.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#23 [ぱる.。+]
「キャ―――――!?」
私、繭は落ちていました。
おばあちゃんは言っていた。「草村が少しある」と。
でもね、少し歩いただけで崖なんて…―
私の意識は、飛びました。あぁ、死ぬのかな、私。
けれど思うは貴方のこと。
―死のハードル高すぎですよ神様…。
せめて、生かして下さいよぉ…
:07/10/09 02:11
:SH903i
:JE1I2vBk
#24 [ぱる.。+]
「…………。」
気が付くと川でもなく、御花畑でもなく、古ぼけた家の中に居た。
申し訳なさそうに上にかかる布、何処からか撫でる風が心地よい。
「…死、んだわけじゃない…?」
むくりと起き上がろうとした時である。
右足に激痛。
「………痛ァッ!!!!」
:07/10/09 22:21
:SH903i
:JE1I2vBk
#25 [ぱる.。+]
―…考えてみれば。
私は崖から転落した訳だから当たり前と言えば、当たり前、か。
というか、足以外今の所すべて無傷なのは、殆ど奇跡ではないか…?
私は、痛みを堪えゆっくりと起き上がり、足を見る。
「………」
丁寧に、日本手ぬぐいのような布で止血がしてある。…木の枝で固定もしてある。
:07/10/11 00:11
:SH903i
:ajRZbal2
#26 [ぱる.。+]
間違いなく、誰かが手当てをしてくれた跡だ。
「崖の下の、村の人かな…」
繭は、とりあえずまた横になる。
…待っていれば、家の主が帰ってくるだろうし、家に通る風は眠気を誘う。
繭は静かに、ゆっくりと意識を落としていった。
:07/10/11 00:16
:SH903i
:ajRZbal2
#27 [ぱる.。+]
・
◇
・
気付けば、烏が鳴き交わしていて、空はオレンジ色に輝いている。
ふと、家の中に目をやれば、和服の人が囲炉裏の前に座っている。
「……あ、の…」
私が呼ぶ声と同時に、人は振り返った。
…同じ歳位の男の子だろうか、彼はこちらに歩みよる。
:07/10/11 00:20
:SH903i
:ajRZbal2
#28 [ぱる.。+]
「…起きたか」
その男は、目が鋭い…言えば目つきの悪そうな、すこし背の低めの人だった。
私は問い掛けに小さく頷く。
「二日寝てたんだ、あんたは。…今、雑炊は食えるか?」
また私は、小さく頷くが慌てて聞く。
「あ、あの、」
:07/10/11 00:23
:SH903i
:ajRZbal2
#29 [ぱる.。+]
「何?」
チラりとこちらを向かれる。
「や…。ありがとう…」
「……。」
……何故無言!!!!!
やりにくい、助けてくれたのはありがとうですが、やりにくい……!
しばらくすれば、お雑炊をこちらに持って来た。
:07/10/12 07:20
:SH903i
:W00sXFiA
#30 [ぱる.。+]
中を箸で混ぜてみる。
お湯が多く、米らしいものが入っていない...。
アワ、ヒエというもの、みたいな感じ。
おばあちゃんの近所は貧困に悩んでいるのか..。
試しに口に運ぶ。
味付けは、シンプルに塩。
「……。」
正直に、まずい。
:07/10/13 08:05
:SH903i
:Hv.9eWTE
#31 [ぱる.。+]
繭はそれを口に流し込み、とりあえずお礼。
「助けてくれて、ありがとう…ございます…。」
すると目つきの悪い人は繭の隣に座り、ため息を付きつつ言った。
「さっき、聞いた。…それとさ、お前、服買わない?」
「え?」
私は、ふと自分の服を見る。…折角、おばあちゃんが着せてくれたのに、ボロボロだ。
:07/10/14 20:08
:SH903i
:af55k7C2
#32 [ぱる.。+]
「え、あ、」
「…じゃあ、待ってろ。」
繭は呆気にとられるだけだ。
目つきの悪い人は、表に出ていってしまった。
「…………あの-…」
繭の小さな声は、木造の建物が吸い込んでいった。
:07/10/14 20:16
:SH903i
:af55k7C2
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