―温―
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#416 [向日葵]
ストレートに気持ちを伝えるだけじゃなくゴーイングマイウェイな人達すぎる……。
振り回される方の身にもなりなさいよ……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「リングとかはやっぱり定番だから見ちゃったかなぁ?」

DVDを両手に持ちながらウキウキ私に喋りかける彼女さん。
静流がいたならそれは「可愛いなぁ」とかって思うんだろう。

「紅葉ちゃん?」

私の目の前で首を傾げる彼女さん。
ハッと自分の世界から帰ってきた。

⏰:07/09/18 02:50 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#417 [向日葵]
「どうぞ彼女さんが怖そうだと思うの選んで下さい。」

「アハハ!やだなぁ。彼女さんだなんて。双葉でいいよ。」

彼女さん、もとい、双葉さんはニカッと笑ってDVDを次から次へと見ていく。

「静流がね。貴方の話をよくするの。」

「え……。」

双葉さんはDVDのあらすじを読みながら話す。
私はその横顔を見つめた。

「貴方がよっぽど好きなのね。」

⏰:07/09/18 02:56 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#418 [向日葵]
優しく微笑む。
でも少し悲しそうだった。

「静流は貴方以外目に入ってませんよ。貴方の話をする静流は、すごく優しい顔しますから。」

「……本当?」

双葉さんの目がきらきらと輝く。
少し興奮してるのか頬が赤くなってる。

恋する乙女って感じだな……。

「本当ですよ。自惚れてもいいほどに。」

そう言うと嬉しそうににこぉっと笑って、カゴにいくつもホラーのDVDを入れていく。

⏰:07/09/18 03:02 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#419 [向日葵]
間違ってない……。
間違ってないでしょ静流。

だから二度と、傷ついたような目で私を見ないでね……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お!おかえりぃ!」

一番に香月さんが言ってくれた。静流と香月さんはは微妙に離れてソファーに座り、見る準備をしていた。

双葉さんは静流の隣に。
私は香月さんの隣に座った。

順番的に静流、双葉さん。少し離れて香月さん私の順で座っている。

⏰:07/09/18 03:07 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#420 [向日葵]
雰囲気を出す為にカーテンを閉めて、部屋を暗くする。

タイトルが出て、映画が始まった。

静流達の方を見ると、双葉さんはクッションを抱き締めて静流に寄り添ってる。その肩を、静流は抱き寄せている。

視線を泳がせて、もう二度と見ないように体育座りをして、膝の上に顎を乗せて、映画に集中する。

「怖かったらいいなよ。」

香月さんがこそっと私に言う。
座っている距離を縮めながら。

⏰:07/09/18 03:11 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#421 [向日葵]
「平気。慣れてるわ。」

ピシャーン!

映画の始まりは、雷で始まった。

ビクッ!

体が反応する。
実は私、雷が大の苦手だった。

ピシャーン!

何度も雷が画面の中で轟く。いい加減止めてほしい。
すると

「あーまどろっこし。ちょっと早送りすんな。」

静流がリモコンを持って雷の場面を早送りした。

助かった。と内心ホッとした。
香月さんは私が雷に反応してたのには気づいてない。
良かった。

⏰:07/09/18 03:15 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#422 [向日葵]
出来れば自分の弱味を知って欲しくないのが私だ。

それからは順調にホラーらしくなっていった。
はっきり言って怖いってよりグロイって感じ。
ビビりはしなかった。
……雷以外は。

時々双葉さんが「やっ!」とか怖がってたけど、静流が「大丈夫大丈夫。」となだめているのが聞こえた。

とりあえず、二時間ちょいの映画鑑賞はひとまず終えた。
まだ二本借りてきてるけれど、休憩を入れようってことになって、電気をつけて、何か飲む事にした。

⏰:07/09/18 03:22 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#423 [向日葵]
そこでも率先して動いたのは双葉さんだった。
そして静流はそれを手伝う。
私はソファーに座って香月さんさんとさっきの映画の評論をしていた。

「さっきのはいまいちだったー。」

「私も。体きざめばいいってもんじゃないわよね。」

「アハハ。二人ともすごい事言ってる。」

笑いながら双葉さんは静流と双葉さんの分二つを目の前の机に置いた。

「ってかあんなの見てよく平気だよな。」

と静流が私達の分を持ってきて、何故か私と香月さんの間を割ってコップを置いた。

⏰:07/09/18 03:28 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#424 [向日葵]
その行動が妙に気に障って、逆に私はくっついてやった。
不思議そうにする香月さん。

「紅葉、どうかした?」

「え?私何かした?」

しらばっくれて、わざとくっついたと思わせないようにした。

十五分くらいして、また次の映画へと移った。

――――――……

「あー!見終った見終ったぁぁ!」

大きく伸びをする香月さんを見習い、小さくだが私は伸びをした。

「もうこんな時間!」

双葉さんが言ったので、時計を見ると八時半ほどだった。

⏰:07/09/18 03:34 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#425 [向日葵]
「見た後だから帰るの怖い……。」

本当に怖そうな双葉さんを見て、静流が送ると言った。
双葉さんは私と香月さんに別れを告げると帰った。

「じゃあ俺も帰るね。紅葉。」

「はぁ。どうぞ。」

玄関まで見送ろうと下りて、香月さんが靴をはくのを見ていたら、はき終えた香月さんがくるりんと回って私に言った。

「映画、約束ね!」

くしゃって頭を撫でて、香月さんも帰っていった。

そういえば、源さんはどうしただろう。
寝てるのかも。

⏰:07/09/18 03:38 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


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