黒蝶・蜜乙女
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#905 [向日葵]
ラフィーユ「正直、一年前、泣かなかったの、驚いた。」

一年前……。
その姿は、完璧の様で朧気だ。

ラフィーユ「私の、喋り方おかしい訳、話すな。」

それはラフィーユがまだ5つの時の話。

ラフィーユは親に捨てられたショックで言葉を無くしてしまった。

そんな時、いつも側にいてくれたのがオウマ君だった。

喋れなくてもまるで会話してる様に毎日を楽しく過ごした。

⏰:07/08/12 00:33 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#906 [向日葵]
ラフィーユ「そんなある日、私、声出た。……でも。」

喋り方を忘れてしまった。

ぎこちない単語の繋ぎ合わせは、笑われる対象にもなった。

ラフィーユはまた口を閉ざしてしまった。

ラフィーユ[皆笑う。なら声なんていらなかった。これじゃ……]

オウマにも笑われてる。

そこへ、オウマ君がやって来た。

オウマ[よ!ラフィーユ!]

⏰:07/08/12 00:36 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#907 [向日葵]
逃げたかった。
笑われる。

オウマのさげずむ笑い顔なんて見たくなかった。

持たれて座ってた壁から立ち上がって、ラフィーユはその場を逃げようとした。

オウマ[ラフィー待って!]

ラフィーユはピタッと止まる。
ラフィー……?

オウマ[何で、今日、喋らないの?]

おずおずとオウマの方へ振り向く。

⏰:07/08/12 00:47 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#908 [向日葵]
ラフィーユ[私、喋り方、変だろ……?]

怖くて目を瞑った。
オウマもきっと笑う。
せっかくずっと側にいてくれたのに。

これじゃ、喋れない方がマシだった……。

オウマ[変って……何で?ちゃんと気持ちは伝わってくるよ?]

私は目を開く。

オウマ[だから、もっと一杯喋ってよ!ラフィー!!]

私はラフィーユの話を黙って聞いてた。
ラフィーユは月を見つめたままだ。

⏰:07/08/12 01:02 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#909 [向日葵]
ラフィーユ「私にとって、オウマ大切。蜜もそうだろ?」

ダメ、その名は言わないで。次に会うまでは言わないって決めてたの……っ。

ラフィーユ「蜜にとって、セツナ大切。大切な人いない。それは一番辛い事。だから我慢する、よくない……。」

溢れ出した。
名前を形にした瞬間、全ての決心が粉々に砕け去って行った。

頬に熱く、そして冷たい滴が流れて行く。

蜜「ひ……っどいなぁ……ラフィーユ…。言っちゃうんだもん名前……。」

⏰:07/08/12 01:10 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#910 [向日葵]
喉の奥で息が絡まる。

呼吸が上手く出来なくなる。

蜜「寂し…。で、も…永遠の…別れじゃないからって……私の為だからって思って……ひ、ひ……っしで押し殺して……。」

何度も悲しみに体が押し潰されそうになって、それでも踏ん張って……。

蜜「早く……会いたい……。声……聞き、た……。」

ボロボロ哀れに落ちる涙を、ラフィーユは綺麗な長い指で拭ってくれる。
そして細い腕で私を優しく包んでくれた。

⏰:07/08/12 01:18 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#911 [向日葵]
ラフィーユ「大丈夫。きっと会える。だから今日だけ、沢山泣け。」

蜜「……っう、ぇ……。」

明日も元気に笑えるように、今日は沢山泣こう。
そして明日からまたセツナに会えるまで涙は決して流さない。

蜜「会いたい……セツナァ……。会いたいよぉ…っ!」

ラフィーユ「会える。また会える。」

早く、早く会いに来て。セツナ……。

⏰:07/08/12 01:28 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#912 [向日葵]
小川「おはよう!」

次の日。
小川君はいつもの様にニコッと笑って私に挨拶してくれた。

蜜「おはよっ。」

いつも通り席に着いて、教科書を出す。
すると小川君は私の顔をジッと見つめる。

蜜「?何?」

小川「なんか本山元気そう。何かあった?」

⏰:07/08/12 01:50 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#913 [向日葵]
蜜「……。いつもと一緒だよ。」

朝起きたらとてもすっきりしていた。
いつも隣にいた姿とは違う、ラフィーユがずっと私を包んで一緒にいてくれた。

泣いた分だけ、気持ちが晴れ晴れてした。

ずっと、泣いても何も変わらない事実を知ってたから泣くのを堪えていた。

でも、大丈夫。
おかげで元気でいるコツを思い出したから。

⏰:07/08/12 01:55 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


#914 [向日葵]
オウマ「蜜!客。」

呼ばれた方を見れば、それはまた久しぶりで懐かしい姿が。

蜜「ルキ……。」

ピンクの髪の毛をした美女がドアの所にいた。

私はルキの所まで行ってルキに笑いかける。

蜜「久しぶり…っ!元気だった?」

ルキもぎこちなくだけど笑い返してくれた。

⏰:07/08/12 01:59 📱:SO903i 🆔:ApATvOLs


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