.。改]恋愛成就の洞窟で。.
最新 最初 全 ![🆕](http://img.ryne.jp/emoji/63874.gif)
#153 [桔妁]
お前に幸せなどはない。
ささやかな自分の幸せさえも犠牲にしなくては、この職業はままならない。
でなければ、迷い死ぬ。
ただ頼まれた通りに、どんな奴らだろうと殺す…
それが"天弥"の新しい生き方であり、きれいごとに染まる事はもうできない、と。
過酷な生活の中で生き残るためには、リスクを背負わなくてはならないのだ、と。
:07/12/25 21:55
:SH903i
:ooso8LXg
#154 [桔妁]
生活のために、ささいな幸せを、明け渡したのだ。
父も母も兄弟も友達も諦めた。
もう、自分が生きる事に全てを捧げようとした。
"神隠し"。
神がそう自分を定めたのは何故だろう。なぜ自分が。
通常の居るべき次元から離されて、そこに生きていたという跡を消された。
なら、ここで作ろう。自分は此処に居たのだと。
:07/12/25 22:03
:SH903i
:ooso8LXg
#155 [桔妁]
たしかに自分は存在していたと、たくさんの魂にしらしめる。
間違いだ、分かっているのに。
過去に来た自分、此処に居る自分を認められない。
もはや自分が何なのかと、わからない。
だから、そうするしかない。
例え、嫌われても、かけがえのない者の前で血が舞おうとも。
:07/12/25 22:09
:SH903i
:ooso8LXg
#156 [桔妁]
―――――
――
―
「……?」
ざわざわと、周りがうるさい。これが目が覚めた時の印象だ。
そして、暗い部屋のひんやりとした土の上に座っているような感覚で、なおかつ腕は縛られていた。
「なんでこんな…確か…」
そう、この場は間違いなく、天弥が読んだ場所である。
:07/12/25 22:40
:SH903i
:ooso8LXg
#157 [桔妁]
「ナギさん……」
そうだ。ナギさんの小屋に入ったら…
意識がなくなったんだ…。
(腕が拘束されてるのは気分悪いなぁ…。
ていうかまさか……ナギさんが私を…?)
過去に来たんだから、ある程度の変な出来事は想定していたが…
:07/12/25 22:47
:SH903i
:ooso8LXg
#158 [桔妁]
まさか、絶対いい人だと思ってた人がこんなことを……
っていうか結んで何しようとしてるの!?
繭が余裕をこいてめくるめく妄想をしていると、左側が明るくなった。
扉が開いたようだ。
:07/12/25 22:51
:SH903i
:ooso8LXg
#159 [桔妁]
「目が、覚めたようだね?」
一瞬眩しくて分からなかったが、確かに早…じゃなくて、ナギさんだった。
「ナギさん、あのこれ…」
聞こうとした瞬間だった。
ナギさんの両脇から二人の男が現れた。
「出せ。」
二人の男に命じたナギさんは、一足先に部屋を出た。
:07/12/25 22:55
:SH903i
:ooso8LXg
#160 [桔妁]
一抹の不安を感じずには……?
いいえ一抹なんて、そんな小さくない。
本能が、第六感が…?
分からないけれど。
私からは、汗が一滴垂れた。…じめじめした涼しい空間なのに……。
:07/12/25 22:58
:SH903i
:ooso8LXg
#161 [桔妁]
部屋の外も、薄暗い部屋だった。…言うなれば地下室。
「今日、皆に集まっていただいたのは他でもない。」
二人の男に取り押さえられていた私には、いつの間にか猿轡がされていた。
つまり何も喋れず、何事かと聞く事もできない。
そのうちに、上擦った声のナギさんが話し始める。
「今日は、私自らが出向いて会得した代物だ。」
(何……?)
二人の男たちを見ると、ニヤッと笑っている。
:07/12/26 22:44
:SH903i
:TpUAuREM
#162 [桔妁]
「さぁ、大判三枚との交換だ!」
(…大判三枚……?)
皆、一様に息を呑むのが聞こえた。
今まで意識に止めなかったが、部屋には所狭しと目つきの悪そうな男が居る。
(どういう、こと……)
拘束されて、訳のわからない所に連れられて、あやしいおじさん達が居るのだ。
いいところではないだろう。
:07/12/26 23:02
:SH903i
:TpUAuREM
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194