上がりながらなんだか崩れてしまいそうになった。
なんだか前を歩くラフィーユが遠くにいるように感じる。
:07/07/30 00:30 :SO903i :bYIMQhCc
#653 [向日葵]
そしてラフィーユの足がこれまたデカイ扉の前で止まった。
コンコン
ラフィーユ「セツナ。連れて来た。」
すると部屋の中からセツナの低い声が聞こえてきた。
セツナ「入れろ。」
ラフィーユは大きい扉を安々と片手で開けると私を中へと押し込み、扉を閉めた。
中は下を巻くほど綺麗かつ広い。
蜜「なんじゃこりゃ……。」
思わず呟いてしまった。
いやいやそれよりも……!!
私は頭を振った。
:07/07/30 00:34 :SO903i :bYIMQhCc
#654 [ラナ]
<<525-<<700
:07/07/30 00:35 :P901i :OZTHkyIA
#655 [ラナ]
:07/07/30 00:38 :P901i :OZTHkyIA
#656 [向日葵]
窓側の椅子に何故か私に背を向けて座っているセツナ。
光に当たって黒い髪が綺麗に輝いている。
それをぼぅっとして見ていた。
蜜「……セツ……ナ?」
セツナは反応しない。
何でか分からず、私は一歩だけ進む。
『まさか……今度こそ私の浅はかさに怒り狂ってるんじゃあ……。』
そう思うとせっかくの再開が少し憂鬱になってきた。
その時、セツナがため息をついて椅子を立ち、私の方を向いた。
:07/07/30 00:39 :SO903i :bYIMQhCc
#657 [向日葵]
ラナさん
安価どうもです
――――
――――
セツナは苦しそうに椅子の背もたれを握りしめている。
どうしたんだろ……。
するとセツナは意を消した様にあっと言う間に私の前まで来た。
セツナの顔はまだ苦しそう……。
蜜「あの…、服ありがとうございました。とってもピッタシですよ。」
セツナが安心する様に笑顔で喋ってみた。
:07/07/30 00:43 :SO903i :bYIMQhCc
#658 [向日葵]
グィッ! ギュウゥッ。
セツナが急に強く私を抱き締めた。
蜜「セツナ…っ。苦し……。」
セツナの背中をギブッ!!と叩いてみても力は緩まない。
セツナ「蜜…っ。」
搾り出すような悲痛な声に、私は胸がキュウッとなった。
待ち焦がれたセツナの体温が、今ここにある。
そう思うと急激に視界がボヤけた。
:07/07/30 00:47 :SO903i :bYIMQhCc
#659 [向日葵]
蜜「セ、ツナァ……っ!」
私の声の変化に驚いてセツナは私の肩を持って引き剥がした。
セツナ「す、すまん。痛かったか?」
私は両手で顔を覆って首を横に振った。
セツナが心配そうに私を見ているのが見なくても分かる。
それが嬉しくて涙でボヤけてるのにセツナの顔を見ようとした。
セツナ「……蜜。泣くな。ゴメン。俺が守るって約束したのに怖い思いさせてしまった……。」
:07/07/30 00:51 :SO903i :bYIMQhCc
#660 [向日葵]
そんなのどってことない。
だってセツナは助けに来てくれた。
それが何より嬉しくて……。
蜜「セツナ…。会いたかった……。」
名前を口にしたら更に涙が流れていった。
セツナは私の顔を両手で包んで涙を拭う様に瞼に唇を当てる。
あ……セツナの唇だ…。
