黒蝶・蜜乙女
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#201 [向日葵]
セツナ「俺は暇を持て余してるんだけどなぁ…?」

ハァ…。

カチ。 シュゥゥゥン。

掃除機のスイッチを切った。
ソファにダラァッと座ってるセツナの前に立って私はあることを言った。

蜜「ならば…。セツナも家事を手伝ってくれたらどうです?」

セツナ「は?」

蜜「2人でやれば2倍速で終りますから。」

なんてね。
王様暮らしをしているセツナに人間界の大変さを知らせてあげようではないか!!

⏰:07/07/14 09:42 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#202 [向日葵]
セツナ「まぁいいだろう。」

ハハハ!(罠に)かかったぁ!!

蜜「では、私は洗濯機回してきますから、庭の手入れをしていただけますか?」

セツナ「あぁ。いいとも。」

ウキウキウォッチングの時間はまだですよー。

洗濯機に服を掘り込んで洗剤を入れる。
スイッチオン♪

ゴゥン ゴゥン

セツナ[俺はお前を求めている。]

セツナの言葉を急に思い出してヘナへナとその場に崩れ落ちた。

⏰:07/07/14 09:48 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#203 [向日葵]
4日間と正直に言うべきではなかった。

朝から晩まで寝ても覚めても甘い言葉と愛のくちづこ(+食事)が続くと思うと体がもたない。

また早朝みたいなキスをされたら?
頭の理性が一気に飛ぶくらいセツナに夢中になりそうで怖くなる。

ピー

いつの間にか洗濯が全て終わってしまったらしい。
籠に入れて庭へ行こうとリビングを通る……と。

セツナがさっきと変わらずソファに座っていた。

⏰:07/07/14 10:00 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#204 [向日葵]
蜜「セツナ?庭掃除は?」
セツナはソファの背もたれに首をもたげて逆さに私を見る。

セツナ「終ったが?」

嘘だ……。
ウチの庭って結構広くて、終るには2時間はいる。

籠を床に置いて庭への窓をガラガラと開ける。

蜜「えぇー?!」

芝生は一寸の狂いもなくピシッと揃ってるわ植木は綺麗に切り揃えてるわ……。
蜜「なんで……。」

庭を見つめたままアホッぽい声で私は呟いた。

⏰:07/07/14 10:07 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#205 [向日葵]
セツナ「風に頼んだんだ。アイツらは従順な俺達の僕だからな。」

しまったぁ…。この人には魔法みたいなそんな力があることを忘れていた。

蜜「今度から庭掃除する時はセツナがいりますね…。」

セツナ「俺は芝刈り機扱いか。」

リビングに戻って籠を持ち、庭へ出る。

セツナ「干すのを手伝ってやろうか?」

今度は何をするんだろ……。好奇心を掻き立てられた。

⏰:07/07/14 10:14 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#206 [向日葵]
蜜「お願い出来ますか?」

頼むとセツナはニヤッと笑って指をパチンと鳴らした。

フワァー……

柔らかい風邪が吹いてきて籠の中の洗濯物を宙に舞わせると、ハンガーに通したり洗濯バサミに挟んだりした。

蜜「あ!」

よく見ると小さな妖精みたいなのが何人(匹?)かいた。

全てが干し終えた。

蜜「あ…あの、ありがとう!」

⏰:07/07/14 10:18 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#207 [向日葵]
すると妖精達が私の方を向いてニコッと笑うと風が頬を撫でた。

妖精達が私の頬にキスして帰っていったらしい。

蜜「……ミ、ミラクルファンタジー…。」

まさか妖精を見れるとは…私まだネバーランドに行けるのかもしれない。

セツナ「よし。これで出かける事が出来るな!」

蜜「えー…。また着替えるのー…。」

面倒くさい…。
大体セツナの隣に立つにはそれ相応な格好をしなきゃいけない……気がする。

⏰:07/07/14 10:23 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#208 [向日葵]
蜜「もー今日は家にいましょうよ…。明日ありますし。」

あ、自分で明日とか言っちゃった。

セツナはそれに気づいてニコォッと笑った。

セツナ「それもそうだな。今日は家にいる。」

と言うとソファに寝そべって目を閉じた。

蜜「?眠たいんですか?」

セツナ「蜜の家の音を聞きたいだけだ。」

なんじゃそりゃ。

⏰:07/07/14 10:29 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#209 [向日葵]
黄昏たいのかな。

蜜「じゃあ私は洗い物してきます…ねぇっ?!」

腕を引っ張られた。
危うくソファ前のテーブルに頭を打つトコだった。

蜜「あ、あぶ!あぶっ!セツナ!危ない」

セツナ「スー…。スー…。」

ね、寝てる…。
瞬間的に……。さっき寝ないって言ったくせに!!

寝ても尚、掴んだ手は離れない。

『側に……いて欲しいのかな……。』

⏰:07/07/14 10:33 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#210 [向日葵]
もうっ!調子狂うなぁ!!

でも胸がキュウッと痛い……。

大きな手……。骨張ってる。
綺麗な黒髪……。やっぱり誰かに手入れされてるのかな。

隈無く私は寝てるセツナを観察した。
確かにこれだけ全て完璧なら人外なのも納得出来る。

そして私はある一点に目が行った。
見るんじゃなかった……。

それはセツナの唇。

⏰:07/07/14 10:39 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#211 [向日葵]
顔赤くなるな赤くなるな!!と念じても無駄な抵抗。
一気に赤味が差していく。

綺麗に形どられた唇を私は見つめる。
この唇にいつも……。

カアァァァァ!

私は頭をブンブン振った。振りすぎてくらくらするくらい。

そしてやっぱり目は唇に。

蜜「タヌキ寝入りしてませんよねぇ……?」

セツナ「スー……。スー……。」

⏰:07/07/14 10:44 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#212 [向日葵]
寝ていると信じて空いてる手をあげると、指先で唇をスッとなぞる。

―――ドクン…。

セツナ[お前は俺を求めてるんだよ。]

―――ドクン…。

バレンタインデーの時のセツナの言葉が頭をよぎる。
―――ドクン…。

私は引き付けられる様にセツナに近付いた。
一瞬、寝てるセツナを見つめてから自分の唇をそっと付けた。

―――ドクン…。

⏰:07/07/14 10:51 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#213 [向日葵]
そして離れる。

セツナは未だ寝息を立てている。

蜜「――――っ!!!」

私――っ。何した今……。
自分から……進んで……。―――そんな!!まさか!!
あれほど変態にはなりたくなかったのに!

腕はまだ掴まれている。
私は自分でも気付かないくらい引き返せないトコまで来てる。

まだお泊まり始めて数時間。その矢先に私はセツナに対しての自分を再確認してしまった。

もう、抑えるなんて事…私には無理なんだ…。

⏰:07/07/14 10:58 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#214 [向日葵]
――――――――

一旦キリまぁす

⏰:07/07/14 10:59 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#215 [向日葵]
チャプター3:様子



俺はセツナ。

話してなかったけど黒蝶族の長息子。自然界で結構上の地位にいる存在だ。

そんな俺は蜜と言う運命の相手、“蜜乙女”の恋人である。

今回俺が主人公になった訳はその蜜の様子が昼寝から覚めた時からおかしい。

無意味に顔が赤いし、なんだかギクシャクしている。……まぁ可愛らしくて非常に結構なんだかなんだか気にくわない。

セツナ「おい蜜。」

蜜「は、はい!」

⏰:07/07/14 13:08 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#216 [向日葵]
何故ビクッとする……。

セツナ「さっきからなんだその態度は。」

蜜「別に…?何でも……。」

そそくさと台所に行くと冷蔵庫を開け閉めしながら具材を取り出す。
どうやら昼食を作るらしい。

蜜は俺と目が合うとまた顔を赤らめてプイッと顔を背ける。

ほほう?

俺は蜜に近付いた。
その気配を感じとった蜜は固まってそろそろとこちらを向く。

⏰:07/07/14 13:13 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#217 [向日葵]
蜜の顎をクイッと上に向かせて俺は蜜を見つめた。

セツナ「お前にそんな態度を取られる意味が分からんのだが?」

蜜は目をあちこちにやって考える。
どうやら焦ってるらしい。

―――――

一方こちら元の主人公蜜。
何故様子がおかしいって?そりゃさっきあんな事して自分の気持ち再確認してなんだか恥ずかしいからに決まってるじゃない!

セツナはそんな事これっぽっちも知らないから段々イライラしてるのが分かる。

⏰:07/07/14 13:18 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#218 [向日葵]
蜜「な、なんでもありませんからっ!気にしないで下さい!」

―――――――――

蜜「な、なんでもありませんからっ!気にしないで下さい!」

気にするなだと?

元に戻り俺。
ほっとけと言うのかお前は。

セツナ「何なんだ。俺を焦らして楽しいのか?」

蜜「違いますっ。自分で解決したいだけであって…。時間が……欲しいのです。」

⏰:07/07/14 13:23 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#219 [向日葵]
ほー。これまた可愛い顔をしてくれる。

セツナ「フッ。仕方ない。じゃあ時間をやろう。」

すると蜜はホッとしたのか微かに微笑む。
その顔にまた俺はそそられる。

セツナ「蜜。」

名を呼ぶと蜜は目をこちらに向ける。

俺は蜜に唇を重ねた。
少し蜜が震える。

キスをすると俺の口内は蜜の“蜜”が甘く広がる。
いや、“食事”の事なんてどうでもいい。

⏰:07/07/14 13:47 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#220 [向日葵]
すいません訂正です

>>215
黒蝶族の長息子になってますが
長の息子です

――――――――

蜜との距離を縮める為に俺は蜜に唇を重ねる。
俺が蜜をどれだけ想ってるか知らせながら……。

唇を離すときっと蜜はいつもみたいに怒った様な恥ずかしがった表情をするだろう。
それがまたいい。

しかし今回は違った。
目を見開いて赤い顔が更に赤くなっていく。

⏰:07/07/14 14:50 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#221 [向日葵]
セツナ「蜜……?」

すると蜜はハッとして顎にある俺の手をやんわりと外した。

蜜「火…使ってるんで、あっちで大人しくしててください…。」

蜜は背中を向けるが、耳まで真っ赤になっている。
ますます虐めたくなるが、蜜の不興を買うのはご免だから俺は素直にソファに座った。

・・・・・・・・・・・・・・・

コトッ

テーブルに出来た料理を置く音がした。

⏰:07/07/14 14:58 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#222 [向日葵]
セツナ「出来たのか。」

蜜「え?あ、ハイ。」

蜜はせわしなく米を口に運ぶ。
心ここにあらずなのかポロポロ溢す。

セツナ「蜜。ちゃんと食べろ。」

蜜「え?ぅおう!!」

落ちた米粒を拾うもまた異世界に飛び立つ蜜を俺はただ観察していた。

カシャン

蜜「ごちそー様…でした。」

蜜はこちらをチラリと見る。

⏰:07/07/14 16:16 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#223 [向日葵]
セツナ「何だ?」

蜜「いえ……。別に。」

俺は立って蜜に近づく。
蜜はあたふたと逃げ場所を探すがその前に俺が追いついた。

セツナ「お前が時間をくれと言うから俺は待っているのにそう熱い視線を送られると聞かれたくなくても聞くぞ。」

蜜「熱い視線なんて送ってないです!」

セツナ「じゃあ何なんだ?」

蜜は「うっ」と唸った。

蜜「いつも…昼食が終ると“食事”の時間だから、また襲ってくるのかなぁー…って……。」

⏰:07/07/14 16:25 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#224 [向日葵]
上目使いで赤い顔をして聞いてくるから、俺はやっぱり虐めたくなった。

セツナ「フーン…。蜜、そんなに早朝の“愛のくちづけ”が良かったのか?」

蜜は一歩下がって首を振る。

蜜「ち、違っ!違う!!」

ハァ…。そんな顔をするなよなぁ…。止めて欲しいならそんなに俺の心をくすぐらないでくれ。

セツナ「心配頂きありがとう蜜乙女。なら……。」

俺は蜜の腰に手を回して蜜を捕まえる。

セツナ「遠慮なく。」

⏰:07/07/14 16:35 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#225 [向日葵]
唇を奪うと蜜は大人しくなる。怖がる様にセーターの胸元を掴む。

そんな蜜がまた愛しくて、つい加減が出来なくなる。

だからまたやってしまった。舌を徐々に蜜へ入れていくと蜜の体がビクッとした。

蜜「ハァッ……。」

蜜が苦しそうにしている。
いや、むしろもっと苦しくなれ。

唇の激しさを増すと、蜜が急にカクンと体を沈めた。

⏰:07/07/14 16:43 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#226 [向日葵]
セツナ「蜜。大丈夫か?」

蜜「―――っ!」

蜜は顔全体を真っ赤にさせて俺を見つめる。
そして顔をうつ向いた。

ヤバイ…。その顔はヤバイ……。
すると蜜が胸に頭をもたげてきた。

セツナ「蜜?」

蜜「もうやめて……。」

……。

俺もここまでか。

蜜はあまり気持ちを言葉にしない。
だから実のトコ俺は気が気でなかった。

⏰:07/07/14 16:49 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#227 [向日葵]
俺達は……実は運命じゃなかったのか?
でも俺は、お前以外考えられない。

蜜が息を深く吸って吐く。

いよいよ出ていけと言われるのか?

