darkness;FROM OZ
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#50 [OZ]
「それ、僕が書いたんだ」

なんだって……?

自分の耳が信じられなかった。

気宇が?

「だって……これは理央の……字だ」

気宇はほほ笑みながらうなずいた。

「あのね、初めて理央さんが家に来たとき、
鞄をこの部屋に置いていったでしょ?」

僕は小さく「あっ」とうめいた。

はやく理央を部屋から追い出したくて、鞄を置きっぱなしにしてしまった。

⏰:07/07/22 11:08 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#51 [OZ]
「鞄の中からテストを見つけたんだ!
それを真似した」

テスト……。

ああ、そうか。

だから「理央」と漢字でかかれていたのか。
テストはちゃんと名前を書かなければいけないから。

手に変な汗をかいてきた。

「……僕ね、
寂しかったんだ。
それでね、もし一緒に隠れてくれる子が居てくれたらって」

「隠れる……?
じゃあ、理央は……」

⏰:07/07/22 11:13 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#52 [OZ]
「押し入れに居るよ」

僕は気宇を押し退けると、押し入れを覗き込んだ。

薄闇の中、理央は壁に背をつけ座っていた。

顔はボコボコに膨れ上がり、赤黒く固まった血がたくさんこびり付いている。

目の位置が変わっていた。

口にはご飯のようなものが詰め込まれている。

「どうして……」

僕は泣いていた。

お気に入りだった理央は、僕の分身に台無しにされてしまったのだ。

⏰:07/07/22 11:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#53 [OZ]
「煩かったんだよ。
あのままじゃ、
お母さんたちに見つかっちゃうでしょう?」

気宇は淡々と言った。

馬鹿だと思っていた気宇は、まんまと僕を出し抜いて理央を奪った。

丁寧にあんな手紙まで書いて……。

僕はそっと理央に触れた。

肌が以上にやわらかい。

異臭は理央のものだったのか。

「理央さんは綺麗だから好きだった。
僕のそばに置いておきたかったんだ。
けどね、由宇……」

⏰:07/07/22 11:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#54 [悠紀]
感想板は作らないんですか???

⏰:07/07/22 11:27 📱:P901i 🆔:☆☆☆


#55 [OZ]
僕は押し入れから出て、気宇を見上げた。

気宇の手には、どこからもってきたのか、金槌が握られていた。

「僕が一番好きなのは由宇なんだよ。
由宇が一番綺麗だし、頭がいいんだ。
僕には由宇だけいればいい。
いつも一緒にいよう?
押し入れからこっそり由宇を眺めるだけなんて嫌だよ……。
一緒に隠れよう?」

気宇は僕の手を握った。

冷たい手。

僕は無言のまま、振り下ろされてくる金槌を眺めた。

⏰:07/07/22 11:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#56 [OZ]

悠紀さん

感想くれる人が
特にいないと思っていたので
作ってなかったんですけど

作ったほうが
いいですかね(´・ω・`)?

⏰:07/07/22 11:35 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#57 [悠紀]
ぜひ作って下さい
この小説めっちゃ面白いからたくさん感想書かれますよ!!
感想板作ったほうが、こちらも読みやすくなると思いますし

⏰:07/07/22 11:39 📱:P901i 🆔:☆☆☆


#58 [OZ]
……………………


「由宇ー!
どうしたの?夕ご飯できたわよー。
居るんでしょ?」

母親がどたどたと音をたてながら階段を登る。

勢い良く由宇の部屋のドアを開けたはいいが、中には誰も居なかった。

「……由宇?」

なんなのこの匂いは?

母親は思った。

由宇の部屋からは、
何かが腐ったような匂いがしていた。

そんなに強い匂いではないが、嫌な気分になる。

⏰:07/07/22 11:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#59 [OZ]
窓を開けていると、押し入れから笑い声のようなものが聞こえてきた。

「由宇なの……?」

母親は戸惑いながらも
押し入れを開けた。

鼻をつくような匂いがあふれ出る。

押し入れの中には、由宇がちょこんと座っていた。

母親は彼の名を呼ぼうとしたが、思い止まった。

少年の右目の下にほくろがあったからだ。

⏰:07/07/22 11:47 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#60 [OZ]
由宇は目の下にほくろなど無い。

彼は由宇ではなかった。


ずっと前に死んだはずの男の子……

気宇。



少年はつぶやいた。



「見つかっちゃった……」

⏰:07/07/22 11:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#61 [OZ]
END。

⏰:07/07/22 11:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#62 [OZ]