私もセツナを確かめる様にセツナの顔を手で触れた。
セツナの頬、目、鼻、唇……。全てを指先でなぞった。
:07/07/30 00:55 :SO903i :bYIMQhCc
#661 [向日葵]
いる…。
セツナが……。
それが嬉しくて、私は笑顔になる。
蜜「セツナだ……。」
一筋涙が流れたら、セツナの顔がちゃんと見れた。
セツナも笑っている。私の大好きなあの優しい目をして。
セツナ「あぁ。ここいる。いつだって絶対…側に……。」
私達は嬉しくて、何故かそれがくすぐったくて、オデコをくっつけて笑い合った。
:07/07/30 00:59 :SO903i :bYIMQhCc
#662 [向日葵]
セツナが前に言ってた言葉。
[一秒たりともお前と離れるのは嫌だ。]
初めはそんな大袈裟なって思ってた。
離れてみて初めて分かる。セツナの言葉の意味。
私達は笑い合った後、またキツク抱き締め合った。
まるでさっきまで一緒にいれなかった分を取り戻すかの様に……。
私達の絆を確かめる方法……。こんな簡単に出来るんだ……。
:07/07/30 01:05 :SO903i :bYIMQhCc
#663 [向日葵]
チャプター13:久々の平和
光が顔に当たる。
朝だ……。起きて学校行かなきゃ…。
意識を現実に近付けると枕なのに固く、それでいて温かい物が頭の下にあることに気付く。
『何…?コレ……。』
目をゆっくり開けると
蜜「っ?!」
セツナ「起きたか?」
:07/07/30 01:09 :SO903i :bYIMQhCc
#664 [向日葵]
目の前には胸元まで開けられた白いシャツと肌。
更に上を少し向くとセツナの顔がドアップ。
蜜「セツナ……。あれ?学校……。」
セツナが眉を寄せる。
セツナ「何を言ってる。お前昨日までのこと覚えとらんのか。」
……昨日…。
――――ハァッ!!
とっさにセツナを見つめて顔に触れる。
セツナはその手を握って優しい微笑みを返してくれた。
:07/07/30 01:12 :SO903i :bYIMQhCc
#665 [向日葵]
セツナ「大丈夫……。」
そうだ昨日は……。セツナが助けに来てくれて……。
セツナ「寝不足か知らんがよく寝ていたな。もう昼前だ。」
蜜「昼?!あーどうしよ!!学校!いやその前に助けてくれた皆さんにご挨拶っ?!いや違うえっと……!!」
ベッドの上をゴロゴロ転がってるとセツナは大笑いした。
セツナ「流石蜜だ!そーゆー事言うと思ったよ。」
あ、今気付いた。
頭の下の物はセツナの腕だ。
:07/07/30 01:17 :SO903i :bYIMQhCc
#666 [向日葵]
その腕が私の頭を引き寄せてギュッと優しく抱き締める。
セツナ「そんな事よりまだこのままでいいだろ?」
と言いながら頭に唇を押しつける。
あぁ…。いつもの日常だ……。
ぼんやりと考えながら私はセツナの体温に身を寄せた。
肌が間近くにあるのは心臓に悪いけど……。
セツナの唇がゆっくりと下へ降りてくる。
オデコ、瞼、頬。
……そして…
:07/07/30 01:22 :SO903i :bYIMQhCc
#667 [向日葵]
唇に来る前に腕枕を外し、フカフカの枕に私の頭を沈めた。
そして軽く覆い被さって、両腕は私の顔の横に置いた。
心臓が苦しいくらいに脈打つ。久しぶりだから?
