*THE GOD OF DEATH*
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#247 [ま-イ子]
視界を閉ざす様に
あたしは目を閉じた

聞こえてくるのは、
通常より
倍は速くなっている
自分の鼓動


ドッ‥ドッ‥ドッ‥


脳に響き渡るのは
その音だけで
他には全く気配もない

.

⏰:07/10/28 23:15 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#248 [ま-イ子]
(寝て、いるんだ)

いつもなら
玄関に入ると
同時に現れ、あたしを
引っ張っていくが
今日はそんな様子がない

きっと、
珍しくこの時間
寝ているのだろう


安堵したあたしの心臓は
徐々に静まってゆく

.

⏰:07/10/28 23:29 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#249 [ま-イ子]
それなら尚更
起こさぬようにと、
あたしは家を
出ようとした


扉の取っ手を掴む


開けようとしたが
力を入れる前に

扉 が 開 い た

.

⏰:07/10/30 11:58 📱:SH903i 🆔:9a6QsEw.


#250 [ま-イ子]
隙間から
蒸し暑い空気が
家の中に流れ込む

その空気に対する
汗とは別に
嫌な汗が頬を伝う


外との隙間が広がり
目の前には、


「何処に行くつもり?」


口に孤を浮かべた、
あたしの、母親

.

⏰:07/10/30 12:09 📱:SH903i 🆔:9a6QsEw.


#251 [ま-イ子]
硬直して身体は
全く動かず

あたしは目だけ
泳がせた

獲物を狙うような、
そんな眼球とは
決して交わらさず

目の前の女が履いている
スリッパを 見つめた


(だから、靴があったのか)

.

⏰:07/10/31 15:14 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#252 [ま-イ子]
身体とは逆に
冷静な頭は
今の状況を
素早く判断した


(今日は運が悪い)


それは、
"慣れ"なのか
"諦め"なのか――ーーー

どちらでも
変わらないのだけれど

.

⏰:07/10/31 20:19 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#253 [ま-イ子]
一向に視線を
絡ませようとしない
あたしに苛立ったのか

"母"は一歩前に出て
敷居内に入ると
音を立てて扉を閉めた


――ーキィ‥バタン!


より一層近くに
なってしまった距離
あたしは自然と後退る

.

⏰:07/10/31 20:24 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#254 [ま-イ子]
それすらも
まずかったのか
母は又一歩あたしに
近付いた

逃げても無駄

静かに、目を閉じた








――ーーーチンッ!


.

⏰:07/10/31 20:26 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#255 [ま-イ子]
左から受けた
衝撃に僅かによろめいた

―――ーー痛い

手が開かれているだけ
いつもよりマシなのだが
容赦ない平手打ちに
頭痛と目眩が起こる

母を見上げると、
その顔には先程の
卑らしい笑みはなく

只、憎しみだけが
伝わる

.

⏰:07/11/01 22:28 📱:SH903i 🆔:vICgvZoc


#256 [ま-イ子]
「‥なんで‥‥?」

か細い声で
今にも泣き出しそうな
そんな、声で


「なんで、あんたなんか
生んでしまったの?」


あたしにではなくて
自分自身に、問う

彼女の後悔の念が
"暴力"として
あたしに降り注ぐ

.

⏰:07/11/01 22:36 📱:SH903i 🆔:vICgvZoc


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