悠紀さん

そう言っていただけて
すごく嬉しいです

感想たくさんいただけれるかは
あやしいですが、
感想板作ろうと思います

読んでくれて
本当にありがとお
ございます。゚(゚^∀^゚)゚。

⏰:07/07/22 11:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#63 [あき]
すっごく面白かったです

こーいぅ終わり方大好き
文才ありまくりですね

更新も早いし、読みやすかった

続編、期待してますね

⏰:07/07/22 12:05 📱:SH903i 🆔:0TVvH5hI


#64 [OZ]

あきさん

ほんとですか(ノ∀`)
嬉しいです
ありがとおございます

終わり方微妙かな?
って思ったんですが
そう言っていただけて
よかったです(*゚ー゚)

文才なんてないですよ

続編はないですが、
似たようなものを
いくつか書きたいと
思ってます

さっそく感想板たてたので
よかったら
書きにきてください

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2545/

⏰:07/07/22 12:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#65 [OZ]

【Twins】
>>2-61

⏰:07/07/22 12:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#66 [OZ]
【Family】

………………………

僕は地の底から響いてくるような歌で、
目を覚ました。

夢などではなく、
実際に歌が聞こえてきた気がしたが、意識がはっきりしたころには歌声は聞こえなくなっていた。


ここに下宿するようになって一週間が経つ。

静かだし、広々として住心地がいい。

それに家賃が安いのが一番の魅力だ。

⏰:07/07/22 12:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#67 [OZ]
僕は大学生になり、こちらに出てきたのはいいが、住むところが見つかっていなかった。

どうしたものか、と悩んでいたとき、たまたまここの家主である長谷川さんに出会ったのだ。

長谷川さんは70歳近いおばあさんで、一人でこの広い家に住んでいた。

そして、僕は図々しくも長谷川さん宅に住み着いたというわけだ。

長谷川は僕が住むことを喜んでくれていた。

⏰:07/07/22 12:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#68 [OZ]
僕の部屋は二階にある日当たりのよい部屋だった。

「おーい、みのる君」

長谷川さんの呼ぶ声が聞こえる。

そういえば、そろそろ昼食の時間だな。

僕はすっかり長谷川さんに頼りきっていた。

今日のように学校が休みのときは、一日中家に居る。

⏰:07/07/22 12:38 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#69 [OZ]
「みのる君、午後からは何をするんだい?」

長谷川さんはニコニコとしながら、僕の顔をのぞきこんだ。

僕はご飯を食べる手を止め、考える。

特にすることはない。

しかし、寝ると答えるのは気が引けるなぁ。

あ、そうだ。

「片付けをしようかと思います。
まだ荷物が片付いていないし。
といっても、ただ押し入れに荷物を詰め込むだけだと思いますが」

⏰:07/07/22 12:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#70 [OZ]
僕はそう言って笑ったが、長谷川さんは顔を強ばらせた。

「……どうかしました?」

長谷川さんは慌てたように笑い、首をふった。

「いやね……うちの押し入れは汚いからねぇ……。
ずっと使っていないし。
荷物は別の部屋を貸すから、そこへ置いたらどうだい?」

長谷川さんは僕に押し入れを使って欲しくないようだった。

そんなに汚いのだろうか?

⏰:07/07/22 12:47 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#71 [OZ]
僕は急に押し入れに興味がでてきて、意地でもそこに荷物を詰め込んでやろうと考えた。

長谷川さんは何度も止めたが、僕は一切言うことを聞かなかった。

とっとと昼食を食べ終え、二階の自分の部屋へと急ぎ足で戻る。

ドキドキしながら、押し入れの前に立った。

汚いのか……。

埃だらけなのだろうか?

それとも蜘蛛、鼠、ゴキブリがうようよと……。

⏰:07/07/22 15:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#72 [ako]
続きまってます

⏰:07/07/25 08:43 📱:SH903i 🆔:8450RV.Q


#73 [ふぅ]
あげます☆

⏰:07/07/26 22:26 📱:SH903iTV 🆔:YRlzuJiM


#74 [OZ]

akoさん、ふぅさん
ありがとうございます
更新遅れてて
本当にすいません

旅行に向けて
色々準備してて……

自分勝手で
申し訳ないのですが、
更新わ8月中旬頃まで
ストップさせて
ください

すいませんm(__)m

⏰:07/07/27 23:01 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#75 [ako]
楽しみに待ってますね

⏰:07/08/05 09:58 📱:SH903i 🆔:bFATGGKI


#76 [蝶]
面白い!!
更新楽しみにしてますw

⏰:07/08/08 13:53 📱:SH902iS 🆔:0L6p3XVY


#77 [OZ]
akoさん、蝶さん
ありがとうございます
楽しみにしていただけて
すごく嬉しいです!!!