蜜「これ以上、心臓を壊さないで……。」

……え?

セツナ「蜜?」

顔を上げた蜜はまだほんのり顔が赤かった。

蜜「それでなくてもセツナがこの家に4日間いると思ったらドキドキするのに……。」

⏰:07/07/14 16:53 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#228 [向日葵]
え?
別れの言葉じゃないのか?
蜜は口をもごもごと動かしながら聞けるか聞けないかくらいの音量で喋る。

蜜「私が…悩んでいたのは……。」

それからなんとも言えない蜜の話を聞いて、とりあえじ俺はホッとした。

セツナ「そんなものは自然だと言っただろう。」

蜜「だ、から。私は慣れないんですってば!それに…あんなこと…。」

セツナ「あんなこと?」

蜜は今度は顔が青くなった。両手で口を塞ぐ。

⏰:07/07/14 16:59 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#229 [向日葵]
蜜「なんでも!なんでもありません!!」

セツナ「なら暴いてやろうか?」

とくちづけする気もないのに顔を近付ける。
蜜は観念したらしく俺の体を引き離した。

蜜「キ、キス……しました……。」

俺はキョトンとしてしまった。

セツナ「いつ?」

蜜「セツナが……寝てる……間。」

耐えきれなくなったのか蜜は顔を両手で隠した。
手の隙間からなんとか声を出す。

⏰:07/07/14 17:05 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#230 [向日葵]
蜜「無性にセツナを恋しく思ったら体が勝手に動いたんです!ごめんなさい!!」

さらに俺は呆気にとられた。そして胸の内側から温かい何かが広がっていくのを感じた。
すると笑いが込み上げてきて手で口許を隠しながら声が出来るだけ漏れないように爆笑した。

ダメだ。俺は蜜を手放すなんて絶対出来ない。
こんな可愛いらしい生物が人間界にいるなんて!

セツナ「クク……クッ…、クククク……。」

蜜「ちょっとセツナ!なんで笑ってるんですか!!人が真剣に謝ってるのに!!」

⏰:07/07/14 17:14 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#231 [向日葵]
――――――――

休憩します(´・ω・`)

⏰:07/07/14 17:16 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#232 [みか]
頑張ってください!
セツナが
とても可愛いですイぷ

⏰:07/07/14 17:34 📱:W44T 🆔:9N3VqplQ


#233 [ゆき]
ごめんなさい
>>100-150
>>151-200

⏰:07/07/14 18:31 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#234 [向日葵]
みかさん

ありがとうございます

ゆきさん

安価ありがとうございました

⏰:07/07/14 20:58 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#235 [向日葵]
セツナ「いや?別に。だから言っただろ?お前は俺を求めていると。」

蜜「あーそーですね…。」

俺はまだ笑いが収まらない。まったく俺をどこまで夢中にしたら気が済むんだコイツは。

あまりに俺が笑うものだから蜜が俺の脇腹を軽く叩いてきた。

蜜は「もう!」と唸る。

深呼吸してなんとか笑いを抑える。

セツナ「そんなに恋しいなら好きなだけ触ればいいじゃないか。」

⏰:07/07/14 21:15 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#236 [向日葵]
蜜「結構です!ってか、お風呂場を掃除してきます!」

俺は片手をヒラヒラとして蜜を見送った。

そしてソファに深く座りながら昔に思いをはせた。

――――――――

丁度10歳を迎えた頃、蝶々の姿をした俺は人間界をフラフラと飛び、遊びまわっていた。

『人間界とはなんてつまらん。大体、父上が言ってた蜜乙女なんて出会えるハズがない。』

⏰:07/07/14 21:23 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#237 [向日葵]
当の父上は蜜乙女には出会えなかったものの、近い存在な母上に出会い結婚した。
母上も元は人間で、今は立派な黒蝶族だ。

黒蝶族になる為の方法はまた今度お話しよう。

とりあえず、幼少の俺は暇を持て余していた。

……と。

ビィィィィン!

羽が何かに引っかかった。

「おやおや。黒蝶族の息子さんじゃないかい。」

セツナ「お前は…蜘蛛族のターヤ!」

⏰:07/07/14 21:28 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#238 [向日葵]
蜘蛛族は自然界では裏切りの存在。
貪欲で意地汚い。
コイツは俺より2、3個上で人間界に根を張っている。

ターヤ「バカだなセツナ。まんまと俺の餌食になるとは。」

セツナ「俺を食したらどうなるか分かってるんだろうな!」

ターヤは何も気にせず網上をじわじわ歩いてくる。

『くそっ……!』

「お母さん。蝶々さんが蜘蛛に食べられちゃうよ?」
下から声がする。
視線を下に向けると、麦藁帽子を被った小娘が見上げていた。

⏰:07/07/14 21:33 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#239 [向日葵]
「ほっときなさい。行くわよ。」

だから人間界は嫌いだ。

自然の法則とか無駄な定義を立てて俺達みたいな極々小さい生き物なんか助けようともしない。

俺もここまでか……。

っと思った瞬間、俺の体を何かがすっぽりと包んだ。

「怖かったよね。次は気を付けなきゃいけないよ。」

小娘が俺を助けてくれた。俺は空高く飛び上がる。

「蜜!行くよ!」

蜜「はぁーい!」

⏰:07/07/14 21:37 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#240 [向日葵]
そう。
それが蜜だった。

『蜜……。』

名前だけ覚えて、俺はそれから8年間なんなく過ごしてきた。

―――そしてあの日だ。

屋上でひとっ飛びを終え、羽をしまう瞬間。俺は蜜に出会った。

最初はわからなかった。顔はおぼろ気にしか覚えていなかったし、何より1番最初は“蜜乙女”の匂いが強かった。

名前を聞いてから、蜜があの小娘だと何故か確信した。

⏰:07/07/14 21:43 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#241 [向日葵]
蜜「確かに私の名前は蜜ですけど……。」

離したくなかった。
蜜が俺を助けてくれた相手が蜜なら尚更。
やがてそれは真実になり、気持ちはより一層強まった。

俺はこの8年間、たしかになんなく過ごしたが、街中ですれ違う度に蜜を探していた。
だけど、本能で違うと判断して今まで出会えなかった。

学校で会った時は、まさしく運命だった。

⏰:07/07/14 21:57 📱:SO903i 🆔:sQA2iImQ


#242 [向日葵]
―――――――

バタバタバタ
トントントントント……
蜜な足音で昔から意識を切り離す。

蜜が2階から降りて来て姿を見せた。

セツナ「…どうしたんだ。」

蜜は何故か着替えていて、頭も濡れていた。

蜜「シャワーを持っている手が狂いまして……。びしょ濡れ……。」

そう言いながら蜜は庭へ直行する。

セツナ「馬鹿。そんなんで外へ出るな!」

⏰:07/07/15 00:19 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#243 [向日葵]
蜜「体温めるだけですよ。大丈夫。」

言うことを聞かないので、腕を掴んで引き寄せるとどこかの姫の様に抱き上げた。

蜜「わ!セツナ!なんですか!!」

セツナ「それでなくてもこの前熱出した癖に馬鹿な真似はするな。」

俺はまた蜜を2階に上げた。

蜜「分かりましたから降ろして下さーい!!」

セツナ「答えはノーだ。」
片手で蜜を抱え直すと部屋のドアを開けてベッドに蜜を放り投げてやった。

⏰:07/07/15 00:27 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#244 [向日葵]
ボフッと音を立て沈む蜜を布団でくるんでまた抱き上げる。

蜜「ブハッ!セツナやりすぎです!!」

セツナ「また口移しで飴を食べさせて欲しいか?」

それを言うと蜜は黙った。下に降りてソファーに座らす。

セツナ「しっかりと温まるまでそのままでいろ。」

蜜「ハイハイ……。」

蜜はすっかり元の様子に戻ったみたいだ。
それはそれで何だかつまらん。

⏰:07/07/15 00:34 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#245 [向日葵]
ニヤッと笑って勢いよく蜜な隣に座る。
それにびっくりして蜜がこちらを見つめる。

蜜「もう少しソロッと座ってくれません?」

セツナ「あ。悪い。……ところで、あったかくなったか?」

蜜「まだ体の芯は寒い感じがします。」

俺はゆっくりと蜜に近づいてソファーの背もたれに手を付いて蜜を囲った。

蜜「なん……ですか?」

セツナ「温めてやろうか?」

蜜は困った顔をしながら顔を赤らめる。

⏰:07/07/15 00:42 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#246 [向日葵]
蜜「いいです……。」

そうそう。蜜はやはりこうでなくてはなぁ?

俺は唇を耳元にあてる。

セツナ「ホントに?」

蜜「―――!!いいですぅっ!!」

セツナ「クスクス。分かったよ。」

蜜を抱き上げて膝に乗せる。そして頭を胸にもたげさせた。

蜜「服濡れますよ?」

セツナ「どーでもいい。」
それを聞くと遠慮せずに蜜はくっついてきた。
蜜……これからもお前のそんな姿が俺を離さないんだろうな。

⏰:07/07/15 00:48 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#247 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにしときます(´・ω・`)

⏰:07/07/15 00:52 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#248 [向日葵]
すいません

チャプター数にミスがありました

前とその前、何故か2つとも3になってますが、正しくは4、5です

ちなみに次は6です

⏰:07/07/15 17:06 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#249 [向日葵]
チャプター6:探検





蜜「ん…。……んー。」

朝日が顔に当たって目が覚める。

あぁ…。やっぱり夢か。
当たり前だ。だってセツナがウチにいる訳ない。

今日は日曜。
おばあちゃん達はいないから、掃除洗濯して買い物に行かなきゃ。

晩御飯は何にしようかなぁ……。
とりあえず着替えよう。

⏰:07/07/15 17:12 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#250 [向日葵]
上の服を脱いだ瞬間、戸が開いた。

……え?何で?

