黒蝶・蜜乙女
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#251 [向日葵]
セツナが最後まで言い終わらない内にセツナごと戸を閉めてやった。
ゴンッとか鈍い音が鳴ったけどそんなの後だ。

『み、見られた……っ!』

もしまた開けられたらと思い急いで着替える。

『あんのーっ変態蝶々ぉぉぉぉ!!!!』

・・・・・・・・・・・・・・・

セツナ「まったく。俺の美貌に傷が付いたらどうしてくれる。」

夢じゃなかった……。
昨日セツナは罰としておばあちゃん達がいない間の4日間、ここにいるっつったんだっけか……!

⏰:07/07/15 17:26 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#252 [向日葵]
蜜「ノックぐらいして下さいよ!!」

セツナ「夫婦(めおと)なのにノックする必要がドコにある。」

蜜「プライバシーっちゅうもんを考えて下さいっ!!」

朝から俺様節に付き合うのは疲れてしまう。
大体まだ夫婦でも何でもないっちゅーのに。

セツナ「安心しろ。例えお前が素っ裸でいても了承を得ずに襲いはせん。」

してるじゃん!いつも了承無しに襲いまくってるじゃん!!

⏰:07/07/15 17:31 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#253 [向日葵]
蜜「とにかく今後は気を付けて下さい!花嫁が言ってるんですから言うこと聞いてくれても良いですよね?!」

セツナ「あぁもちろん。それがお前の望みなら聞くさ蜜。」

とセツナは頬に唇を触れた。

ったく聞いてんだか聞いて無いんだか……。

セツナ「で?今日は出かけてくれるんだろうな?」

蜜「もちろん。晩御飯のおかずもいりますし。」

ってか……。

⏰:07/07/15 17:36 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#254 [向日葵]
蜜「貴方いつ着替えたんですか?」

セツナ「お前が寝てる間風達に頼んだ。」

Vネックの紺色のニットから白いシャツの襟を出してボタンを2、3個外している。ジーパンは昨日のより少し黒い感じがする。

『どこぞのファッションリーダーだこの人。』

蜜「相変わらず薄着ですね。」

セツナ「心配するな。ちゃんと人間の様に上着を着る。」

ソファーには帽子にファーが付いた黒い上着が引っ掛けてあった。

⏰:07/07/15 17:43 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#255 [向日葵]
黒蝶だからやっぱり黒系が好きなのかしら……。

セツナ「さぁ。行こうか。」

蜜「じゃあカバン持って来ますよ。」

と言う訳で今日はお出かけです。

・・・・・・・・・・・・・・

鍵を閉めていざ行きましょう。

セツナ「どこに行くんだ?」

蜜「近場のスーパーですよ。人参とひき肉安いんでカレーにでもしようかと。」

⏰:07/07/15 17:49 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#256 [向日葵]
セツナ「そーいえば…。」

と襟の高い上着のファスナーを締めながらセツナが呟く。

蜜「なんです?」

私は家の門を閉める最中だった。のでセツナには背中を向けている。

すると両脇から手が出てきて門に手をつく。
私は手に閉じ込められた。

ヤバイ……この体勢は……。

セツナ「朝のくちづけが済んでいなかったよ蜜。」

キタ―――――!!!!

⏰:07/07/15 17:53 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#257 [向日葵]
フフフ
でもこのまま背を向けていれば出来ない!

蜜「私は朝御飯じゃないです。」

セツナ「わかってるさ。でも何か食さなければ俺は干からびてしまうんでな。朝御飯じゃなく蜜をいただく。」

蜜「いくらなんでも外は嫌です。ホラ行きますよ。」

セツナ「“外は”……嫌なんだな?」

セツナが何か意味有り気にニヤリと笑う。

蜜「そうですけど……?」

セツナ「分かった。行こうか。」

⏰:07/07/15 17:58 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#258 [向日葵]
手を急に握られて心臓が跳ねた。