予定がいろいろと変更になったので、また更新再開したいと思います

それと変えました
打つのがすごく遅いと思います(∋_∈)スイマセン

⏰:07/08/09 11:52 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#78 [蝶]
わー
更新される(´∀`)
楽しみにしてます

⏰:07/08/09 12:12 📱:SH902iS 🆔:a0GsdVkc


#79 [OZ]

蝶さん
楽しみにして下さって
ありがとうございます
更新するって言って
間があいてしまって
すいませんヾ(;´Д`)ノ
更新します!

⏰:07/08/15 18:50 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#80 [OZ]
>>71

僕は勢いに任せて、押し入れを開けた。

期待に胸を膨らませ、押し入れの中に半ば体を入れるようにして覗き込む。

気持ちのよい緊張感で満ちていく。

しかし、僕の期待はあっという間に萎んでいった。

「……あれ?」

押し入れの中は空っぽだったのだ。

うっすらと埃はたまっているものの、押し入れとしては綺麗な方である。

⏰:07/08/15 18:59 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#81 [OZ]
押し入れは上段と下段にわかれていて、どちらもものの見事に何も置かれていなかった。

全然綺麗じゃないか。

僕は苛立ちながらも、考えた。

長谷川さんは、何故あんなにも僕に押し入れに近づいて欲しくなかったのだろうか?

長谷川さんは綺麗好きであるが、この程度の埃であのように叫ばないだろう。

だったら何故……?

……あれ?
それよりもどうしてこの押し入れは綺麗なんだ?

⏰:07/08/15 19:10 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#82 [OZ]
長谷川さんは足腰が悪い。

だから、ずいぶん二階にはあがっていないと言っていた。

しかしそれにもかかわらず、越してきた時、僕の部屋は綺麗だった。

あの時はなんとも思わなかったが、今思えばおかしい。

そして押し入れも綺麗だった。

まるで、最近まで誰かが使っていたかのように……。

⏰:07/08/15 19:20 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#83 [OZ]
適当に荷物を押し込み、再び一階に戻った。

僕が居間に入っていくと、長谷川さんはビクッと体を震わせた。

「長谷川さん」

僕が声をかけると、無理矢理口を歪ませて笑った。

「押し入れ……」

長谷川さんはそこで言葉を濁す。
僕が続きを引き継ぐ。

「押し入れ綺麗でしたよ……すごく」

すごく……ね。

⏰:07/08/15 21:01 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#84 [ako]
がんばってね

⏰:07/08/15 21:22 📱:SH903i 🆔:ZjfS6yZM


#85 [キナ]
あげがんばって

⏰:07/08/16 22:13 📱:D902iS 🆔:zDitEMJk


#86 [ふぅ]
頑張って下さい☆

⏰:07/08/17 05:48 📱:SH903iTV 🆔:PCBvXwKs


#87 [OZ]

akoさんキナさんふぅさん
あげてくださって
ありがとうございます
更新遅くて本当に
申し訳ないです|ω;`)

小説のほうも自分で書いていて意味がわかんなくなってきてます
意味が通じてなかったり、おかしな点があったらすいません
とりあえず頑張ります

⏰:07/08/22 17:39 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#88 [OZ]
>>83から

僕はこの時、それなりの違和感を感じていた。

しかし、考えてみると、押し入れが綺麗だろうと汚れていようと僕には関係のないことだ。

この家に来てから、押し入れに関したことで困ったことは一度だってない。

それよりも、僕が一番困るのはこの家から追い出されることなのだ。

家の主である長谷川さんが押し入れの話しを避けているのなら、それにふれるべきではない。

たかが押し入れで長谷川さんと不仲になるのは嫌だ。

⏰:07/08/22 17:49 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#89 [OZ]
……うん。
押し入れのことはきれいさっぱり忘れよう。

けれど、記憶力のよいこの僕がそう簡単に忘れられるのだろうか?
難しいかもしれない。




一時間後、僕と長谷川さんは世間話に花を咲かせていた。

長谷川さんはいつものように、人の良さそうな笑みを浮かべている。

どうやら、僕は押し入れのことを忘れるのに成功したらしい。

⏰:07/08/22 19:02 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#90 [OZ]
翌日の朝、また不思議な歌声を聞いて僕は目を覚ました。

やはり、歌声はすぐに聞こえなくなってしまったが。

僕は布団からはい出て、押し入れまで這うようにして近づいていった。

……やっぱり気になるな。
なかなか忘れられるものじゃないか。

窓からはさんさんと朝日が降り注ぎ、昨日よりも部屋の中は明るい。

もしかしたら見逃したものがあるかもしれない。

⏰:07/09/05 21:49 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#91 [蜜柑]
待ってました〜っ☆

⏰:07/09/05 22:32 📱:P904i 🆔:Qnvzn/VI


#92 [OZ]
蜜柑さん

お待たせして申し訳ないです(´;ω;`)
頑張りますので!