セツナ「やっと起きたか蜜。」

蜜「……。セツナ…。」

……。!!!!
ちょっと待て!!
今の格好は下は着てるものの、上は脱いでブラ1枚。
慌てて脱いだ服で隠す。

セツナ「蜜……。お前…。ぺったんこじゃなかったん」

蜜「出ていけぇぇぇぇっ!!!!」

⏰:07/07/15 17:19 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#251 [向日葵]
セツナが最後まで言い終わらない内にセツナごと戸を閉めてやった。
ゴンッとか鈍い音が鳴ったけどそんなの後だ。

『み、見られた……っ!』

もしまた開けられたらと思い急いで着替える。

『あんのーっ変態蝶々ぉぉぉぉ!!!!』

・・・・・・・・・・・・・・・

セツナ「まったく。俺の美貌に傷が付いたらどうしてくれる。」

夢じゃなかった……。
昨日セツナは罰としておばあちゃん達がいない間の4日間、ここにいるっつったんだっけか……!

⏰:07/07/15 17:26 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#252 [向日葵]
蜜「ノックぐらいして下さいよ!!」

セツナ「夫婦(めおと)なのにノックする必要がドコにある。」

蜜「プライバシーっちゅうもんを考えて下さいっ!!」

朝から俺様節に付き合うのは疲れてしまう。
大体まだ夫婦でも何でもないっちゅーのに。

セツナ「安心しろ。例えお前が素っ裸でいても了承を得ずに襲いはせん。」

してるじゃん!いつも了承無しに襲いまくってるじゃん!!

⏰:07/07/15 17:31 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#253 [向日葵]
蜜「とにかく今後は気を付けて下さい!花嫁が言ってるんですから言うこと聞いてくれても良いですよね?!」

セツナ「あぁもちろん。それがお前の望みなら聞くさ蜜。」

とセツナは頬に唇を触れた。

ったく聞いてんだか聞いて無いんだか……。

セツナ「で?今日は出かけてくれるんだろうな?」

蜜「もちろん。晩御飯のおかずもいりますし。」

ってか……。

⏰:07/07/15 17:36 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#254 [向日葵]
蜜「貴方いつ着替えたんですか?」

セツナ「お前が寝てる間風達に頼んだ。」

Vネックの紺色のニットから白いシャツの襟を出してボタンを2、3個外している。ジーパンは昨日のより少し黒い感じがする。

『どこぞのファッションリーダーだこの人。』

蜜「相変わらず薄着ですね。」

セツナ「心配するな。ちゃんと人間の様に上着を着る。」

ソファーには帽子にファーが付いた黒い上着が引っ掛けてあった。

⏰:07/07/15 17:43 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#255 [向日葵]
黒蝶だからやっぱり黒系が好きなのかしら……。

セツナ「さぁ。行こうか。」

蜜「じゃあカバン持って来ますよ。」

と言う訳で今日はお出かけです。

・・・・・・・・・・・・・・

鍵を閉めていざ行きましょう。

セツナ「どこに行くんだ?」

蜜「近場のスーパーですよ。人参とひき肉安いんでカレーにでもしようかと。」

⏰:07/07/15 17:49 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#256 [向日葵]
セツナ「そーいえば…。」

と襟の高い上着のファスナーを締めながらセツナが呟く。

蜜「なんです?」

私は家の門を閉める最中だった。のでセツナには背中を向けている。

すると両脇から手が出てきて門に手をつく。
私は手に閉じ込められた。

ヤバイ……この体勢は……。

セツナ「朝のくちづけが済んでいなかったよ蜜。」

キタ―――――!!!!

⏰:07/07/15 17:53 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#257 [向日葵]
フフフ
でもこのまま背を向けていれば出来ない!

蜜「私は朝御飯じゃないです。」

セツナ「わかってるさ。でも何か食さなければ俺は干からびてしまうんでな。朝御飯じゃなく蜜をいただく。」

蜜「いくらなんでも外は嫌です。ホラ行きますよ。」

セツナ「“外は”……嫌なんだな?」

セツナが何か意味有り気にニヤリと笑う。

蜜「そうですけど……?」

セツナ「分かった。行こうか。」

⏰:07/07/15 17:58 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#258 [向日葵]
手を急に握られて心臓が跳ねた。

蜜「ハイ。」

スーパーまでは歩いて10分ほど。
今日はまだ暖かい方だ。

近所の人は私の隣の美青年にびっくりして挨拶がぎこちなかった。
されに釣られて私もぎこちなくなる。

今頃だけどセツナは身長が高い。
私は155センチ。センチは185より少し大きいくらい。

周りから見れば兄弟の様だ。しかしご心配は無用。第一似てないっつーの。

⏰:07/07/15 18:05 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#259 [向日葵]
セツナ「買い物の後、あの山に行かないか?朝には行ったことないだろう。」

蜜「いいですけど一度家に帰らせて下さいね。荷物置かなきゃならないですから。」

セツナ「そんなもの風達に頼め。」

この人はもー…王様生活が抜けないんだから。

蜜「私といる時くらい風さん達を使うのを控えて下さい!風さん達が可哀想です。」

これにはセツナは顔をしかめた。どうやら頗るそれが嫌らしい。

⏰:07/07/15 18:24 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#260 [向日葵]
それほど風さん達をこき使ってるんだ。

蜜「セツナだって大変なことは嫌でしょ?風さん達もそれは同じです。」

セツナは嫌そうに息を吐く。

セツナ「分かった。」

蜜「ありがとうございます。」

私は微笑んだ。
ちゃんと聞いてくれて良かった。

セツナも私を見ると切目の長い綺麗な目を細めて微笑んだ。

セツナ「まぁ。お楽しみはある訳だし、我慢しようじゃないか。」

⏰:07/07/15 18:35 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#261 [向日葵]
――――――――

キリますね

⏰:07/07/15 18:37 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#262 [まるエ]
なんですかこの小説わあ
すっごく面白いです(●>艸<●)イ
蜜ちゃん可愛い
セツナさん格好いい
身長差カップルとか羨ましいです
主さんこれからもがんばってくださいエテ~

⏰:07/07/15 18:48 📱:W43T 🆔:MK/FhzZ2


#263 [向日葵]
まるさん

初めまして
面白いだなんてめちゃ嬉しいです
セツナは190にしよっかなてか思ってました(コブクロか)(笑)

良ければこれからもこんな小説で良ければ見てくださいね

⏰:07/07/15 18:52 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#264 [向日葵]
蜜「?何かありましたっけ。」

セツナは私に顔を近付けて人差し指を口許につけると

セツナ「秘密。」

と言ってウィンクした。

わぁー少女漫画みたーい……。

そうこうしてる間にスーパー到着。カートと籠を持っていざ店内へ。

グルーと回ってるとホットケーキミックス等があるコーナーに。

蜜「蜂蜜でも買っときますか?」

⏰:07/07/16 01:42 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#265 [向日葵]
セツナ「蜜。今は外か?」

蜜「は?いや、店内だから中では?」

セツナ「フーン。蜜。……覚悟はいいな?」

するとセツナは私の顎を持って唇を重ねてきた。

蜜「ふぇっ?!」


幸い朝だから人が少ないものの人の目があるところで“食べられる”なんて……!

あらがいたくてもセツナの唇のせいで逆に力が抜けていく。

唇を開かれて深くなっていく。息が続かない。

⏰:07/07/16 01:47 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#266 [向日葵]
蜜「ん……っ。ハァッ!!」

やっと唇が解放された。

蜜「何…し、てくれ、るんで……すか。」

息を整えながらセツナに猛抗議。
セツナに反省の色は無い。

セツナ「外ではいけないと言ったのは蜜だろ。俺はそれに従っただけだ。」

+αを今度から付け足さなきゃいけない。

セツナ「舌入れるのを我慢しただけでも感謝して欲しいものだ。」

⏰:07/07/16 01:52 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#267 [向日葵]
蜜「公衆の面前でそーゆー単語単語を出すの止めて下さい!!!!」

最近のセツナはSさは増すわエロさは増すわ……。大体舌を入れるとか言うなぁぁぁ!!

密かな周りからの視線に堪えきれなくなってさっさとレジを済ましてスーパーを後にした。

蜜「私に恥ずかしい思いをさせた罰としてセツナが荷物持ってください!!」

セツナ「なんで俺がっ。おわずけ食らわしたのは蜜だろ。」

蜜「貴方は頼みますから人間のマナーをもっと身に付けて下さいっっ!」

⏰:07/07/16 01:58 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#268 [向日葵]
セツナは何か不満そうな顔をしながら腕組みをした。

セツナ「好きな奴を好きな様に接して何が悪いのかさっぱり分からん。」

まぁそりゃ分からんでもないけど……。

世の中にはそーゆーのを羨んで飛び蹴りかましたいなぁとか思う人が沢山いる訳で……。

蜜「拗ねないで下さい。全部持てとは言いません。だから半分は持って下さい。」

渋々、しかも重い方を持ってくれたセツナは当然の様に私と手を繋いだ。

⏰:07/07/16 02:05 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#269 [向日葵]
それが嬉しくてこっそり笑った。

・・・・・・・・・・・・

蜜「よし!冷蔵庫に全て入れ終わりました!」

セツナ「じゃあ蜜。ちょっと失礼。」

セツナは私の頭の上で指を擦ると私の体が段々空けていった。

蜜「のわぁ!セツナ?!」

セツナ「俺の鱗片だ。少し姿消してもらう。飛んでるトコ発見されたら困るんでな。」

この人達の鱗片は何でも出来るんだなぁ……。痺れたり隠したり。

⏰:07/07/16 02:13 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#270 [向日葵]
まるで某魔法学校の青年のマント……。

蜜「セツナは大丈夫なんですか?」

セツナ「俺が飛んでても誰も気にしないが蜜が飛んでたら近所が騒ぐだろ。」

あ……ちゃんと配慮してくれてるんだ。

セツナ「じゃあ行くぞ。」

セツナの背中らへんに光の粒が集まり、漆黒の羽が出現する。

これを見る度にセツナが人間じゃないって言うのを改めて実感する。

⏰:07/07/16 02:18 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#271 [向日葵]
セツナ「……困った。」

蜜「どうしたんです?」

セツナ「蜜がどこにいるか分からん。」

…………。

蜜「意外にセツナって抜けてますね。」

セツナ「黙れ。仕方ない。蜜、抱きつけ。」

セツナは少し身を屈めて私が抱きつける様にする。
私はセツナの胸らへんに抱きついた。

セツナ「よし。じゃあ行くぞ。」

ムニュ

⏰:07/07/16 02:23 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#272 [向日葵]
蜜「……どこを……触ってんですか……。」

セツナ「は?知るか。何だこの柔らかいもの。」

そーれーはぁぁぁ……

蜜「胸……なんですけど……。」

セツナ「はぁっ?!それはすまないな。……。でも蜜。お前意外にある」

蜜「さっさと飛べぇぇぇぇっ!!!!」

またもや言い終わらない内に叫ぶ。

家を出て即座に遥か上空へ。

⏰:07/07/16 02:26 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#273 [向日葵]
するていきなり私の姿が露になった。

蜜「あれ?れ?れ?何で?」

セツナ「風で鱗片が飛んだんだ。まぁここまでくれば誰の目にも止まらないさ。」

誰かが双眼鏡で空を覗いてない事を祈ろう。

ってか胸触られたー…。
いやもう鷲掴み?!しかも結構あるって何それ!!
私ひょっとしなくても無さそうに見えるってかぁ?!

セツナ「ク……ククク。」

蜜「なぁに笑ってるんですか?」

⏰:07/07/16 02:33 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#274 [向日葵]
セツナ「見事な百面相だな。花嫁殿よ。」

セツナは私のおでこをツンと小突く。

何?!何今の!!
バカップル特有の「コ〜イツゥ〜☆」みたいな!!
さぶいっ!!