蜜「ハイ。」

スーパーまでは歩いて10分ほど。
今日はまだ暖かい方だ。

近所の人は私の隣の美青年にびっくりして挨拶がぎこちなかった。
されに釣られて私もぎこちなくなる。

今頃だけどセツナは身長が高い。
私は155センチ。センチは185より少し大きいくらい。

周りから見れば兄弟の様だ。しかしご心配は無用。第一似てないっつーの。

⏰:07/07/15 18:05 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#259 [向日葵]
セツナ「買い物の後、あの山に行かないか?朝には行ったことないだろう。」

蜜「いいですけど一度家に帰らせて下さいね。荷物置かなきゃならないですから。」

セツナ「そんなもの風達に頼め。」

この人はもー…王様生活が抜けないんだから。

蜜「私といる時くらい風さん達を使うのを控えて下さい!風さん達が可哀想です。」

これにはセツナは顔をしかめた。どうやら頗るそれが嫌らしい。

⏰:07/07/15 18:24 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#260 [向日葵]
それほど風さん達をこき使ってるんだ。

蜜「セツナだって大変なことは嫌でしょ?風さん達もそれは同じです。」

セツナは嫌そうに息を吐く。

セツナ「分かった。」

蜜「ありがとうございます。」

私は微笑んだ。
ちゃんと聞いてくれて良かった。

セツナも私を見ると切目の長い綺麗な目を細めて微笑んだ。

セツナ「まぁ。お楽しみはある訳だし、我慢しようじゃないか。」

⏰:07/07/15 18:35 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#261 [向日葵]
――――――――

キリますね

⏰:07/07/15 18:37 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#262 [まるエ]
なんですかこの小説わあ
すっごく面白いです(●>艸<●)イ
蜜ちゃん可愛い
セツナさん格好いい
身長差カップルとか羨ましいです
主さんこれからもがんばってくださいエテ~

⏰:07/07/15 18:48 📱:W43T 🆔:MK/FhzZ2


#263 [向日葵]
まるさん

初めまして
面白いだなんてめちゃ嬉しいです
セツナは190にしよっかなてか思ってました(コブクロか)(笑)

良ければこれからもこんな小説で良ければ見てくださいね

⏰:07/07/15 18:52 📱:SO903i 🆔:G9Wraf5Y


#264 [向日葵]
蜜「?何かありましたっけ。」

セツナは私に顔を近付けて人差し指を口許につけると

セツナ「秘密。」

と言ってウィンクした。

わぁー少女漫画みたーい……。

そうこうしてる間にスーパー到着。カートと籠を持っていざ店内へ。

グルーと回ってるとホットケーキミックス等があるコーナーに。

蜜「蜂蜜でも買っときますか?」

⏰:07/07/16 01:42 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#265 [向日葵]
セツナ「蜜。今は外か?」

蜜「は?いや、店内だから中では?」

セツナ「フーン。蜜。……覚悟はいいな?」

するとセツナは私の顎を持って唇を重ねてきた。

蜜「ふぇっ?!」


幸い朝だから人が少ないものの人の目があるところで“食べられる”なんて……!

あらがいたくてもセツナの唇のせいで逆に力が抜けていく。

唇を開かれて深くなっていく。息が続かない。

⏰:07/07/16 01:47 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#266 [向日葵]
蜜「ん……っ。ハァッ!!」

やっと唇が解放された。

蜜「何…し、てくれ、るんで……すか。」

息を整えながらセツナに猛抗議。
セツナに反省の色は無い。

セツナ「外ではいけないと言ったのは蜜だろ。俺はそれに従っただけだ。」

+αを今度から付け足さなきゃいけない。

セツナ「舌入れるのを我慢しただけでも感謝して欲しいものだ。」

⏰:07/07/16 01:52 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#267 [向日葵]
蜜「公衆の面前でそーゆー単語単語を出すの止めて下さい!!!!」

最近のセツナはSさは増すわエロさは増すわ……。大体舌を入れるとか言うなぁぁぁ!!