そういえば昨日はしてない……。
いやおかしいおかしい。
それはただの欲求不満だよ。
と心の中でツッコミをいれながら、セツナに言った。
蜜「ちょーっと心の準備をさせて下さいー?」
:07/07/30 01:26 :SO903i :bYIMQhCc
#668 [向日葵]
セツナは色気のある顔で微笑むとどうぞと言った。
私は何度か深呼吸をした。
……。準備はまぁ…出来たけど、どうやってセツナに言えばいいかしら……。
オッケィ!!って言うのもおかしいし……。どんだけ元気だよ。
するとセツナが片方の手で優しく頬に触れる。
それだけで甘い雰囲気にスイッチが押された。
セツナ「準備はいいか……?」
蜜「…。」
:07/07/30 01:30 :SO903i :bYIMQhCc
#669 [向日葵]
セツナは少し顔を近付けてもう一度聞く。
セツナ「いい…?」
出た!魅惑の声。
聞いてるだけで溶けそうだ…。
「いい」と言葉にするのが恥ずかしくて私は小さく頷いた。
セツナの顔が、より一層色気を増す。
セツナ「喋るなよ。」
っとイタズラっぽく言うと静かに唇を重ねてきた。
『頭……ぼーっとする……。』
:07/07/30 01:33 :SO903i :bYIMQhCc
#670 [向日葵]
私には珍しく、セツナのキスに答えてしまった。
それに気付いたセツナはさっきよりも激しく唇を重ねる。
そして……
蜜「……っ。」
私の口の中にセツナの舌が入ってくる。
容赦なく、だけどどこか優しく私の口内を荒らす。
『息……出来ない……。』
私は苦しくて思わずセツナの襟元をギュッと掴んでしまった。
これが逆効果……。
:07/07/30 01:37 :SO903i :bYIMQhCc
#671 [向日葵]
セツナの舌がより奥へ入り込む。
蜜「んむ…っ。は、ぁ……。ハァ…。」
ようやく唇が離れた時には体温が二度ほど上がったのか軽く汗ばんだ。
しかしセツナは……。
蜜「ふぇ…っ!」
首筋に唇を押しつける。
そして鎖骨へ……。背中に手を回すとドレスのチャックをゆっくり下ろす。
蜜「セツナセツナセツナセツナ!!!!おかしい!それはおかしいって!!」
セツナ「おかしくはないだろう。お前から誘ったんだ。文句はあるまい。」
:07/07/30 01:43 :SO903i :bYIMQhCc
#672 [向日葵]
誘っ……?!
もしかして襟元を掴んじゃったから?!
蜜「違う!あれは息が苦しくて……っ!」
セツナ「へーぇ。」
興味なさそうに呟くとチャックは遂に完全に下まで降ろされた。
蜜「ちょ、ちょっとストップセツナぁぁ!!」
オウマ「ウイーッスセツナァァ!そろそろ起きろ…。……あ。」
ストップをかけたと同時にバァンと大きな音を立ててオウマ君が部屋へ登場。
:07/07/30 01:47 :SO903i :bYIMQhCc
#673 [向日葵]
しかし目の前に広がるはセツナと私の正にそんなシーン。
私の髪の毛とドレスは若干乱れてるわ、セツナは被さってる上に服は胸元まで開いてるわ、私は半泣きだわ……。
オウマ「おーっとぉ……。ゴメン!邪魔した!」
バタン!!
邪魔してくれてありがとうございました……。
おかげでセツナの私に対する欲は抑えられたみたいです……。
セツナはベッドから降りると豪快にシャツを脱ぎ捨てた。
:07/07/30 01:52 :SO903i :bYIMQhCc
#674 [向日葵]
蜜「どぅわぁぁぁっ!!何しくさってんですかぁ!!」
セツナ「馬鹿。只の着替だ。オウマのせいで気がそれた。」
オウマ様ありがとう(感涙)
よく見ると私達がいたベッドはとてつもなくデカイ……。裕に15〜20人は寝転べそう。
なんか無駄な広さ……。
コンコン
ノックが聞こえて急いで布団を被る。
ラフィーユ「セツナ。起きたか?」
セツナ「オウマの馬鹿のせいで目覚めが悪い。」
:07/07/30 01:57 :SO903i :bYIMQhCc
#675 [向日葵]
セツナはいつの間にか襟の高い濃い灰色の服を着ていた。
ラフィーユ「すまない。後で注意する。蜜。着替え、手伝う。」
蜜「え、あ、ありがとう…。」
布団を被ったまま、セツナの部屋の隅まで連れていかれる。
今日は何故か人間界でも着れそうな服だった。
