黒蝶・蜜乙女
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#700 [向日葵]
セツナ「許してくれるか…?」

ハイー白旗……。
せっかく勝ったと思ったねに…残念だぁぁ……。

蜜「わかりましたって!!許しますから少し離れて下さい!!」

セツナは腕をとっただけで距離は変わらない。

蜜「ハイ!仲直りの印にセツナにも花冠あげます!!」

と言ってセツナの頭に花冠を乗せてあげる。

セツナ「“も”って…。俺の他誰にやったんだ?」

蜜「え?オウマ君。」

⏰:07/07/31 01:48 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#701 [向日葵]
するとセツナはため息を吐いてそっぽを向く。

セツナ「……なんだ。俺は二番手か。」

私は瞬きを2、3回パチパチとした。

セツナ……もしかして……。

蜜「焼きもち焼いてます……?」

さっきからオウマ君の名前を出すと不機嫌になるのって、仲良くしてたから焼きもち焼いてるの?

セツナはそっぽを向いたまま膝に頬杖をついて目を瞑る。

セツナ「当たり前だろっ!」

⏰:07/07/31 01:55 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#702 [向日葵]
ここまではっきり焼きもち宣言した人初めて……。

驚きと同時に胸の奥がキュウッと締まる。
嬉しい……。

私はセツナの腕をぐらぐら揺らす。
怒りをやり過ごそうとしていたセツナはコメカミに青筋を立てた。

セツナ「っんなんだ!」

蜜「まったく。焼きもちを妬かなくてもいいと前に言ったでしょう。」

セツナ「仕方ないだろっ!!お前がそれだけ好きなんだよ!!」

びっくりした。いきなり告白された。

⏰:07/07/31 02:01 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#703 [向日葵]
私はなんだか可笑しくなって静かに笑った。
するとセツナは半目にして私を睨む。

セツナ「…オイ。ここで笑うのはおかしいだろ。」

蜜「フハハッ!だって、嬉しいですもん…。」

セツナの目が私の目を捕らえ、見つめる。
そして三つ編みに手を伸ばす。

セツナ「こうしてるのも可愛らしいな…。」

蜜「不細工じゃなかったんですか?」

セツナ「冗談だと言ったハズだ。」

セツナの目に険が帯びる。

⏰:07/07/31 02:06 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#704 [向日葵]
私はまたクスクス笑った。

セツナは私のオデコの髪をかきあげ唇を押し付けた。

セツナ「もう絶対言わない。可愛いお前にはいらない言葉だな。」

蜜「いやそれはないですけど…。」

セツナは私の顎を持ってクイッと上を向かせる。

セツナ「オウマに沢山触れられていたな。」

蜜「あまりですよ?それも嫌ですか?」

セツナ「馬鹿か。当たり前に決まってるだろ。」

⏰:07/07/31 02:12 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#705 [向日葵]
ダメだ。
今日のセツナはなんだか

蜜「可愛い……。」

と言って私は自ら唇を当ててしまった。
セツナも不意をつかれて少し驚いてたけど、すぐに私を抱き締めて唇を重ね、激しくする。

いつの間にか、舌が絡み合っていた。
自分でも驚くほどキスに集中していたらしい。

それはきっとセツナの可愛らしさを見てしまったからだ。

蜜「ふ……。はぁ…。」

セツナ「蜜も大分上手くなったな…。」

⏰:07/07/31 02:19 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#706 [向日葵]
ニヤリと笑うセツナを横目に、息を整える為セツナね胸に寄りかかる。

そんな私の背中をセツナは子供をあやす様にポンッ、ポンッと叩いてくれる。
それがまた心地いい。

セツナの体温に身を任せているとセツナが聞いてきた。

セツナ「なぁ蜜。俺はいつお前に手を出していいんだ?」

私は思わずチョップしてしまった。

セツナ「な、何をする!!」

蜜「せぇーっかく安心して心地よかったのにぃ!!頭はそればっかですか?!」

⏰:07/07/31 02:26 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#707 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/31 02:27 📱:SO903i 🆔:2vuVxr6U