セツナは更に笑う。
今の思った事が顔に出てるらしい。

セツナ「どうやら蜜は嘘がつけないタイプらしいな。」

蜜「人間正直が1番なんでね。」

刺々しく言ってもセツナは笑うだけ。

⏰:07/07/16 02:38 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#275 [向日葵]
セツナが青くなったり赤くなったりする言葉ってないのかしら……。

あぁ。青くなるのなら封印してる「大嫌い」がある。あれを言ってまた逃亡されては困るから私は言わないでいる。

その代わりに馬鹿を連発してるけど、言う回数はセツナの方が遥かに多い。

……そんなに馬鹿じゃないもん。

セツナ「何を考えてるんだ?さっきからだんまりだけど。」

蜜「誰かさんが可愛く見える方法。」

⏰:07/07/16 02:42 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#276 [なつ]
>>230-300

⏰:07/07/16 02:47 📱:D902iS 🆔:nhBRyTM.


#277 [向日葵]
セツナはアハハハと華麗に笑った。

セツナ「可愛く見えても仕方ないだろ。いつだって女の方が可愛らしくなくてはなぁ。」

蜜「好きな人の可愛らしいトコを見たいのは当然だと思うんですがねぇ。」

セツナは笑いながらクシャクシャ頭を撫で回す。

セツナ「ホラ着いたぞ。」
山のふもとに着地。
前来た時は暗かったから分からなかったけど意外に山の中は明るいみたい。

蜜「何をするんです?」

セツナ「山を探索するんだ。いいだろ?」

⏰:07/07/16 02:49 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#278 [向日葵]
なつさん
安価ありがとうございます

――――――――

まぁ別に悪くないけど……。

セツナ「仲間がいるんだ。紹介する。」

セツナは私の手を引いて山中へ連れて行った。

蜜「仲間って?」

セツナ「風達みたいなものだ。なんせ山は自然物が集まる場所だからなぁ。」

風達ってことは……妖精さん達再び?!
私も平凡ライフから切り離れたもんだなぁ……。

⏰:07/07/16 02:54 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#279 [向日葵]
「あら?セツナ様?」

頭上から鈴の音の様な綺麗な声が。

見上げると長い髪が規則正しくウェーブして淡い緑色をして、格好は女神様の様な美人がいた。

セツナ「緑か。」

蜜「緑?」

セツナ「緑の精だ。」

セツナが説明すると、美人さんがゆーっくり降りてきて音も無く着地する。

よく見れば足首に輪っかを2、3個付けている。

緑「こちらは……風達が噂していた…。」

⏰:07/07/16 03:00 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#280 [向日葵]
セツナ「あぁ。蜜乙女だ。」

ムッ。なんで蜜として紹介してくれないかな。

緑(の妖精)さんはフンワリ笑うと服の裾を指先で持ってまるでお姫様みたいにお辞儀をした。

緑「初めまして。お目にかかれて光栄です。」

蜜「いいいえ!こちらこそっ!!」

慌ててお辞儀仕返す。
すると緑さんは深刻そうな顔をした。

緑「セツナ様。先に、あの方達が見えてます。お気を付けなさって下さいまし。」

⏰:07/07/16 03:05 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#281 [向日葵]
セツナの顔が嫌悪で一杯になる。

セツナ「チッ。お前達も余り姿を見せるな。今日は俺が来たからアイツらも下手な真似は出来ない。」

さっきからなんの話してんだろう。
全く蚊帳の外だ。

セツナに「何?」と目で訴えてみると

セツナ「説明するのには、お前にはまだ早い。だから気にするな。」

ちょっと携帯会社のCMじゃないんだから教えてくれてもいいじゃないかぁっ!!

セツナ「じゃあな緑。」

緑「お気を付けて…。」

⏰:07/07/16 03:11 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#282 [向日葵]
セツナに手を引かれながら私は緑さんを振り返った。

蜜「ま、また会いましょうねー!」

緑さんはキョトンとしていたけど、やがて満面の笑みを溢すと静かに消えていった。

さっきの事が頭から離れない。「アイツ」って何?

セツナをチラリと見るけど山の中をずんずん歩いていく。

『今はこれっぽっちも教える気は無いみたい……。まぁ……秘密の1つや2つはあるでしょうけどね……。』

⏰:07/07/16 03:16 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#283 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/16 03:18 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#284 [Ayumi]

とてもおもしろいです
更新頑張って下さい(`ノノ

⏰:07/07/16 04:33 📱:P902iS 🆔:4TZq624Q


#285 [向日葵]
Ayumiさん

ありがとうございます
頑張りますね

⏰:07/07/16 09:54 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#286 [RUI]
アンカーないのでさせて
頂きまぁ-す

ひーちゃん、最高ぉ
更新頑張って

>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

⏰:07/07/16 15:28 📱:SH902iS 🆔:X.6.rmyI


#287 [向日葵]
RUIちゃん
ありがとう頑張るよぉ

⏰:07/07/16 15:49 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#288 [向日葵]
なんだか……壁があるみたい……。

セツナ「……つ。蜜。」

蜜「え。あ、ハイ。」

立ち止まる。
なんだかセツナが心配そうに私を見ていた。

セツナ「どうした?」

蜜「何もありません……けど?」

セツナはふぅんと言うと繋いでない方の手を顔の前まで出してきた。

蜜「うわ!」

手の上には真っ赤な大輪の花があった。

⏰:07/07/16 17:41 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#289 [向日葵]
蜜「何ですかその花!」

セツナ「生えてた。」

せめて咲いてたって言おうよ……。

セツナはその花を私の耳の上辺りに刺して髪飾りの様にした。

セツナ「蜜は髪の毛が黒いから赤が映えるな。」

蜜「それはどうも……。」

もしかして、元気付けてくれてるのかな……。
もしセツナを花で飾るなら……薔薇?

わーベタ……。

⏰:07/07/16 17:45 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#290 [向日葵]
セツナ「蜜、口開けろ。」

素直に口をあけてみた。

コロン

蜜「すっぱ!……ん?甘い。何ですかコレ。」

セツナ「なんかの実。」

アバウトすぎるって……。

セツナ「小さい頃好んでよく食べていた。癖になるだろ。」

蜜「んー。まぁ……。」

正体が分かれば素直にそう言えるのだけど……。

⏰:07/07/16 17:56 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#291 [向日葵]
セツナは食べては入れ食べては入れを繰り返してくる。

と、何個目かの時に

蜜「パクッ。……。……っ!すっぱ!!すっぱいすっぱいぃ!!」

セツナ「あー。まだ熟してなかったか。大丈夫か?」

蜜「うー…。」

すっぱくて少し涙が出てきた。

蜜「もっと確かめて口に入れて下さいよ!!ふいー……。」

セツナ「悪かったって。水でも飲みに行くか?」

⏰:07/07/16 18:06 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#292 [向日葵]
蜜「もーいいです。さっさといつもの場所行きましょう。」

行こうとする私の腕をセツナが止めた。

セツナ「今はあまり軽率に動くな。」

蜜「それってさっきの“アイツ”と関係あるんですか?」

セツナはこくっと頷く。
そしてその“アイツ”は教えてもらえないまま……か。

蜜「大丈夫じゃないんですか?私なんて只の人間ですし。」

そこでセツナの目が怒りに変わった。

⏰:07/07/16 18:17 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#293 [向日葵]
セツナ「お前緑の話を聞いてなかったのか?」

責める様に言ってくるので私はたじたじだった。
ダメな事を言ったらしい。

蜜「……聞いてましたよ。それが何か?」

セツナ「風達が噂してるって事はアイツらの耳にも届いていると言う事だ。忘れるな蜜。お前は人間であって蜜乙女なんだ。」

ムカ。
さっきから私を蜜乙女蜜乙女って……。
私が蜜乙女でしか価値が無いみたいに。

蜜「私は“アイツら”がどんなのか知りませんから。どれだけ危険かも分かりませんっ。」

⏰:07/07/16 18:27 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#294 [向日葵]
セツナは更に目に怒りを宿す。

セツナ「お前分かってるのか!蜜乙女って言うだけで危ないって言ってるんだ!!」

カッチーン……。
なんですって……。

蜜「好きで蜜乙女になんかなってませんよ!!すいませんね!蜜乙女が側にいるせいでセツナは危険にさらされるんですから!!」

ここまで来てなんで口喧嘩をしなきゃなんないんだ。だけどムカつく。
蜜乙女をこれだけ連呼されるとはっ。

蜜「なんなら私だけで山を探索しましょうかぁ?」

⏰:07/07/16 18:32 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#295 [向日葵]
と、いきなり背中に激痛。

蜜「いったー……。」

セツナは私の両肩を掴んで大木に押し付けた。

セツナ「お前は何も分かってない。俺の身なんてどうでもいいんだ!」

セツナがここまで取り乱すなんて……。
呆然とセツナを見つめた。

セツナ「蜜に何かあったら怖いだけだ……。」

セツナの頭が私の肩に乗る。
あぁなんだ……そーゆー意味か……。
蜜乙女で噂が広がってるから私の身が危険って言いたい訳ね。

⏰:07/07/16 18:40 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#296 [向日葵]
蜜「貴方の言い方は時々分かりにくいです……。」

ため息混じりに言うとセツナはクククと笑った。
機嫌が直ったらしい。

セツナ「蜜は馬鹿だからな。」

ハイカッチーン…。
人が喧嘩売った事を謝ろうと思ったのに。

蜜「謝る気が失せました…。」

セツナ「謝る?……。まぁ謝らなくていいさ。かわりに、蜜で償ってもらう。」

なんか何処かでこれを予感していた。

⏰:07/07/16 18:45 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#297 [向日葵]
蜜「ハァァ……。」

なんか呆れる。

蜜「どうぞご勝手に……。」

セツナ「ほぅ。なら蜜。お前からやってもらおう。」

え。

セツナ「むろん、誠心誠意を込めて……舌付きでな。」

え。

セツナは大木に手を付く。

蜜「すいません。やっぱり取り消してもいいでしょうか。」

セツナ「謝るのがお前なら言った事に二言はないよな?」

⏰:07/07/16 18:50 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#298 [向日葵]
いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!

蜜「無理です!普通にするならまだしも!し、し、……っ!!」

舌とかっっ!!

セツナは明らかに面白がっている。

セツナ「目は瞑ってやるさ。」

んな問題かこの野郎。

セツナ「ホラ。」

セツナは目を瞑ってキスを促す。

私はセツナの顔をやんわり包む。
もう知らない。舌ありなんて出来るか!普通で済ます!!

⏰:07/07/16 18:56 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#299 [向日葵]
唇に長めに触れる。
そして離れようと数ミリ離したとこでセツナが目を開けたからそこで止まってしまった。

セツナにこんな間近で見られたら固まるしかないだろう。

セツナ「蜜……。」

まるで「分かってるよな?」と言う様に私の名を呼ぶ。喋ったら時折唇が触れた。

セツナは再び目を瞑る。

ダメだ…逃げれないんだ……。

蜜「く…口を……開けて…くだっ……さい。」

⏰:07/07/16 19:01 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#300 [向日葵]
セツナが口を少し開ける。その時微かな吐息が口の中に入ってクラクラする。

『し、……舌…。……舌…。』

私は戸惑いながらなんとかセツナの口内へ入れる。
するとセツナの舌が私を絡めとる。

思わず目を見開いてまたギュッと瞑った。

背中がゾクゾクしてどうにかなりそうだった。頭がおかしくなりそう。

するとセツナが口を離した。

セツナ「まぁ物足りんが今日は合格だな。流石俺の花嫁殿。」

⏰:07/07/16 19:11 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#301 [向日葵]
も、物足りないですって?!