白地に青いストライプの入ったシャツに、紺色のカーディガンを羽織る。
前はボタンじゃなく紐で蝶々結びをする。
それに膝より少し長い黒のスカート。
:07/07/30 02:04 :SO903i :bYIMQhCc
#676 [向日葵]
靴はブーツだ。
何故こんな感じのを昨日着せてくれなかったんだろうと少し疑問がよぎる。
そして何故か髪の毛をくくられた。
顔の横にある部分だけを三つ編みにされた。
しかし……。
人間界では少し早い春の服装に比べてラフィーユはノースリーブのカッターを長くした様な上に黒い半端デニム……。
季節がバラバラですけど……。
ラフィーユ「よしいいぞ。ではまたな。」
と言って長い髪から良い香りを漂わせながらラフィーユは去っていった。
:07/07/30 02:09 :SO903i :bYIMQhCc
#677 [向日葵]
――――
――――
今日はここまでにします
:07/07/30 02:09 :SO903i :bYIMQhCc
#678 [向日葵]
なお、感想などを頂けるのは大変嬉しいのですが、読みにくいとのお声があったのでお手数ですが感想板までお願いしますm(__)m
:07/07/30 02:10 :SO903i :bYIMQhCc
#679 [にゃ]
:07/07/30 20:43 :P904i :Yw84T./k
#680 [あキ]
あげます
:07/07/30 23:37 :SH902i :AZJQKrXo
#681 [向日葵]
にゃさん
安価ありがとうございました
あキさん
あげありがとうございました
――――
――――
私は自分の三つ編みされた髪の毛を持って見つめる。
蜜「私もあんな髪の毛だったらなぁ―……。」
ぽつりと呟くとすぐ側までセツナが来ていた。
セツナ「充分綺麗じゃないか。」
黒髪日本一……いや地球一……いいすぎ?
世界一(下げた)の貴方にはわかりますまい……。
:07/07/31 00:14 :SO903i :2vuVxr6U
#682 [向日葵]
と言う意味を込めてジトッとセツナを見上げた。
セツナは私の顔を両手で包んだ。
え?!今度は誘ってない自信大有りだよ?!
しかし私の予想は違った。
セツナは指先で私の頬を摘むと伸びる限り横にグニィーッと引っ張った。
蜜「ひばばばば!ふぁんふぇふふぁー!!」
ちなみに「いたたたた!何ですかぁー!!」……っと言ってます。
セツナ「なんか気に入らなかったから。お仕置き。」
それだけ言うとセツナはパッと手を離した。
私のほっぺたは元の形に戻ろうとする。
:07/07/31 00:20 :SO903i :2vuVxr6U
#683 [向日葵]
私は両手で引っ張られた所を擦る。
蜜「別に捻んなくても…痛いし…絶対赤くなってるし……。」
ブツクサ小声で文句を言うとセツナは私の頭をワシッと掴んで上を向かせた。
蜜「あー痛い。」
半目をして嫌味ったらしくセツナに言ってやった。
セツナはククッと笑う。
セツナ「今の顔、すっごい不細工だぞ…っ。」
んなっ!!
私の顔が怒りで真っ赤になる。
:07/07/31 00:24 :SO903i :2vuVxr6U
#684 [向日葵]
蜜「ひどい!」
私は扉まで大股で行き、力任せに足を鳴らした。
セツナが絶対来ると思ったのに来ない。
そうやって期待してた自分も腹立つ―――っっ!!!!
心の中で頭をガシガシかきながら扉の取っ手に手をかける。
カチャ
?
カチャカチャ
??
蜜「ぬ、ぬぅー……っあ!!」
:07/07/31 00:28 :SO903i :2vuVxr6U
#685 [向日葵]
え?
蜜「開かない…。」
いや違う。開けることが出来ない。
扉がものっそ重い……。
え?だってオウマ君やあのほっそーいラフィーユだって軽々開けて……。
セツナ「お前なんかじゃ開かないぞ。俺達はお前の何百倍も力があるんだからな。」
つまりラフィーユは力持ちさん。
キャア☆素敵!
……って馬鹿!!
セツナ「出て行かないのか?」
振り向かなくてもセツナがニヤニヤしながら私を見ているのは分かる。
:07/07/31 00:33 :SO903i :2vuVxr6U
#686 [向日葵]
むっきぃぃぃぃ!!!!