#708 [ハナ]
ぁげます
頑張って下さい

⏰:07/08/01 22:24 📱:F904i 🆔:rLY7HACI


#709 [向日葵]
ハナさん

ありがとうございます

⏰:07/08/02 00:36 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#710 [向日葵]
セツナ「お前は俺の理性を買い被ってないか?」

蜜「んな事ないですよ。今朝襲ったくせに。」

と言って私はそこら辺の花を一本取って蜜を吸った。

ここの花の蜜はどれもおいしい……なぁー……。

――――――

さて、ここからは俺様、セツナが話を進めていこう。
何故かって?話を続ければ分かるさ。

セツナ「前も言ったハズだ。距離を縮めたいと。なのにお前から誘う割りに待てはかかる邪魔は入る!俺はもう限界が来てるんだ!!」

⏰:07/08/02 00:41 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#711 [向日葵]
蜜は背中を向けたまま俺の話に反応しない。

セツナ「聞いてるのか?蜜。」

すると

蜜「フフ、フフフ……。」

いきなり蜜が不気味に笑いだした。
と思ったら。

蜜「セェーツュナァー♪」

目をトロンとさせて頬を紅潮し、オマケにろれつが回ってない。

セツナ「蜜?!」

蜜は俺に抱きつく。

⏰:07/08/02 00:44 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#712 [向日葵]
蜜「フフセッチュナァ♪」

セツナ「おいお前…、まさか……。」

ちらりと蜜の足元を見ると……やっぱり…。
コイツが今吸った花は酒の花だ。

つまり俺が話を進めなければいけない理由がこれな訳だ。

セツナ「酒……弱すぎだろ……。」

蜜「ん〜?なぁ〜にっ??」
至近距離で小首を傾げて俺を見つめる。
ダメだ……。とりあえず一旦戻ろう。

⏰:07/08/02 00:48 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#713 [向日葵]
蜜を担ぎ、超特急で城へ戻る。
蜜は俺の首に腕を巻き付け、甘える様に頭を擦りつける。

可愛いは可愛いがいささか困ったものだ……。
コイツは酔うと甘え上戸になるらしい。

ギギィィィィ……

セツナ「ラフィーユ。」

ラフィーユはすぐに俺の側へやってきた。

ラフィーユ「何。セツナ。」

俺は蜜をラフィーユに差し出した。

⏰:07/08/02 00:52 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#714 [向日葵]
セツナ「コイツを風呂に入れて酒を抜いてやってくれ。」

蜜「何故酒、飲んでる。」

セツナ「勝手に飲んだんだ。」

ラフィーユは蜜を受け取ろうとした。―――が。

蜜「んーん!!いぃや!!セツナと離れちゃくにやぁいっ!!」

と言って俺にきつく抱きつく。
ラフィーユは眉を寄せて「どうすんだ。」と言った風な目を向けてくる。

俺は困り果てて大きく息を吸い、吐いた。

⏰:07/08/02 00:58 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#715 [向日葵]
セツナ「やっぱり…部屋へ連れていく…。」

ラフィーユは無言で頷くと、静かに何処かへ消えた。
蜜は安心したのかまた俺に甘えてくる。

扉を開け、蜜をベッドに寝かせ、俺はその傍らに座り一息つく。

蜜「んー……。暑い!!」

セツナ「は?」

と後ろを向くと

ポイッ

蜜はブーツを脱ぎ捨てる。
……ちょっと待て…。もしやお前……。

⏰:07/08/02 01:05 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#716 [向日葵]
俺の予想は正しく、蜜は服を脱ごうとしていた。

セツナ「ば……っ馬鹿!脱ぐな!!」

俺は蜜の手を掴んで脱ぐのを辞めさせた。
すると蜜は俺を見てヘニャァと笑う。

蜜「セツナ。しゅき!」

と言って唇を重ねる。

お……前はなぁー……。

無理矢理蜜を離すと蜜は不思議そうに見つめてくる。
蜜「どして?」

どうして、って……。そんな顔でそんな事言われてくちづけされたらいくら何でもなぁ。

⏰:07/08/02 01:12 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#717 [向日葵]
無言で蜜を見ていると、蜜が目に涙を溜め始めた。

蜜「……嫌いに…なっちゃった…?私が……子供だから?」

あー…。もう……違うって。
俺は頭を抱えた。
どうしたらいいか…。

セツナ「そうじゃない。ただ今の状態だったら俺が堪えられないんだ。」

しかし蜜は俺の話なんか聞かず、距離を縮める。

蜜「好き…。セツナ。」

もー……無理。

ボスッ!

