―温―
最新 最初 🆕
#456 [向日葵]
静流はハッとして私を見ると、苦笑を浮かべながらキッチンへ行って冷蔵庫を開けた。

「ケンカでは……ないんだよなぁー…。」

「ふぅん……?」

冷やした麦茶をコップに注ぎながらも静流は何だか上の空で私の方をぼーっと見ていた。

私は周りに何かあるのかと思い辺りを見回すが、静流の目当ての物と思う物は見当たらなかった。

「なぁ紅葉……。」

「うん?」

「好きって何だと思う?」

――ゴインッ!!

⏰:07/09/21 02:01 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#457 [向日葵]
頭をもろにテーブルにぶつけてしまった。

とうとう静流の頭がおかしくなったんだろうか……。

「彼女いるくせにそんなのもわからないの?」

「うん……。ちょっとさ、今混乱してて……。」

だからって……。
アンタを好きな私に聞くのはそれはなんか……酷じゃないかしら?

「香月さん来てるなら香月さんに聞いてみなさいよ。」

「アイツはお前が好きなんだぞ!」

「――――は?」

キャッチボールが出来てない……。
そして何が言いたいのかも分からない。
ってかなんで静流そんな事知ってんの。

⏰:07/09/21 02:06 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#458 [向日葵]
「なら尚更聞けばいいじゃない。」

「え?……あぁ。そっか。」

あー駄目だ。
私の頭上に今めちゃくちゃハテナが乱舞してる。

何このぐだぐだトーク……。

私がいぶかしんだ顔をしていると、静流はくんでいた麦茶を一気に飲み干す。

「俺さ……。双葉が大事なんだ。」

「……?」

ここで普通は胸が痛む筈……なんだけど、その言葉はまるで自分に言い聞かせてるみたいだった。

⏰:07/09/21 02:10 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#459 [向日葵]
「何?ノロケ?」

「そうじゃなくて……さ。」

静流はキッチンから私の前のイスまで早歩きしてきて座った。
少しテーブルに身を乗り出して、やや興奮気味にまた話だす。

「大事なのに……、他の奴が気になりって……。どういうことだと思う?」

うわぁ。
まさかの好きな人もう一人いる発言。

私双葉さんだけじゃなくてその人に対しても色々堪えなきゃならないの?

⏰:07/09/21 02:15 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#460 [向日葵]
「その人は……どんな人なの?」

半ば投げやりに聞くと、会話が途切れた。

どうしたものかと、呆れてそらしていた視線を静流に戻すと……

――ドクン……

え……?

静流の目が、まっすぐ私を捕えていた。
それも熱く、潤んだ瞳で……。

勘違いしてしまう……。
私の訳がない。
きっと私に似た誰かなのだろう。

……でも。

「どんな……人……?」

⏰:07/09/21 02:19 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#461 [向日葵]
静流は視線をそのままに、テーブルに頬杖をついてまた話だした。

「危なっかしくて……目が離せない子だよ。」

それを聞いて、私は静流の視線を下を向いて遮る。

私じゃないみたい……。
私そんなドジじゃないし。

「好きって自覚はあるの?」

「いや?その子は妹みたいな存在だから……。」

私の頭の引き出しが整理を始める。

まず、静流には彼女である双葉さんがいる。

⏰:07/09/21 02:24 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#462 [向日葵]
しかし最近出来た気になる人は妹みたいな存在の危なっかい子だ。
しかしそれは未だ恋かどうかは定かではない。

「じゃあやっぱり恋じゃないんじゃない?」

「……うん。俺もそう思いたい。双葉……傷つけたくないし。」

私はため息をついた。

双葉さんは静流が私を気に入ってるなんてよく言えたもんだよ。
静流の頭の中は、双葉さんでいっぱいだ……。

「あ!紅葉!」

「え?」

⏰:07/09/21 02:27 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#463 [向日葵]
「デートしないか?!」

――――……

{ダブルデートォ?!}

受話器から香月さんの声が響く。

只今香月さんと携帯でおしゃべり中なのだ。

「双葉さんが提案者らしいです。」

{めんどくさっ!そんなん言わばアイツらのお守りじゃん。}

そこまで手はかからないと思うけど。

静流は不安且つまだOKもしていない楽しみでありそうな双葉さんを見てどうしても断れなかったらしい。

⏰:07/09/21 02:32 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#464 [向日葵]
はっきし言ってやった。

「知るか。」

と。

{ってかさ、紅葉ちゃんは大丈夫なの?今以上のラブラブな二人を見る事になるよ?}

「途中から別行動すりゃあいいんです。」

じゃないとやってられない。
それでなくても家に来る度胸が痛くて息も出来ないくらいなのに……。

それがデートとなれば、定番であるUFOキャッチャー、プリクラはもちろんの事ボーリングに行けばハイタッチ。服を見れば双葉さんが似合いの服を静流に探すだろう。

⏰:07/09/21 02:37 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


#465 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/09/21 02:37 📱:SO903i 🆔:FFR2DAXk


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194