密かな周りからの視線に堪えきれなくなってさっさとレジを済ましてスーパーを後にした。

蜜「私に恥ずかしい思いをさせた罰としてセツナが荷物持ってください!!」

セツナ「なんで俺がっ。おわずけ食らわしたのは蜜だろ。」

蜜「貴方は頼みますから人間のマナーをもっと身に付けて下さいっっ!」

⏰:07/07/16 01:58 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#268 [向日葵]
セツナは何か不満そうな顔をしながら腕組みをした。

セツナ「好きな奴を好きな様に接して何が悪いのかさっぱり分からん。」

まぁそりゃ分からんでもないけど……。

世の中にはそーゆーのを羨んで飛び蹴りかましたいなぁとか思う人が沢山いる訳で……。

蜜「拗ねないで下さい。全部持てとは言いません。だから半分は持って下さい。」

渋々、しかも重い方を持ってくれたセツナは当然の様に私と手を繋いだ。

⏰:07/07/16 02:05 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#269 [向日葵]
それが嬉しくてこっそり笑った。

・・・・・・・・・・・・

蜜「よし!冷蔵庫に全て入れ終わりました!」

セツナ「じゃあ蜜。ちょっと失礼。」

セツナは私の頭の上で指を擦ると私の体が段々空けていった。

蜜「のわぁ!セツナ?!」

セツナ「俺の鱗片だ。少し姿消してもらう。飛んでるトコ発見されたら困るんでな。」

この人達の鱗片は何でも出来るんだなぁ……。痺れたり隠したり。

⏰:07/07/16 02:13 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#270 [向日葵]
まるで某魔法学校の青年のマント……。

蜜「セツナは大丈夫なんですか?」

セツナ「俺が飛んでても誰も気にしないが蜜が飛んでたら近所が騒ぐだろ。」

あ……ちゃんと配慮してくれてるんだ。

セツナ「じゃあ行くぞ。」

セツナの背中らへんに光の粒が集まり、漆黒の羽が出現する。

これを見る度にセツナが人間じゃないって言うのを改めて実感する。

⏰:07/07/16 02:18 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#271 [向日葵]
セツナ「……困った。」

蜜「どうしたんです?」

セツナ「蜜がどこにいるか分からん。」

…………。

蜜「意外にセツナって抜けてますね。」

セツナ「黙れ。仕方ない。蜜、抱きつけ。」

セツナは少し身を屈めて私が抱きつける様にする。
私はセツナの胸らへんに抱きついた。

セツナ「よし。じゃあ行くぞ。」

ムニュ

⏰:07/07/16 02:23 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#272 [向日葵]
蜜「……どこを……触ってんですか……。」

セツナ「は?知るか。何だこの柔らかいもの。」

そーれーはぁぁぁ……

蜜「胸……なんですけど……。」

セツナ「はぁっ?!それはすまないな。……。でも蜜。お前意外にある」

蜜「さっさと飛べぇぇぇぇっ!!!!」

またもや言い終わらない内に叫ぶ。

家を出て即座に遥か上空へ。

⏰:07/07/16 02:26 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#273 [向日葵]
するていきなり私の姿が露になった。

蜜「あれ?れ?れ?何で?」

セツナ「風で鱗片が飛んだんだ。まぁここまでくれば誰の目にも止まらないさ。」

誰かが双眼鏡で空を覗いてない事を祈ろう。

ってか胸触られたー…。
いやもう鷲掴み?!しかも結構あるって何それ!!
私ひょっとしなくても無さそうに見えるってかぁ?!

セツナ「ク……ククク。」

蜜「なぁに笑ってるんですか?」

⏰:07/07/16 02:33 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#274 [向日葵]
セツナ「見事な百面相だな。花嫁殿よ。」

セツナは私のおでこをツンと小突く。

何?!何今の!!
バカップル特有の「コ〜イツゥ〜☆」みたいな!!
さぶいっ!!