⏰:07/08/02 01:19 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#718 [向日葵]
俺は蜜を押し倒して深くくちづけした。

蜜も酒のせいでくちづけに答える。
そして唇を首筋に滑らせ、服のボタンを1個外す。

すると蜜が俺の頭を抱き締めて囁いた。

蜜「大好き……。」

とだけ言って、手がパタリとベッドに落ちる。

セツナ「…ん?蜜……?」
蜜「スー…。スー…。」

セツナ「コイツ…。寝やがった…っ!」

蜜の顔の横に自分の顔を沈めて俺は脱力した。

⏰:07/08/02 01:25 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#719 [向日葵]
蜜「スー…。」

俺は身を起こして蜜の寝顔を見つめる。

まぁ……。実は熟してからって言うからな。
もうしばらく待つさ…。

セツナ「だが酒は絶対飲ません。あと……」

蜜に覆い被さる。

セツナ「おあずけ食らわされた罰だ……。」

と言って首筋に2箇所、鎖骨辺りに1箇所、胸元辺りに2箇所。“証”をつけてやった。

蜜の白い肌に赤い痕がつく。

⏰:07/08/02 01:33 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#720 [向日葵]
セツナ「フッ。ざまぁみろ。」

起きて驚くがいい。
これくらいしたって罰は当たるまい。

気持ちよささうに寝る蜜に布団をかけてやって、額の髪の毛を撫でた。

思わず、笑みが溢れた。
額に唇を押しつける。

そして横に寝転び、俺も目を閉じた……。

⏰:07/08/02 01:38 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#721 [向日葵]
チャプター14:行方






蜜「ぶわぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

と言う訳でお早うございます。そしてこんばんわ。

それは起きてなんとなく見た。時の事でした。

蜜「え!え!!ええっ?!」

体に複数の“証”。
って言うか花畑から何故いきなりベッドの上?!

セツナ「なんだ騒がしい。」

頭が若干濡れてるセツナが扉の向こうから登場した。

⏰:07/08/02 01:49 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#722 [向日葵]
セツナに詰めよって首筋の“証”を見せ付ける。

蜜「な…っ!これ、どっ!!」

セツナ「見ての通りだが?」

首を傾げると、セツナの髪の毛から水滴が垂れる。

蜜「なんで?!どうして!!」

セツナ「気にしなくてもお前が想像している様な事はしてない。」

と言って窓側の椅子に頭を拭きながら座る。
とりあえず胸を撫で降ろす。

⏰:07/08/02 01:58 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#723 [向日葵]
セツナが後ろで笑ってるのが聞こえた。

セツナ「期待通りにすれば良かったか?」

頭にタオルを乗せて、タオルの隙間から私を垣間見る。

蜜「結構です…。――うわっ!」

いつの間にかセツナは背後に立っていて、抱き上げられた。

セツナ「さぁ。寝るぞ。」

蜜「私ついさっき寝てたんですけど。」

セツナ「俺も眠くない。布団の中で語ろうじゃないか。」

⏰:07/08/02 02:05 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#724 [向日葵]
強制的に布団を被せられて、セツナは私に身を寄せて布団の中に潜る。

蜜「頭乾かしてくださいよ。風邪ひきますよ?」

セツナ「そんな柔わじゃない。」

と言って私の頭の下に腕を入れて更に身を寄せて来る。
ドキドキ胸が高鳴って仕方がない。

蜜「私いつ家に帰れるんですか?」

セツナ「どうせ春休みじゃないか。ならいいだろ。」

蜜「やっぱり落ち着きませんもん。あ!ってか私お風呂入ってない!!セツナ離れて!」

⏰:07/08/02 02:26 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#725 [向日葵]
でもセツナは離れてはくれない。
それどころかもう片方の腕できつく抱き締めてくる。

セツナ「そんな事しなくてもお前はいつだって芳しい。」

……。

蜜「なんか微妙。それって貴方の食欲面についてですよね?」

セツナはクスッと笑うと唇をオデコに押し当てる。

あ、かわされた。
分かった分かった。話を変えればいいんでしょ?

