―温―
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#262 [向日葵]
素直に静流の部屋で寝れる気がしなかった。

大体、この家は結構な広さがあるのに何故私は静流と一緒の部屋なのか不思議だった。

聞いてみたら源さんの研究した物でほとんどの部屋は埋め尽されているらしい。

私は見た事がなかったけど、いくつかのドアノブを捻ってみると鍵がかかっていた。

どうやら源さんが管理しているらしい。

仕方なく、何個かのドアノブを捻りまくった。

⏰:07/09/05 23:32 📱:SO903i 🆔:uTSNz6sY


#263 [向日葵]
すると何個か目に……カチャっと開いた。

「……。」

そこは普通の部屋と最初は思った。
でも電気を点けると

「…えぇっ?!」

沢山のぬいぐるみ達が。
めちゃくちゃ大きいのから片手に乗るほどの小さいのまで。

唖然としていると、玄関のドアが開く音が聞こえたので中に入って思わず隠れてしまった。

見つかるのも時間の問題だけど、どうしても静流とは話す事が出来ない。

⏰:07/09/05 23:37 📱:SO903i 🆔:uTSNz6sY


#264 [向日葵]
電気を消す前に、大きなクマのぬいぐるみに狙いを定めた。

出来るだけ陰に隠れてぬいぐるみに埋もれた。

布団をかぶって、クマに寄りかかる。

ってか何でこんなにぬいぐるみがあるんだろう。

「紅葉?!」

静流のパニクっている声が聞こえた。
もしかしたら外まで行っちゃうかな。

でもまぁいいや。

目を瞑ると、何故かすぐに眠れた。

⏰:07/09/05 23:41 📱:SO903i 🆔:uTSNz6sY


#265 [向日葵]
―――
―――――……

「え?」

珍しい。
草原にいるよ私。

「こんにちは。」

後ろから声がしたので振り返ると、髪の長い大人の女性がいた。
とても綺麗。

「こ、こんにちは……。」

「貴方……紅葉ちゃん?」

え?

「何で知って……。」

⏰:07/09/05 23:43 📱:SO903i 🆔:uTSNz6sY


#266 [向日葵]
女性は楽しそうにフフッと笑うと、私の前までスキップで来た。

「さぁて。何ででしょうね。」

まだにこにこ笑っていり女性に、私は不審の目を向けた。
女性は草原に座り、広がる青空に目を向けた。

「貴方は他人を思いやれる優しい子ね。」

まるで私の行動を今まで見ていた様な口ぶりに、私は更に疑った。

「そんな事無いと思いますけど。」

「アラッ。私ならさっきあの場面でじっと寝る事なんて出来ないわ。」

⏰:07/09/05 23:47 📱:SO903i 🆔:uTSNz6sY


#267 [向日葵]
さっき?
静流と彼女さんのキスの事?

「まぁ……人それぞれだし…。別に、私は邪魔する気なんて無いから。……、側にいたいけどいたくないって思ってる事は事実だけど……。」

女性は自分の隣をポンポンと叩き、座れと指示した。素直に私は従う。

「若いのに大人ねぇ。」

「貴方も十分若いと思うけど……。」

「あらそう?!嬉しいー!」

本当に嬉しそうに女性は微笑む。
誰かに似てる気がした。

⏰:07/09/05 23:55 📱:SO903i 🆔:uTSNz6sY


#268 [向日葵]
「貴方はどうして自分を邪魔だと思うの?」

どこまでも広がる草原を遠い目で見ながら、私は答える。

「そう言う扱いを受けて来たから。」

必要として欲しくて、でもそれは無理な願いで。
必要とされる事を願うのを止めた。

だから静流が自分を必要としてくれると言った時、嬉しかった。

でも……

「その人の邪魔をするのだけは……嫌……。」

⏰:07/09/05 23:59 📱:SO903i 🆔:uTSNz6sY


#269 [向日葵]
頬にスルリと冷たい指が触れた。
びっくりして女性を見ると、悲しそうな目で私を見ていた。

「痛いわね……。心が、辛いわね……。」

胸が震えた。

痛くて仕方なかった。
それが自分の決めた道だったから、妥協を何度もして堪え続けた。

「い……痛い……。」

見ず知らずの人の前で涙を流してしまった。

でも分かってくれる人がいると思ったら、すごく安心した。

⏰:07/09/06 00:03 📱:SO903i 🆔:jlgEr3Lg


#270 [向日葵]
女性はゆっくり私を抱き寄せた。

肌は冷たいのに、何故か温かく感じた。

思い出す。
母さんがまだ優しくしてくれた頃を。

「たまには……感情のまま、甘えてみるのもいいのよ。」

「そんなの……っ。出来ない……。」

「大丈夫。出来るわ。」

女性は頭と背中を優しく撫でてくれる。
まるで赤ちゃんをあやすみたいに。

⏰:07/09/06 13:38 📱:SO903i 🆔:jlgEr3Lg


#271 [向日葵]
「邪魔……なるっ……。」

「ならないわよ。だって静流がそれを望んでいるもの。」

私は囁くくらいの声で「えっ。」と言った。

どうして静流の事まで知って?
私が不思議そうに顔を上げても、女性はただ優しく笑うだけだった。

すると

ピカァッ!!

いきなり空が目を開けられないくらい眩しく光り出した。

⏰:07/09/06 13:43 📱:SO903i 🆔:jlgEr3Lg


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