黒蝶・蜜乙女
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#911 [向日葵]
ラフィーユ「大丈夫。きっと会える。だから今日だけ、沢山泣け。」
蜜「……っう、ぇ……。」
明日も元気に笑えるように、今日は沢山泣こう。
そして明日からまたセツナに会えるまで涙は決して流さない。
蜜「会いたい……セツナァ……。会いたいよぉ…っ!」
ラフィーユ「会える。また会える。」
早く、早く会いに来て。セツナ……。
:07/08/12 01:28 :SO903i :ApATvOLs
#912 [向日葵]
小川「おはよう!」
次の日。
小川君はいつもの様にニコッと笑って私に挨拶してくれた。
蜜「おはよっ。」
いつも通り席に着いて、教科書を出す。
すると小川君は私の顔をジッと見つめる。
蜜「?何?」
小川「なんか本山元気そう。何かあった?」
:07/08/12 01:50 :SO903i :ApATvOLs
#913 [向日葵]
蜜「……。いつもと一緒だよ。」
朝起きたらとてもすっきりしていた。
いつも隣にいた姿とは違う、ラフィーユがずっと私を包んで一緒にいてくれた。
泣いた分だけ、気持ちが晴れ晴れてした。
ずっと、泣いても何も変わらない事実を知ってたから泣くのを堪えていた。
でも、大丈夫。
おかげで元気でいるコツを思い出したから。
:07/08/12 01:55 :SO903i :ApATvOLs
#914 [向日葵]
オウマ「蜜!客。」
呼ばれた方を見れば、それはまた久しぶりで懐かしい姿が。
蜜「ルキ……。」
ピンクの髪の毛をした美女がドアの所にいた。
私はルキの所まで行ってルキに笑いかける。
蜜「久しぶり…っ!元気だった?」
ルキもぎこちなくだけど笑い返してくれた。
:07/08/12 01:59 :SO903i :ApATvOLs
#915 [向日葵]
ルキ「貴方も、元気そうで。少し……変わりましたわね……。」
外見的にも私は少し変わった。肩につくかつかないかまでの髪の毛は背中の真ん中辺りまで来ていたし、身長も少しだけ伸びていた。
蜜「どうかー…した?」
ルキの顔から微笑みが消え、少し憂いを含んだ厳しい顔になる。
ルキ「ずっと、謝りたかったんです。貴方に……。」
謝る。そんなの、もういいよルキ。
自分をそんなに責めないでいい。
:07/08/12 02:07 :SO903i :ApATvOLs
#916 [向日葵]
蜜「ルキ。いいの。私は……大丈夫。」
大丈夫。
この言葉を、ここ最近何度口にしただろう。
でも、これしか言えないの。
ルキ「だって私……っ貴方とセ」
そこで私は片手でその先を止めた。
ルキは少し驚いて口を閉ざす。
蜜「いいんです。会えるなら……いつまでも待てますから。」
例えそれが何十年先でも、また昨日みたいに泣いてしまうかもしれない。
:07/08/12 02:12 :SO903i :ApATvOLs
#917 [向日葵]
それでもいいの。
ルキ「私、来週の卒業式で、あちらに帰るんです。」
蜜「…えっ?!」
そんな……っ。
私の表情を読み取ったルキは、初めて私に温かい微笑みを向けてくれた。
ルキ「また、会いに来ますわ…。だから貴方も元気で……。」
するとルキは優しく私を抱き締めた。
ルキ「沢山ごめんなさい。そして……ありがとう。」
:07/08/12 02:17 :SO903i :ApATvOLs
#918 [向日葵]
ありがとう……。
ルキ、そんな言葉……勿体無いよ…。
――――
―――――……
私はあの山にいた。
秘密基地。
オウマ君が連れて来てくれた。
ラフィーユも一緒だけど、そこら辺を見てくると飛んで行ってしまった。
オウマ君はまだ隣にいる。
もう秘密基地じゃなくなっちゃったね……。
:07/08/12 02:23 :SO903i :ApATvOLs
#919 [向日葵]
蜜「ねぇオウマ君。」
私は隣の彼に話かける。
オウマ「ん?何?」
明るい声に、何だかホッとしてしまった。
蜜「私と同じ立場にラフィーユがたたされたら、オウマ君はどうする?」
ザアァァァ……
寒風が私達を包む。
ここから見える景色に木の葉が流れていくのが分かる。
オウマ「きっと同じ様にしていたよ。だってラフィーが大切だもん!」
:07/08/12 02:26 :SO903i :ApATvOLs
#920 [向日葵]
彼はニカッと笑う。
まるで私を元気づける様に。
その心使いがとても嬉しい。心配してもらえる自分が、少しだけ、誇らしい……。
蜜「ラフィーユには、好きって言わないの?」
そこでオウマ君は困った顔をして唸り始めた。
何か難しい質問でもしちゃったかな?
オウマ「やっぱり言わなきゃいけないのかなぁ。」
:07/08/12 02:30 :SO903i :ApATvOLs
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