セツナ「次はもっと舌を出してもらわなきゃいけないな。」

蜜「つ、次…で、す…ってぇ……ハァ……。」

今は足に力が入らなくてセツナの腕に支えてもらっている。

漫画でよく目が渦巻きみたいになるのがあるけど、私は正に今その状態。

なんで私がこんな官能的な事をしなきゃいけないんだ。

セツナ「ククク……。少し激しすぎたかな?」

蜜「ハァ…大分……です、よ……。」

⏰:07/07/16 19:20 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#302 [向日葵]
――――――――

キリますね(´・ω・`)

⏰:07/07/16 19:21 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#303 [向日葵]
こんなつもり私の人生設計図にはなかったハズ……。
厄介事は一切嫌いだったのにむしろ深みにハマっていってる。

セツナ「体調は如何かな?」

蜜「さいてー…。」

低く言うとセツナは笑う。どんだけ余裕なんだくそーっ!!

セツナ「いつもの場所までひとっ飛びしても平気か?」

蜜「いいですけどゆっくり頼みますよ……。」

セツナはクスッと笑うとおでこにキスした。

セツナ「了解賜った。」

⏰:07/07/16 21:04 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#304 [向日葵]
私を抱きかかえたセツナは木のてっぺん近くまで飛んで行った。
いつもみたいに木の枝に降ろしてくれるのかと思いきや、今日は抱いたまま枝に座る。

蜜「…。何故降ろしてくれないんですか?」

セツナ「護衛に決まってるだろ。」

護衛って……。また大袈裟な。とか言ったらまた怒られるんだろうな……。

どこか過保護なんだよねセツナって。

セツナ「アイツらって言うのは……。」

いきなりセツナが話出した。どうやら“アイツら”について聞かせてくれるらしい。

⏰:07/07/16 21:28 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#305 [向日葵]
セツナ「昔俺を殺そうとした奴らなんだ。そいつらは、地位は一番低いくせにずる賢くて、意地汚い。おまけに貪欲。」

セツナは海を見ながら今にも吐きそうなくらい気分悪そうな顔をした。

セツナ「自分達の利益の為ならなんでもするような最低最悪な奴らで、自然界でもほぼ追放の身にある。…………なのに、この辺をのさばっている。だから、緑や風達は脅えている。」

蜜「セツナは怖くないんですか?」

セツナは鼻をフンと鳴らした。

セツナ「黒蝶族がアイツら如きに脅えるか。」

⏰:07/07/16 21:34 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#306 [向日葵]
「でも」とセツナは続ける。

セツナ「お前は別だ。俺はいつだってお前が消えるのが怖い。」

―――ドキッ……

不意打ち……。卑怯だ…。

蜜「よっぽどセツナに酷いことされない限り、私は出来るだけ側にいますよ。」

セツナ「……ずっとではないのか。」

―――ドキッ……

蜜「ず、ずっと……いますよ。」

⏰:07/07/16 21:45 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#307 [向日葵]
セツナは安心した様に笑うと胸元に顔を横にして置いてきて私を抱き締めた。

わかった。
この人が可愛く見える瞬間は、こんな風に甘えてくれる時なんだ。

そしてそれを可愛く見える度、私はセツナにどんどんのめり込んでいって、愛しさが増して、どうしようもなくなってしまうんだ。

⏰:07/07/16 21:52 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#308 [向日葵]
チャプター7:訪問者





蜜「教科書良し。お弁当よし。あとー……戸締まりも良しっとー。」

同棲もどきを初めて3日目。今日は学校の日。

蜜「セツナー。風さん達は来ましたか?」

庭で腕組みしながら天を仰いでいるセツナに呼びかける。

セツナ「ったく何してるんだ。」

イライラしてるセツナの隣まで来て、私も同じ様に天を仰ぐ。

⏰:07/07/16 22:06 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#309 [向日葵]
するとそよ風と共に風さん達が来た。

セツナ「遅いっ!いつまで待たす気だ!!」

風さん達はびくびくして必死にお辞儀する。

蜜「セツナ!怒らないであげて下さいよ!」

私はポケットから袋を一つ開けてしていたリボンをといた。
中には小さめのクッキーをいくつか入れていた。

蜜「風さん達、食べれますか?」

次の瞬間クッキーはなくなってカワイイ笑い声と共に「ありがとう」と聞こえた。

⏰:07/07/16 22:13 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#310 [向日葵]
セツナ「蜜よ。俺にはそれはないのか。」

蜜「貴方食べないじゃないですか。」

セツナ「蜜がくれるならなんでも食べるさ。」

蜜「残りが少しあるからなんなら食べます?」

リビングに帰ると後ろから腕を掴まれてくるりと回って目の前にはセツナがいた。

蜜「ダンスはをするとは言ってないんですけど…。」

顎に手をやって顔をクイッと上げられた。

⏰:07/07/16 22:19 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#311 [向日葵]
セツナ「やはりこちらの方が嬉しいんだが……駄目か?」

蜜「イエスノーで聞かれるならばノーですけど。」

セツナ「そうかそれは残念だ。だが……俺の答えは分かっているな?」

そう言うと顔を傾けて唇を優しく押し付けた。
そして離す。

蜜「……。」

私は目をパチクリさせていた。
珍しい…。今日は軽いや。
その視線に気付いたセツナはニヤリと笑う。

⏰:07/07/16 22:29 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#312 [向日葵]
セツナ「足りなかった?」

蜜「さっさと学校行きましょう。」

セツナから離れてカバンを持ち、玄関へ向かう。

今日もいつもと同じ1日が始まる。

……そう思ってた。


・・・・・・・・・・・・・・

清「あ!蜜!!おっはよー!」

靴箱で清がいた。

蜜「おはよう。」

⏰:07/07/16 22:38 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#313 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/16 22:39 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#314 [向日葵]
清「今日の英語のリ……」

清が言葉を失ったのは訳がある。私が目の前から忽然と消えてしまったからだ。
一方その私が何処へ行ったかと言うと、セツナに引きずられていたのだった。

蜜「ちょ、セツナ!いきなりなんですか!!」

セツナ「会いたくないやつがいる。」

……。なんかげんなりしてる。一体何が……?

と思っていると後ろから声が。

「セ―――ツ―――ナァァァァァァ!!」

⏰:07/07/17 16:25 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#315 [向日葵]
クリクリした髪の毛が目についた。淡いピンク色でとても良い香り。

セツナ「ルキ!お前何故ここにいる!」

『ルキ?』

その少女は私より少し背が高くて可愛いと綺麗を両方持ってる子だった。

ルキ「研修ですわ♪それならばセツナ様のお近くがいいと思ったんですの!」

ルキがセツナに抱きついた時、はたと私と目が合う。
ルキ「あら?貴方は?」

蜜「へ?あ、あの蜜です。本山蜜。」

⏰:07/07/17 16:31 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#316 [向日葵]
ルキは上から下まで私をジロジロと観察する。

ルキ「貴方セツナのなんなんです?」

蜜「え、……。えーっと。」

セツナ「恋人だ。」

セツナがうっとおしそうにルキの腕を自分の首からはずしながら言った。

ルキ「こっ、こんな冴えない人がこい、こここ恋人ですって―――っ?!」

ごもっとも……。

セツナがルキの腕を掴んで睨む。

⏰:07/07/17 16:35 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#317 [向日葵]
セツナ「オイ。口を慎め。いつお前に俺を侮辱する権限を与えた。」

蜜「いやあのセツナ。貴方は何も言われてませんよ……?」

セツナが横目で私を見る。

セツナ「俺が言われたも同然だ。」

そしてまたルキに目を移す。

セツナ「次は無いと思え。」

そしてルキの腕を離すと私の肩を抱いて教室まで行った。

⏰:07/07/17 16:39 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#318 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・

蜜「セツナ。いくらなんでも女の子に暴力はいけませんよ!」

現在教室前。
教室まで送ってくれたセツナに私は告げた。

セツナ「ハァ…。今日はお前の説教ばかりだな。」

蜜「優しくするのを私だけじゃなく他の人にもして下さいと言ってるんです!」

まぁ優しいかどうかは分からないけど……。なんてったってS……。

セツナ「蜜が言うなら仕方ない。…努力する。」

⏰:07/07/17 16:44 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#319 [向日葵]
私は微笑む。

蜜「お願いしますね。ではまたお昼に。」

と言って教室に入ろうとしたら

セツナ「蜜。忘れ物だぞ。」

忘れ物?なんか忘れたっけ。筆箱?教科書?

蜜「何ですか?」

腕を引かれたと同時に、セツナの唇が軽く唇に触れる。

蜜「――――っ!!!!」

セツナ「じゃあな。」

⏰:07/07/17 16:53 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#320 [向日葵]
私は暫く口を押さえたままその場に立ち尽くした。

『だから!人間のマナーを学んでてあれだけ言って』

小川「おはよう!」

蜜「うわー!っとおはようございます!!」

いきなり声をかけられて思わず両手を万歳してしまった。

小川「ゴメン!そんなに驚くとは……。」

蜜「いやいや。こちが悪いだけで。」

会話しながら教室に入ると、先に着いていた清が話かけてきた。

⏰:07/07/17 16:58 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#321 [向日葵]
清「みーつ!朝からお熱いねー♪いってきますのキ・ス☆」

私は速攻で清の口を塞ぎに行った。

蜜「き〜よ〜…。教室のど真ん中でなぁにを口走ってるかぁ〜…。」

清「そりゃああれだけ素敵な人だったら何されてもいいわよね。」

蜜「黙れぇぇぇぇっ!!!!」

「え?本山さんってやっぱり?!」

「どっちから告ったの?!」

突然クラスの女子からの質問責め。
私は一気に囲まれた。

⏰:07/07/17 17:02 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#322 [向日葵]
そんな中、ドア付近に立ち尽くしたままの小川はショックを受けていた。

蜜[微妙。]

確かに本山は前、そう答えた……。なのに…。

――――――……

ズバンッ!!
1時間目の休み時間。大きな音を立てて入ってきたのはセツナだった。

蜜「…セツナ?!どうしたんです?」

セツナ「蜜。帰るぞ。」

蜜「はい?!何言って!」

手を引っ張られてドア付近まで連れて行かれると

⏰:07/07/17 17:16 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#323 [向日葵]
ルキ「セッツナ――――!!!!」

前からルキが飛んできてセツナに飛び付く。
セツナは均衡を崩して倒れ、私は反動で飛ばされた。

セツナ「ルキ!いい加減追いかけてくるのを止めないか!!」

セツナが身を起こしながらルキに叱咤する。

蜜「あいっ…たたた……。」

小川「大丈夫?」

ふっ飛ばされた私に、小川君が優しく手を差しのべてくれた。

⏰:07/07/17 17:21 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#324 [向日葵]
小川「足すりむいてるけど…平気?」

見ればほんのちょっとだけ傷になっていた。

蜜「大丈夫!ありがとう!」

なんだかのほほんとした空気が流れた。
それが気にいらなかったのか、セツナが後ろから私を抱き締める。

セツナ「俺のに気安く触るな。蜜、帰るぞ。」

蜜「い、嫌ですってば!!私は授業を受けます!」

ルキ「セツナ!私とお話をしましょう♪」

⏰:07/07/17 17:26 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#325 [向日葵]
もー!皆ゴチャゴチャ自分の事ばっかりぃ!!
いい加減にしてよぉっ!!!!

