〜運命のヒト(2)〜
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#333 [りく☆]
『それが1番の近道かもな……』
オレの言葉に滝沢がゆっくり答えた。それからしばらく誰も口を開かなかった。
ただ各々がそれぞれの思いにふけていた。
『ジィの涙……初めて見たな。ジィも悩んでるだろ……』
:08/08/26 16:40 :SH903i :8upHLEKc
#334 [りく☆]
卓也の事がふと頭に浮かび、思わずそんな言葉がでた。2人とも黙って頷いている。
『卓也…大丈夫だよね』
小声で祥子がぼやいた。そんな祥子に滝沢は、大丈夫に決まってると目で訴えていた。
:08/08/26 16:44 :SH903i :8upHLEKc
#335 [りく☆]
『オレさぁ……部活辞めようと思うんだ。
この時期に辞めるとか迷惑と思うんだけど、こんなに無断で休む方がもっと迷惑かけると思うし。』
考え込んでいた言葉を一気にだすように、滝沢が言った。そんな彼の言葉にオレは頷いた。
:08/08/26 23:36 :SH903i :8upHLEKc
#336 [りく☆]
確かにこんな状態では、他の部員に迷惑だ……
さらに滝沢は言葉を続ける。
『それに、今ある問題に全力を注ぎたいし…。』
オレと祥子は反論することなく滝沢の意見に賛同した。おそらく祥子もオレと同じくジィのあの姿を思いだしたのだろう。
:08/08/26 23:36 :SH903i :8upHLEKc
#337 [りく☆]
ずっと元気ならばそれでぃぃ。しかし、もしもの事があったら後悔したくない。だから卓也の傍にいれるだけいよう。
みんなそう思っているだろう。だから、誰もそれ以上は何も言わなかった。
:08/08/26 23:37 :SH903i :8upHLEKc
#338 [りく☆]
窓の外に目をやった。
綺麗な満月がオレの部屋を照らしているのがわかる。きっと卓也もこの偉大な満月を見ているだろう。卓也はこの満月独りでを見ながら何を思っているのだろうか。彼はまだ、この満月を綺麗と思える心境なのか、それともただの月としてしか見れず違う事を思い悩んでいるのか…気になって仕方がなかった。
:08/08/26 23:37 :SH903i :8upHLEKc
#339 [りく☆]
そんなオレの想いなど知るよしもない満月は、ただ綺麗に光り輝いている。
オレ達はただ……この満月を見ながら卓也の無事を祈ることしかできなかった。
:08/08/26 23:40 :SH903i :8upHLEKc
#340 [りく☆]
次の日、部活の顧問に辞めると話して怒鳴られたのは言うまででもない。顧問はオレ達の担任でもあるため、出席状況や成績なども全て知っている。そのためか、特にオレが1番怒鳴られたきがする。
辞める理由をなかなか話さないオレ達に怒鳴り続けていた担任は、ようやく大きく開けた口をとじ、自分の椅子に腰掛けた。
:08/08/26 23:40 :SH903i :8upHLEKc
#341 [りく☆]
『横井の傍にいてやれ…』
机の上に置かれたプリントを手に取り、担任がいつもの口調で言った。突然言われた言葉に、オレ達は何も答えれずただ立っていた。
:08/08/26 23:41 :SH903i :8upHLEKc
#342 [りく☆]
『オレはお前達の担任であり顧問だぞ、誰と仲がいいかとか、生徒の健康状態とか一応把握しているつもりだ。
しかし、お前達の行動は決して許される訳ではない。どれだけ迷惑をかけることか……。』
そう言うと、担任は手に持っていたプリントを机に置きオレ達をみた。
『だから個人的に言う…
横井の傍に居てやれ。』
:08/08/26 23:41 :SH903i :8upHLEKc
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