蜜「ここの皆さんはいい人ばっかりですね。ラフィーユにオウマ君、シオイさん……。」

そこで口を閉じた。

⏰:07/08/02 02:30 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#726 [向日葵]
セツナ「?…蜜?」

そういえば…ルキはどうしたんだろう。
確か助けてくれた時にはいたと思う。

だけどそれからは全然見ない。
それはおかしい。

蜜「セツナ…。ルキは…?」

セツナの腕がピクリと反応する。
セツナは私の目を捕らえる。

セツナ「罰として……監禁されてる。」

蜜「監禁?!」

セツナ「罰は元々受けなければならなかった。蜘蛛族と手を組み、あんな事をしたのだから。」

⏰:07/08/02 02:36 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#727 [向日葵]
蜜「でも……っ罰は与えにくいって前……。」

セツナの目が、厳しさを増す。

セツナ「それは蜘蛛族の場合だ。ルキは身内。ならば罰は執行される。」

蜜「監禁されたら蜜を吸えなくなるんじゃ……。」

セツナは小さく頷いた。
つまりそれって……餓死させる気……?

蜜「死なせるなんて…っそんなの駄目!お願い!助けてあげて!!」

私はセツナの胸元のシャツをギュッと握って必死に頼んだ。

⏰:07/08/02 02:40 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#728 [向日葵]
セツナ「あんな目にあったのに何を言ってる。」

蜜「でも……っ。」

セツナ「もう嫌なんだ。自分のふがいなさのせいでお前が泣く姿を見るのは……。」

セツナの顔が悲しみで歪む。
セツナは抱き締めていた手を私の顔に触れる。

蜜「セツナ…。」

私はその上から手を乗せた。

蜜「でもね?セツナ…。私だけ生きて、顔見知りの相手が死ぬのなんて嫌だ。」

セツナ「当然の報いだろ。」

⏰:07/08/02 02:45 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#729 [向日葵]
蜜「私ずっと考えてた……。歪みあうんじゃなくて、なんで仲直りをしないのかって。」

セツナは不思議そうに眉を寄せる。
私は続ける。

蜜「ターヤさんとの事だって話合えば済みそうだし、お互い分かり合う努力も必要だと思うんです。どうです?」

セツナ「あのなぁ蜜よ。それが出来てたらしてるさ。」

蜜「と言うことはしてないんでしょ?」

セツナはため息を吐いた。吐息が髪の毛を撫でる。

⏰:07/08/02 02:51 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#730 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/08/02 02:52 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#731 [向日葵]
セツナ「お前はどこまで平和主義なんだ。」

蜜「……だって。」

私はセツナに背中を向けた。
広いベッドの真ん中。

寄り添って寝なくても広々と使えばいいのに。とか思うけど、背後から感じられる体温の主には敵いっこないわけで……。

私ってこんな甘い雰囲気醸しだすキャラだっけかぁ〜……?

そっぽを向いた私をセツナは後ろから抱き締める。
優しく力強い腕……。

セツナ「じゃあ明日…父上に会ってみるか?」

……え?

⏰:07/08/02 23:31 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#732 [向日葵]
セツナは腕の中で私が固まるのが分かったのか、少し被さって私の顔を覗く。

セツナ「何か支障があるか?」

蜜「や、そーゆーんじゃなうてですね……。」

気分はなんかこー……彼氏の親に結婚のご挨拶ー!……みたいな感じで…。

と考えながら広いベッドの端を目指してゴロゴロ転がっていく。

セツナ「おーい。どこ行く。」

そういえば……そういえばだよ!!
私助けてもらったのにご挨拶しなくて「なんて恩知らず」だなんて思われてたらどーしよー!!