蜜「ラフィーユ!!そこにいませんかぁぁ!!!!」
っている訳
カチャ
ラフィーユ「何だ?」
あった。
蜜「良かった!!扉が開かなくて困ってたの。」
ラフィーユはキョトンとして私を見つめた。
セツナ「セツナ、いるじゃないか。」
私は振り向かず嫌味を言ってやった。
蜜「意地悪セツナは頼んでも何もしてくれませんから!」
:07/07/31 00:37 :SO903i :2vuVxr6U
#687 [向日葵]
と言ってラフィーユが開けてくれたドアの隙間からするりと抜けて私はセツナの部屋を出た。
ラフィーユ「あまりいじめる、良くない。」
セツナはクスッと笑う。
セツナ「最高の愛情表現をしてやってるだけだ。」
セツナも部屋を出た。
・・・・・・・・・・・・・
オウマ「あ!蜜!!」
オウマ君は私を見つけるなりすっ飛んで来た。
オウマ「さっきはお楽しみ中ゴメン!!」
声がデカ――――イ!!!!
蜜「いや、うん。別に気にしてないし……大丈夫!」
:07/07/31 00:42 :SO903i :2vuVxr6U
#688 [向日葵]
オウマ君はニカァッと笑うと私の手を握った。
オウマ「お詫びに外の花畑案内するぜ!!ひゃっほぉ〜い♪」
楽しそうに駆け出すと、スピードを増し、そして!
オウマ「ほぅら…ぃよ!!」
蜜「ギャァァ!!」
なんと片手だけで空に放り投げられた。
ボスッ
オウマ「おぅさ!!」
:07/07/31 00:45 :SO903i :2vuVxr6U
#689 [向日葵]
受け止められてお姫様抱っこをされた。
オウマ「イッ…エ―――――イ♪!!!!」
ズガァン!!
オウマ君は蹴ってお城のドアを開けてしまった。
元気と乱暴者ってなんか紙一重の気がする。
下へ近づいていくと正に花畑。
水平線とかじゃなくと花平線……。
オウマ「この蜜吸ってみろ!」
差し出されたのはピンク色の掌くらいの可愛い花。
:07/07/31 00:50 :SO903i :2vuVxr6U
#690 [向日葵]
蜜「……。どうやって?」
オウマ君は花を裏返す。
するとちゃんと穴が開いていた。
オウマ「そっから!」
口を付けて少し吸ってみた。
……!甘い!!
蜜「わー!美味しい!!」
オウマ「だろ?!俺のお気に入りなんだ!!」
オウマ君はずっとニコニコ私に笑いかけてくれるものだから私も思わず顔が綻ぶ。
蜜「お花、勝手に摘んでもいいですか?」
オウマ「あぁ!好きなだけ!」
:07/07/31 00:55 :SO903i :2vuVxr6U
#691 [向日葵]
そう言うとオウマ君は少し飛んで自分の好きな花を集めだした。
私は花を摘んで冠でも作ろうかな。
それにしても色とりどり……。
しかも全部見た事が無い。もしかしたら黒蝶族の為だけにある花なのかもしれない。
蜜「サクッと〜サクッと〜♪」
冠を作りながら意味の分からない歌を歌う。
私の行動に気付いたオウマ君は興味津々に私の近くで冠作りを見る。
:07/07/31 01:00 :SO903i :2vuVxr6U
#692 [向日葵]
オウマ「すっげぇ!輪っかになってる!お前マジシャンか?!」
蜜「へ?」
あまりに目を輝かせて子供みたいに見つめてくるもんだから思わず笑ってしまった。
蜜「待ってね…。もうすぐ出来るから。」
オウマ君はウン!!っと元気よく頷いてまた私の手先を真剣に見始める。
―――2分後
蜜「ハイ。出来ましたよー。」
オウマ「すっげ!すっげ!すっげぇ!!」
そんなに凄くはないけど……。
まぁこの人達にとったら食料でしかなかったもんね……。
:07/07/31 01:04 :SO903i :2vuVxr6U
#693 [向日葵]
蜜「ハイ。どうぞ。」
オウマ「くれるのか?!」
蜜「お花畑のお礼です。」
オウマ「ィエーイ!!皆に見せてこよっ♪!!」
早っ!
