.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#31 [ぱる.。+]
繭はそれを口に流し込み、とりあえずお礼。
「助けてくれて、ありがとう…ございます…。」
すると目つきの悪い人は繭の隣に座り、ため息を付きつつ言った。
「さっき、聞いた。…それとさ、お前、服買わない?」
「え?」
私は、ふと自分の服を見る。…折角、おばあちゃんが着せてくれたのに、ボロボロだ。
:07/10/14 20:08 :SH903i :af55k7C2
#32 [ぱる.。+]
「え、あ、」
「…じゃあ、待ってろ。」
繭は呆気にとられるだけだ。
目つきの悪い人は、表に出ていってしまった。
「…………あの-…」
繭の小さな声は、木造の建物が吸い込んでいった。
:07/10/14 20:16 :SH903i :af55k7C2
#33 [ぱる.。+]
「折角おばあちゃんに借りたのにな…」
改めて服を見ると、崖から転落しただけあって結構ボロボロであった。
借り物をこんなにしてしまうなんて、さすがに罪悪感を感じる。
ただ、そんな中でも自分の命が助かったのは奇跡的だったのではと思う。
:07/10/23 12:53 :SH903i :i/kZHN5c
#34 [ぱる.。+]
ふと、部屋の隅に目をやれば、自分の和柄の鞄が置いてあった。
自分と一緒にあの人が持って来てくれたんだろう。
中身を確認するべく、繭は這いながら鞄に手をやる。
携帯とその電池パックは鞄の中で分列されていて、眼鏡は割れていて。
転落の衝撃の強さを物語っている。
:07/10/23 12:58 :SH903i :i/kZHN5c
#35 [ぱる.。+]
おまけにお財布も小銭口が空いているものだから、鞄の中身は散らかっている。
仕方なく繭は、鞄の整理に取り掛かった。
「携帯無事かなぁ……」
財布の中に小銭をしまい込み、眼鏡の破片などは仕方なく眼鏡ケースに保管。
携帯の電池を入れて、電源ボタンを押す。
「…………駄目か…」
:07/10/23 13:03 :SH903i :i/kZHN5c
#36 [ぱる.。+]
さすがに携帯は死んだらしくて、仕方なく繭は携帯を鞄にしまい込む。
それからは相当に暇で、ただ部屋を流れる風は気持ちがよくて。
繭はまた、しばしの眠りに落ちるのであった。
:07/10/23 13:07 :SH903i :i/kZHN5c
#37 [ぱる.。+]
「……い、おい〜…」
聞き覚えの無いその声で目が覚めると、鋭い目がまず先に視界に入る。
そこで、あぁそういえば私は看病されてたんだっけと繭は思い出す。
「あ、寝てましたか私…」
そう言い上半身を起こすが早いか、目の前に見えるのは薄紅色の和服。
:07/10/23 13:13 :SH903i :i/kZHN5c
#38 [ぱる.。+]
「…あ、これ……」
本当に、この人は和服を買ってきた、ようだ。
着れるか?と聞いてくる彼に私は、
着れないっていったら着替えさせちゃうのかよ、
とか、少し余裕をこきながら、着れますと答えた。
すると、彼は外へと出ていってくれた。
気を利かせてくれたのだろう。
:07/10/23 23:22 :SH903i :i/kZHN5c
#39 [ぱる.。+]
突然ながらお知らせ。
この度、ハンネを変えます。
ぱる.。+ → 桔妁(きなこ)
理由は、新しくはじめたHP
でのハンネに合わせようと
思う、という勝手事ですが、
どうか
これからもお願いします。
:07/10/23 23:27 :SH903i :i/kZHN5c
#40 [桔妁]
私は今寝転がっていた、一段高いところに座り、和服を着替えた。
座って、地に触れる足の鼓動が痛い。
(そういえば、こんなん買ってもらって、しかも初対面で……悪い、よね…?)
しっかり着替えてからそれを思う私は馬鹿だと思うが。
「着替えたか?」
しばらくすると、彼が入って来た。…そういえば、彼、彼と呼んでいて名前も知らない。
:07/10/23 23:32 :SH903i :i/kZHN5c
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