セツナは更に笑う。
今の思った事が顔に出てるらしい。

セツナ「どうやら蜜は嘘がつけないタイプらしいな。」

蜜「人間正直が1番なんでね。」

刺々しく言ってもセツナは笑うだけ。

⏰:07/07/16 02:38 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#275 [向日葵]
セツナが青くなったり赤くなったりする言葉ってないのかしら……。

あぁ。青くなるのなら封印してる「大嫌い」がある。あれを言ってまた逃亡されては困るから私は言わないでいる。

その代わりに馬鹿を連発してるけど、言う回数はセツナの方が遥かに多い。

……そんなに馬鹿じゃないもん。

セツナ「何を考えてるんだ?さっきからだんまりだけど。」

蜜「誰かさんが可愛く見える方法。」

⏰:07/07/16 02:42 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#276 [なつ]
>>230-300

⏰:07/07/16 02:47 📱:D902iS 🆔:nhBRyTM.


#277 [向日葵]
セツナはアハハハと華麗に笑った。

セツナ「可愛く見えても仕方ないだろ。いつだって女の方が可愛らしくなくてはなぁ。」

蜜「好きな人の可愛らしいトコを見たいのは当然だと思うんですがねぇ。」

セツナは笑いながらクシャクシャ頭を撫で回す。

セツナ「ホラ着いたぞ。」
山のふもとに着地。
前来た時は暗かったから分からなかったけど意外に山の中は明るいみたい。

蜜「何をするんです?」

セツナ「山を探索するんだ。いいだろ?」

⏰:07/07/16 02:49 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#278 [向日葵]
なつさん
安価ありがとうございます

――――――――

まぁ別に悪くないけど……。

セツナ「仲間がいるんだ。紹介する。」

セツナは私の手を引いて山中へ連れて行った。

蜜「仲間って?」

セツナ「風達みたいなものだ。なんせ山は自然物が集まる場所だからなぁ。」

風達ってことは……妖精さん達再び?!
私も平凡ライフから切り離れたもんだなぁ……。

⏰:07/07/16 02:54 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#279 [向日葵]
「あら?セツナ様?」

頭上から鈴の音の様な綺麗な声が。

見上げると長い髪が規則正しくウェーブして淡い緑色をして、格好は女神様の様な美人がいた。

セツナ「緑か。」

蜜「緑?」

セツナ「緑の精だ。」

セツナが説明すると、美人さんがゆーっくり降りてきて音も無く着地する。

よく見れば足首に輪っかを2、3個付けている。

緑「こちらは……風達が噂していた…。」

⏰:07/07/16 03:00 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#280 [向日葵]
セツナ「あぁ。蜜乙女だ。」

ムッ。なんで蜜として紹介してくれないかな。

緑(の妖精)さんはフンワリ笑うと服の裾を指先で持ってまるでお姫様みたいにお辞儀をした。

緑「初めまして。お目にかかれて光栄です。」

蜜「いいいえ!こちらこそっ!!」

慌ててお辞儀仕返す。
すると緑さんは深刻そうな顔をした。

緑「セツナ様。先に、あの方達が見えてます。お気を付けなさって下さいまし。」

⏰:07/07/16 03:05 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#281 [向日葵]
セツナの顔が嫌悪で一杯になる。

セツナ「チッ。お前達も余り姿を見せるな。今日は俺が来たからアイツらも下手な真似は出来ない。」

さっきからなんの話してんだろう。
全く蚊帳の外だ。

セツナに「何?」と目で訴えてみると

セツナ「説明するのには、お前にはまだ早い。だから気にするな。」

ちょっと携帯会社のCMじゃないんだから教えてくれてもいいじゃないかぁっ!!

セツナ「じゃあな緑。」

緑「お気を付けて…。」

⏰:07/07/16 03:11 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#282 [向日葵]
セツナに手を引かれながら私は緑さんを振り返った。

蜜「ま、また会いましょうねー!」

緑さんはキョトンとしていたけど、やがて満面の笑みを溢すと静かに消えていった。

さっきの事が頭から離れない。「アイツ」って何?

