―温―
最新 最初 🆕
#202 [向日葵]
かと言って先人の様に星で何時だとか分かる事は出来ないのだけどね。

でも大体夜9時くらいかな。

休む事も出来たし、再び歩こう。

そう思った時だった。

足に昼間と同様激痛が走る。
どうやら歩きすぎにより傷が開き、雨が染みてるみたいだ。

一旦立ったものの、また座りこんでしまう。
何故か無駄に息遣いが荒くなってしまう。

紅葉「いっ…………った……。」

⏰:07/09/02 02:46 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#203 [向日葵]
ハァハァと息を吐いた後、深呼吸をゆっくり何回かした。

大丈夫。
痛くない。痛くない。
気のせい。怪我なんてしてない。

暗示をかけながら立ち上がり、重心を足にかける。

はっきり言って痛くない訳がない。

でも今は出来るだけ遠くに行きたかった。
穴を抜け出して公園の入口へ向かう。

街灯が、虚しく私を照らした。

正に捨て猫ね……と自嘲した。

⏰:07/09/02 02:50 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#204 [向日葵]
街灯に照らされた足を見れば、うっすら包帯が赤みを帯びていた。

血が出ているらしい。

大丈夫。
まだ歩ける。大丈夫。

そう暗示して、歩くしかなかった。

人通りがなくなりつつあるおかげで人の目を気にせずにみっともなく歩けるのが幸いだ。

こんな醜態……晒したくもない……。

そう願っていたのに……。

「やっと見つけたーー。」

⏰:07/09/02 02:54 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#205 [向日葵]
ゆっくり振り向く。

数メートル後ろに立っていた人物に私は驚いた。

紅葉「香月……さん。」

香月「何してんの?プチ家出?」

相手を見ながら後退りした。でも相手はにじりにじり距離を縮めてくる。

香月「ねぇ。帰ろうよ。」

紅葉「……なんで、よ。」

香月さんはとうとうすぐそこまで来てしまっていた。
きっと逃げても今の状態じゃ捕まえられるのがオチだろう。

⏰:07/09/02 02:59 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#206 [向日葵]
香月「静流が心配してたよ?だから早く」

紅葉「嘘よ!」

心配?

自分から出て行けって言ったじゃない。

だから私は出て来た。

もう私はあの家にいてはいけないからって。
静流は私をただの邪魔なガキだと思ったからって。

私はめげずにまだ後退りをしている。

だけど私が逃げれないと知ってるのか、香月さんは捕まえようとはしない。

だだ足を進めるだけ。

⏰:07/09/02 03:02 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#207 [向日葵]
香月「何で嘘つかなきゃなんないの?俺や双葉ちゃんだって一緒に探してたんだよ?ここで嘘ついたって意味無いっしょ?」

何故か香月さんは怒っていた。
私はただ言う通りにしただけなのに……。

紅葉「じゃあ…………。っ……私、どうすればいい?」

これ以上醜態を晒してなるものかと涙と溢れてきそうな鳴咽を我慢する。

香月さんはいぶかしげな顔で私の次の言葉を待ってる様子だ。
私は深呼吸を一回だけして続きの言葉を頭の中で整理した。

⏰:07/09/02 03:07 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#208 [向日葵]
紅葉「静流は私が邪魔なの。消えて欲しいの!なのに心配なんてする筈が無い。また……。……またあの家に戻って、邪魔扱いされたら……。私はどうしたらいいのよ!」

いっぺんに言葉が溢れた。言いたい事を忘れないようにスラスラと。
おかげで少々息が切れてしまってハァハァと肩を揺らす。

そんな私を、香月さんは静かに見つめた。

すごく静かで、逆に怖いくらいで……。

それでも言いたい事言った私は、まだ後退りを止めなかった。

⏰:07/09/02 03:12 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#209 [向日葵]
そして香月さんが口を開いた。

香月「静流が……好きなんだね。……紅葉ちゃんは。」

――――好き?

香月「好きだから、嫌われたくないんでしょ?好きだから……側にいたいんでしょ?」

――初めて、静流と彼女とのベッドシーンまがいを見た時、気持ち悪いって感情と、静流に触らないでって感情があった……。

私はその感情の意味が分からなかった。

静流の言う通り、あれは当たり前の行為だから私が触らないでって言うのはおかしいんだもん。

⏰:07/09/02 03:17 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#210 [向日葵]
彼女が自分から静流にキスした時、心臓が痛かった。

静流に背を向けてしまったのは、静流を見たらまた怒って、傷つけてしまいそうだったから……。

――嫉妬――

そっかぁ……。
私は静流に嫉妬してたんだ……。

そして嫉妬してたのは、静流が

紅葉「す……き……。」

私は既に足を止めて呆然と立ち尽くしていた。

そんな私に微笑んで、香月さんは携帯を取り出した。

⏰:07/09/02 03:21 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#211 [向日葵]
*******************

雨の中、静流の携帯が鳴り響いた。

発信者は香月だった。

走り続けていたために乱れた呼吸を静流は整えながら電話に出た。

静流「ハァ……何?香月。」

香月{紅葉ちゃん。いたよ。}

静流は目を見開く。

携帯を持ちながらあちらこちらにうろうろとする。

静流「ど、どこ、どこに?!」

香月{桜田公園の所。早く来いよ。}

ブツッ。

⏰:07/09/02 03:27 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194