その時、私とセツナを繋ぐ手がやんわりと離された。
そしてわたしの目の前に小川君が立つ。

小川「嫌がってるじゃないですか。止めてあげてください。」

蜜「小川君……。」

セツナは不機嫌丸出しになって小川君を睨みつける。

セツナ「関係ないだろ。邪魔するな。」

蜜「小川君、私ならいいから……。」

⏰:07/07/17 17:29 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#326 [向日葵]
それでも2人は睨み合ったまま。一歩も動こうとはしない。

するとセツナの目が私を捕えた。

セツナ「蜜。俺は帰る。帰ったら覚悟しとけ。」

そう言うとバシン!!と音を立てて出て行ってしまった。

蜜「あ……。」

小川「ゴメン。俺…余計な事……。」

蜜「ううん。そんな事ない!ありがとう。」

小川君は弱々しく微笑むと自分の席へ戻って行った。

⏰:07/07/17 17:33 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#327 [向日葵]
その場に立ち尽くしてドアを見つめる。

『まったく…自分勝手なんだから……。』

ルキ「貴方……ホントにセツナ様の恋人ですの?」

蜜「はい……まぁ。」

ルキ「はいまぁですって……?そんなどうでもいいみたいな言い方なさるなんて……。どうかしてるわ!」

ルキが私に詰め寄る。美人の怒った顔は迫力があるから困る。
私はたじたじになった。

ルキ「あの方が恋人ですのよ!それを“はいまぁ”で済ますなんて、好きではないんですよ!!」

⏰:07/07/17 17:38 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#328 [向日葵]
ルキは教室を出てどこかへ走って行った。

とんでもない人がやって来たものだ……。

―――――……

お昼は1人だった。だってセツナは帰ってしまったんだもの。
いつも隣にいるハズの影が今日は無くて少し切なかった。

ルキ[好きじゃないんですよ!]

『そんな事ないのになぁ……。』

そうだったらこんなにドキドキもしないし、寂しくご飯を食べてる訳もない。

⏰:07/07/17 17:43 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#329 [向日葵]
どうも私はそーゆー感情を表に出すのが苦手だ。
言われ慣れてる訳でもないし、言い慣れてもない。

胸を張って恋人だと言える訳もない。
だって私はルキが言った通り冴えていない。平凡な人生を暮らしていたし、別に容姿のことだって気にはならない。

ここに来て、これだけ気にするとは……。

蜜「可愛かったり…綺麗だったら、胸張って…セツナの恋人って言えるかなぁ……。」

それでもセツナは、こんな私を可愛いと言ってくれた。
誰が何と言おうと、セツナが可愛いと思ってくれるなら……別にいいのかもしれない。

⏰:07/07/17 17:49 📱:SO903i 🆔:/DfXwmKc


#330 [向日葵]
蜜「お弁当…美味しくないよ…。セツナ……。」

まだ冷たい風が私の体を触れて行った。

――――
――――――……。

教室を出るとルキがでんっ!!といた。

蜜「な、なんでございましょうか……。」

ルキ「貴方のお家まで案内してもらおうと思いまして。」

蜜「……は?」

ルキ「貴方に私の気持ちが分かりますの?」

そこからルキは自分の世界へ入って行った。

⏰:07/07/18 00:35 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#331 [向日葵]
セツナをお慕いして幾年……。

あの方の全てを知りつくして来た私こそがセツナにふさわしいと思っていました……。

――――なのに……

ルキ「最近口を開けば「蜜がどうした」「蜜があーした」蜜蜜蜜蜜蜜ばっかり!!!!なんで貴方なんかにぃっ……っていないじゃありませんかぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

私はルキが世界に入り込んでいる時に猛ダッシュでその場を去った。

蜜「ゼー……。ゼー……。ったく、何だっての……。」

⏰:07/07/18 00:42 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#332 [向日葵]
靴箱に手をついて呼吸を整える。

小川「本山?」

蜜「あぁ小川君。」

小川「どうかした?」

蜜「ちょ、…ちょっとね……。あ、あの、今日はホントにありがとう。」

小川君はにっこり笑っていやいやと言った。

小川「なんか本山困ってたみたいだし。」

蜜「小川君…。やっぱり小川君はいい人ね!じゃあまた明日!!」

そして私は急いで帰宅した。

⏰:07/07/18 00:46 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#333 [向日葵]
残された小川は蜜の走っていく姿をジッと見つめていた。

蜜[小川君はいい人ね!!]

満面の笑みで言われた……。その笑顔が、頭から離れない…。

清「恋だねぇ。」

後ろから清が小川に話かけた。

小川「うわっ!な、何!!」

清「ま、若者よ。頑張りなさい。」

小川「お、おう…。」

―――――――……。

カチャカチャ ガチャン

蜜「ただいまー…。」

⏰:07/07/18 00:51 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#334 [向日葵]
セツナの姿がない。
リビングかな……。

リビングに行ってもやっぱりいない。すると少しだけ風を感じた。視線を庭側へ向けると

蜜「あ、風さん。」

1匹だけ風の妖精さんが私の顔近くにいた。
どうやらセツナの場所を教えてくれてるらしい。

手招きされるがままついて行く。

庭を出ると、セツナがいた。家を背もたれにして私が見えない位置で芝生の上に座っていた。

蜜「……た、ただ…いま…。」

⏰:07/07/18 00:57 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#335 [向日葵]
セツナは目だけを動かして私を見ると、また目線を戻した。

あちゃー…。
一緒に帰らなかったのと、小川君が助けに入った事が気にいらないんだ。
バッチリご機嫌ななめ……。

蜜「セツナ。」

セツナは返事をしない。
私は深呼吸した。

蜜「もう…1人で先に帰らないで下さいね……。」

セツナ「何故?」

やっとここで反応した。
心の中でホッとしながら私は続ける。

⏰:07/07/18 01:03 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#336 [向日葵]
蜜「セ…、セツナがいなかったら、お昼寂しいんですから…。」

セツナがこちらを向く。
まだ機嫌は完全には直ってないけど私の言葉に少し直ったらしい。

仕方ない……。極めつけは恥ずかしいけど言うしかない……。

言う前から顔が赤くなるのが分かる。
セツナのセーターをキュッと掴んで私はうつ向いた。

蜜「私がす、すすす好きな、のは……セツ…ナなんですから……。あまり小川君の事で、拗ねないで下さいね……。」

⏰:07/07/18 01:08 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#337 [向日葵]
どわぁぁぁ!!言ってしまったぁぁあ!!

……。……。……?

セツナの反応が無い。
ソローッと顔を上げて見ると、セツナは目線をずらして口元を少し隠し、耳を軽く赤くして照れていた。

わ…わぁ―――っ!!!セツナが照れてる!!

セツナ「まったく…やっぱりお前には敵わん。」

セツナは私と視線を合わせると、まだ紅潮している私の頬に指先を触れた。

セツナ「可愛いのでは、お前の右に出る奴はいないな…。」

⏰:07/07/18 01:14 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#338 [向日葵]
蜜「それは…買い被りすぎですけど……。」

時間が止まった様な気がした。いつもとは、なんだか違う雰囲気。

もっと甘くて、このままでいいやと思う様な……。

セツナの顔がゆっくり近づく。
私もそれに合わせてゆっくり目を閉じていった。
驚くほど優しく唇が触れる。

それが段々と激しさを増していく。

『なんか、変だ……。』

いつもなら息苦しくて恥ずかしくてすぐ離れたくなるのに……。

⏰:07/07/18 01:19 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#339 [向日葵]
セツナの照れた顔を見たせいかな……。

セツナの手が後頭部と背中辺りに来て、私を優しく芝生の上に寝かせた。
一旦顔を離して見つめ合う。

セツナ「蜜……。」

名前を呼びながら、セツナは私の頬を指先でなぞる。そしてまた顔が近付いた。今度は最初から激しくて、セツナの舌が、口内を荒らした。

答えてみるものの、完璧に近いセツナのくちづけは次第に意識を奪ってしまいそうになり、ちゃんとは出来なかった。

⏰:07/07/18 01:24 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#340 [向日葵]
長いキスを、どのくらいしてたんだろう……。

やっと唇が離れた時には全速力で走った後みたいになっていた。

蜜「ハァッ…ハァッ……ハァ…」

セツナ「蜜。大丈夫か?」

セツナが心配そう見つめながら私の顔を包む。

私の好きな…優しい目……。

蜜「だい……じょ、ぶ……ですよ……。」

と言って笑う。
セツナも温かく微笑んで私の瞼にキスした後、起こしてくれた。

⏰:07/07/18 01:31 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#341 [向日葵]
セツナ「困ったもんだ。危うく理性を失うとこだったぞ。」

蜜「それは……困りますね。」

あんなトコで……襲われると流石に……。
いやそんな問題じゃないよ!!

私さっきおかしかったよ確実に!!完全にセツナに身を任してたし!
あのまま流れでそーゆー事になっても抵抗しなかったかもしれない!!

『ひぃぃっ!!恋愛って怖い!!』

セツナ「今日の蜜は一段と可愛かったな。必死にキスについてこようとするトコとか。」

⏰:07/07/18 01:36 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#342 [向日葵]
セツナがニヤリと笑う。
いつものセツナに戻ったらしい。

セツナ「しかも」

顎をクイッとあげられる。

セツナ「あの蜜から“好き”と言う単語が出てくるとは…。」

言うなぁぁぁ!!もう言うなぁぁぁ!!

蜜「じ、じ、事実です…もん。」

セツナ「お前は誘ってるのか?」

私は頭をブンブン振った。

蜜「んな訳ありません!!」

⏰:07/07/18 01:40 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#343 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/18 01:40 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#344 [RUI]
ひーちゃん頑張って

>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000

⏰:07/07/18 13:58 📱:SH902iS 🆔:MJ9N9lZo


#345 [向日葵]
RUIちゃん
応援&安価ありがとう

――――――――

セツナはクスクス笑うと立って、手を差しのべる。

セツナ「早く中に入るぞ。風邪をひかれたら困るからな。」

その手をとって、私も立ち上がる。

蜜「そういうば……覚悟って何なんですか?」

セツナは少し考えてからニヤリと笑う。

セツナ「俺を怒らせた罪としてお前の可愛い姿を堪能しようと思ったんだ。」

⏰:07/07/18 19:04 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#346 [向日葵]
「しかし」とセツナは続ける。

セツナ「想像してた姿よりいいのが見れたんでな。満足だ。」

ニカと笑って白い歯を覘かせた。

危ない……。とっておきをしておかなければ今頃私は偉い事になってた……。

蜜「大体私の気持ちを知ってるくせに嫉妬なんかしなくていいじゃないですか。」

セツナ「分かってないな蜜。だからこそだろ。」

私はさっぱり分からなくて首を傾げた。

⏰:07/07/18 19:08 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#347 [向日葵]
セツナ「好きと分かっているからこそ好きでもない奴に守られるのが嫌なんじゃないか。」

小川君の事を言ってるのがひしひしと感じられる。

蜜「なら、もう少し私の意見を尊重して下さいませんか?自分勝手にギャーギャー言われるの嫌いなんです。」

それに……。

蜜「ルキにだって逃げずに堂々としとけばいいじゃないですか。」

大体あの人は何でも分かったみたいにセツナの事をベラベラベラベラ……。

どうせ貴方よりはセツナとの日は浅いですよ!