セツナをチラリと見るけど山の中をずんずん歩いていく。

『今はこれっぽっちも教える気は無いみたい……。まぁ……秘密の1つや2つはあるでしょうけどね……。』

⏰:07/07/16 03:16 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#283 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/16 03:18 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#284 [Ayumi]

とてもおもしろいです
更新頑張って下さい(`ノノ

⏰:07/07/16 04:33 📱:P902iS 🆔:4TZq624Q


#285 [向日葵]
Ayumiさん

ありがとうございます
頑張りますね

⏰:07/07/16 09:54 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#286 [RUI]
アンカーないのでさせて
頂きまぁ-す

ひーちゃん、最高ぉ
更新頑張って

>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

⏰:07/07/16 15:28 📱:SH902iS 🆔:X.6.rmyI


#287 [向日葵]
RUIちゃん
ありがとう頑張るよぉ

⏰:07/07/16 15:49 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#288 [向日葵]
なんだか……壁があるみたい……。

セツナ「……つ。蜜。」

蜜「え。あ、ハイ。」

立ち止まる。
なんだかセツナが心配そうに私を見ていた。

セツナ「どうした?」

蜜「何もありません……けど?」

セツナはふぅんと言うと繋いでない方の手を顔の前まで出してきた。

蜜「うわ!」

手の上には真っ赤な大輪の花があった。

⏰:07/07/16 17:41 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#289 [向日葵]
蜜「何ですかその花!」

セツナ「生えてた。」

せめて咲いてたって言おうよ……。

セツナはその花を私の耳の上辺りに刺して髪飾りの様にした。

セツナ「蜜は髪の毛が黒いから赤が映えるな。」

蜜「それはどうも……。」

もしかして、元気付けてくれてるのかな……。
もしセツナを花で飾るなら……薔薇?

わーベタ……。

⏰:07/07/16 17:45 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#290 [向日葵]
セツナ「蜜、口開けろ。」

素直に口をあけてみた。

コロン

蜜「すっぱ!……ん?甘い。何ですかコレ。」

セツナ「なんかの実。」

アバウトすぎるって……。

セツナ「小さい頃好んでよく食べていた。癖になるだろ。」

蜜「んー。まぁ……。」

正体が分かれば素直にそう言えるのだけど……。

⏰:07/07/16 17:56 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#291 [向日葵]
セツナは食べては入れ食べては入れを繰り返してくる。

と、何個目かの時に

蜜「パクッ。……。……っ!すっぱ!!すっぱいすっぱいぃ!!」

セツナ「あー。まだ熟してなかったか。大丈夫か?」

蜜「うー…。」

すっぱくて少し涙が出てきた。

蜜「もっと確かめて口に入れて下さいよ!!ふいー……。」

セツナ「悪かったって。水でも飲みに行くか?」

⏰:07/07/16 18:06 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#292 [向日葵]
蜜「もーいいです。さっさといつもの場所行きましょう。」

行こうとする私の腕をセツナが止めた。

セツナ「今はあまり軽率に動くな。」

蜜「それってさっきの“アイツ”と関係あるんですか?」

セツナはこくっと頷く。
そしてその“アイツ”は教えてもらえないまま……か。

蜜「大丈夫じゃないんですか?私なんて只の人間ですし。」

そこでセツナの目が怒りに変わった。

⏰:07/07/16 18:17 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#293 [向日葵]
セツナ「お前緑の話を聞いてなかったのか?」

責める様に言ってくるので私はたじたじだった。
ダメな事を言ったらしい。

蜜「……聞いてましたよ。それが何か?」

セツナ「風達が噂してるって事はアイツらの耳にも届いていると言う事だ。忘れるな蜜。お前は人間であって蜜乙女なんだ。」

ムカ。
さっきから私を蜜乙女蜜乙女って……。
私が蜜乙女でしか価値が無いみたいに。

蜜「私は“アイツら”がどんなのか知りませんから。どれだけ危険かも分かりませんっ。」

⏰:07/07/16 18:27 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#294 [向日葵]
セツナは更に目に怒りを宿す。

