黒蝶・蜜乙女―第2幕―
最新 最初 全
#191 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・
「おーセツナァ……ってえぇ?寝ちゃった訳?」
セツナの腕で寝ている蜜を見ながらオウマは言った。セツナはそのまま座り、蜜を寝かせたままにする。
「まだこの方が都合がいい。脱がれたら厄介だ。」
「まぁな……見た所でセツナにボコボコにされそうだし……。」
そう言いながらオウマは酒の花を一口飲んだ。
そこでラフィーユはセツナに質問をした。
「セツナ。将来蜜、どうする?」
「あぁ……そうだな……。」
:07/09/07 01:16 :SO903i :gYOPUeU2
#192 [向日葵]
あっちの世界で暮らすには蜜には不便だろうとセツナは考えていた。
ならば自分がこちらに来て、たまにあちらへ帰ったらどうだろうと考えてる。
出来れば蜜を一人にはしたくない。
随分と長い間あの家で、自分達がいるものの一人ぼっちを味わっている。
両親には未だに会った事は無い。
祖父母は一年にニ、三度帰ってくるらしい。
「まぁ、どうにかなるだろう。」
「じゃあ挙式は?」
:07/09/07 01:20 :SO903i :gYOPUeU2
#193 [向日葵]
「まぁその内。」
「こっち?あっち?」
「多分こちらだろうな。」
するとオウマはすくっと立った。
「大体プロポーズとかした訳?」
何故か威張りながら見下ろすオウマにセツナは眉を寄せた。
「必要か?これだけ一緒にいるのに。」
ここにはラフィーユが突っ込んだ。
「蜜、気持ち伝えてくれるの、好き。ならば言う、当たり前。」
:07/09/07 01:24 :SO903i :gYOPUeU2
#194 [向日葵]
――――
――――
今日はここまでにします
:07/09/07 01:24 :SO903i :gYOPUeU2
#195 [向日葵]
二人からの口攻撃に眉を更に寄せるセツナ。
二人はじーっとセツナを見てくる。
「ってか何でお前らに応援されてんだ俺は。」
「セツナって器用そうで不器用だし。」
オウマの言葉にラフィーユも頷く。
まだくっついてもないコイツらに言われるのはなんだか違う気がするとセツナは納得いかない気がした。
:07/09/15 17:37 :SO903i :5.lsk.LE
#196 [向日葵]
「くしゅっ。」
その時、セツナの腕の中で眠っている蜜がくしゃみをした。
「春、言えど夕方、寒い。そろそろ、帰る。」
気づけば空が茜色になり始めていた。
蜜は暖を求めているのかセツナにすり寄る。
そんな蜜を見てそっとセツナは微笑んだ。
適当にオウマとラフィーユで周りを片づけて、桜が咲き誇る山を四人は後にした。
―――――……
「ん……んー?」
あれ?いつの間に寝てたの私。
:07/09/15 17:42 :SO903i :5.lsk.LE
#197 [向日葵]
ってか山じゃない。
完璧コレは家の中だよね。
「何が……どうなって?」
「起きたか。」
近くで声がするので首を動かすと、椅子にセツナが座ってこちらを見ていた。
体を起こして時計を見る。
「七時……?」
お花見は……。
あの桜だらけの山々は……。
「なぁーんでぇぇ?!」
:07/09/15 17:50 :SO903i :5.lsk.LE
#198 [向日葵]
頭を抱えて記憶を辿るもオウマ君に酒の花を飲まされた所までしか分からない。
どうやって帰って来たとか、何で眠ったとか全然分からない。
「ねぇセツナ。なん―――――っ。」
言葉を失う。
何故ならセツナの顔がすぐそこにあって、私を囲うみたいに手をベッドについてるからだ。
いつになく真剣なセツナの目に、思わずポーッと頭が働かなくなる。
「セツ……ナ……?」
:07/09/15 17:56 :SO903i :5.lsk.LE
#199 [向日葵]
名前を呼ぶと、セツナの顔が更に近くになる。
もう鼻が当たりそう……。
「なぁ蜜よ……。」
「……何、ですか……?」
セツナの片手が、私の片手を掴んでセツナの頬に触れる。
「俺はお前が好きだ。ずっと……これからも……。」
ドキドキ胸が高鳴る。
いつも言われる事だけど、やっぱり言われると嬉しい。
私は黙ってセツナの言葉の続きを待つ。
:07/09/15 18:03 :SO903i :5.lsk.LE
#200 [向日葵]
セツナは私の目を見て私を伺っている。
私が待っていると分かったのか、セツナが次の言葉を発した。
「結婚して欲しいんだ……。俺と……。」
周りの音が無くなった。
まるで私とセツナ二人だけみたい。
今なんて?結婚?
「ハ……ハハハッ。」
現実に戻ってこれたかと思ったら、なんだか笑えてしまった。
笑う私にセツナは怒った顔をする。
:07/09/15 18:07 :SO903i :5.lsk.LE
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194