―温―
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#102 [向日葵]
静流「紅葉!」
ビクッとしてリビングの入口を見ると、頭にタオルをかけて湯上がりの静流がいた。
半袖から除いてる少し筋肉がついた腕が、なんだか赤い気がするのは気のせいだろうか。
静流「もう部屋で紅葉が嫌がることはしない。家に帰ってきたらすぐに風呂にだって入る!」
そう言って源さんな隣までくると、ストンと座った。
そして私をじっと見つめる。
静流「だから汚いとか思うなよ?」
:07/08/25 10:59
:SO903i
:Tib/Thss
#103 [向日葵]
私は息を飲んだ。
静流は痛いほど優しくて真っ直ぐ……
私は反応に困ってしまうけど
唯一、今、私が出来る事。
私は赤く熟れた林檎を一個持って、静流にズイッと渡した。
紅葉「……これ、食べて……みる。」
二人はそれは嬉しそうに笑った。
私が今出来る事。
それは二人がこうして笑ってくれる様に努力すること……。
:07/08/25 11:04
:SO903i
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#104 [向日葵]
源さんはスーパーの袋にまた入ってた物を戻してキッチンへ向かう。
静流「じゃあ……おいで。」
手をさりげなく出す静流。私が拒否するのを怖がってるらしい。
私はその掌を無視して、赤くなってる気がする腕に指先を触れてみた。
すると静流がビクッと体を震わす。
どうかしたのかと静流を見ると、静流は苦笑を浮かべていた。
静流「紅葉が汚いと思わない様に気合い入れて洗い過ぎた。」
:07/08/25 11:08
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#105 [向日葵]
あ……だからか……。
また心臓が痛くなる。
でも辛い痛みじゃない。
なんだか顔の筋肉が緩みきってしまいそうな、そんな痛み……。
私は静流の指先を少し握ってその赤くなってしまった腕を見つめた。
紅葉「……ごめん、なさい。」
静流はため息混じりに微笑む。
静流「触っても平気?」
私が握っていない方の手をちょっと出して、念のために聞いてくる。
:07/08/25 11:12
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#106 [向日葵]
私は腕を見つめたまま小さく頷いた。
すると静流は私をゆっくり抱き上げた。
そしていつもみたいに膝に乗せてくれる。
男は不思議。
私にとって未知の生物。
獣みたいだとか、気持ち悪いと思ったりするけど、実はとっても優しかったり、そして純粋だったり……。
でももっと未知なのは私だ。
今こうして膝に乗れる事が嬉しいのに……。
頭をよぎるあの女の子に同じ事をしてると思ったら
なんだか胸が苦しくなった……。
:07/08/25 11:18
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#107 [向日葵]
―妬―
紅葉「ゲホッ!」
いつも通り、今日も食べる練習。
この前静流が買ってきてくれたヨーグルトに挑戦中。
……が。
紅葉「何このネトネト……。最近なヨーグルトって皆こんなの……?」
昔食べた時はもっと美味しかった記憶があるんだけど……。
:07/08/25 11:21
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#108 [向日葵]
静流は私の口の端についたヨーグルトを布巾で拭いてくれる。
これじゃ完璧幼児扱いだ……。
静流「ヨーグルトは駄目かぁ……。果物系はなんとかギリギリいけたんだけどなぁ。」
林檎とイチゴはなんとか吐くのを堪えながらいけた。
流石にバナナはきつかったけど……。
だってあのニチョニチョした歯ごたえが思い出しただけでも嫌気がさす。
源「そういえば、服はどう?見た所サイズはピッタリだね。」
:07/08/25 11:27
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#109 [向日葵]
サイズはピッタリ……。
だけどデザインは如何な物だろうか……。
源さんはこの間服が無くては不便だろうと言って何十着も買ってきてくれた。
しかし……
まるでどこかの古いお嬢様みたいなフリルが着いたワンピース……ってかもうドレスに近い……。
でもなんだか文句を言えなくてついつい
紅葉「大丈夫。」
と答えてしまった。
紅葉「今日はもうご馳走様…。なんか疲れた。」
:07/08/25 11:31
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#110 [向日葵]
静流「俺も学校行かなきゃな。っとその前に、紅葉。包帯代えよっか。」
静流は私を膝から下ろして、救急箱を持ち出して来た。
私の傷は、食事を余り取らないせいで栄養不足のせいか、傷の治りが遅い。
静流は無い時間を使って、朝早く起きては私の食事のお守りをし、今の様に傷の手当てをしてくれる。
私は申し訳なくて、少し辛い。
私が落ち込んでいるのを察知した静流は、頭を一撫でしてくる。
:07/08/25 11:36
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#111 [向日葵]
静流「焦る事なんて無いだろ?お前はこの家の一員なんだから。」
微笑む静流に困る私。
私はこのままここにいて良いんだろうか……。
今は静流の説得があってか、死のうとは思わない。
でも、ここに居続けてはいけない気が何故かしてる。
傷が治っても、静流は優しいままだろうか……。
静流「じゃ!学校行ってくるわ!父さん、紅葉お願いね。」
源「静流君も気を付けて。」
:07/08/25 11:40
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