⏰:07/07/18 19:12 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#348 [向日葵]
それでもちゃんと確かめ合う物はあるし……。

予想外に顔が拗ねるみたいに口を尖らせて眉を寄せてしまう。
そんな私にセツナが不思議そうな顔をした。

セツナ「なぜ表情を曇らせるんだ?」

蜜「えぇっ?」

思わずイラつく気持ちが出てしまって荒々しく言葉が出る。

蜜「いえ…。ちょっと……。」

⏰:07/07/18 19:23 📱:SO903i 🆔:.1ksn8JQ


#349 [み]
あげッ肉フ

⏰:07/07/18 23:07 📱:W44T 🆔:HoT.uiRY


#350 [ス梢ス]
ぁげッッ~

⏰:07/07/19 15:45 📱:W51SH 🆔:fWlszHkU


#351 [向日葵]
みさん
梢さん
あげありがとうございます

――――――――

まぁ何はともあれ……ルキには気をつけよう。

――――――……
次の日

小川「本山。」

蜜「小川君。」

小川君は私の傍まで来ると困った様に頭をカリカリかいた。

小川「前のアンケート結果の報告書、いくつか間違いがあったから書き直しだって。」

⏰:07/07/19 17:27 📱:SO903i 🆔:Pq5ip2MU


#352 [向日葵]
蜜「え――っ?!マジですか…。」

小川「あ、でも本山は先に帰りなよ…?」

私は首を傾げた。

蜜「なんで?」

小川君はまた頭をカリカリかいた。

小川「彼氏…セツナ先輩…だっけ?また怒っちゃうでしょ。」

あぁ……。
でも昨日で大分機嫌は良くなったし、ちょっとやそっとではナナメになることは無いだろう。

蜜「そんなの気にしないで。あの人――……ちょっと我儘だし。」

⏰:07/07/19 17:30 📱:SO903i 🆔:Pq5ip2MU


#353 [向日葵]
「ちょっとは我慢を覚えさせないと」と付け足すと、小川君はホッとした様に笑った。

小川「良かった…いや、あの良くない……いや、あの何でも。」

蜜「はい?」

小川「と、とにかく!また放課後頑張ろうね。」

蜜「そうだね。頑張ろう!」

小川「じゃあ。」

ニコニコ笑いながら小川君はどこかへ行ってしまった。

あの爽やかさをセツナに半分分けて欲しいね!
……まぁ、昨日は珍しいもの見れたし…、いいや。

⏰:07/07/19 17:35 📱:SO903i 🆔:Pq5ip2MU


#354 [向日葵]
清「蜜!ダーリンよ!」

思わずずっこけそうになった。
ダーリンだぁ?!
私にそんな名称が似合うとでも?!

ドアの方を見るとセツナが立っていた。

急いでセツナの元まで行く。

蜜「どうしました?」

セツナ「すまんが今日は昼休み一緒にいれないんだ。だから1人で食べてくれ。」

蜜「あ、はい。わかりました。」

⏰:07/07/19 17:46 📱:SO903i 🆔:Pq5ip2MU


#355 [向日葵]
セツナ「だから……。」

ブワッ!!

蜜「ひぃやぁ!!!!」

世界が逆転する。
セツナの肩に私は担がれてしまった。
周りの視線が痛いほど刺さる。

蜜「ちょ、セ、セ、セツナ!何するんですか!!」

セツナ「用があるから人間マナーに乗っ取って場所を変えようと思ってなぁ。」

そ、それってつまり……“愛のくちづけ”の時間…?!

⏰:07/07/20 01:04 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#356 [向日葵]
ガラガラ

どうやらここは空き教室。
セツナは私を机の上に乗せてその両端に手を付く。

セツナ「その顔は…分かってるみたいだな。」

ニヤッと笑いながら上目使いで聞いてくる。

蜜「そろそろパターンが読めてきたんです。ってか…、忘れてましたけどセツナがウチにいるのは昨日で最後でしたね……。」

セツナ「寂しい?」

優しい目つきで聞いてくる。

⏰:07/07/20 01:09 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#357 [向日葵]
う……それは無しだ…。

言葉が勝手に出てきてしまう。

蜜「……はい…。」

セツナは目を細めて穏やかに笑うと、私の髪を優しくかき上げ撫でる。

セツナ「学年が違うのが惜しいな。俺もお前と離れるのは1秒たりとも後免だ。」

蜜「我慢と忍耐はたまには大切ですけどね。」

セツナはクスクス笑う。

セツナ「だから充電するんだ。」

⏰:07/07/20 01:13 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#358 [向日葵]
そう言うと、私の唇にそっと触れた。

目を閉じて、考えるのは胸に広がる温かな気持ちのこと。
これがもしかしたら“恋”で“幸せ”なのかな。

でも同時に不安な気持ちが混ざる。

セツナはホントに自分を“蜜乙女”としてじゃなく好きなんだろうか……。

そんな不安を飛ばす様にセツナの唇が強く押し付けられていく。

セツナ「余計なこと考えてただろ。口がおろそかになってたぞ。」

⏰:07/07/20 01:18 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#359 [向日葵]
蜜「……。すいません……。」

セツナ「俺といる時は俺の事だけ考えろ。」

蜜「……。」

強い目…。射ぬかれそう。でもその奥には穏やかで、優しい部分が見え隠れしている。

蜜「……はい…。」

セツナの目が閉じたと思うと、また唇が触れる。

分かってる。ううん違う。無理なんだ。

こうしてるのに、セツナ以外を考えれるハズ……ないんだ……。

⏰:07/07/20 01:23 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#360 [向日葵]
―――――――……

キーンコーンカーンコーン……

蜜「清。お弁当一緒してもいい?」

清「あら珍しい。でもいいよ♪久々だね!」

机を引っ付けて向かい合わせで座る。
カバンからお弁当を取って机に置いた。

清「…あっれー?っかしーなぁ……。」

蜜「?どうしたの?」

清「お箸、忘れちゃったみたいなのぉー…。」

⏰:07/07/20 01:28 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#361 [向日葵]
蜜「じゃあ食堂で割り箸取りにいこっか。」

清「ウン。ありがとう!」

と言う訳でいざ食堂へ。

食堂は別館にあっていささか遠い。

着くと生徒でごった返していた。

清「うっはは〜…。いつもすごいよね。」

蜜「私、邪魔だからあっちにいるよ。」

指差したのは食堂から離れた階段近く。

清「おっけーおっけーぃ!じゃあ出来るだけすぐ行くから。」

⏰:07/07/20 01:33 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#362 [向日葵]
階段は食堂と違って静かだった。
少し生徒の声が聞こえるだけで人通りはなかった。

『…。そういえば……。』
セツナどうしたんだろう…。何か用事でもあったのかな。
ってかセツナは卒業したらどうするんだろ。
何かを偽って黒蝶族の所へ帰るのかもしれない…。

そしたら……私達は、どうなるんだろう……。

「――・・―・・・。」

蜜「?」

階上から話声が聞こえる。一回清の方を見て、まだ来ないのを確認しながら私はそろりと話声のする方へ近付いた。

⏰:07/07/20 01:40 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#363 [向日葵]
その声が確実となった。

ルキ「よくお考えくださいなセツナ。」

ルキだ!!

気づいて身を潜める。そして話相手はセツナと言うこと。手摺越しから姿を確認する。
確かに2人共いる。

セツナ「何を考えろと言うんだ?」

ルキ「わかりません?貴方のあの蜜乙女に対する気持ちは只単の“蜜乙女”としての感情しかありませんのよ。」

――っな!!なんてこと!!

ルキ「所詮人間と比べれば私達は動物本能が働きますもの。大好物を前にして目がクラんでいるだけですわ。」

⏰:07/07/20 01:45 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#364 [向日葵]
そんな事ない!!

セツナはちゃんと私を好きでいてくれてる。“蜜乙女”じゃなくて私“自身”を!!

セツナ「あぁ…。そうだな……。」











――――――え……。

今……なんて……。

セツナ[あぁ……。そうだな……。]

⏰:07/07/20 01:47 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#365 [向日葵]
ズルッ! ビタン!!

あまりの事に滑って手をついてしまった。
分かってる。2人が気付いた事くらい。

ルキ「まぁ!盗み聞きしてたんですの?!なんてはしたない!!」

最後を聞き終えるかいないかで私はその場から逃げた。

ルキ「お話すら最後までキャッ……!!」

セツナはルキを押し退けて蜜を追う。

セツナ「蜜!待てっ!!」


―――――そうだったんだ…。なぁんだ。そっかぁ。

⏰:07/07/20 01:52 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#366 [向日葵]
セツナ「蜜!」

追いついたセツナは私を引き止める。

蜜「……。何か?」

自分でも分かる。酷く冷たく無関心な目でセツナを見てる。

セツナ「さっきのは違う!まだ続きが」

パシッ

私はセツナの手を払い退けた。

あー…。笑える。

蜜「フ…フフフフ。私の“蜜”は最高だって?もう病み付きで私からは離れることすら出来ないって?」

⏰:07/07/20 01:56 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#367 [向日葵]
なんで信じてたんだろ。
好きって言われ慣れてないから有頂天になってたのかな?

そうだよね。この人達の「好き」の前に括弧付けで“蜜”が。が着くんだね。

蜜「そんな感想は一族に帰ってからしなさいよ!!セツナなんか大っ嫌い!!」

封印の言葉を解き放つ。
もう知らない。お別れだ。
私はセツナの顔を見ずにそこから離れる。

・・・・・・・・・・・・

清「蜜!お待たせぇっ!!」
蜜「ううん。大丈夫。早く戻ろう!!」

⏰:07/07/20 02:01 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#368 [向日葵]
平凡が……戻ってきた。

待ち望んだ愛しい日々。
やっぱり私はこうでなきゃ。

だから言ったでしょ?面倒に巻き込まれるのは嫌だって。……だって…

清「――そしたらぁ!その猫が蛇に…っ。……蜜?!」

気付かない内に、いくつもの水雫が私の頬を滑り落ちていた。

……だって、平凡から一旦抜けてしまったら前まで当たり前にあった特別が無くて寂しくなってしまう。

ねぇセツナ…。どうして私は“蜜乙女”として、貴方に出会ってしまったんでしょうね……。

⏰:07/07/20 02:05 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#369 [向日葵]
――――――――

今日はこれで終ります

⏰:07/07/20 02:06 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#370 [向日葵]
チャプター8:誤りと解する





カチャ…… パタン……。

蜜「ただーいまー…。」

1人言。家にはまだおばあちゃん達は帰って来てないみたい。

『目、痛い……。』

清が心配するから涙を拭いても拭いても後から出てきて厄介だった。

フワー……ン

蜜「……。あ、風さん。」

⏰:07/07/20 16:59 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#371 [向日葵]
風さんはニコニコ笑って私の周りをフワフワ飛ぶ。

蜜「風さん…。セツナの元に帰った方がいいですよ。」

風さんは小さな目をクリクリさせて私を見る。

蜜「もう……ここにはこないから……。」

ホントにあの言葉が違うなら、今頃撤回しに来るハズなのに……。それすら来ないなんて……。

私はフローリングに座りこんだ。

日が暮れていく。
あの山で見た夕日は綺麗だったのに…今じゃこんなに寂しいものになってしまった……。

⏰:07/07/20 17:09 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#372 [向日葵]
慣れなきゃ。ううん忘れなきゃ。

私は平凡平和な女子高生。彼氏なんか1度も出来た事は無い。

セツナなんて人だって知らない。一切、知らない……。

ポタタタタ

フローリングに小さな水溜まりが出来る。

蜜「せっかく抑えたのに……。」

涙が収まることなく次々と流れていく。

[馬鹿。]

どこかで忘れたい声が気がした……。

⏰:07/07/20 17:13 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#373 [向日葵]
―――――……

おばあちゃん達は無事に帰って来た。
お土産を一杯買って来てくれてとても嬉しかった。
疲れたのか今日はもう寝ると言って8時に床についてしまった。

私はその後夕飯の片づけとか、お風呂入ったりとか何気なく過ごしていた。

蜜「そろそろ私も寝よう……。」

明日って体育あったよね。用意して…宿題……あ、プリント。

時計を見るといつの間にかあれから2時間半が過ぎていた。

⏰:07/07/20 17:17 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#374 [向日葵]
もう…、明日しよう。
早く起きて、学校へ行こう。今日はくたびれた。

よろよろとベッドに歩いていく。
今日は満天の星が綺麗だ。

電気を消して、ベッドに入り、星を見ながら寝る事にしよう。

蜜「今は…カシオペアが見えるのかなぁ…。あ、カーテン半分だけ閉めておこう。」

その時だった。

ザァッ!

目の前を、黒い大きな影が横切った。

⏰:07/07/20 17:23 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#375 [向日葵]
思わずシャッてカーテンを両方閉めて、背中を向ける。

嫌だ……。
なんで?

