黒蝶・蜜乙女
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#755 [向日葵]
やっとの事で地下に着く。
数歩歩けば鉄格子が見えた。これもまただだっ広い。

そしてその中に、小さなか細い影が一つ……。

私はセツナに向かい、小声で話す。

蜜「いいですか。何があってもぜっったい口を出してはいけませんからねっ!」

セツナ「事と次第によるがな。」

もう……。
私は影に目をやり、少しずつゆっくりと話かけた。

⏰:07/08/03 23:47 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#756 [向日葵]
蜜「……ル、ルキ……。」

蹲っていた影は、ゆっくりと首をあげた。
その美貌は疲れ果ててるものの綺麗なまま。

ルキ「……。フッ…笑いにきましたの?」

蜜「ううん違う。お礼を言いに来たの。」

ルキは興味無さそうに私を見つめる。
私は視線を合わす為にペタンと地べたに座った。

そして礼をする。

蜜「ありがとう。助けてくれて。」

ルキ「貴方の……為なんかじゃありませんわ……。」

⏰:07/08/03 23:51 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#757 [向日葵]
頭を上げると、ルキは空が見える小さな窓をじっと見つめていた。

私はそんなルキをじっと見つめる。
冷たい風が、窓から入りこんだ……。

長い間、沈黙が続いた。

そしてルキのかすれた声が少し聞こえた。

ルキ「……、して……。」

蜜「え…?」

ルキ「どうして貴方は蜜乙女なの……。どうして、私じゃ……。」

ルキの綺麗な黒い目から、涙が流れ始めた。

⏰:07/08/03 23:54 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#758 [向日葵]
そしてキッとルキが私を睨む。

ルキ「貴方なんかよりずっとずっと私はセツナが大好きで、ずっと大切だった!なのに……たかが蜜乙女ってだけで…、運命だからって……セツナを……。」

“たかが”と言った所でセツナが口を開いたけど、私がじっと見つめてそれを制した。

ルキ「ズルイ…。貴方、ズルイわ……。」

ルキの涙が石畳に染み込んでいく。
それを見つめながら、私は言う。

蜜「確かに、私はズルイ……。」

⏰:07/08/03 23:58 📱:SO903i 🆔:mUXToLUQ


#759 [向日葵]
「けど」と、ルキの目を見つめる。

蜜「好きの気持ちなら、きっと負けない。」

ルキは目を見開いてまた悲しそうに細める。

蜜「ずっと側にいて欲しいし、いていたい。だからね、ルキも自分の力で私からセツナを奪って。」

セツナ「蜜?!」

蜜「私は……。奪われない様に、頑張るから。だからもう、自分を傷つける様な事、しないで……。」

鉄格子の隙間からそっとルキの手に触れ、重ねる。

⏰:07/08/04 00:03 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


#760 [向日葵]
ルキはしゃくりを上げながらうつ向き、涙をポタポタ落としながら切々に呟いた。

ルキ「だか、ら…あなた、な、んて……っらい……なのよっ。」

嫌いでもいいから。
だからルキ。

蜜「ここ、寂しいですよね。空が、恋しいですよね。出ましょう……?」

キィ……

鉄格子の扉を開けて、手を差し出す。
ルキはそれを見つめて、また窓に視線をやった。

ルキ「出ない……。」

蜜「…っえ。」

⏰:07/08/04 00:07 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


#761 [向日葵]
ルキ「まだ、ここにいる。」

蜜「でも……っ!」

ルキ「いいから。気分が治ったら、出ますわ…。」

それでも、いいよ。
ルキがこれで無事になると確信出来たから。

蜜「待ってますね……。セツナ、行きましょう。」

カツカツカツカツ……

セツナはルキを見つめる。
セツナ「お前がやった事はきっと一生許さん。」

ルキの口がグッと力を入れる。

⏰:07/08/04 00:11 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


#762 [向日葵]
セツナは蜜が進んで行った方に顔を戻し、歩きながら呟く。

セツナ「でも蜜が許すなら話は別だ。」

カツカツカツカツ……

ルキはその日、蜜の言葉や自分の事を何度も繰り返し考えていた……。


・・・・・・・・・・・・・・

私は塔を出て、ジッと見つめた。
これで大丈夫。
ルキが死ぬ心配は無くなった。

セツナ「お前はとんだお人好しだな。」

⏰:07/08/04 00:14 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


#763 [向日葵]
そんな言葉を投げ掛けるセツナを無視して、花畑を歩き始めた。

何故かって?
恥ずかしいから!!

別に嘘ではないけど

[セツナには側にいて欲しいし、側にいたい……。]

私もあっさりと口に出来る様になっちゃったものだなぁ……。
セツナ効果だこりゃ。

すると襟足を引っ張られ、瞬間的に首が絞まった。

蜜「ぐえっ!何ですか……。」

⏰:07/08/04 00:17 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


#764 [向日葵]
セツナ「ん?何故顔が赤い。熱か?」

おでこをコツンと当てて熱計測。

蜜「違いますよ。大丈夫ですから。」

セツナ「なんだ素っ気無い。蜜らしくないじゃないか。」

蜜「私はいつも素っ気無いですよ?」

するとセツナは肩を抱いて私を引き寄せた。

セツナ「そんな事ない。いつも何気ない事で恥ずかしがるのが蜜だ。」

ハハハ。それこそそんな事ねぇーよ……。

⏰:07/08/04 00:23 📱:SO903i 🆔:E9w2M8lM


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