黒蝶・蜜乙女―第2幕―
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#31 [向日葵]
その言葉に、本山は涙をゴシゴシ拭いて必死に堪えると、ぽそっと呟いた。
蜜「もう……破っちゃったよ。」
頭に?を浮かべて本山を見つめると、照れた様に笑った。
蜜「自分自身で……約束してた事があるの。…それ、破っちゃった!」
ヘヘッ!と笑う本山。
大丈夫。いつも通りだ。
小川「そっか…。……じゃ、そろそろ帰ろっか!俺戸締まりすかるから本山先に帰んな!」
蜜「あ……。…そう?!じゃあ、お言葉に甘えて!」
:07/08/14 02:43 :SO903i :BHHisEIE
#32 [向日葵]
小川「また明日!」
蜜「また明日。」
ガラガラ……
……。
終わった。
僕の恋に、終止符が打たれた。
ベタなシュチュエーションでの告白は、予想通りのフラレるので幕を閉じた。
でも僕は嬉しかった。
本山がちゃんと返事を返してくれた事。
前の本山ならば、絶対……。
:07/08/14 02:47 :SO903i :BHHisEIE
#33 [向日葵]
蜜『ウン!私も小川君好きだよ!』
って意味分からず返してただろうな。
それだけ彼女が変わったって事だ。
そして、彼女を変えたのは……紛れもなく彼だ。
ボタタタ
机に滴が落ちる。
ダサイ……。
失恋して泣くだなんて……。
でも僕はホントに好きで、大好きで、ダメだと分かっていても自分の知らない所で最後の1%に賭けていたんだ。
:07/08/14 02:51 :SO903i :BHHisEIE
#34 [向日葵]
ダメなら「ハイそうですか。諦めます。」と言う様な簡単な事は出来ないほど、僕は彼女が好きだった。
理由を聞かれても答えれない。
皆そうじゃないか?
何故好きになったと聞かれても、きっと何故か好きになっていたに違いない。
色んな本山を近くで、だけど遠くで見ていた僕は、彼女の何かに惹かれていたんだ。
セーターに、シミが広がる。
止まれ……止まれ……。
明日はきっと笑える。
:07/08/14 02:54 :SO903i :BHHisEIE
#35 [向日葵]
また「おはよう」と言って、友達に戻れる。
それでいいじゃないか。
小川「グスッ……あ゛ーくそっ!羨ましい!」
羨ましい……。
両想いになれる人達が、こんなにも羨ましい。
でも一番羨ましいのは、側にいなくても想ってもらってる彼だ……。
・・・・・・・・・・・・・・
一泣き終えて戸締まりをした僕は下駄箱へと向かった。
小川「……。アレ?」
:07/08/14 02:58 :SO903i :BHHisEIE
#36 [向日葵]
清「ぃよ!」
下駄箱にもたれながら、そこには西堂がいた。
小川「どうかしたの?」
清「私も委員会の帰りでさっ!さっき蜜と会ったら……大体予想ついて。」
苦笑いを浮かべる西堂の心遣いに、僕は嬉しくなって声をあげて笑った。
小川「なんか西堂には読まれっぱなしだな!」
清「そりゃラブビーム放ってるんだもん。分からない訳ないじゃない。」
僕が元気なのが分かったのか、西堂はニカッと笑ってみせた。
:07/08/14 03:03 :SO903i :BHHisEIE
#37 [向日葵]
小川「一緒に帰らない?途中まで一緒でしょ?送るよ。」
清「おージェントルマンだね〜ぃ。じゃあお姉さんが話を聞いてやろうじゃないかぁ!」
小川「フハッ!丸っきり同学年じゃん!」
他愛のない話で笑えた。
さっきの涙で、痛みは全部流せたらしい。
それでもまだ、好きの想いはくすぶってる。
しばらくはまだ無理そうだ。
でも僕には新しい目標が出来た。
:07/08/14 03:07 :SO903i :BHHisEIE
#38 [向日葵]
大好きな子が出来たら絶対に悲しませない。
嬉し涙で一杯にして、飽きる程の大好きを言うんだ。
大事に大事にして、ギュッて力強く抱き締めて……。どれだけ好きかを教えてあげるんだ。
いつかそんな子が出来ますように。
出会えますように。
その子も僕との出会いを、待っていますように……。
:07/08/14 03:10 :SO903i :BHHisEIE
#39 [向日葵]
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キリます
これで小川編は終わりです。次はラフィーユとオウマ編に入ります。
その話はまた明日に書きます
:07/08/14 03:11 :SO903i :BHHisEIE
#40 [向日葵]
チャプター16:それぞれの想い 〜ラフィーユ・オウマ編〜
二人の大切の意味って違うとこの頃知った。
今回のナビゲーターは私、蜜です。
ついこの間、オウマ君のラフィーユに対する気持ち、ラフィーユがオウマ君に対する気持ちを聞いた私は、オウマ君がどうでるかを見ているんですが……。
:07/08/14 14:27 :SO903i :BHHisEIE
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