⏰:07/09/08 22:42 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#93 [OZ]
僕はそっと押し入れを開けた。

昨日と同じくうっすらと積もっているホコリと、わずかな僕の荷物しか入っていない。

あきらめて押し入れを閉めようとしたとき、あるものが僕の視界に飛び込んで来た。

それは押し入れの壁の隅の方に書かれた小さな字だった。

マジックペンのようなもので乱暴に『写真』とだけ書かれている。

「……写真?」

⏰:07/09/08 22:52 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#94 [OZ]
写真ってなんのことだ?
何か意味のあることなのだろうか?

なにかしらあるはずだ。

意味なく押し入れの壁に「写真」なんて書くなんておかしいじゃないか。

僕は行き詰まった。

そもそも僕は何を求めて、こんなにも何かを探っているのだろうか?

詮索して何か楽しいことが待っているというのだろうか?


……楽しいことが待っているはずなんかない。

現に僕は脅えているんだ。
得体の知れぬ何かに。

⏰:07/09/08 22:59 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#95 [OZ]
僕が居間におりていくと、長谷川さんが調度朝食を食べ終えたところだった。

「おや、みのる君は最近起きるのが早いのねぇ」

長谷川さんはからかうような笑みを浮かべ、僕の朝食を取りに台所へ行った。

僕はテーブルの前に腰を下ろし朝食を待つ。

長谷川さんの手伝いをする等という気は毛頭ないのである。

ふと、視線をあげるとテレビの隣にある低めの棚に、たくさんの写真立てが並べられてるのが目に入った。

「写真!」

⏰:07/09/09 14:19 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#96 [OZ]
今の今まで写真立ての存在など知りもしなかった。

この部屋で目にするのは、食事とテレビと長谷川さんくらいのものだったし。

僕が座っている位置からではよく見えないため、僕は立ち上がり、棚の前まで行った。

一つの写真立てを手に取ってみる。

その写真立てには六十代くらいのおじいさんの写真が入っていた。

軟弱そうな細い体に、ふわふわとした白髪が印象的だ。

「何を見ているの?」

⏰:07/09/09 14:31 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#97 [OZ]
僕は驚き、持っていた写真を落としそうになった。

振り向くと、長谷川さんがテーブルの上に朝食を置いているところだった。

訝しいそうに僕を見ている。

「あ……えっと、写真を……」

僕は珍しくもじもじしながら、写真立てを持つ手に力を込めた。

見てはいけないものだったのだろうか?

もしかすると、押し入れに書かれた『写真』という字はここに置かれている写真のことを指しているのかもしれない……。

「……すいません、勝手に見ちゃって」

⏰:07/09/09 15:23 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#98 [OZ]
長谷川さんはじりじりと僕の方にやってくる。

腰が曲がっていて顔が下を向いてしまっているので表情がわからない。

僕は身構えた。

しかし、僕の隣に立ち、写真を眺める長谷川さんの顔には笑顔が広がっていた。

あれ……?

長谷川さんは更に笑顔になって言った。

「全然かまわないわよ。
好きなだけ見て頂戴」

あ、あれあれ……?

「いいんですか?」

⏰:07/09/09 15:34 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#99 [OZ]
長谷川さんは『当たり前じゃない』というように頷いた。

そして、僕の手から写真立てを取ると、写真に映っているおじいさんを愛おしそうに指で撫でた。

「そのおじいさんは誰ですか?」

長谷川さんはほんのり頬を赤く染めた。

「……夫よ」

「あぁ、そうなんですか……。今、その人は?」

「死んじゃったわ」

⏰:07/09/09 15:46 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#100 [OZ]
僕の目に映ったおばあさんは、ちっとも悲しんでいる様子も懐かしんでいる様子もなかった。

「……他に写真はないんですか?」

棚に並んでいる写真立ての中に、このおじいさんのものは他になかった。

長谷川さんの顔から笑みがスッと消える。

「……残念だけどないの」


嘘だ。

⏰:07/09/09 15:52 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


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