ドン…ドンドン……。

セツナ「蜜。そこにいるんだろ。開けろ。」

私は答えなかった。
素早くベッドに行って布団を頭まで被った。

セツナ「オイ蜜!話を聞けよ!」

もういいから。消えて。私の前から姿を消して……。
セツナ「蜜!!」

魅惑の声に怒りが帯びる。でも私は答えない。

⏰:07/07/20 17:26 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#376 [向日葵]
むしろ両耳を塞ぐ。

傷つきたくないの。
もう沢山なの。

私に、構わないで……っ!

ドンッ!!

窓が割れそうなくらいセツナが叩く。

セツナ「そうしているといい。だがな蜜。お前を説得するまで俺は何度でも来てやるからな!」

その言葉を最後にセツナからの呼びかけは終わった。
どうやら帰ったらしい。

知らない。知らない!
来たって無駄だよ!!

……その窓を開ける日は、二度と来ない。

⏰:07/07/20 17:31 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#377 [向日葵]
そうこうしてると、私は眠りに落ちていた。

―――――……

ピピピピ ピピピピ

あ、アラーム…。朝だ……。

……いっけない!!今日早く行くんだった!!

超特急で支度して猛ダッシュで家を出た。

バタン!!

蜜「いってきます!……っ。」

言葉を失った。
いないハズの姿がそこにはあったからだ。

⏰:07/07/20 17:34 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#378 [向日葵]
そこにはセツナが塀にもたれていた。

名前を呼んではいけない。傷が開く…。

私は誰もいない様に振る舞い、セツナを無視した。

セツナ「蜜。」

足が止まりそうになるのを必死で動かしてセツナを更に無視した。

無駄だったけど、私は駆け足で学校まで行くことにした。セツナは空を飛べる。なんなく私に着いてくるだろう。

セツナ「蜜!返事くらいしろ!」

⏰:07/07/20 17:38 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#379 [向日葵]
振り返らなかったけど分かる。セツナは空を飛ばずに私と同じ様に走っている。

セツナ「オイ蜜!」

いくら呼ばれても決して返事をしない。

貴方なんて知らない。
私は平凡な女子高生。

そう言い聞かした。

やっとの事で学校に着く。下駄箱から教室に行こうとするとすぐそこにセツナがいた。

セツナ「いい加減にしないか。」

グッ!

⏰:07/07/20 17:41 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#380 [向日葵]
蜜「いたっ……!」

セツナの指が、私の手首に食い込む。
本気で怒ったらしい。

セツナ「話を最後まで聞かないか!1人で勝手に完結しやがって!!」

私は何も言わずに必死にセツナの手から逃れようとした。
しかしそれどころか指には更なる力が加えられていく。

セツナ「話を聞くまでは絶対に離さないぞ。」

それでも私は振りほどこうとした。

セツナ「どうやら聞く気は無いらしいな。」

⏰:07/07/20 17:46 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#381 [向日葵]
ガンッ!

蜜「痛いっ……。」

勢いよく下駄箱に私を押さえ付ける。

セツナ「いいな。手加減なんてしない。話を聞かないお前が悪いんだからな。」

そう言うとセツナは唇を強く押し付けてきた。

いきなりだったので息の準備が出来ていなかった。
苦しい……っ。

蜜「ぃや……っ!――ん…っ!!」

セツナの舌が私の舌を絡めとる。

⏰:07/07/20 17:50 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#382 [向日葵]
胸元をぐっと押しても、セツナはそれどころか下駄箱を利用して奥へと侵入してくる。

『頭が……くらくらして……。』

足がカクンとなっても腰に腕を回してキスを止めようとはしない。

セツナ「―――っ!」

セツナは私から離れた。
それは私が唇を噛んだからだ。

蜜「ハッ……やめ…てくだ……さ……ハッ…。」

カバンを抱き締めながら息を整える努力をする。

⏰:07/07/20 17:58 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#383 [向日葵]
蜜「今の……っ私は、こーゆー行動が…っ何より嫌ですっ!!」

足に意識させながらセツナの横を走りさる。

どうせっ朝ごはんなんでしょう?!
極上だもんね?!

ううん違う!!あれは知らない人!つまりこれはセクハラ!!
許せない……っ!!

そんな事を思いながら、心臓のドクドク言う音を聞いていた……。

違う!これは息があがってたから……っ!

違う!違う!何もかも違う!!

⏰:07/07/20 18:03 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#384 [向日葵]
――――――――

一旦キリます

⏰:07/07/20 18:03 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#385 [向日葵]
教室について自分の席についてから顔を伏せた。

平凡平凡平凡平凡!!!!

必死に呪文の様に唱える。
これ以上、私の気持ちを掻き乱すのはやめてよっ!!

―――――……

先生「本山ー。珍しいなぁ。お前が宿題忘れだなんて。もうすぐ学期末なんだから気引き締めていけよ。」

蜜「はぁい……すいません。」

職員室を出て、トボトボ廊下を歩く。

⏰:07/07/20 19:03 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#386 [向日葵]
なんてこと……宿題を忘れるなんて。
せっかく走ったのに…。

清「あ、いたいた!蜜ー!」

蜜「清。」

清「セツナ先輩が蜜を呼んでくれってさっきから教室にいるの。」

―――ドクン…。

蜜「嫌だ…。私、っ保健室行ってくる!」

清「ちょ、蜜ーっ!」

ガラガラ

保健医「おー。本山じゃないかぁ。どした?」

⏰:07/07/20 19:07 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#387 [向日葵]
この人は保健医のさっちゃん。

メガネ美人で栗色の長い髪の毛を1つに結んでる。
私はさっちゃんと仲良しなのだ。

蜜「さっちゃぁ〜ん…。ちょっとベッド貸してー…。」

さっちゃん「おーそうしな。どうやら気分が悪いらしいね。顔色悪いよ〜ん?」

私は保健室利用カードに記入してベッドへ向かった。
ボフッ!

さっちゃん「朝ごはん食ったのー?」

⏰:07/07/20 19:11 📱:SO903i 🆔:grPh0Y26


#388 [み]
あげますx+゜
頑張ってください
x∀')゙+.

⏰:07/07/21 18:40 📱:W44T 🆔:dyQW96gw


#389 [瑞希]
失礼します

>>230-300
>>301-350
>>351-400

⏰:07/07/22 00:38 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#390 [向日葵]
みさん
ありがとうございます
――――――――

蜜「それどころじゃなかった……。」

さっちゃん「だぁめよ〜?女の子なんだからぁ。体調管理はしっかりしないとー。」

「じゃね。」と言った後、さっちゃんは仕切りのカーテンを閉めてくれた。

私は靴を脱いでからベッドに潜りこんだ。
学校のベッドはシーツがパリッとしていて好きだけど落ち着かない。

『逃げても…無駄なんだろうけど……。』

⏰:07/07/22 01:22 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#391 [向日葵]
でも今はとにかく放っておいてほしい。

私は、セツナにとってどんな存在か今麻痺をしていてわからなくなってしまった……。

ルキ[動物本能。]

ルキが言った通り、セツナはそれ目的で私に近付いたのかもしれない。
実際よくキスはしてきたし。
自分の生い立ちの事とかだって私を信じこませる為の嘘偽りかもしれない。

あの優しい目だって……
魅惑の言葉だって……

微笑みだって……。

⏰:07/07/22 01:26 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#392 [向日葵]
瑞希さん

ありがとうございます

――――――――

それが全部騙す為だったなら、セツナがいつも口にしていた通り、私は馬鹿だ。

枕シーツに顔を埋める。
どうしようもなくて叫びたい気分。
胸のもやもやが外れない。足が、手が、イライラして気持ち悪い。
ジタバタしたくなる。

『いい!今日は後の授業全部休んでやる!』

シャッ!

さっちゃん「なぁんだい?寝るんじゃないのか?」

⏰:07/07/22 01:31 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#393 [向日葵]
蜜「今日は早退します!!」

さっちゃん「ったく。サボりか?」

蜜「そんな感じです。」

さっちゃん「後で後悔しても知らんぞ〜。ま、好きにしな。」

私は一礼をしてから保健室を出た。

それからさっちゃんの言葉を反芻(はんすう)していた。

さっちゃん[後悔しても…。]

『後悔なんかしない。』

⏰:07/07/22 01:36 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#394 [向日葵]
これでいい……。

――――――

カチャン

家に着いた私は部屋へ直行した。
服を着替えてベッドに座ってからぼーっとする。

毎朝……ここにいたのになぁ……。

いつの間に手放せないくらい好きになっちゃったんだろう。

ジッと軽く開いた力ない掌を見つめる。

あの触れたくて触れた朝の日。やっと自覚出来たのに……。

⏰:07/07/22 12:57 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#395 [向日葵]
セツナ[そうだな……。]

あんな事……言われちゃったら、私の気持ちどうなるのよ。

フワー……

そよ風がするんで顔をあげると、あの風さんがそこにはいた。
私の指を掴むと何処かへ連れて行こうとする。

蜜「ん?なぁに?」

階段を降りて連れていかれたのは庭だった。

風さんが指差した方には

蜜「あ……。」

セツナと同じ様な漆黒の羽をした蝶が、芝生の上に横たわっていた。

⏰:07/07/22 13:05 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#396 [向日葵]
風さんはどうにかしてと泣きそうな顔で訴えかけてくる。

蜜「どうにか…って……。」

生きてるのそれ以前に。

両手で包む様に掬うと微かにプルッと震えた。

蜜「生きてますよ。寒いから弱ってるのかもですね。」

風さんに話かけると風さんは満足した様に飛び回る。
蝶々を温めるようにスカートの上に乗せて上から掌を被せる。

蜜「助けても…出会わなければ良かったかなぁ……。」

⏰:07/07/22 13:19 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#397 [向日葵]
ホントはあの言葉を、真実を聞きたい。
自分が誤解してるのかもって……。信じたい。

でも続きが肯定であれば?

蜜「私は……セツナの中の私は存在意義が蜜乙女でしかないのかな……。」

するとフワッと蝶が宙に舞った。元気になったらしい。

少しそれを見てからまた視線を落とした。

蜜「そんなの……運命じゃないよね……?」

一陣の風が吹き抜ける。

⏰:07/07/22 13:30 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#398 [向日葵]
「そんな訳ないだろ。」

後ろから声がした。驚いて後ろを向くとそこにいたのは、家の壁に寄りかかったセツナがいた。

蜜「いつ、の間に……。」

セツナ「お前の掌にいたけど?」

蜜「え?!」

さっきのあれがこれ?!

セツナ「風達に無理矢理に連れて来たんだ。ったく…こっちはやることあるって言うのに……。」

私はどうしようかと思った。今セツナと話したら…また泣いてしまいそう……。

⏰:07/07/22 13:37 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#399 [向日葵]
1歩1歩、セツナから離れていく。
それに気付いたセツナはツカツカ距離を縮めた。

セツナ「頼むから、俺の話を聞いてくれないか。」

蜜「やだ…。」

セツナ「お前が思ってる様な内容じゃないと思うが?」

違う?……それは本当?

……でも聞かなければ、セツナはいつまでも私を追いかけてくる。

蜜「分かり……ました。聞きます……。」

セツナは私の手を優しく握った。

セツナ「おいで…。」

⏰:07/07/22 13:43 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#400 [向日葵]
久しぶりの優しい甘い声。
いや、昨日ぶりだけど、長い事聞いてなかった気がする。

分かってる。私はもうセツナ依存症になってる。
あらがう事なんて一切出来ない。

黙ってセツナについて行き、庭へ出る窓のへりに座る。

セツナ「何が知りたい?」

蜜「とりあえず…私はやっぱり蜜乙女でしかないんですか?」

そこでセツナはフーッと息を吐いた。

⏰:07/07/22 13:46 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


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