セツナ「お前分かってるのか!蜜乙女って言うだけで危ないって言ってるんだ!!」

カッチーン……。
なんですって……。

蜜「好きで蜜乙女になんかなってませんよ!!すいませんね!蜜乙女が側にいるせいでセツナは危険にさらされるんですから!!」

ここまで来てなんで口喧嘩をしなきゃなんないんだ。だけどムカつく。
蜜乙女をこれだけ連呼されるとはっ。

蜜「なんなら私だけで山を探索しましょうかぁ?」

⏰:07/07/16 18:32 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#295 [向日葵]
と、いきなり背中に激痛。

蜜「いったー……。」

セツナは私の両肩を掴んで大木に押し付けた。

セツナ「お前は何も分かってない。俺の身なんてどうでもいいんだ!」

セツナがここまで取り乱すなんて……。
呆然とセツナを見つめた。

セツナ「蜜に何かあったら怖いだけだ……。」

セツナの頭が私の肩に乗る。
あぁなんだ……そーゆー意味か……。
蜜乙女で噂が広がってるから私の身が危険って言いたい訳ね。

⏰:07/07/16 18:40 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#296 [向日葵]
蜜「貴方の言い方は時々分かりにくいです……。」

ため息混じりに言うとセツナはクククと笑った。
機嫌が直ったらしい。

セツナ「蜜は馬鹿だからな。」

ハイカッチーン…。
人が喧嘩売った事を謝ろうと思ったのに。

蜜「謝る気が失せました…。」

セツナ「謝る?……。まぁ謝らなくていいさ。かわりに、蜜で償ってもらう。」

なんか何処かでこれを予感していた。

⏰:07/07/16 18:45 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#297 [向日葵]
蜜「ハァァ……。」

なんか呆れる。

蜜「どうぞご勝手に……。」

セツナ「ほぅ。なら蜜。お前からやってもらおう。」

え。

セツナ「むろん、誠心誠意を込めて……舌付きでな。」

え。

セツナは大木に手を付く。

蜜「すいません。やっぱり取り消してもいいでしょうか。」

セツナ「謝るのがお前なら言った事に二言はないよな?」

⏰:07/07/16 18:50 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#298 [向日葵]
いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!

蜜「無理です!普通にするならまだしも!し、し、……っ!!」

舌とかっっ!!

セツナは明らかに面白がっている。

セツナ「目は瞑ってやるさ。」

んな問題かこの野郎。

セツナ「ホラ。」

セツナは目を瞑ってキスを促す。

私はセツナの顔をやんわり包む。
もう知らない。舌ありなんて出来るか!普通で済ます!!

⏰:07/07/16 18:56 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#299 [向日葵]
唇に長めに触れる。
そして離れようと数ミリ離したとこでセツナが目を開けたからそこで止まってしまった。

セツナにこんな間近で見られたら固まるしかないだろう。

セツナ「蜜……。」

まるで「分かってるよな?」と言う様に私の名を呼ぶ。喋ったら時折唇が触れた。

セツナは再び目を瞑る。

ダメだ…逃げれないんだ……。

蜜「く…口を……開けて…くだっ……さい。」

⏰:07/07/16 19:01 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


#300 [向日葵]
セツナが口を少し開ける。その時微かな吐息が口の中に入ってクラクラする。

『し、……舌…。……舌…。』

私は戸惑いながらなんとかセツナの口内へ入れる。
するとセツナの舌が私を絡めとる。

思わず目を見開いてまたギュッと瞑った。

背中がゾクゾクしてどうにかなりそうだった。頭がおかしくなりそう。

するとセツナが口を離した。

セツナ「まぁ物足りんが今日は合格だな。流石俺の花嫁殿。」

⏰:07/07/16 19:11 📱:SO903i 🆔:9Zw9K4o2


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