―温―
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#451 [向日葵]
「気をつけなよ。」

時が穏やかに流れる。

やっぱり私は……香月さんを選ぶべきなのかな……。

カシャン

「ただいま。」

門を開いて、静流が帰ってきた。
世界がまた一変。
何故かピリピリしてる感じがした。

「来てたのか。香月…。」

「あぁ。紅葉に会いになっ。」

⏰:07/09/19 02:55 📱:SO903i 🆔:1oBm0ns6


#452 [向日葵]
更にピリピリ度が増した。

え?何?
この二人ケンカでもしてる訳?

「ちょっと来いよ香月。」

「お?告白かぁ?」

と、ふざけ合ってるようでどこか間合いを取ってる二人は家へと入って行った。
*******************

パタン。

香月を連れ、玄関に入る。階段を上がって、俺らは部屋に入った。

⏰:07/09/19 02:58 📱:SO903i 🆔:1oBm0ns6


#453 [向日葵]
「なんだよ。俺犯されるとか?」

「なぁ香月。」

俺は香月に向き直る。

「俺はやっぱり、双葉が大事だ。紅葉は……違う。」

香月のふざけムードが一気に消える。
「ふぅーん」と言いながら、俺に歩み寄ってきた。
そして目の前でピタッと止まる。

「だったら闘争心むき出しにしてんじゃねぇよ。」

俺は眉を寄せて香月を見つめる。

「その言葉……忘れんなよ。」

⏰:07/09/19 03:10 📱:SO903i 🆔:1oBm0ns6


#454 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/09/19 03:10 📱:SO903i 🆔:1oBm0ns6


#455 [向日葵]
*********************

花壇の水やりを終えた私はリビングに戻っていた。
さっきは花を潤したけど、今度は私の喉を潤したくて水を一杯ゴクゴクと飲んだ。

それにしても、あの二人の険悪なムードは何なんだろうか。

ケンカであるなら早く仲直りするといいんだけど。

といらん心配をしていると、静流の部屋のドアがガチャリと開いた。

あ、部屋にいたのかとイスに座りながら思った。

リビングに顔を出した静流は何だか落ち込んでいた。だから思わず声をかけてしまった。

「そんなにヒドイケンカなの?」

⏰:07/09/21 01:56 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#456 [向日葵]
静流はハッとして私を見ると、苦笑を浮かべながらキッチンへ行って冷蔵庫を開けた。

「ケンカでは……ないんだよなぁー…。」

「ふぅん……?」

冷やした麦茶をコップに注ぎながらも静流は何だか上の空で私の方をぼーっと見ていた。

私は周りに何かあるのかと思い辺りを見回すが、静流の目当ての物と思う物は見当たらなかった。

「なぁ紅葉……。」

「うん?」

「好きって何だと思う?」

――ゴインッ!!

⏰:07/09/21 02:01 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#457 [向日葵]
頭をもろにテーブルにぶつけてしまった。

とうとう静流の頭がおかしくなったんだろうか……。

「彼女いるくせにそんなのもわからないの?」

「うん……。ちょっとさ、今混乱してて……。」

だからって……。
アンタを好きな私に聞くのはそれはなんか……酷じゃないかしら?

「香月さん来てるなら香月さんに聞いてみなさいよ。」

「アイツはお前が好きなんだぞ!」

「――――は?」

キャッチボールが出来てない……。
そして何が言いたいのかも分からない。
ってかなんで静流そんな事知ってんの。

⏰:07/09/21 02:06 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#458 [向日葵]
「なら尚更聞けばいいじゃない。」

「え?……あぁ。そっか。」

あー駄目だ。
私の頭上に今めちゃくちゃハテナが乱舞してる。

何このぐだぐだトーク……。

私がいぶかしんだ顔をしていると、静流はくんでいた麦茶を一気に飲み干す。

「俺さ……。双葉が大事なんだ。」

「……?」

ここで普通は胸が痛む筈……なんだけど、その言葉はまるで自分に言い聞かせてるみたいだった。

⏰:07/09/21 02:10 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#459 [向日葵]
「何?ノロケ?」

「そうじゃなくて……さ。」

静流はキッチンから私の前のイスまで早歩きしてきて座った。
少しテーブルに身を乗り出して、やや興奮気味にまた話だす。

「大事なのに……、他の奴が気になりって……。どういうことだと思う?」

うわぁ。
まさかの好きな人もう一人いる発言。

私双葉さんだけじゃなくてその人に対しても色々堪えなきゃならないの?

⏰:07/09/21 02:15 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#460 [向日葵]
「その人は……どんな人なの?」

半ば投げやりに聞くと、会話が途切れた。

どうしたものかと、呆れてそらしていた視線を静流に戻すと……

――ドクン……

え……?

静流の目が、まっすぐ私を捕えていた。
それも熱く、潤んだ瞳で……。

勘違いしてしまう……。
私の訳がない。
きっと私に似た誰かなのだろう。

……でも。

「どんな……人……?」

⏰:07/09/21 02:19 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


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