黒蝶・蜜乙女―第2幕―
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#11 [向日葵]
そりゃそうか。
近頃は転校生のラフィーユさんとオウマって人達とべったりだし。
その人達に聞いた方が無難かもしれない。
清「ただね。」
西堂がまた話始めたので耳を傾ける。
清「あの子、何かあっても我慢って言うか……無理しちゃう子だからさ……。一回前にあったのよ。」
――それは小川が知らない、セツナとケンカして蜜が泣いた時の話だ。
:07/08/13 01:59 :SO903i :tJdVPUMQ
#12 [向日葵]
清「どうしたか問いかけても「何にも無い」の一点ばり…。強制しても聞かないんだから。」
それはこの頃の本山と類似していた。
何を聞いても「なんでも無い」と強がる彼女。
僕はそんな彼女を見るのが辛くて仕方なかった。
清「本人が話すまで待つしか手は無いわね。まぁ……話すか分からないけど。」
確かに……。
本山の弱音なんか、僕が聞ける訳がない。
友達の彼女ですら聞いてないのだから。
:07/08/13 12:02 :SO903i :tJdVPUMQ
#13 [向日葵]
蜜「あれ?清?」
本山が教室から出てくる所だった。
清「みーっつー!久しぶりぃ!ってか大人っぽくなってぇ!」
蜜「久しぶりって……昨日メールしたじゃない…。」
清「……そうだっけ?」
こんなやりとりを見るのは久しぶりだ。
まるで一年に戻った気分。
この二人の漫才みたいな話の展開を側で見ているのが、僕は何より好きだった。
:07/08/13 12:06 :SO903i :tJdVPUMQ
#14 [向日葵]
蜜「あ、あのね小川君。今日委員会あるらしくって、放課後残らなきゃいけないって。」
小川「うん。わかったよ。」
僕は一年に引き続き、本山と委員会をやっている。
これだけが唯一の楽しみ。
大変だけど、本山と二人の時間を作れるから何より幸せだった。
そういえば一年前、僕は衝撃な瞬間を目にした事がある。
それは……職員室に用事があって帰って来た時だ。
:07/08/13 12:10 :SO903i :tJdVPUMQ
#15 [向日葵]
―――一年前
本山もう帰っちゃったかなぁ……。
でも今日は焦った。
俺ら悲しいかな付き合ってないし……。
でもそう見えるって事は結構いい感じに見えてるってことだよな?!
あーそれってメチャクチャ嬉しいかも。
あのセツナって人も微妙って言ってたし!
階段を上がりながら動き付きで(幸い校舎には誰もいなかった)考え込んでいた。
そして教室前で止まる。
:07/08/13 12:15 :SO903i :tJdVPUMQ
#16 [向日葵]
そこでうろうろと歩き回る。
あぁ…。先に帰ってもらうんじゃなかった。
僕は密かに決心していた。
今日、告白しようと……。
放課後夕日が射す教室で告白だなんて少女漫画のベタな事だとは思うけど、実際には告白の場なんてこれくらいしかなかった。
あくまで僕が考えるにはだけど……。
でもまず、その相手が教室に入るか否かだよな……。
:07/08/13 12:20 :SO903i :tJdVPUMQ
#17 [向日葵]
――――
――――
キリます
:07/08/13 12:21 :SO903i :tJdVPUMQ
#18 [向日葵]
その時だった。
――バンッ!!
『?!』
今の……何?
どこからの音?
そう思った時、教室内から声が聞こえた。
あれ?本山まだいる?!
内心ガッツポーズを取るが、一人で喋ってる訳が無い。
:07/08/13 19:50 :SO903i :tJdVPUMQ
#19 [向日葵]
しかももう一人の声だってちゃんと聞こえている。
もしかしたら西堂かな。
そう解釈して中に入る事にした。
ガラガラ
小川「本山?いる……!」
そこで見たのは、セツナって人と、本山のキスシーンだった。
俺はショックと言うよりただただ驚いてその場で立ち尽くしていた。
:07/08/13 19:57 :SO903i :tJdVPUMQ
#20 [向日葵]
その相手は、男の僕でも見とれてしまいそうな綺麗な顔でこちらを見る。
そして可笑しそうに顔を歪ませて僕に一言言った。
セツナ「ジロジロ見てんなよ。」
その言葉に我に返った僕は、顔が赤くなるのを感じながら鞄を持っておぼつかない足で走って帰った。
走りながら色々考えた。
:07/08/13 20:03 :SO903i :tJdVPUMQ
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