⏰:07/08/02 23:38 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#733 [ラナ]
>>680-700

⏰:07/08/02 23:40 📱:P901i 🆔:Bbdarc8c


#734 [ラナ]
>>680-750

⏰:07/08/02 23:41 📱:P901i 🆔:Bbdarc8c


#735 [向日葵]
待て!落ち着け私!!
まだセツナと結婚するって決めた訳じゃないっ!!

なら普通に助けてもらったお礼も兼ねて交流を深めようと言う事で……。
題しまして……「セツナのお父さんと仲良くなろうではないか大会―――!!(出場蜜のみ)」

セツナ「オイ。」

少し離れた為遠くなったセツナがイライラしながら私を呼ぶ。
とりあえず膝立ちでセツナの元へ。

蜜「すいません。少し葛藤を繰り広げて…。」

セツナ「あそ。で父上と会う?会わない?」

⏰:07/08/02 23:43 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#736 [向日葵]
ラナさん
安価ありがとうございました

――――――――

蜜「もち!会いますっ。ご挨拶しませんでしたし。」

セツナは微笑んで私を見つめる。
思わずドキッとして、視線をさ迷わせた。

蜜「じゃ…おやすみ…なさい。」

私は自分からセツナにくっつくのがなんだか恥ずかしくて、少し離れた所で寝転んだ。

セツナ「何故遠い。」

蜜「い、いや、その。広いからもったいないなぁーみたいな…。」

⏰:07/08/02 23:47 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#737 [向日葵]
セツナはふぅんと言って天井を向くと静かに目を閉じた。

『あれ?あれれれれ?』

くっついて……来ないの?

しばらくするとセツナは寝息をたて始めた。

なぁんだ……。
私は体をイモムシみたいに動かしてセツナにくっついた。

蜜「……。眠くないって言った癖に…。」

セツナ「あぁ眠くないが?」

蜜「っっ?!」

⏰:07/08/02 23:51 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#738 [向日葵]
セツナは私を腕で拘束する。

蜜「ね、ねね寝たんじゃ……っ!!」

セツナ「ククク…。蜜から来るのを待ってただけさ。俺ばかり行くのは不公平だと思ってなぁ。」

いっっやらしぃ……っ!
頭上からクククと笑い声が聞こえてくる。
それが体内に響いているのか、私の耳に密着して当たっている胸元からも聞こえた。

そして、心臓の音も……。

セツナ「随分大人しくなったな。文句攻めは終りか?」

⏰:07/08/02 23:56 📱:SO903i 🆔:fFIj0jDE


#739 [向日葵]
蜜「シー…。聞いてるんです。」

セツナは腕を緩めて体を少しずらし、私と目線を合わす。

セツナ「何を?」

蜜「セツナの心音…。人って、心音聞くと安らぐって言うじゃないですか?だから……安らいでたんです。」

暗闇の中でも感じるセツナの優しい眼差し……。
セツナは私がこーゆー事を言うといつもそうする。

それがまた好きの要素になる……。

セツナ「……蜜のを聞いてもいいか?」

⏰:07/08/03 00:01 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#740 [向日葵]
蜜「……。貧相な胸に頭乗せてもクッションにはなりませんよ?」

セツナは声を上げて笑う。そして身を少し起こした。

私は聞きやすい様に上を向く。
するとゆっくりセツナが近づいてきた。
心臓が早く動きだす。

そしてセツナの頭が胸元に触れた時、少しピクッと動いてしまった。
セツナは体重をかけない様に気を使って腕を支えにしていた。

セツナ「へー……。」

初めて聞くのか、セツナは面白そうにそう呟いた。

⏰:07/08/03 00:05 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#741 [向日葵]
セツナ「確かに…いいな……。」

