―温―
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#176 [向日葵]
香月「俺の肩に寄りかかって寝たフリしてて。」
紅葉「はぁ?!なん―――っ。」
反論してる途中で強制的に肩に寄りかかる形になった。
仕方ないので指示された寝たフリを決行する。
と同時に静流がリビングに現れた。
静流「……何してんの?」
耳だけで分かる。
静流が何故か怒ってる事。
香月「おう!おかえり!なんか紅葉ちゃん寝ちゃったみたいでさぁ!」
:07/09/01 01:28 :SO903i :89ZHPoiE
#177 [向日葵]
静流「どけ。」
その声を聞いたと同時に私の体は地面から離れた。
びっくりして目を開けるけど静流は気づいてない。
静流「紅葉にいい加減な気持ちで近づくのだけは止めろ。」
静かにそう告げると静流は歩き出した。
おそらく部屋へ向かうんだろう。
静流「双葉。ゴメンけどドア開けてくんないかな。」
私は寝たフリと気づかれない様にまた目を瞑った。
じゃなきゃ今でも彼女の嫉妬の視線をひしひしと感じるのに、これ以上痛く感じるのはゴメンだ。
:07/09/01 01:33 :SO903i :89ZHPoiE
#178 [向日葵]
双葉「ハイ。」
静流「ありがとう。」
寝かされたのは静流のベッドだ。
まったく……また無意識に彼女を傷つけることになるぞ。
双葉「閉めとく…ね。」
静流「ウン。ありがとう。」
パタン
……。
あれ。なんで静流出ていかないんだ?
寝たフリも楽じゃないんだからさっさと出て……
静流「起きてんだろ?」
:07/09/01 01:36 :SO903i :89ZHPoiE
#179 [向日葵]
バレてんじゃん。
私はゆっくり目を開ける。
最初に目に入ったのは天井。その次は怒った静流の顔。
紅葉「何怒ってんの?」
静流「怒ってない。」
紅葉「よく言うよ!怒ってるじゃない!私何か静流にしたかしら?!」
静流は黙って腹立たし気に息を吐く。
腹立ってんのはこっちだっつーの。
静流「知らない男の体に無防備に近づくな。」
:07/09/01 01:40 :SO903i :89ZHPoiE
#180 [向日葵]
紅葉「なら静流にも近寄っちゃ駄目って事ね。」
静流「そんな事言ってないだろ!」
紅葉「貴方だって知らない男じゃない!!」
息遣いだけが部屋に響く。
お互いを睨み合って、次に出てきた言葉にすぐ対応出来る様に言葉を繋ぎ合わせる。
数分が過ぎた時、静流が口を開いた。
静流「……。わかった。もう好きにしろ。」
は……?何それ。
紅葉「何よ好きにしろって……。まるで私をだだこねてる子供みたいに。」
:07/09/01 01:45 :SO903i :89ZHPoiE
#181 [向日葵]
静流「口答えするならガキと一緒だろ。」
出た。
静流はいつもこう。
怒ったり気に入らない事があれば冷静なフリして私を子供扱いする。
さも自分が全て正しいと勘違いしてる大人である様に……。
紅葉「私はアンタの子供でもなければこの家の子でもないのよ?!」
すると冷たい静流の目が更に冷たくなった。
次に出てくる静流の言葉に私は頭が真っ白になった。
:07/09/01 01:49 :SO903i :89ZHPoiE
#182 [向日葵]
静流「じゃあ出て行って好きなように暮らせよ。」
紅葉「……え。」
静流が背中を向けてドアを開ける。
静流「元々そうしたいって言ってたしな。いいじゃん。短い間だったけど楽しかった。じゃあな。」
パタ…………ン……
*****************
リビングで談笑をしていながらも、静流は自分の言った事を頭の中でまた繰り返していた。
俺何言ってんだよ。
:07/09/01 01:52 :SO903i :89ZHPoiE
#183 [向日葵]
香月はダチだし別に親しくしたっていいじゃんか!
でも俺以外の奴になつくのがなんだか気に入らなくって、こう……飼い犬が他人にめちゃじゃれてるみたいな感覚で……。
双葉「静流……?どうかした?」
色々考えてたらいつの間にか黙ってしまった静流に双葉が呼び掛けた。
静流「あ、いや。何でも。そうだ!見せたいもんがあるんだ。部屋取りに言ってくるわ!」
と言いながら紅葉が気になって静流は部屋へ向かった。
:07/09/01 01:56 :SO903i :89ZHPoiE
#184 [向日葵]
部屋前で立ち止まって深呼吸した。
紅葉に謝ろう。
それでまた仲直りしたらいつも通りに戻れる。
カチャ
静流「紅葉!さっきは……。」
静流はドア付近で足を止めた。
静まりかえる部屋。
いる筈の姿が、どこにもない……。
そう。紅葉が消えてしまったのだ。
静流はパニックになりそうな自分を抑えて机の下、ベッドの下、クローゼット。全てを探した。
:07/09/01 02:00 :SO903i :89ZHPoiE
#185 [向日葵]
静流[出ていって好きな様に暮らせよ。]
――――ドクン
まさか……ホントに……?
香月「なぁ静流ー。雨降ってったから俺帰るわぁ。」
と来た香月の肩を勢いよく掴んで静流は言った。
静流「紅葉が……いなくなった。」
******************
あ。雨降ってった。
まぁいいわ。服が洗濯されるし。
:07/09/01 02:04 :SO903i :89ZHPoiE
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