―温―
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#346 [向日葵]
「そっか……。」
双葉は静流の隣に来ると、キュッと抱きついた。
それを見て静流は双葉をからかう。
「なぁーに双葉さん。甘えてんの?」
「ウン。ダメ?」
素直な双葉に穏やかな笑みを返して、静流も双葉を抱き締めた。
「また電話すんね。」
「うん。待ってる。」
そう言葉を交した後、軽く唇を触れて、静流は双葉宅から出て行った。
:07/09/14 03:08 :SO903i :Bf6JTbxA
#347 [向日葵]
帰る時には雨が小雨になっていたので、カバンで雨を防ぐ事なくなんなく帰れた。
実は双葉宅から静流宅までは歩いて30分くらい。
きっと今帰ったら紅葉びっくりするだろうなと想像して、誰もいない道で静流は笑った。
そして自分の家が見えてきた。
鍵を開けて、誰も起こさないように静かにドアを開ける。
心境は寝起きドッキリの気分だ。
「ただーいまー……。」
:07/09/14 03:12 :SO903i :Bf6JTbxA
#348 [向日葵]
後ろ手にドアを出来るだけ音を立てないように閉めた。
靴を揃えて自分の部屋に向かおうと足を進めかけた時だった。
ふと違和感を感じた。
その違和感を感じたのは、さきほどの玄関。
戻って見ると見慣れない靴が……。
……父さんのか?
疑問を抱いたまま二階へ。
あ、寝る前に何か飲もう。そう思いリビングへ足を運んだ。
そして……入口の前で止まる。
:07/09/14 03:17 :SO903i :Bf6JTbxA
#349 [向日葵]
明らかに、父さんでも、紅葉でもない影がそこにはあった。
もしかして……
頭をよぎった人物にまさかと投げかけながら、静流はリビングの電気を点けた。
パチッ
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眩し!
暗闇からいきなりの光は、まだ眠りが浅い私を目覚めさすのには十分だった。
香月さんが点けた?
いやでも自分の頭の下にある物は香月さんのだ。
:07/09/14 03:20 :SO903i :Bf6JTbxA
#350 [向日葵]
香月さんを見ると、香月さんも目を覚ましたらしいのか目をショボショボさせていた。
あ、もしかして源さん?
人物を確認する為に、私は体を起こして電気を点けた本人を発見する。
「……?静流?」
静流は何かに驚いている。多分香月さんだろう。
ソファーから離れて、静流の元へ行く途中時間を確認した。
―――まだ五時……。
「こんな時間にどうしたの?」
:07/09/14 03:24 :SO903i :Bf6JTbxA
#351 [向日葵]
バシン!
……へ?
何が起こったか分からなかった。
ガーゼを張っていない方の頬が熱を帯びている。
そして痛い。
「なぁ。お前何やってんの?」
静流の低い声を聞いて分かった。
私はひっぱたかれたんだと。
静流は私の胸ぐらを掴んで自分へ引き寄せた。
「おい静流?!」
そこで香月さんが私の後ろから止めに入ったが、静流の目は私しか捕えてなかった。
:07/09/14 03:27 :SO903i :Bf6JTbxA
#352 [向日葵]
「何やってんの?」
何が?
私が何をしたって言うの?
「私、静流が怒るような事した覚えないんだけど。」
「じゃあ香月何でいんだよ。しかも父さんは?」
紅葉はぎくっとした。
実は静流は玄関で源の靴が無いのを、今では犯人が分かった靴を見た時に気づいていたのだ。
「仕事で……昨日出て行ったっきり……。」
私がそう言うと、胸ぐらの手を外してくれた。
でも冷たい目からは解放してくれない。
:07/09/14 03:32 :SO903i :Bf6JTbxA
#353 [向日葵]
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今日はここまでにします
:07/09/14 03:33 :SO903i :Bf6JTbxA
#354 [向日葵]
「なんであげた……。お前一人なら尚更だ。男をあげるなよ!」
は?
「何それ?」
私は呟いた。
怒りが、血となって頭に上りだす。
だってそうでしょ?
私は何も悪いことしてない。
ってかアンタよく自分を棚に上げて言えるわよね。
アンタはどうなのよ。
「私は別に静流の子供でもなければ恋人でもないの!何でアンタにそこまで束縛されなきゃいけないわけ?!」
:07/09/14 11:06 :SO903i :Bf6JTbxA
#355 [向日葵]
「お前な」
「自分だって何よ!こんな時間に帰って来てるくせに!私の事とやかく言う前にアンタ自ら見本見せてみなさいよ!」
まだ早朝なのを忘れて、起きたてであまり働かない脳を必死で動かして言葉を搾りだした。
「俺は……きちんと昨日連絡しただろ。」
「そうね。なら番号知らないのに私に電話かけろって言いたいわけ?私は超能力者じゃないの。」
そこで静流はカッとなったのか、また右手を振り上げた。
:07/09/14 11:12 :SO903i :Bf6JTbxA
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