―温―
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#541 [向日葵]
カチャン

「あ……。」

スプーンを置く音で現実に戻った。

今は晩御飯を食べている最中。
静流は帰って来てから特に静流自身の気持ちを言わない。

その事にホッとした。

それならば双葉さんにはまだ何も言ってないという気がしたからだ。

「なぁ紅葉。」

―――ドキッ……。

「……私、お風呂用意してくる。」

と言って、その場を去ろうとしたけど失敗した。

⏰:07/09/26 02:21 📱:SO903i 🆔:Xn2WQSXM


#542 [向日葵]
静流は椅子に座ったまま私の腕を掴んで私の足を止めた。

「話があるんだ。」

「あとでにして。私……っ。早く寝たいの。」

手を振り払って、逃げる様にお風呂場へ向かった。

間違いなく、あれは告白する気だったんだ。
きっとこの後も、言ってくるかもしれない。
実際私は「あとで」と答えてしまった。

お風呂場にへたりこんで浴槽に貯まるお湯を眺める。気泡が出来たかと思えば飛沫のせいですぐ割れた。

⏰:07/09/26 02:28 📱:SO903i 🆔:Xn2WQSXM


#543 [向日葵]
静流も私が好きだと勘違いしていたと思ったらいい。この気泡みたいにそんな思いが嘘だったかのように無くなればいい。

だからお願い。
私を好きだなんて、絶対言わないで……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

階段を上がると、部屋のドアに静流はもたれていた。

その前を通ろうか迷った私は、通り過ぎる事を決意して早足に進んだ。

静流の前を少し通り過ぎた時だった。

「紅葉。」

⏰:07/09/26 02:31 📱:SO903i 🆔:Xn2WQSXM


#544 [向日葵]
思わず足を止めてしまった。

「何……?」

恐る恐る、静流の方も見ないで尋ねた。

静流が私の後ろにドアから離れて立っているのが分かった。

「俺なんかしたの?」

「……。」

しばらく間を置いた後、私は首を横へ振った。
すると静流はため息を吐いて、一歩私に近づく。

「じゃあ何その態度…。地味に傷つくんだけど。」

⏰:07/09/26 02:35 📱:SO903i 🆔:Xn2WQSXM


#545 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/09/26 02:35 📱:SO903i 🆔:Xn2WQSXM


#546 [向日葵]
私は小さく深呼吸した。

言葉が見つからない。
私の事好きなのかなんて聞けない。

もしかしたら香月さんの勘違いかもしれない。
「好き」の意味を間違えてるのかもしれない。

「好き」は「好き」でも、よく言うように、LoveじゃなくLikeの方なんじゃ……。

そうだ。
きっとそうだよ!

希望を取り戻した私は静流に向き直った。

「ちょっと、気分が優れないだけよ。気にしないで。」

⏰:07/09/27 13:20 📱:SO903i 🆔:mIbFwEuo


#547 [向日葵]
そう言うと、静流の顔が、緊張した顔からスッと力が抜けた表情になった。

それを見て、私もホッとした。
でも、安心したのも束の間だった。

急に静流が唇をキュッと閉めて、真剣な目をした。

それを不思議に見ていた私は、ぼんやりしていたせいで逃げる事を忘れた。

静流は私を抱き締めた。
それも、息が出来ないほど、強く……強く……。

抱き締められた瞬間、目を見開いて私は固まった。

静流の体温を、鼓動を感じる……。

⏰:07/09/27 13:35 📱:SO903i 🆔:mIbFwEuo


#548 [向日葵]
「静流……?」

「紅葉。俺さ。…………。お前が好きだ……。」

目が落ちてしまいそうなくらい、私は目を開いた。

聞いてはいけなかった。
どうして私さっき逃げなかったの……?

静流はゆっくりと私を離した。

「あの……返事は、ゆっくり考えてくれたらいいから。」

返事?
そんなの、考えるほどでもないわよ。

「いい。今言う。」

⏰:07/09/27 13:39 📱:SO903i 🆔:mIbFwEuo


#549 [向日葵]
静流を見ないで上手く吸えない息を無理矢理肺に入れる。

「答えは……NOよ。分かってんでしょ?私には、香月さんがいる。」

涙……お願いだから出ないでね。

否定の言葉を言う事に集中しなさい私。
じゃないと、溢れて出てしまいそうになる。

私も貴方が大好きだって……。

「静流は、きっと気持ちが麻痺してるの。私が、近くにいたせいね。もう一度、よく考え」

「考えたよっ!」

⏰:07/09/27 13:43 📱:SO903i 🆔:mIbFwEuo


#550 [向日葵]
次の瞬間、静流は私の肩を掴んでガクガク揺らした。

「なんでそんな冷たい事言うんだよ!人が精一杯の気持ちを……言ってんのに……っ。いいよ。断られるのは…分かってた……。でも、何でそんな、麻痺してるとか言うんだよっ!!」

静流は壁をものすごい音を立てて叩くと、自分の部屋へ戻ってしまった。

結局私は最後まで静流の目を見れずにいた。

「ゴメン……。静流……。」

パタタタタ

床に小さな水溜まりが出来た。

⏰:07/09/27 13:48 📱:SO903i 🆔:mIbFwEuo


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