.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#102 [桔妁]
 
「私、雪と申します。このような職についている故に、友が居なくて…私も、嬉しいです。」

「お雪、よかったなァ!繭はすごくやさしいぞ!!……と、今日は帰らねば…。」

さっき会ったばかりなのに、いきなり別れを言われた。
まだ天弥も居ないのに、この人は何をしに此処へ来たんだろうか…。

「ん?わしは今日、届けものをしただけじゃ。…じゃ、今から仕事だし、行く。」

⏰:07/12/19 16:34 📱:SH903i 🆔:Anl.jzJU


#103 [桔妁]
 
「お届けもの?」

すると、なにやら頼仲はドキッとしている。私にばれてはいけなかったかのように。

「ま、まァそれは天弥に聞けばいい。わしらは行く!じゃあな!」

「あっ、では、また…」

私が首を傾けて考える間に、二人は出ていってしまった。

「何だ、あの人……まぁ、お雪と友達になれたし…ま、いっか-♪」

⏰:07/12/19 16:39 📱:SH903i 🆔:Anl.jzJU


#104 [桔妁]
 

 時計もない部屋の中、風もない村は、静かだった。

自分の心臓の音が聞こえる位…。

「天弥は何やってんだろ……遅いな-っ……」

退屈と空腹に痺れを切らした私は、外に出た。近くまで天弥をお迎えしようと思って。

――ガサガサッ

「はひ!?」

暗い道を歩いていると、いかにも…のような音がした。

⏰:07/12/19 16:43 📱:SH903i 🆔:Anl.jzJU


#105 [桔妁]
 
「…だ、だれですかァ!!」

裏返った声で聞くと、帰って来た声の主は、意外な人だった。

「怪しいモンじゃね-よ。」


「…天、弥?」

「その声、繭!?ちょ、ま、お前、こっちにくるなよ!!」

「…?うん?」

立ちションでもしてるのかな…。そりゃあ見られたくもないでしょうが……

⏰:07/12/19 16:46 📱:SH903i 🆔:Anl.jzJU


#106 [桔妁]
 
「なんで繭が此処に居るんだ?」

草村から出てきたのは、泥だらけの天弥。

「や、暇だったから天弥のお迎えを…ていうかなんで天弥は泥だら

馬鹿!

「は!?」

⏰:07/12/19 16:48 📱:SH903i 🆔:Anl.jzJU


#107 [桔妁]
 
助けに来てやったのに馬鹿呼ばわりですか、私…

「夜道に女一人は危険だろ!?」

何を言い出すかこの男。…そりゃあ街灯もない暗い道だけど……そんな、馬鹿って…

「背ぇ低いから、説得力ない…。むしろ、天弥のほうが危ないよ?(笑」

思わず、(笑)を使ってしまうほど、にやけずにはいられなかった。

⏰:07/12/19 16:52 📱:SH903i 🆔:Anl.jzJU


#108 [桔妁]
 
「そ-じゃね-よ……。ま、いいけどさ…んじゃ帰っか。」

何か、隠しているような気がした。女の勘ってやつでそれは不確かだけれども、そんな感じがした。


「…あ-あ……帰る帰るって…私達の帰るところって、どこなんだろう…」

不意に口をついて出た言葉は、夜の闇に溶けた。

冷たい木枯らしが吹いていた。

⏰:07/12/22 23:01 📱:SH903i 🆔:o7i/uv3A


#109 [桔妁]
 
「…あ、そ-いえば…頼仲くんがお届け物を天弥に渡したらしいよね?あれ、何?」

夜道歩いている時に、先程のことを思い出した。

「ん?………あ、あれ…?あれ…まァ何でもいいじゃね-か!」

こいつ、また隠しているな……と、これも女の勘ですが…。



 ――繭が届け物の中身を知るのはこれから少し、先のこと…。

⏰:07/12/22 23:08 📱:SH903i 🆔:o7i/uv3A


#110 [桔妁]
 


――約2週間後―

秋の紅葉は、本当にあっという間だった。

今は、どの葉も散ろうとしている。


そして繭のバイトの腕もあがって、さらに茶屋小町と呼ばれて、それはそれはモテていた。


「お繭、今晩一緒に町で呑まねェかい?」

⏰:07/12/22 23:13 📱:SH903i 🆔:o7i/uv3A


#111 [桔妁]
 
「や、や…私のような身分では-…」

言い寄るのは親父ばかり…。かわすのにも一苦労と言ったところだ。

(どこの時代もおじさんってエロいなぁ…)

うまくかわしたつもりでも、ボディタッチしてくる客もいる。

お店間違えてるのではないでしょうか……

「ちょ、やめ

「オイコラそこのおじさん!!」

⏰:07/12/22 23:16 📱:SH903i 🆔:o7i/uv3A


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