〜運命のヒト(2)〜
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#293 [りく☆]
フィルターを噛みながら滝沢が吐き捨てるように言った。
オレも滝沢も祥子も……卓也が無理に元気に振る舞っていることぐらいわかっていた。普段の卓也なら看護婦にあんな態度はまずとらない。
きっと卓也自身も自分の病気の深刻さに気がついているのだろう。
:08/08/23 01:16 :SH903i :dLuGxfF.
#294 [りく☆]
だからその恐怖感から逃れるためにあんな行動をとっているのだ。
オレ達に入院したことを言わなかったのも、卓也自身の気持ちが落ち着いてなかったからだろう。でないと、オレ達の前で弱い自分を見せてしまうから。卓也は昔から自分の弱みを見せるのを嫌うタイプだ。
:08/08/23 01:17 :SH903i :dLuGxfF.
#295 [りく☆]
『多分…卓也が落ち着いたのが最近なんだろうな。だからジィはオレ達を連れてきても大丈夫と判断したんだろう。
それまで独りあの病室で病気に怯えていたのか……』
独りで悩むことがどれだけ辛いか……オレには嫌なくらいわかった。そぉ思いと思わずぼやいてしまった。
:08/08/23 01:17 :SH903i :dLuGxfF.
#296 [りく☆]
『気がついておられましたか…。』
オレと滝沢以外誰もいなかったはずの屋上に、気がつけばジィが立っていた。
『ジィ……いたのかよ』
灰皿に煙草を押し付けながら滝沢が言った。ジィはただ笑いながらオレ達を見ている。
:08/08/23 23:23 :SH903i :dLuGxfF.
#297 [我輩は匿名である]
更新されてて嬉しいです//
これからもがんばって下さい
:08/08/24 01:08 :PC :2Gb.qc0I
#298 [りく☆]
匿名さん
ありがとうございます
更新遅れてますが、読んでくれたら嬉しいです
:08/08/25 16:26 :SH903i :KFcVEDsQ
#299 [りく☆]
『卓也の病気はそんなに深刻なのか…?』
何も語らないジィにオレが問い掛けた。ジィは少し困った様に下を向き、しばらく沈黙を守った。
:08/08/25 16:27 :SH903i :KFcVEDsQ
#300 [りく☆]
『原因不明なんです。
どんな治療をすればよいのか…どんな薬を処方すればよいのか……まだわかっていません。坊ちゃんのお父様がアメリカに行ったのも、すべては治療方法を見つけるため……』
下を向いたままゆっくりジィが語った。オレ達はただジィを見ながら黙って聞いていた。
:08/08/25 16:27 :SH903i :KFcVEDsQ
#301 [りく☆]
『しかし、結局治療方法は見つかりませんでした。
そして坊ちゃんの「最後はあいつらと一緒がいい」という強い要望により日本に戻ってきたのです。
まさかこの私より先に……坊ちゃんが……』
倒れる様に膝をつき、ジィは肩を震わしていた。そんなジィの様子から、卓也の病気の深刻さなどすぐに読み取れた。
:08/08/25 16:28 :SH903i :KFcVEDsQ
#302 [りく☆]
『まだ……わかんないんだろ?もしかしたら治るかもしれないだろ?
ジィが……そんな弱気になるなよ!!卓也が死ぬなんて、ありえねぇだろ!!』
涙を堪えながら滝沢が言った。ジィの言葉を信じたくない一心での発言だろう。
:08/08/25 16:28 :SH903i :KFcVEDsQ
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