―温―
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#11 [向日葵]
そう言って父親は奥へ消えて行った。
息子はやっと私を地上へと降ろしてくれた。

静流「おい猫。名前は?」

「誰が猫よ。名前なんかどうでもいいでしょ。いずれ出ていくんだから。」

息子は腕を組んで溜め息をつくとギロリと私を睨んだ。

静流「俺お前みたいな可愛気のない奴嫌いだわ。」

「ありがとう。好いてもらう気も無いし、いずれ出ていくし。」

取り付く島もない様に息子は呆れた顔をした。

⏰:07/08/19 13:56 📱:SO903i 🆔:NfUWlfOw


#12 [向日葵]
静流「名前。」

「……は。」

静流「え?」

「紅葉(くれは)。」

息子はふぅんと私を見た。
何だよ。この親子は……。

静流「歳は?」

事情聴取みたい。
私別に悪い事してないし。

渋々私は答える。
じゃないと解放して貰えない気がする。

紅葉「15……。」

静流「なんだまだ中坊か。あ、俺は17ね。」

⏰:07/08/19 14:01 📱:SO903i 🆔:NfUWlfOw


#13 [向日葵]
聞いてないし…。

紅葉「ハァ…。別にそんなのどうでもいいでしょ……?」

静流「ホンット可愛いくないね。嫌いだわ。そーゆーの…。」

……嫌いで十分だ。
好かれ様なんて努力は二度としない。

しても無駄なんだもん……。

私が黙っていると、息子はまた喋りだす。

静流「ちなみに、部屋は当分俺と一緒だからな。」

紅葉「あそ。」

⏰:07/08/19 14:07 📱:SO903i 🆔:NfUWlfOw


#14 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/08/19 14:08 📱:SO903i 🆔:NfUWlfOw


#15 [向日葵]
関わらない。
ここにいても、コイツらとは関わりたくもない。

嫌い。
どうせ皆汚い思いを心の中に宿しているに決まってる。

私は息子を無視して廊下をツカツカ歩いて行った。

静流「オイ。どこ行くの?」

後ろからついて来てるらしい息子が尋ねるが、私は一切無視だ。

二階に上がってリビングを突っ切り、(ここの家は二階にキッチンがあった。)ベランダへと出る。

⏰:07/08/20 02:32 📱:SO903i 🆔:MmQkyVrg


#16 [向日葵]
ガラガラ

雨は容赦無く降っていた。空は灰色。

あの時見たのとおんなじ……。

静流「雨が家に入ってくるんだけど。」

私は何も言わず後ろ手で勢いよくベランダのドアを閉めた。

静流「あっぶねーなぁ!」

息子の怒りの声が窓越しに聞こえる。
ついでにカーテンまで閉められた。

そうそう。そうやって溝を作っておいて。

⏰:07/08/20 02:35 📱:SO903i 🆔:MmQkyVrg


#17 [向日葵]
私はこれっぽっちも仲良くする気なんて無いんだから。

**************

静流「なんなわけあのガキ!!!」

静流は腹立ちついでに源が作ったパスタをがっつく。育ち盛りなのかパスタは大量だ。

源「静流君には悪いけど、あの子の面倒見てあげてくれないかな?」

ボサボサした髪の毛からフワッと優しい微笑みを浮かべて源は笑う。

静流「あぁ!世の中の何も分かってないガキに教育してやるよ!」

そう言うと、静流はパスタをズルズルと勢いよく吸い込む。

⏰:07/08/20 02:39 📱:SO903i 🆔:MmQkyVrg


#18 [向日葵]
すると源は、少し悲しそうな微笑みを見せた。

源「優しくしてあげてね……。」

静流「は?」

源はフォークとスプーンを静かに置いて、紅葉がいるベランダへと目を移した。

源「あの子……虐待されてたみたいなんだ。」

静流の食事をする手が止まる。

源「新しい怪我はともかく、古い傷もちらほらあってね……。しかも僕が見つけた時、うわ言の様に呟き続けてたんだ。」

⏰:07/08/20 02:42 📱:SO903i 🆔:MmQkyVrg


#19 [向日葵]
紅葉[母さん…ごめんなさい……。]

二人に沈黙が流れる。
静流はフォークを力なく置いて、ベランダに目を向ける。

小柄な体をした彼女は、ベランダの戸にもたれかかって、灰色の空を見上げていた。

静流「優しくしてやりたいのは山々だけど……アイツ可愛くねぇんだもん!」

そしてまたズゾーッとパスタを膨張る。
そんな静流を源は苦笑して見ていた。

実は彼の母、つまり源の妻は、若くして他界している。

⏰:07/08/20 02:47 📱:SO903i 🆔:MmQkyVrg


#20 [向日葵]
そのせいで静流は命には敏感になってしまい、簡単に死ぬと言う紅葉を見てやきもきしているのだ。

それを知っているから、源はどちらの味方をする事も出来ないのだ。

源「パスタおかわりあるからね。」

静流「ふん。ふぁんふぅ。」

膨張りながらなので何を言ってるか分からない静流に源は温かく笑った。

すると静流がいきなり立ち上がった。

源「どうかした?」

静流「ちょっとな。」

⏰:07/08/20 02:51 📱:SO903i 🆔:MmQkyVrg


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