―温―
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#516 [向日葵]
早打ちでメールを返す。
<昼休みに間に合う様に届けてくんない?!>
送信。
返信はすぐに来た。
<いや。>
超短文。
そりゃ早い訳だ。
「……。」
香月とは……どんなメールしてんだろう。
そんな事を思ってると、本人のお出ましだ。
「おっはよーさん。」
「うす。まだコンタクト無いの?」
:07/09/24 01:34 :SO903i :WTtaMCAA
#517 [向日葵]
香月は頷いた。
そして開けっぱにして机に置いてあった携帯に目をやる。
隠す必要もないが、さりげなくでも慌てながら携帯を隠した。
「メールしてんだ?」
「弁当忘れたって教えてくれただけだ。」
香月は俺の前の席。席に座ってから後ろを向いた。
俺はなんとか紅葉に頼みのメールを送る。
「で?どうなの?」
「何が?」
香月が不機嫌そうに返してきた。
:07/09/24 01:47 :SO903i :WTtaMCAA
#518 [向日葵]
「紅葉は……香月に……メロメロ?」
「ブッ!!」
香月が派手に吹き出した。そっぽを向いて肩を揺らす。
ひとしきり笑ったところで、香月はまた俺の方を向いた。
「そんなんじゃないよ。紅葉は……他に好きな奴いるから。」
「え……。」
「ま、フラレても諦めねーけどな。」
そんな香月の顔は、悲しそうだった……。
:07/09/24 01:51 :SO903i :WTtaMCAA
#519 [向日葵]
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一仕事終えた私はフゥゥ……。と満足の息を吐きながらリビングのフローリングに寝そべった。
「あー疲れた。」
もう11時かぁ……。
午後から何しとこっかな。
ブー ブー
携帯がテーブルと擦れて変な音を立てた。
「また静流?」
お弁当お届けメールの件は私の勝ちで幕を下ろした。でももしかしたらリベンジで送ってきたのかも。
:07/09/24 01:56 :SO903i :WTtaMCAA
#520 [向日葵]
でも私の予想は外れた。
「香月さん?」
<外見て!>
外?
ベランダの戸越しに外を見る。
「え?!」
私は急いで階段を降りた。途中こけそうになって冷や汗をかいたけど、とりあえず外へ出た。
ガチャン!
「何してんの?!」
そこにいたのは、紛れもなく香月さんだった。
:07/09/24 02:04 :SO903i :WTtaMCAA
#521 [向日葵]
香月さんはニヒッと笑ってピースした手を前へ突き出した。
「あーその顔見たかったぁ!」
その顔とは、私のうろたえた顔だ。
だって今は学校の時間。
なのに何故?
「暇だったからさ。遊びに来た。」
「暇っ……て。学校あるじゃないっ。」
「サ・ボ・リ。」
茶目っ気たっぷりな目を光らせて香月さんは言った。
:07/09/24 02:07 :SO903i :WTtaMCAA
#522 [向日葵]
――――
――――
今日はここまでにします
:07/09/24 02:08 :SO903i :WTtaMCAA
#523 [向日葵]
「あがっちゃ駄目?」
可愛らしく首を傾けて聞いてくりその仕草に思わずドキッとしてしまった。
香月さんはじっと見つめてくる。
そんな見つめられたら……困るんですけど。
「いいですけど…ちゃんと学校には帰ってくださ…ヒャッ!!」
家に向かおうと香月さんに背中を向けたら、急に後ろから抱き締められた。
香月さんの頬が、こめかみ辺りに当たる。
「冗談。ここでいいよ。」
耳元で喋る香月さんの吐息が耳に入って、背筋がゾクゾクッとしてしまう。
:07/09/25 01:11 :SO903i :FyVZvjz6
#524 [向日葵]
「ちょ、何っ……?」
「いいじゃん。彼氏なんだし。甘えさせて?」
胸がキュウッと鳴った。
意外に香月さんは美声だ。
頭の中が、おかしくなりそう……。
心臓が徐々に動きを早めた時、香月さんは腕の力を少し入れた。
「なんで黙ってんの?」
さっきより口と耳が近づいたのか、声がやけにダイレクトに響く。
私は無理矢理香月さんをひっぺがして距離をとった。
:07/09/25 01:16 :SO903i :FyVZvjz6
#525 [向日葵]
顔が赤いのは言うまでもない。
「プッ。アハハハハハ!!紅葉かっわいー!!」
「っな!もう!!早く戻りなさいよ!!」
胸元を叩いて帰る様に促す。すると香月さんは「あ。」と何かを思い出した様に言った。
「あのさ、静流の弁当俺が持ってくわ。」
「え。本当?じゃあちょっと待ってて。」
**********************
香月の奴……どこ行ってんだ?
香月の姿が急になくなった。前の席がポカンと空いている。
:07/09/25 01:21 :SO903i :FyVZvjz6
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