セツナは顔を離して私の顔の真上に来る。

蜜「赤ちゃんってお母さんの心音聞くと安心して寝ちゃうらしいですよ。」

セツナ「俺は赤子か。」

フフと笑うと、またセツナの優しい眼差しが向けられる。
頬の体温が上昇して、頭がぼうっとなるのが分かる。

セツナ「じゃあお前は俺の心音を聞きながら寝ろ。」

と言って、唇を軽く重ねてまたギュッと抱き締めてくれた。

⏰:07/08/03 00:10 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#742 [向日葵]
人って不思議。
心地いい体温と聞こえる心音があると何故か安心して瞼が重くなる。

セツナ「蜜…。好きだよ…。」

目を閉じたまま私は嬉しくて微笑む。

蜜「私もですよ…。」

――――――……

オウマ「おはよっす蜜!!」

お風呂に入り、またラフィーユに着替えさせてもらった所に、昨日私があげた花冠を頭につけたオウマ君がいた。

⏰:07/08/03 00:15 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#743 [向日葵]
蜜「おはようです。花冠気に入ってもらえましたか?」

オウマ「もうばっちりよぉ!!また作ってなぁ!」

ラフィーユ「その前に傷つけた扉、修理する。これ仕事。」

ラフィーユは赤い箱を持って来てオウマ君に押しつける。

オウマ「えー。ラフィーも手伝ってよぉ。」

ラフィーユ「甘える、良くない。自分の事、自分でする。」

オウマ君はブーブー言いながら扉の方へとパタパタ飛んで行った。

⏰:07/08/03 00:20 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#744 [向日葵]
蜜「仲がいいのね。」

ラフィーユは私に「何が」と言う眼差しを向ける。

蜜「オウマ君だけ?ラフィーユの事ラフィーって呼ぶの。」

ラフィーユ「あぁ。ユが面倒くさいとか。意味、分からない。」

うん確かに。
でももしかして、オウマ君ってラフィーユの事……?

セツナ「蜜!」

階段の上からセツナが私を呼んだ。

蜜「あ、ハイ!何ですか?」

⏰:07/08/03 00:23 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#745 [向日葵]
セツナ「父上が部屋で待ってるそうだ。行く準備は出来てるか?」


・・・・・・・・・・・・・・・

セツナ「オイ。」

蜜「ハ、ハ、ハイ……。」

セツナのお父さんの部屋の扉前に私とセツナはいた。

セツナ「何故そんな硬い。」

蜜「や、やっぱり、長ですから……っ。失礼の無いようにと思いますと……っ。」

⏰:07/08/03 00:28 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#746 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/08/03 00:28 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#747 [失礼します]
>>201-400
>>401-600
>>601-800

⏰:07/08/03 15:35 📱:P903iX 🆔:☆☆☆


#748 [向日葵]
>>747さん
安価ありがとうございました

――――――――

セツナは呆れてため息をつくと、ゆっくりとドアを開けた。

セツナ「父上、失礼します。」

私は失礼しますも言わず、その部屋の広さに驚いた。セツナの部屋とは比べものにならないくらいの広さ。
東京ドーム1個分……?

蜜「イッツミラクル……。」

思いきりジャパニーズイングリッシュ。

⏰:07/08/03 23:07 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#749 [向日葵]
長「ああセツナ。……それに、蜜乙女。」

ダンディな感じのおじさん。この人こそが、黒蝶族長……。

蜜「初めまして。蜜…と申します。」

一例深々と礼をする。
するとシャランと音がしたと思うと、王様の様な格好をした長がすぐそこにいた。

私は礼をしたまま続ける。

蜜「先日は助けて頂き、ありがとうございました。なのにご挨拶もお礼もせず、失礼いたしました…。」

⏰:07/08/03 23:15 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#750 [向日葵]
すると、皺がれた低く、それでいて滑らかな笑い声が私の耳に届いた。

長「これは偉く礼儀正しいお嬢さんだねぇ。」

セツナ「真面目すぎるんだ。だから力を抜けと言うんだが。」

長はまた笑う。
そして私の肩に触れて頭を起こさせた。

長「初めまして。私は黒蝶族の長、そしてセツナの父でもあるガラナと申します。」

とても親しみやすく接してくれたので、私の緊張は一気に抜けた。

長「セツナから聞いてるよ。せがれは君を凄く気に入っててね。」

⏰:07/08/03 23:20 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


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