オウマ君はびっくりするくらい早くお城に戻って行った。
私はそれを見送ってまた花冠を作り始めた。
大きいのでも作ろうかなぁ〜。
私も少し浮かれていた。
蜜「…っ!イタタ…。」
草で指を軽く切ってしまった。これがまた地味に痛い。
:07/07/31 01:10 :SO903i :2vuVxr6U
#694 [向日葵]
口に入れて消毒。
鉄の味が広がる。
蜜「おーえー…。」
持っていた花を口に付けて蜜を吸った。
甘い……。とまったりしたところでまた冠作り再開。
しばらくすると後ろから声がした。
セツナ「ほう。器用だな。」
蜜「あ、セツナ。器用ですか?さっきオウマ君も凄く喜んで…。」
―――ハッ!!
いけない。何和んでる私!さっきセツナに「不細工発言」されたじゃない!!
いや、別に可愛いくもないけど。
:07/07/31 01:16 :SO903i :2vuVxr6U
#695 [向日葵]
私はプイッと冠に目を向けた。
セツナは後ろでクスクス笑っている。
セツナ「何?怒ってるのか?」
ハイ無視!!
もくもくと花を輪っかにしていく。
セツナ「冗談を言っただけだろ?蜜が不細工なんてあり得るか。」
知るか!!
と口の中で悪態づく。
ってかなんでアンタ若干ふんぞり返ってる口調なんだよ!!
しばし無言。
するとカサカサ音を立ててセツナが私の背後に座る。
:07/07/31 01:24 :SO903i :2vuVxr6U
#696 [向日葵]
セツナは私ね髪を一束持ってツンツン引っ張った。
セツナ「みーいーつ。」
蜜「痛いから辞めてください。」
セツナ「喋れるんなら口をきいたらどうだ。」
黙れぇぇ!!
女の子はちょっとした事でも傷つきやすいガラスハートなんだそぉぉ!!
もうすぎ冠完成。
最後の花を摘もうとした時だった。
キュッ……。
蜜「あ……。」
:07/07/31 01:28 :SO903i :2vuVxr6U
#697 [向日葵]
セツナが後ろから抱き締めてきた。
私を足で挟む様にして座り、私はすっかりセツナで包まれてしまった。
セツナ「機嫌直してくれないか?」
プーイ。いずれ負けると思うけど一応勝負!
蜜「オウマ君がせっかく連れてきてくれて機嫌直ったのにセツナが来たせいでまた悪くなりました。」
すると顔を掴まれて無理矢理セツナの方を向かされ、出来上がり直前の冠は地面に落ちてしまった。
セツナ「どの口が言ってる?」
:07/07/31 01:32 :SO903i :2vuVxr6U
#698 [向日葵]
目を見ると怒っているのが分かった。
しまった……勘に触っちゃったかぁ…。やりすぎた。
まぁ、でもほっといてみよう…。
もしかしたら初勝利になるかもよ?!
蜜「元凶はセツナでしょ?なら、誠心誠意を込めて謝ってくれてもいいじゃないですかっ。」
セツナは眉を寄せて私の顔を解放した。
おっ。勝った?勝った?
私はまた冠を取って冠を完成させた。
:07/07/31 01:36 :SO903i :2vuVxr6U
#699 [向日葵]
蜜「でーきー…たっ?!」
後ろに引力。
もといセツナがまた抱き締める。
そして唇を耳に押し付けた。
セツナ「ゴメン…。許してくれないか……?」
――ドクン……
卑怯だぁ…。その魅惑の低い声に私は弱いのにぃ……。
セツナ「蜜…?」
蜜「や…っ、耳元で喋らないで下さいよ…っ!!」
セツナはそれでも容赦なく囁いてくる。
:07/07/31 01:41 :SO903i :2vuVxr6U
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